『漢書』を出典とする四字熟語 — 180 件
『漢書』(かんじょ)を出典とする四字熟語を一覧で紹介します。各四字熟語の読み方・意味もあわせて確認できます。全180件を五十音順に掲載しています。
四字熟語一覧(五十音順)
悪不忍聞(あくふにんぶん)「王莽伝」
この上なく非道な行いなので、聞いてはいられないということ。 中国の前漢の時代末期に、王莽が王位を簒奪したことに対して、後漢の歴史家の班固が罵って言った言葉から。 「悪、聞くに忍ばず」とも読む。
阿保之功(あほのこう)「宣帝紀」
子供を育て上げた功績。 貴族などの、高い身分の人の子の子守りをする人の功績をいう。 「阿保」は子供を危険から守ったり、一緒に遊んだりすること。
阿諛曲従(あゆきょくしょう)「匡衡伝」
相手に気に入られようとして、相手の言うことを何でもきいて機嫌をとること。または、そのための言動。 「阿諛」は気に入られようと振る舞う。 「曲従」は気に入られるために、自分の意思を曲げてまでして従う。
阿諛追従(あゆついしょう)「匡衡伝」
相手に気に入られるために、お世辞を言ったり相手の言うことに従ったりして機嫌を取ること。 「阿諛」は気に入られるために機嫌を取ること。 「追従」は逆らわず言うとおりに従うこと。
安居楽業(あんきょらくぎょう)「貨殖伝」
今の地位や立場などに満足して、楽しみながら仕事をすること。 または、よい政治が行われ、人々の生活が安定していること。 「居に安んじ、業(ぎょう)を楽しむ」とも、「安居(あんきょ)して業(ぎょう)を楽しむ」とも読む。
安車蒲輪(あんしゃほりん)「儒林伝・申公伝」
老人をいたわり、丁重にもてなすこと。 「安車」は老人や妊婦が座れるように仕立てられた小車のこと。 「蒲輪」は蒲の穂で車輪を包み、振動を抑えて乗り心地をよくしたもの。
安如泰山(あんじょたいざん)「厳助伝」
物事が安定していて揺るがないこと。 「泰山」は中国にある山の名前。 泰山のように安定しているということから。 「安(やす)きこと泰山(たいざん)の如(ごと)し」とも読む。
按図索驥(あんずさくき)「梅福伝」
実際には役に立たない意見ややり方のたとえ。 名馬を絵や書物の知識だけで見つけようとする意から。 「図を按(あん)じて驥(き)を索(もと)む」とも読む。
按図索駿(あんずさくしゅん)「梅福伝」
実際には役に立たない意見や考えのたとえ。 また、決まったやり方にこだわり融通のきかないことのたとえ。 名馬を絵や書物の知識のみから見つけようとする意から。
安土重遷(あんどじゅうせん)「元帝紀」
生まれ故郷から離れようとしないこと。 「安土」は故郷に満足すること。 「重遷」は離れることを恐れるという意味。 「土に安んじて遷(せん)を重(はばか)る」とも読む。
帷幄之臣(いあくのしん)「張良伝」
参謀や軍師など、指揮官に付き従って作戦を練る部下のこと。 「帷」は垂れ幕「幄」は引き幕のこと。 昔の陣営は幕をめぐらしたことから作戦を練る場所、本陣や本営、軍部の意味。
易如反掌(いじょはんしょう)「枚乗伝」
物事を簡単に成し遂げることができること。 手の平を返す程度の難易度ということから。 「易(やす)きこと掌(たなごころ)を反すが如(ごと)し」とも読む。
衣帯不解(いたいふかい)「王莽伝」
他のことを忘れるほど、あることに集中すること。 「衣帯」は着物と帯のこと。 衣服も着替えず、不眠不休で仕事に取り組むことから。 「衣帯(いたい)を解かず」とも読む。 「不解衣帯」ともいう。
一丘一壑(いっきゅういちがく)「叙伝」
俗世から離れ、自然の中に身をおき、風流をたのしむこと。 「一」は、”あるときは”という意味。 「丘」はおかのこと。 「壑」は谷のこと。
一丘之貉(いっきゅうのかく)「楊惲伝」
同じ仲間、似たようなもののたとえ。 または、同類の悪者のたとえ。 同じ丘に住む貉ということから。
一顧傾城(いっこけいせい)「外戚伝」
絶世の美女のこと。 「一顧」はちらりと一度振り返ること。 「傾城」は城が傾くこと。 美女が一度ちらりとみるだけで町中の男たちが夢中になり、君主までもがそれに溺れ政治を投げ出してしまうということから。
帷薄不修(いはくふしゅう)「賈誼伝」
男女関係がだらしないことのたとえ。 「帷薄」は寝室を囲っているしきり。 寝室を整える暇もないということから。 高位の人の淫らな行為を遠回しに言う言葉。 「帷薄(いはく)修(おさ)まらず」とも読む。
以蠡測海(いれいそくかい)「東方朔伝」
浅い考えで大きな物事を推測することのたとえ。または、見識が狭いことのたとえ。 「蠡」は植物のひょうたん。 ひょうたんで一度海水を汲んで、その量から海の大きさを推測するという意味から。 「蠡(れい)を以(もっ)て海(うみ)を測る」とも読む。
羽翮飛肉(うかくひにく)「景十三王伝・中山靖王劉勝伝」
力の小さいものでも多くのものが集まれば大きな力になるということのたとえ。 「翮」は羽の太い軸や羽の根本のことから、羽のたとえ。 「飛肉」は鳥の肉体を飛ばすこと。 多くの羽を使うことで、鳥は飛ぶことができるという意味から。 「羽翮(うかく)、肉を飛ばす」とも読む。
于公高門(うこうこうもん)「于定国伝」
人知れず善行を積んだ家の子孫は繁栄することのたとえ。 「于公」は人物名で、漢代に丞相になった于定国の父のこと。 于公は裁判官として公平に裁判を処理して、ひそかに善行を積んでいた。 彼の住む村の門を修理するときに、人知れず善行を積む家の子孫は出世して繁栄するだろうと、門を広大に作った故事から。
雨水亡氷(うすいぼうひょう)「武帝紀」
寒くない冬。暖冬。 「水」は雨のこと。 雪は降らずに雨が降って、氷が張らないことから。 「水(みず)雨(ふ)り氷(こおり)亡(な)し」とも読む。
王佐之才(おうさのさい)「董仲舒伝・賛」
君主を助けて国を治めるだけの、すぐれた才能。また、その才能をもつ人。 「王佐」は王を補佐すること。 漢の劉向が董仲舒を評して、王を助けるだけの才があると言ったことによる。
横草之功(おうそうのこう)「終軍伝」
とても簡単なこと、または少しの功績や功労のたとえ。 「横草」は草を踏んで横に倒すという意味。
温慈恵和(おんじけいか)「刑法志」
優しく憐れみ深く、恵み大切にすること。 「恵和」は「けいわ」とも読む。
魁塁之士(かいるいのし)「鮑宣伝」
立派な体格をした人のこと。 「魁塁」は他よりすぐれてたくましいこと。
赫赫之名(かくかくのな)「何武伝」
素晴らしい評判。 「赫赫」は光り輝く様子のこと。 「名」は名声。 光り輝く名声という意味から。
寡見少聞(かけんしょうぶん)「匡衡伝」
知識や経験が少ないこと。 または、世間のことを知らないこと。 「寡」と「少」はどちらも少ないという意味。 自分のことを謙遜していう言葉。 「寡聞少見」ともいう。
夏侯拾芥(かこうしゅうかい)「夏侯勝伝」
学問を修めることは大切なことであるということ。 「夏侯」は中国の漢の儒学者の夏侯勝のこと。 「拾芥」は地面に落ちているごみを拾うという意味から、簡単に手に入るということのたとえ。 夏侯勝は講義を行うたびに、学問をしっかりと修めてさえいれば、官職を得ることは道のごみを拾うくらいに簡単なことだと言い聞かせていたという故事から。 「夏侯(かこう)芥(あくた)を拾う」とも読む。
禍生有胎(かしょうゆうたい)「枚乗伝」
災難には前触れがあるということ。 「胎」は兆し、前触れ。 「禍(わざわい)の生(しょう)ずるは胎(たい)有(あ)り」とも読む。
寡二少双(かじしょうそう)「吾丘寿王伝」
匹敵する者がいないこと。 「寡二」は二つは存在しない、唯一。 「少双」は匹敵するものが存在しないということ。 似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
禍福糾纆(かふくきゅうぼく)「賈誼伝」
不運と幸運は、より合わせた縄のように互い違いに訪れるということ。 また、より合わせた縄のように交互に絡み合い表裏をなしているということ。 「禍福」は、不運と幸運。 「糾纆」は、より合わせた縄。 「禍福は糾(あざな)える縄の如し」の形で用いることが多い。
葭莩之親(かふのしん)「中山靖王劉勝伝」
繋がりの薄い、遠い親戚。 「葭莩」は葦(あし)の茎の内側の薄い膜のことで、厚さが薄いもののたとえ。 「親」は血の繫がりのある人。親族。親戚。
観闕之誅(かんけつのちゅう)「王尊伝」
不正を行った臣下をとがめて処刑すること。 「観闕」は宮殿などの左右にある大きな物見台。 「誅」は罪を非難して処刑すること。または、罪を厳しく非難すること。 中国の春秋時代、魯の国の大夫(たいふ)である少正卯(しょうせいぼう)は不正を行ったために、孔子によって観闕で処刑されたという故事から。
寛仁大度(かんじんたいど)「高帝紀」
心が広くて、度量が大きく、慈悲深いこと。 「寛仁」は慈悲深く、心が広いこと。 「大度」は度量が大きいこと。
銜尾相随(かんびそうずい)「匈奴伝」
一列に連なって、切れ目なく進む様子。 「銜尾」は後ろの馬が前の馬の尾を口にくわえること。 「相随」は前のものについていくこと。 狭く険しい山道などで、まるで前の馬の尾を後ろの馬が口にくわえるように、一列に連なって進むという意味から。 「銜尾(かんび)相随(あいしたが)う」とも読む。
勧百諷一(かんぴゃくふういつ)「司馬相如伝・賛」
役に立ったり利益になることがあまりなく、悪影響を与えたり損害になったりすることのほうが多いこと。 言葉や文章についていう言葉。 元は百の贅沢を勧めて、一の節約をするということを遠回しに諫(いさ)めた言葉。 「百(ひゃく)を勧(すす)めて一(いつ)を諷(ふう)す」とも読む。
干名采誉(かんめいさいよ)「終軍伝」
名誉を求め続けること。 「干」は求めること。 「采」は取ること。 節操なく名誉を求め続ける人を蔑んで言う言葉。 「名(な)を干(もと)め誉(ほま)れを采(と)る」とも読む。
外巧内嫉(がいこうないしつ)
見た目はわからないようにしているが、心の中ではねたんでいること。 「外巧」は外見をうまく飾る、「内嫉」は心の中でねたむということ。
街談巷語(がいだんこうご)「芸文志」
世間のうわさ話のこと。 「街談」と「巷語」はどちらもうわさ話のこと。 同じ意味の言葉を重ねて強調した語。
街談巷説(がいだんこうせつ)「芸文志」
世間で流れている何の根拠もない噂のこと。 「街談」と「巷説」はどちらも町中で出回っている噂話のことで、同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
紈袴子弟(がんこしてい)「叙伝」
高価な衣服を身に着けた貴族の子弟。 「紈袴」は白い練絹の袴のことで、昔の中国の貴族の子どもが着ていたもの。 「子弟」は地位や身分の高い家の子ども。
跂行喙息(きこうかいそく)「公孫弘伝」
主に虫や鳥の類のことで、生き物のそのもののこと。 「跂行」は虫などがはうことや足で歩くこと。 「喙息」は口で息をするものということから。
綺襦紈袴(きじゅがんこ)「叙伝・上」
裕福で地位や身分の高い家の若者のこと。 「綺襦」はあや織りの美しい絹で織られた、腰辺りまでの長さの服。または、その絹で織られた肌着。 「紈袴」は練り絹で織られたももひき、または、はかま。 どちらも高価な衣服で、その衣服を着ることのできる身分の人のことから。
乞食飯牛(きっしょくはんぎゅう)「鄒陽伝」
低い身分のたとえ。 または、低い身分から出世すること。 「乞食」は他人に食べ物を乞うこと。 「飯牛」は牛車の牛の世話をすることで、低い身分のたとえ。 中国の春秋時代の百里奚は、食べ物を乞いながら旅をしていたが、国政を任せられるまで出世し、甯戚は牛車の牛の世話をしているときに口ずさんだ歌が気に入られ、大夫に出世したという故事から。
寄田仰穀(きでんぎょうこく)「西域伝」
他国の田畑を借りて農耕をして、近くの国の穀物を頼りにすること。 「寄田」は他国の田畑を借りて農耕をすること。 「仰穀」は他国で生産された穀物を頼ること。 食糧を自分たちで生産できない様子を言い表す言葉。
九牛一毛(きゅうぎゅうのいちもう)司馬遷「報任少卿書」
たくさんある中のほんの少しの部分。 または、どうでもいい、些細なこと。 「九」は数が多いことのたとえ。 多くの牛がいる中の一頭の牛の毛の一本ということから。
驕兵必敗(きょうへいひっぱい)「魏相伝」
敵を侮って、うぬぼれた軍隊は確実に敗北するということ。 「驕兵」は国力や数が多いことに慢心している軍隊。 「驕兵(きょうへい)は必ず敗(やぶ)る」とも読む。
据旧鑑新(きょきゅうかんしん)「武帝紀」
以前のものを参考にして、新たなものの善し悪しを見分けること。 「旧(ふる)きを据(す)えて新しきを鑑(かんが)む」とも読む。
曲突徙薪(きょくとつししん)「霍光伝」
未然に災難を防ぐこと。 「突」は煙突のこと。 「徙」は移すこと。場所を変えること。 かまどの煙突の近くに薪(まき)を積んでいては火事になるので、煙突を安全な方向に曲げ、薪をかまどから離れた場所に移動して火事を防ぐことから。 「徙薪曲突」ともいう。
挙措動作(きょそどうさ)「匡衡伝」
日常で行う動作の身のこなし。立ち居振る舞い。 「挙措」は身のこなしのこと。
耆老久次(きろうきゅうじ)「揚雄伝・賛」
年老いるまで昇進せずに、同じ官職でいること。 「耆老」は年をとること。 「久次」は長い期間昇進しないこと。
金城湯池(きんじょうとうち)
守りに優れていて、他からの攻めに非常に強い城のこと。 または、防備がしっかりしていて、簡単に入り込めない勢力範囲のこと。 「金城」は金属で作られた城壁のこと。 「湯池」は熱湯が張られている堀のこと。 一般的な土や石で作られた城壁と水が張られている堀をさらに侵入しにくくしたもの。
金石之交(きんせきのまじわり)「韓信伝」
どれだけの時間がたっても変わることの無い、かたい友情のこと。 「金石」は非常に硬いということから、永遠に変わらないものの象徴。
狗馬之心(くばのこころ)「汲黯伝」
地位が上の者への忠誠心、誠意のこと。 「狗馬」は犬と馬のことで、犬や馬のように恩を忘れず主人に仕えて、少しずつでも恩返しをするという意味。 君主に対する自分の忠誠を自らを卑下していう言葉。
繋影捕風(けいえいほふう)「郊祀志」
話や物事にまとまりがないことのたとえ。 影をつなぎとめて、風を捕まえることで、不可能なことという意味から。
傾国美女(けいこくのびじょ)「外戚伝」
「傾国」は国を傾け滅ぼすという意味で、国政をないがしろにするほど君主が心を引かれるほどの絶世の美女のこと。
傾国美人(けいこくびじん)「外戚伝」
「傾国」は国を傾け滅ぼすという意味で、国政をないがしろにするほど君主が心を引かれるほどの絶世の美人のこと。
傾城傾国(けいせいけいこく)「外戚伝」
絶世の美女のたとえ。 容姿の美しさで人の心が魅了されて、城や国が傾いて滅びてしまうという意味から。 「傾国傾城」ともいう。
繋風捕影(けいふうほえい)「郊祀志」
話や物事にまとまりがないことのたとえ。 風をつなぎとめて、影を捕まえることは不可能なことという意味から。 「風を繋(つな)ぎ影を捕(と)らう」とも読む。 「係風捕影」とも書く。
譎詭不経(けっきふけい)「王尊伝・賛」
大げさなことばかり言って人を騙し、道理に背くこと。 または、人を騙す道理に合わない言葉。 「譎詭」は不思議なこと。 「不経」は道理に合わないこと。
剣抜弩張(けんばつどちょう)「王莽伝・下」
戦闘が始まる直前のような緊張した状況のこと。 または、書道で筆勢に激しい気迫がこもっていることのたとえ。 剣を鞘(さや)から抜いて、石弓に矢をつがえて弦を引くことから。 「弩」は矢や石を飛ばすことのできる機械、石弓。 「張」は弦を引いて張ること。 「弩張剣抜」ともいう。
犬馬之歯(けんばのよわい)「趙充国伝」
自分の年齢を謙遜していう言葉。 「歯」は年齢のこと。 動物の犬や馬のように、大きな功績を残すこともなく、無駄に歳をとったということから。
賢良方正(けんりょうほうせい)「董仲舒伝」
賢くて行いが正しいということ。 または、中国の漢や唐の時代以降に行われた、官吏を登用するときの試験の科目の名前。 「賢良」は賢くて素直なこと。 「方正」は行いが正しいという意味。
原心定罪(げんしんていざい)「薛宣伝」
罪の動機や心の状態をしっかりと考慮した上で罪状を定めること。 「心(こころ)を原(たず)ねて罪(つみ)を定(さだ)む」とも読む。
口尚乳臭(こうしょうにゅうしゅう)「高祖紀」
経験が足りずに未熟で世の中のことを知らない若者のこと。 若者をののしる言葉で、口がまだ乳臭いという意味から。 「口(くち)尚(なお)乳(ちち)臭し」とも読む。
苟且偸安(こうしょとうあん)「宣帝紀」
将来のことを考えず、一時の楽に逃げること。 「苟」と「且」はどちらもいい加減に物事を扱うこと。 「偸安」は目の前にある楽なことだけを楽しむこと。 「苟偸」と略す言葉。
鴻漸之翼(こうぜんのよく)「公孫弘伝・賛」
高い地位に就く素質があることのたとえ。または、大きな事業をやり遂げる器量があることのたとえ。 「鴻」は大白鳥、「鴻漸」は大白鳥が次第に上昇していくこと。
功徳無量(こうとくむりょう)「丙吉伝」
功績や恩恵がこの上なく大きいこと。 「功徳」は功績と人徳。 「無量」は計ることが出来ないほど多いこと。 仏教の言葉で、信仰によって仏からの恩恵を授かること。
黄霧四塞(こうむしそく)「成帝紀」
世界が乱れる前兆で、黄色い霧が辺り一面に満ちること。
滑稽之雄(こっけいのゆう)「東方朔伝」
次々と様々な知恵が出てくる賢い人。 「滑稽」はすぐれた表現で、是非を言いくるめること。または、そのような人のこと。
故歩自封(こほじふう)「叙伝・上」
昔から続いている状態や、現在の状態に甘んじて、進歩しようとしないことのたとえ。 「故歩」はもとからの歩き方ということから、昔から続くしきたりのたとえ。 「自封」は自分の意思で閉じこもること。
五臓六腑(ごぞうろっぷ)「芸文志」
人間の全ての内臓のこと。または、心の中のこと。 「五臓」は心臓、肺臓、肝臓、腎臓、脾臓の五つの内臓。 「六腑」は大腸、小腸、胃、胆嚢、膀胱、三焦の六つの内臓。
五方雑処(ごほうざっしょ)「地理志・下」
大都市の生活の複雑な様子。 「五方」は東、西、南、北、中央の五つということから、あらゆる地方のたとえ。 「雑」は入り混じっていること。 「処」は住むこと。 あらゆる地方の人々や文化が、一つの大きな都市に入り交じって住むという意味から。
左戚右賢(させきゆうけん)「文帝紀」
君主が、身内よりも賢い人材を重んじること。 「戚」は親族、「賢」はすぐれた人。 漢の時代は右を尊び左を卑しいとしたので、親族を左に、賢者を右に置くという言い方で表した。 「右賢左戚」ともいう。
左提右挈(さていゆうけつ)
互いに助け合い、協力すること。左手に提げ、右手に携えるとの意から。
佐命立功(さめいりっこう)「李陵伝」
天子に仕えて、建国の手助けをして功績を上げること。 「佐命」は天命を受けた帝の手助けをすること。 「立功」は功績を上げること。 「命(めい)を佐(たす)けて功(こう)を立つ」とも読む。
罪不容誅(ざいふようちゅう)「王莽伝」
罪が重いため、死罪ですら許すことができないこと。 中国の後漢の歴史家の班固が、前漢の末期に帝位を奪った王莽について言った言葉。
尸位素餐(しいそさん)「朱雲伝」
高い地位をもっているだけの無駄飯食い。 または、職務を果たしていないのに無駄に高い給料を得ていることのたとえ。 「尸位」は才能も人徳もないのに高い地位についていること。 「素餐」は何もせずに食べるばかりであること。
鴟目虎吻(しもくこふん)「王莽伝」
欲深く凶悪で残忍な人相のたとえ。 「鴟目」はふくろうのような目つき。 「虎吻」は虎のような口。 どちらも凶悪で残忍な人相のたとえ。
舎短取長(しゃたんしゅちょう)「芸文志」
短所や欠点を補わずにすてて、長所だけを伸ばすこと。または、取るに足らないものをすてて、よいものだけに着目すること。 「短」は短所、「長」は長所のこと。 「短(たん)を舎(す)て長(ちょう)を取る」とも読む。
拾遺補闕(しゅういほけつ)司馬遷「報任少卿書」
見落としている過失や、誤りを見つけて正し補うこと。 「拾遺」は過失を見つけて補うこと。 「補闕」は足りないものを見つけて補うこと。 元は君主が見落とした過失や、誤りを正して、臣下が補佐をすること。
秋高馬肥(しゅうこうばひ)「趙充国伝」
爽やかで心地よい秋を言い表す言葉。 空が高く、すっきりと晴れ渡る気持ちのよい秋の季節になると、馬も餌をよく食べてたくましく肥えるということから。 元は秋の収穫の後で、中国の北部から騎馬民族が攻め込んでくる季節のことをいう言葉。 「秋高く馬肥ゆ」とも読み、現在では、「天高く馬肥ゆる秋」と用いることが多い言葉。
終始一貫(しゅうしいっかん)「王莽伝」
初めから終わりまで言動や態度を貫き通すこと。
衆少成多(しゅうしょうせいた)「董仲舒伝」
取るに足らないものでも、集めると大きなものになるということ。 「衆少」は少量のものを集めること。 「少を衆(あつ)めて多を成す」とも読む。
聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)「景十三王伝」
小さなものでも、数が多くなれば大きな力になるということ。 または、多くの人が同じ悪口を言うと害悪が発生するということのたとえ。 小さな虫の蚊でも、数多く集まれば羽音が雷のようになるという意味から。 「聚蚊(しゅうぶん)雷(らい)を成す」とも読む。
松喬之寿(しょうきょうのじゅ)「王吉伝」
老いることなく、いつまでも生きること。 長寿や長命のたとえ。 「松喬」は人の名前で、中国の伝説の仙人の赤松子と王子喬の二人のこと。
章句小儒(しょうくしょうじゅ)「夏侯勝伝」
経典の一つの語句や、一つの文字の解釈にばかりこだわって、経典に書かれている一番大切なことを理解しない人のこと。 主に愚かな儒学者に対していう言葉。 「小儒」はくだらない儒学者ということ。
商山四皓(しょうざんのしこう)
乱世を避けて、商山に隠遁した四人の老人のこと。 「商山」は中国にある山の名前。 「四皓」はあごひげと眉が白い四人の老人のこと。 中国の秦の時代、東園公、夏黄公、甪里先生、綺里季の四人が乱世を避けて商山に隠遁したという故事から。 「商山四皓図」とも言われ、水墨画の画題としてよく使われる。
漿酒霍肉(しょうしゅかくにく)「鮑宣伝」
この上なく贅沢なこと。 「漿」は一度沸騰させて冷ました水。または、酢のこんず。 「霍」は貧しい人が食べる豆の葉のこと。 酒を水のように扱い、肉を豆の葉のように扱うという意味から。 「酒(さけ)を漿(しょう)とし肉を霍(かく)とす」とも読む。
小心謹慎(しょうしんきんしん)「霍光伝」
言葉や行動が落ち着いていて、控えめなこと。 「小心」は注意深く、隅々まで気が利くこと。 「謹慎」は間違いのないように、行動を控えること。
支葉碩茂(しようせきも)「叙伝」
本家と分家、一族の全てが繁栄すること。 「支葉」は枝と葉のことで、本家と分家のたとえ。 「碩茂」は大きく繁栄すること。 「枝葉碩茂」とも書く。
晨去暮来(しんきょぼらい)「朱博伝」
朝早く家を出て、夕方になって帰ってくること。 「晨」は早朝。 野鳥が朝早くに餌を探しに出て、夕方には巣に帰ってくるということから。
舳艫千里(じくろせんり)「武帝紀」
船の船尾に次の船の船首がくっつくような間隔で、どこまでも連なっていること。 または、そのように船団が進む様子。 「舳」は船首、「艫」は船尾、「千里」は距離が非常に長いこと。
十死一生(じっしいっしょう)「孝宣許皇后伝」
ほとんど助かる見込みがない状況でかろうじて助かること。
実事求是(じつじきゅうぜ)「河間献王徳伝」
「実事」は本当のことや事実、「求是」は真実を求めるということから、事実の実証に基づいて物事の真理を追求すること。
獣聚鳥散(じゅうしゅうちょうさん)「主父偃伝」
規律や統率が全くないものの集まり。 「聚」は集まるという意味。 獣のように集まって、鳥のように散るという意味で、獣や鳥が秩序なく集まったり散ったりする様子から。
儒家者流(じゅかしゃりゅう)「芸文志」
孔子の学問を受け継ぐ学問の流派。
裋褐不完(じゅかつふかん)「貢禹伝」
貧しくて粗雑な衣服を身に着けていること。 衣服が破れたままで整っていないことから。 「裋褐(じゅかつ)完(まった)からず」とも読む。
人生朝露(じんせいちょうろ)「蘇武伝」
人の一生が儚いことのたとえ。 「朝露」は朝の早い時間におりた露のことで、昼には消えてしまうということから、儚いもののたとえ。 人の一生を消えやすい朝露にたとえた言葉。 「人生朝露の如し」を略した言葉。
水滴石穿(すいてきせきせん)「枚乗伝」
小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえ。 「水滴」は一滴の水、「石穿」は石に穴をあけること。 水滴も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味から。 「水滴石を穿(うが)つ」とも読む。
垂堂之戒(すいどうのいましめ)
子供や才能のある人などの大切な人は、危険から遠ざけておくべきという戒め。 「垂堂」は軒の端の下に近づくこと。 瓦が落ちてくる危険がある場所に近づかないという意味から。
彗氾画塗(すいはんがと)「王褒伝」
何の問題もなく簡単にできることのたとえ。 「彗氾」は水溜りを箒で掃くこと。 「画塗」は刀を使って泥に線を引くこと。
勢利之交(せいりのまじわり)
権勢や利益を目当てにした交際。
積日累久(せきじつるいきゅう)「董仲舒伝」
役人などが功績や功労を長い期間積み重ねること。 「積日」は日数を重ねること。 「累久」はいつまでも続くこと。 官吏の昇格について、才能や能力ではなく、年数による功績や功労だけで昇格させると、才能や能力がある人が育たないと、中国の前漢の董仲舒が武帝に上申した故事から。
石画之臣(せっかくのしん)「匈奴伝」
失敗や危険が少ない計画を立てる臣下。 または、壮大な計画を立てる臣下。 「石画」は石のように堅い計画。
折檻諫言(せっかんかんげん)「朱雲伝」
臣下が自身の君主を厳しく諫(いさ)めること。 「折檻」は手すりが折れること。 「諫言」は下の立場の者が、上の立場の者を諫(いさ)める言葉。 中国の前漢の時代の朱雲は、成帝がひいきにしている臣下は奸臣であり、切り捨てるべきだと諫(いさ)めた。 しかし、成帝はそれに怒り、朱雲を処刑するように命じると朱雲はそれに抵抗し、手すりにつかまったまま成帝を諫(いさ)め続けていると、手すりが折れたという故事から。 厳しく戒めるという意味の「折檻」の語源とされている。
窃位素餐(せついそさん)「朱雲伝」
高い地位をもっているだけの無駄飯食い。 または、職務を果たさず、無駄に高い給料を得ていることのたとえ。 「窃位」は才能も人徳もないのに高い地位についていること。 「素餐」は何もせずに食べること。
是古非今(ぜこひきん)「元帝紀」
昔をたたえ、今をむやみにそしる考えや態度。
絶世独立(ぜっせいどくりつ)「外戚伝」
美しい女性の容姿をいう言葉。 「絶世」はこの世に並ぶものが存在しないということ。 「独立」は他と離れていて、一つだけ立っていること。 中国の前漢の時代に、宮廷楽士の李延年が自身の妹の美しさを歌った詩から。
前車之轍(ぜんしゃのてつ)「賈誼伝」
先人の失敗を学び、今の戒めにすること。 先に通った車のひっくり返った車輪の跡を見て、同じようにならないように、その場所を通らないようにするという意味から。
前車覆轍(ぜんしゃのふくてつ)「賈誼伝」
先人の失敗を学び、今の戒めにすること。 「覆轍」はひっくり返った車の残した車輪の跡のこと。 先に通った車のひっくり返った車輪の跡を見て、同じようにならないように、その場所を通らないようにするという意味から。
前覆後戒(ぜんぷくこうかい)「賈誼伝」
先人の失敗を学び、今の戒めにすること。 「覆」はひっくり返った車の残した車輪の跡のこと。 先に通った車のひっくり返った車輪の跡を見て、同じようにならないようにその場所を通らないようにするという意味から。
操奇計贏(そうきけいえい)「食貨志」
都合のよい機会を利用して利益をむさぼること。 珍しくて価値の高いものを集めて、それを売って利益を出すことをいう。 「奇」は珍しいものや立派なもののこと。 「奇を操(と)りて贏(えい)を計る」とも読む。
叢軽折軸(そうけいせつじく)「中山靖王勝伝」
一つ一つは小さいものでも、数が多く集まれば大きな力になるということ。 「叢軽」は軽いものが数多く集まること。 「折軸」は車軸が折れること。 軽いものでも数多く集まれば、車軸が折れるほどの重量になるという意味から。
送故迎新(そうこげいしん)「王嘉伝」
職に就いていた者を送り出し、新たにその職に就く者を迎え入れること。 または、去っていく人を見送り、新たに来る人を迎えること。 「故(ふる)きを送り新しきを迎(むか)う」とも読む。
壮士凌雲(そうしりょううん)「揚雄伝」
俗世を超越しようとする気高くて立派なこころざしのこと。または、積極的に高みを目指すこころざしのこと。 「凌雲」は雲よりも高い場所に上るという意味から、俗世を超越するという意味。
操刀必割(そうとうひっかつ)「賈誼伝」
好機を逃さず、その場ですぐに決断して実行すること。 刀を手に取った以上は必ず切るという意味から。
泰山鴻毛(たいざんこうもう)司馬遷「報任少卿書」
重さの差が激しいことのたとえ。 「泰山」は中国の山の名前で非常に重いもののたとえ。 「鴻毛」は鴻の羽毛のことで非常に軽いもののたとえ。 主に死の意義の有無についていう言葉。 死刑宣告された友人に司馬遷が送った手紙の一説、「死は或は泰山より重く、或は鴻毛より軽し」を略した言葉。 「太山鴻毛」とも書く。
戴盆望天(たいぼんぼうてん)司馬遷「報任少卿書」
一度に二つのことを同時にすることは出来ないということのたとえ。 頭に盆を載せたままでは、盆が邪魔になって天を見上げることは出来ないという意味から。 司馬遷が死刑を宣告された友人に送ったとされる手紙の一節から。 「盆を戴(いだ)きて天を望む」とも読む。
大味必淡(たいみひったん)「揚雄伝・下」
最もすぐれた味は、薄味であっさりしているものであるということ。 「大味」は味のすぐれている食べ物。 「淡」は味がうすく、あっさりしているという意味。 濃い味の食べ物は、短い期間好まれることはあっても長続きせず、うすくあっさりとした食べ物は飽きられずに好まれるという意味から。 「大味(たいみ)必ず淡し」とも読む。
卓爾不群(たくじふぐん)「景十三王伝・賛」
一際すぐれていること。 または、そのような人のこと。 「卓爾」は並外れてすぐれていること。 「不群」は他よりも特にすぐれていること。
丹書鉄契(たんしょてっけい)「高帝紀」
手柄のあった家臣に、天子が与えた誓いの証。 「丹書」は朱で書くこと、「鉄契」は鉄でできた割り符。 朱で書けば字が消えないので、鉄の札に朱で誓いを記し、本人やその子孫が罪を犯しても罰を軽くすると約束した証とした。
置酒高会(ちしゅこうかい)「高帝紀」
派手で立派な酒宴を催すこと。または酒宴そのもののこと。 「置酒」は酒宴を催すこと。 「高会」は派手で立派な宴のこと。
智謀浅短(ちぼうせんたん)「孔光伝」
浅はかな策略のこと。 考えが足りないこと。 「智謀」は知恵や策略、または知恵を使った策略。 「浅短」は浅はかなこと、思慮が足りないこと。 「知謀浅短」とも書く。
朝改暮変(ちょうかいぼへん)「食貨志」
命令や制令、法律などがすぐに変わってしまい、しっかりと定まることがないこと。 朝に出した命令や法律などが、夕方には変わるという意味から。
朝改暮令(ちょうかいぼれい)「食貨志」
命令や制令、法律などがすぐに変わってしまい、しっかりと定まることがないこと。 朝に出した命令や法律などが夕方には変わるという意味から。
朝過夕改(ちょうかせきかい)
犯した過ちをすぐに改めることのたとえ。 朝に犯した過ちを夕方には改めるという意味から。 君子の心得をいう言葉。 「朝(あした)に過(あやま)てば夕(ゆう)べに改む」とも読む。
朝種暮穫(ちょうしゅぼかく)「郊祀志」
朝に種をまいて夜に収穫するということ。 種まきから収穫までの期間がとても短いことから、方針が定まらないことのたとえ。 または、慌ただしい様子のこと。
雕文刻鏤(ちょうぶんこくる)「景帝紀」
文章の文字や語句を美しく飾ること。 「雕文」は模様を彫りきざむこと。 「刻」は木に彫りきざむこと。 「鏤」は金属に彫りきざむこと。 様々な美しい彫刻のように詩文を飾るという意味から。
朝令暮改(ちょうれいぼかい)「食貨志」
命令や法律がたびたび変わって、あてにならないこと。 朝に出した命令を、その日の夕方には改めてしまうという意味から。 前漢の晁錯が、税の取り立ての時期が定まらず農民が苦しんでいると文帝に訴えた上奏文にある言葉。 「朝(あした)に令(れい)して暮(く)れに改(あら)む」とも読む。
直言極諫(ちょくげんきょっかん)「文帝紀」
自身が正しいと思うことは、相手にはっきりと言って諫(いさ)めること。 「直言」は遠慮せずに思ったことを言うこと。 「極諫」は激しく諫(いさ)めること。
豬突豨勇(ちょとつきゆう)「食貨志」
いのししのように、後先を考えずに突き進む勇ましい兵のこと。 「豬」も「豨」もいのしし。「豬突」はいのししが突き進むこと、「豨勇」はいのししのような勇ましさ。 前漢を奪って新を建てた王莽が、国じゅうから囚人や奴隷を集めて兵とし、これに付けた名から。
点滴穿石(てんてきせんせき)「枚乗伝」
小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえ。 「点滴」は一滴の水、「穿石」は石に穴をあけること。 水滴も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味から。
天之美禄(てんのびろく)「食貨志」
酒の別名。 「美禄」はよい俸禄ということ。 天から授かった素晴らしいものという意味から。
特立之士(とくりつのし)「元帝紀」
普通の人よりもすぐれた能力や、徳を備えていること。 「特立」は一際すぐれていること。
南洽北暢(なんこうほくちょう)「終軍伝」
天子の徳や威光、恩恵などが国中に広く行き渡ること。 「洽」と「暢」はどちらも広く行き渡るという意味。
白黒分明(はっこくぶんめい)「薛宣伝」
善と悪がはっきりと区分されていること。 「白黒」は善悪や正邪、物事のよしあしのこと。 「分明」ははっきりと区別すること。
煩言砕辞(はんげんさいじ)
細かく複雑な言葉。 「煩言」は複雑で面倒な言葉。 「砕辞」は細かくて複雑な言葉。
班女辞輦(はんじょじれん)
班婕妤が、天子と同じ車に乗ることを断ったという故事のこと。 または、主君の行いを諫(いさ)める賢い女性のこと。 「班女」は班婕妤のことで、班は姓、婕妤は女官の地位の名称。 「輦」は天子の乗る車。 中国の漢の成帝は、寵愛していた班婕妤に車に一緒に乗るように言ったが、すぐれた君主はすぐれた臣下と車に乗り、王朝が滅びる前の君主は愛人を車に乗せると言って辞退したという故事から。 「班女(はんじょ)輦(れん)を辞(じ)す」とも読む。
売剣買牛(ばいけんばいぎゅう)
戦争を止め、武器を売り農業を活発にすること。 前漢の宣帝の時代に、民に倹約と農業を奨励して、武器を売って牛を買うことをすすめた。 民は農耕に精を出し、その結果収穫量があがり、税収も増えて役人も民も皆が豊かになったという故事から。
買妻恥醮(ばいさいちしょう)「朱買臣伝」
夫を見限って離婚した女性が、その後の結婚を恥だと思うこと。 「買妻」は中国の漢の朱買臣の妻のこと。 「醮」は嫁ぐこと。 朱買臣は貧しいながらも勉学に励み、十年後には出世し金持ちになると言っていたが、妻は貧しさに耐えきれずに離婚した。 十年後に朱買臣は出世して金持ちになり、工事人の夫と再婚していた元妻を見つけ、夫婦ともに連れて帰り食事の世話をしたが、その一か月後に元妻は自殺したという故事から。
倍称之息(ばいしょうのそく)「食貨志」
とても高額な利息のこと。 「倍称」は借りたお金の二倍の金額を返すという意味。
馬遅枚疾(ばちばいしつ)「枚皐伝」
司馬相如は文章を書くのが遅く、枚皐は文章を書くのが速かったという故事のこと。 「馬」は中国の前漢の人物、司馬相如のこと。 「枚」は中国の前漢の人物、枚皐のこと。 どちらも漢詩の表現、修辞による分類の一つの賦の巨匠。
馬遅枚速(ばちばいそく)「枚皐伝」
司馬相如は文章を書くことが遅く、枚皐は速かったという故事のこと。 司馬相如と枚皐は、どちらも中国の文章の文体の一つの「賦」の巨匠。
万里同風(ばんりどうふう)「終軍伝」
天下が一つにまとめあげられていて、平和に治まっていること。 「万里」ははるか遠くまでということ。 「同風」は風俗が同じものになるということから、同じ国になることのたとえ。 「万里(ばんり)風(ふう)を同じうす」とも読む。
百聞一見(ひゃくぶんいっけん)「趙充国伝」
何度も人から聞くよりも、一度実際に見るほうがよいということ。 「百聞」の「百」は数が多いことのたとえで、何度も聞くという意味。 「一見」は一度実際に見ること。 多くは「百聞は一見に如かず」という形で用いられ、これを略した言葉。
百薬之長(ひゃくやくのちょう)「食貨志」
酒のこと。 酒を賞賛したもので、様々な薬の中で酒が最も効果があるという意味の言葉。 「百薬」は様々な種類の薬。 「長」は最も上に立つもの、かしら。 前漢の王莽が言ったとされる言葉から。
百下百全(ひゃっかひゃくぜん)「馮奉世伝」
何一つ欠けていない、完全であること。 百のうちの百全てあるという意味から。
摽末之功(ひょうまつのこう)「王莽伝」
ちょっとした功績。わずかな功績。 「摽」は刀の先端、切っ先のことで、わずかなことのたとえ。 「功」は成し遂げた結果。功績。手柄。
非驢非馬(ひろひば)「西域伝・渠犁伝」
どちらとも言えず、曖昧なこと。 または、正体がわからないこと。 見た目は驢馬(ろば)のようにも見えるが、馬のようにも見え、驢馬でも馬でもないという意味から。 「驢(ろ)に非ず馬に非ず」とも読む。
靡衣婾食(びいとうしょく)「韓信伝」
豪華な衣服を好み、その時々で食を貪り、先のことを考えないこと。 「靡」は派手で美しいこと。 「婾」は一時的であること。かりそめ。 「婾食」は飯を食べることができればよいということから、将来に望みのない生活をすること。
微言大義(びげんたいぎ)「芸文志」
簡潔な言葉や微妙な言い回しに深い意味や道理を含んでいること。 孔子の言った言葉や、孔子が書いたとされる「春秋」の記述法を評したもの。 「微言」は奥深い言葉。 「大義」は深い道理。
布衣韋帯(ふいいたい)「賈山伝」
官職についていない、普通の人のこと。 「布衣」は布で作った衣服。 「韋帯」はなめし皮でできた帯。 質素な布の衣服となめし皮の帯を身につけた人ということから、貧しく身分の低い人のたとえ。
不羈之才(ふきのさい)「司馬遷伝」
非常にすぐれた才能。 「羈」はつなぐという意味。 誰にも繋ぎとめることが出来ない才能という意味から。
俯仰之間(ふぎょうのかん)
非常に短い時間のこと。 「俯仰」はうつむくことと上を向くこと。 下を向いたり、上を向いたりする間の時間という意味から。 「俛仰之間」とも書く。
覆車之戒(ふくしゃのいましめ)「賈誼伝」
先人の失敗を学び、今の戒めにすること。 「覆車」はひっくり返った車の残した車輪の跡のこと。 先に通った車のひっくり返った車輪の跡を見て、同じようにならないように、その場所を通らないようにするという意味から。
不撓不屈(ふとうふくつ)「叙伝」
苦労や困難があっても決して諦めることがないこと。 「不屈」と「不撓」はどちらも決して屈しない、諦めないという意味。 似た意味の語を重ねて強調した言葉。 「不屈不撓」ともいう。
忿忿之心(ふんぷんのこころ)「武五子伝」
激しく怒っているときの心。 「忿忿」は怒ったり、恨んだりしている時の様子。
泛駕之馬(ほうがのうま)「武帝紀」
一般的な常識には従わずに別の方法をとる英雄のたとえ。 「泛駕」は馬が興奮して指示に従わずに道をそれてしまうということから。
捕風捉影(ほふうそくえい)「郊祀志」
話や物事への見込みがないことのたとえ。 風をつなぎとめて、影を捕まえることは不可能なことという意味から。
茅屋采椽(ぼうおくさいてん)「芸文志」
飾り気のない素朴な家のこと。 「茅屋」はかやぶきの屋根。 「采椽」は手を加えていない切り出しただけの材木のこと。
曼倩三冬(まんせんさんとう)「東方朔伝」
非常にすぐれた才能を持つ人は、あっという間に教養を身につけることができるということのたとえ。 「曼倩」は人の名前。 「三冬」は三度冬が訪れるということから、三年ということ。または、冬の間の三ヶ月のこと。 中国の前漢の曼倩は、十三歳のときに書を学び始めて、三年、または三ヶ月の期間で、文書を書けるようになり、史伝を読めるほどに上達したという故事から。
無根無蔕(むこんむてい)「叙伝・上」
頼みとするところや支えてくれるものが何もないこと。 「無根」は根が無いこと、「無蔕」は蔕(へた)がないこと。 植物が根付くための根や果実をつけるための蔕がないことから。
綿力薄材(めんりょくはくざい)「厳助伝」
弱そうに見えて、心もとないこと。または、才能が少ないこと。 「綿力」は綿のように弱く見える力のこと。 「薄材」は少ししかない才能のこと。
目指気使(もくしきし)「貢禹伝」
言葉を使うことなく目配せや顔つきだけで目下の者を酷使すること。 前漢の貢禹が「卑しい行いをしている者の家が富み栄えていると、目下の者を目配せや顔つきだけでこき使い、それをすぐれたことだとしている」と元帝に上奏したという故事から。
問牛知馬(もんぎゅうちば)「趙広漢伝」
関係のない話から始めていって、うまく相手の隠していることを聞き出すこと。 趙広漢の得意とした話術の鉤距術というもので、鉤距は物を引っ掛けて出す道具のこと。 馬の値段を知るには、犬や羊、牛と聞いていき、馬の値段を聞いてほかと比較して値段を知るという尋問方法の一つ。 趙広漢はこれを使って、多くの犯罪者を検挙したという。
門前成市(もんぜんせいし)「鄭崇伝」
たくさんの人が集まること。 門の前にたくさんの人が集まっていて市場のようになっているという意味から。 中国の前漢の時代の鄭崇が、人を集めて謀反を企んでいると疑われ、「家の門の前には市場のように人がいるが、心は水のように清らかです」と訴えたという故事から。 「門前(もんぜん)市を成す」とも読む。
雄材大略(ゆうざいたいりゃく)「武帝紀・賛」
すぐれた才能と大きな策略のこと。 「雄材」はすぐれた才能、「大略」は大きな計略という意味。
勇猛果敢(ゆうもうかかん)
危険や困難を恐れずに、力強く思い切りのよい決断をして行動すること。 「勇猛」は勇気があって力強いこと。 「果敢」は決断力があること。
勇猛果断(ゆうもうかだん)
危険や困難を恐れずに力強く、思い切りよく決断して行動すること。 「勇猛」は勇気があって力強いこと。 「果断」は決断力があること。
輸写心腹(ゆしゃしんぷく)「趙広漢伝」
思ったことを全てそのまま打ち明けること。 「輸写」は心の中の全てを打ち明けること。 「心腹」は自分の心の最も深いところを明かすということ。 「心腹(しんぷく)を輸写(ゆしゃ)す」とも読む。
雷霆万鈞(らいていばんきん)「賈山伝」
他の比ではないほどの激しい勢いや力のたとえ。 「雷霆」は雷が轟くこと。 「鈞」は重さの単位のことで、「万鈞」は非常に重いこと。
爛額焦頭(らんがくしょうとう)「霍光伝」
大切なことを忘れて、必要の無いことを重要視すること。 または、何かをするときに非常に苦労すること。 「爛額」は額が爛(ただ)れること。 「焦頭」は頭を焦がすこと。 火事のときに消火や救助をしてくれた人には感謝して、防火方法を教えてくれた人には感謝せず、加えて防火もしていなかったという故事から。 「焦頭爛額」ともいう。
覧古考新(らんここうしん)「叙伝」
古いものを参考にして新しいものを考察すること。
六合同風(りくごうどうふう)「王吉伝」
天下が統一され、世の中が平和に治まっていて、教化や風俗を同じくすること。 「六合」は天と地と四方で天下のこと。 「同風」は同じ風俗ということ。
竜逢比干(りゅうほうひかん)「朱雲伝」
忠義を尽くす家臣のたとえ。 「竜逢」と「比干」はどちらも人の名前。 竜逢と比干はどちらも暴君に仕え、君主をいさめたために処刑されたということから。
凌雲之志(りょううんのこころざし)「揚雄伝」
世俗を超越しようとする気高い志。 または、高い地位に出世することを願う大きな志。 「凌雲」は雲よりも高い所という意味から、世間を超越するという意味。 「陵雲之志」とも書く。
凌霄之志(りょうしょうのこころざし)「揚雄伝」
世俗を超越しようとする気高い志のこと。 または、高い地位に出世することを願う大きな志のこと。
臨淵羨魚(りんえんせんぎょ)「董仲舒伝」
願いを叶えるためには、ただ望むだけでなく、具体的な手段や行動が必要だということ。 魚が欲しいなら水辺でただ望むのではなく、家に帰って網を編むべきであるという意味から。
醴酒不設(れいしゅふせつ)「楚元王伝」
人をもてなすための礼儀が雑になること。 「醴酒」は甘酒のことで、酒を飲み始めや、酒が苦手な人のため酒。 「醴酒(れいしゅ)設(もう)けず」とも読む。 中国の前漢の楚の元王は穆生を師として、酒宴の時には甘酒を用意していたが、孫の戊が楚の王になると甘酒を用意しなくなったという故事から。
