「不」を含む四字熟語一覧
不を含む四字熟語の一覧です。
五十音順に表示しています。
悪不忍聞(あくふにんぶん)
この上なく非道な行いなので、聞いてはいられないということ。 中国の前漢の時代末期に、王莽が王位を簒奪したことに対して、後漢の歴史家の班固が罵って言った言葉から。 「悪、聞くに忍ばず」とも読む。
按兵不動(あんぺいふどう)
状況や様子を窺いながら、良い機会が訪れるのを待つこと。 「按」は抑える、引き留めること。 「兵を按(あん)じて動かず」とも読む。
帷蓋不棄(いがいふき)
駄目になった物でも、何かに使うことができるので、捨てることを惜しむということ。 「帷」は部屋の仕切りなどに使う垂れ幕。 「蓋」は車を覆うための布。 「不棄」は駄目になっても捨てずにとっておくこと。 「帷」と「蓋」は死んだ動物を覆って埋める時に使うもので、それらを捨てずに取っておくということから、動物を大切にすることのたとえとしても使われる言葉。 「帷蓋(いがい)棄(す)てず」とも読む。
維日不足(いじつふそく)
幸福が日が足りないほどに次から次へとやってくること。 「維」は調子を整えるための助辞。 「維(こ)れ日も足らず」とも読む。
衣帯不解(いたいふかい)
他のことを忘れるほど、あることに集中すること。 「衣帯」は着物と帯のこと。 衣服も着替えず、不眠不休で仕事に取り組むことから。 「衣帯(いたい)を解かず」とも読む。 「不解衣帯」ともいう。
一字不説(いちじふせつ)
仏法の真理や悟りの境地は大変奥深く、言葉で言い表すことはできないため、自ら体得するしかないということ。 釈迦が悟り得た境地の真理は一字も説いていないことから。 「不説一字」ともいう。
一塵不染(いちじんふせん)
汚れが少しもないこと。 または、他者から影響を受けて感化されずに、清らかさを保ち続けること。 煩悩を引き起こす「六塵」の一つにすら染まらずに、心身を潔白なまま保つという意味から。 「一塵(いちじん)にも染まらず」とも読む。
一日不食(いちにちふしょく)
毎日、仕事の後でないと食事をしないこと。 何よりも仕事を大切にする心得。 唐のある禅師は、老齢にして毎日人一倍労務を行っていた。みかねた弟子たちが農具を隠し、師に休息をとるよう願った。禅師は農具を探したが見つからず休息をとったが、その日は食事をとることはなかった。弟子たちが理由を尋ねると「一日作らざれば一日食らわず」と答えたという故事から。
一毛不抜(いちもうふばつ)
極めてけちなこと。 または、利己的な人、けちな人。 「一毛」は一本の毛のこと。 自分のものは一本の毛すら惜しんで抜かないということから。 「一毛も抜かず」とも読む。
一文不通(いちもんふつう)
読み書きができないこと。 「文」は文字の意。 一文字ですら意味が通じていないことから。
一蹶不振(いっけつふしん)
一度の失敗で挫折してしまい、二度と立ち上がれなくなること。 「蹶」はつまずくこと。 「不振」は勢いがなくなること。 「一蹶(いっけつ)して振るわず」とも読む。
一糸不苟(いっしふこう)
何事にも手を抜かないこと。 一本の糸に対してもいい加減な扱いをしないということから。 「一糸(いっし)すら苟(いやしく)もせず」とも読む。
一糸不乱(いっしふらん)
完全に整っている様子。 一本の糸も乱れていないということから。 「一糸(いっし)、乱(みだ)れず」とも読む。
一生不犯(いっしょうふぼん)
仏教での僧侶の戒律で、一生涯にわたって戒めを守り、男女の交わりをしないこと。 「不犯」は僧侶が戒律を守り、侵さないこと。
一所不住(いっしょふじゅう)
一定の場所に住まず、各地を転々とすること。 特に行脚して回る僧のことをいう言葉。
一心不乱(いっしんふらん)
他のことに心を奪われることなく、一つのことに集中すること。 または、余所見をすることなく、ひたすら努力すること。 「一心」は心を一つにして集中すること。 「不乱」は乱さないこと。 元は仏教の語。
一成不変(いっせいふへん)
一度出来上がったものは、二度と変えるが出来ないということ。 一度出来上がってしまうと、それを変えるは難しいので、慎重を期してすべきであるという戒めの言葉。 「一成」は完成すること。
帷薄不修(いはくふしゅう)
男女関係がだらしないことのたとえ。 「帷薄」は寝室を囲っているしきり。 寝室を整える暇もないということから。 高位の人の淫らな行為を遠回しに言う言葉。 「帷薄(いはく)修(おさ)まらず」とも読む。
萎靡不振(いびふしん)
元気がない様子。 「萎靡」は活気がない様子。 「萎靡(いび)して振るわず」とも読む。
衣不重帛(いふじゅうはく)
贅沢をせずに慎ましくすること。 絹の着物を重ね着しないということから。 「帛」は絹の布のことから、絹織物のこと。 「衣(い)は帛(はく)を重(かさ)ねず」とも読む。
意路不倒(いろふとう)
人の考えでは理解することのできない不思議なこと。 または、悟りの境地は人の思考や論理では理解できないということ。 「意路」は思考の筋道。
殷鑑不遠(いんかんふえん)
失敗の戒めになるものは、身近なことにあるということ。 「殷」は古代中国の国の名前。 「鑑」は鏡のことで、手本や見本のたとえ。 殷は、昔の出来事を手本にするよりも、圧政で滅びた前代の夏の国を手本とするべきであるという戒めから。 「殷鑑遠からず」という形で使うことが多い言葉。
音信不通(いんしんふつう)
連絡が途絶えて、状況や事情がわからないこと。 「音信」は手紙や電話などの連絡や来訪などの交流のこと。 「不通」は途切れるという意味。
引而不発(いんじふはつ)
人に教える時に、基本的な方法だけを教えて、その人が自ら理解するまで待つ方法。 弓の射方を教える時に、弓の引き絞る方法だけを教えて矢を放たないということから。 「引(ひ)きて発(はっ)せず」とも、「引(ひ)きて発(はな)たず」とも読む。
永遠不変(えいえんふへん)
いつまでも変化しないこと。 「永遠」は永久、終わることなく続くこと。 「不変」は変わらないこと。
永遠不滅(えいえんふめつ)
いつまでもなくなることなく、残り続けること。 「永遠」は永久、終わることなく続くこと。 「不滅」はいつまでもなくならないこと。
永久不変(えいきゅうふへん)
いつまでも、どれだけ時間がたっても変わらないこと。
永劫不変(えいごうふへん)
いつまでも変化しないこと。 「永劫」は永久、終わることなく続くこと。 「不変」は変わらないこと。
永垂不朽(えいすいふきゅう)
名誉や名声、業績などが伝わり、決して滅びることがないこと。 「永垂」は永遠と後世に伝わる、「不朽」は滅びることがない、後世まで残るという意味。
怏怏不楽(おうおうふらく)
悩んでいて心が晴れない様子。心が満たされずに面白くない様子。 「怏怏」は悩みが晴れず、つまらない様子。 「怏怏として楽しまず」とも読む。
往者不追(おうじゃふつい)
去って行く人を引き止めず、自由に行かせること。 「往(ゆ)く者は追わず」とも読む。 この言葉の後ろに「来る者拒まず」と続く。
応接不暇(おうせつふか)
忙しすぎて、全てを対処することはできないこと。 または、次々に来訪者があり、一人ずつ対応することができないこと。
音信不通(おんしんふつう)
連絡が途絶えて、状況や事情がわからないこと。 「音信」は手紙や電話などの連絡や来訪などの交流のこと。 「不通」は途切れるという意味。
懐才不遇(かいさいふぐう)
物事がうまく進まなくて、地位や境遇に恵まれないこと。 「不遇」は能力はあるが、運がよくないために相応の地位や境遇を得ていないこと。
介者不拝(かいしゃふはい)
軍人は軍事に力を注ぎ、他のことに心を配ることはできないということ。または、鎧や兜を身に着けている時にひざまずく姿勢が取れないので略式の礼でよいということ。 「介」は介冑(かいちゅう)のことで、鎧や兜、甲冑のこと。 「介者(かいしゃ)は拝(はい)せず」とも読む。
誨人不倦(かいじんふけん)
手を抜かずにしっかりと人を教え導くこと。 「誨」は教えるという意味。 相手が理解するのに時間がかかっても、諦めずに教えることをいう。 「人を誨(おし)えて倦(う)まず」とも読む。
怪誕不経(かいたんふけい)
でたらめで怪しく、道理に合わないこと。
嫁娶不同(かしゅふどう)
嫁入りと嫁取りがうまくいくというやり方のこと。 自分の家よりもよい家に嫁入りさせ、自分より劣っている家から嫁取りをすると、嫁いだ家に誠意と慎みをもって仕えるのでうまくいくということ。 「嫁娶」は嫁入りと嫁取り。 「嫁娶(かしゅ)、同じからず」とも読む。
禍生不徳(かしょうふとく)
その人自身の不徳が原因となって、不幸が起こるということ。 「禍」は災難、不幸。 「禍(わざわい)は不徳(ふとく)に生(しょう)ず」とも読む。
確乎不動(かっこふどう)
地位や気持ちがしっかりと定まっていて、決して揺れ動かないこと。 「確乎」はしっかりとしていて、簡単に揺れ動かない様子。 「不動」は動かないこと。 「確固不動」とも書く。
確固不動(かっこふどう)
地位や気持ちがしっかりと定まっていて、決して揺れ動かないこと。 「確乎」はしっかりとしていて、簡単に揺れ動かない様子。 「不動」は動かないこと。 「確固不動」とも書く。
確乎不抜(かっこふばつ)
意志がしっかりとしているため、何があっても動揺したり、平静さを失ったりしないこと。 「確乎」はしっかりと定まっていること。 「不抜」は固くて抜くことができないという意味から、しっかりとしていて動かない、動揺しないこと。 「確固不抜」とも書く。
確固不抜(かっこふばつ)
意志がしっかりとしているため、何があっても動揺したり、平静さを失ったりしないこと。 「確乎」はしっかりと定まっていること。 「不抜」は固くて抜くことができないという意味から、しっかりとしていて動かない、動揺しないこと。 「確固不抜」とも書く。
寡不敵衆(かふてきしゅう)
少ない人数では、大勢と争っても勝ち目がないということ。 「寡」は少ない人数。 「衆」は多い人数。 「寡(か)、衆(しゅう)に敵(てき)せず」とも読む。
佳兵不祥(かへいふしょう)
戦争を批判する言葉で、すぐれた性能の武器は人を殺すためのものであり不吉なものであるということ。 「佳兵」はすぐれた兵ということから、すぐれた性能のある武器のたとえ。 「不祥」は不吉なこと。
轗軻不遇(かんかふぐう)
すぐれた才能を持ちながら、世に受け入れられないこと。 または、物事が思い通りにいかず、地位や境遇に恵まれないこと。 「轗軻」は道が悪く車がうまく進めないことから転じて、物事が思い通りにいかないことのたとえ。
干戈不息(かんかふそく)
戦争がいつまでも続いて終わらないこと。 「干戈」はたてとほこのことで、戦争のたとえ。 「不息」は終わらないこと。 「干戈(かんか)息(や)まず」とも読む。
間不容髪(かんふようはつ)
何か事が起きたときに、それに合わせた行動をすぐに行うこと。 髪の毛一本を入れる隙間もないという意味から。 「間、髪を容れず」という形で使うことが多い言葉。
蓋世不抜(がいせいふばつ)
性格や才能などが、他の人と比べられないほどにすぐれていて、しっかりとしていること。 「蓋世」は世界を覆いつくすという意味から、非常にすぐれていることのたとえ。 「不抜」はしっかりとしていて、安定していること。
我不関焉(がふかんえん)
関心や興味を持っていないこと。 「焉」は「これに」などを表す指示語。 「我関せず焉(えん)」とも読む。
頑冥不霊(がんめいふれい)
道理がわからず、頑固で思考が鈍い人のこと。 「頑冥」は頑固で道理がわからないこと。 「不霊」は頭の働きが鈍いこと。 「不霊頑冥」ともいう。
既往不咎(きおうふきゅう)
過去のことはもう咎(とが)めないということ。 「既往」はすんでしまったこと、「不咎」は咎めないという意味。
几杖不朝(きじょうふちょう)
天子が老齢の臣下に対してひじ掛けと杖を与え、参内しなくてもよいとした特権。または、有力な臣下に政治的配慮として与える特権。 「几」はひじ掛けのこと。 「朝」は朝廷に参内し、天子に挨拶をすること。
危邦不入(きほうふにゅう)
戦争などで危険な状態になっている国には立ち寄るべきではないということ。乱世の処世術の一つ。 「邦」は国。 「危邦」は危うい状況になっている国。 「危邦(きほう)には入(い)らず」とも読む。 この言葉の後ろに「乱邦(らんぽう)には居らず」と続く。
挙棋不定(きょきふてい)
方針を決めずに、その場しのぎで対処すること。または、なかなか決断することができないこと。 「挙棋」は囲碁の石をつまみあげること。 「不定」はこれからどうするか決まっていないこと。 囲碁の石を持ったが、どこに打つか決められないということから。 「棋(き)を挙(あ)げて定まらず」とも読む。
局促不安(きょくそくふあん)
臆病でちょっとしたことにすぐに怯える様子。 または、そわそわしている様子。 「局促」は臆病で落ち着きのない様子。 「局促(きょくそく)として安からず」とも読む。
仰天不愧(ぎょうてんふき)
天に恥じるようなやましいことが何もないということ。 「天(てん)を仰(あお)ぎて愧(は)じず」とも読む。
君子不器(くんしふき)
優れた人物は、一つのことだけでなく、様々なことに通用する才能を持っているということ。 「君子」は学識が高く、徳の高い人物、人格者のことで、そのような人物は、一つの使い道しかない器物とは違っていて、様々な役割を果たすことが出来るということから。 「君子は器ならず」とも訓読する。
具不退転(ぐふたいてん)
後ろを振り返らずに、物事を遣り通すという気持ちをもつこと。 「具」は準備するということ。 「不退転」は仏教の修行で、退歩することの段階から戻らないということから、信じて決して変えないということ。
求不得苦(ぐふとくく)
仏教の八苦の中の一つで、求めているものを得ることが出来ない苦しみのこと。
群而不党(ぐんじふとう)
すぐれた人物は、人と仲良くしても徒党を組むことはないということ。 「党」は徒党を組んで身内を優遇すること。 「群して党せず」、また「群すれども党せず」とも読む。
形影不離(けいえいふり)
極めて密接な関係で、離れることができないこと。 「形影」は物の形とその物の影のこと。 物と影は互いに離れることができないということから。
鶏犬不寧(けいけんふねい)
非常に緊迫した状況で、心が落ち着かないことのたとえ。 騒然としていて、鶏や犬でさえも落ち着かないという意味から。 「鶏犬(けいけん)も寧(やすら)からず」とも読む。
譎詭不経(けっきふけい)
大げさなことばかり言って人を騙し、道理に背くこと。 または、人を騙す道理に合わない言葉。 「譎詭」は不思議なこと。 「不経」は道理に合わないこと。
快楽不退(けらくふたい)
尽きることのない安らかな楽しみが永久に続くこと。また、そのさま。極楽浄土における絶え間ない喜び。
狷介不羈(けんかいふき)
意志を固く保って、なにものにも縛られないこと。 「狷介」は自分の意志を難く守り、決して妥協しないこと。 「不羈」は決して縛られないこと。
堅忍不抜(けんにんふばつ)
辛く苦しいことがあっても我慢して、ひたすら意志を貫くこと。 「堅忍」は我慢強く、意志が固いこと。 「不抜」は抜くことが出来ないという意味から、意志が固く決して揺るがないという意味。
言者不知(げんしゃふち)
物事に対して本当に知っている人は、軽々しく言葉に出して説明しようとしないということ。
抗拒不承(こうきょふしょう)
相手の依頼や、要求を激しく拒否して、認めないこと。 「抗」は抵抗すること。 「拒」は拒否すること。 「抗拒(こうきょ)して承(う)けず」とも読む。
曠世不羈(こうせいふき)
長い期間、相手を服従させることができないこと。または、長い期間拘束することができないという意味。 「曠世」は長い期間。 「不羈」はなにものにも縛られないこと。
荒唐不稽(こうとうふけい)
根拠もなにもなく、でたらめなこと。 「荒唐」はでたらめなこと。 「不稽」は考えるべき根拠がまるでないこと。
孤寡不穀(こかふこく)
王や君主が自身を謙って言う呼称。 「孤」と「寡」と「不穀」は、どれも王や君主が自身を謙っていうときの自称。
去此不遠(こしふおん)
この世から極楽浄土は西のはるか遠くにあるとされるが、仏の教えを信じ、心に法を観じることで、実際にはこの世から遠くないという意味の仏教語。 仏教の教えにおいて、極楽浄土への道は物理的な距離ではなく、心の在り方次第で近く感じられるものとされる。 「此(ここ)を去ること遠からず」とも読む。
呼不給吸(こふきゅうきゅう)
物事がいきなり起こったために、対応する余裕がないことのたとえ。 「不給」はそれをする時間がないということ。 「呼(こ)するも吸(きゅう)するに給(いとま)あらず」とも読む。
金剛不壊(こんごうふえ)
並外れて固く、決して壊れないこと。 または、非常に意志が固いこと。 「金剛」は「堅固」という意味の梵語を、漢語に翻訳した言葉。 「不壊金剛」ともいう。
傲岸不遜(ごうがんふそん)
おごりたかぶって、人に従わず、見下す様子。 「傲岸」はいばり人を見下す、「不遜」はへりくだらない、従わないこと。
敖不可長(ごうふかちょう)
思い上がって他者を見下す心は増長させてはいけないということ。 「敖」はおごって偉そうにすること。 「敖(おごり)は長(ちょう)ず可(べ)からず」とも読む。
傲慢不羈(ごうまんふき)
人を見下して偉そうな態度で、誰にも縛られないこと。 「傲慢」は人を見下し、偉そうな態度をとること。 「不羈」は誰にも縛られないこと。または、すぐれた才能があり、自由に振舞うこと。
傲慢不遜(ごうまんふそん)
いい気になって、人を見下す様子。 「傲慢」は人を見下す態度。 「不遜」は他人を敬うことがないこと。
再起不能(さいきふのう)
以前のよい状態に戻ることができないこと。 「再起」は悪い状態から以前のよい状態に戻ること。 「不能」は実現する能力がないこと。
歳月不待(さいげつふたい)
年月はあっという間に過ぎていき、人の都合などでは待ってくれないので、時を大切にせよという戒めの語。
采色不定(さいしょくふてい)
怒ったり喜んだりと、感情がころころと変わること。 「采色」は顔つきや顔色。 顔つきが一定しないという意味から。
采椽不斲(さいてんふたく)
簡素な建物。 「采椽」は建物の棟木から軒桁にかけて斜めに取りつけ、屋根板を支える垂木に切り出して削っていない丸太をそのまま使うこと。 「斲」は削ること。 中国の古代の伝説上の天子である尭帝の宮殿が簡素であったことをいう言葉。 「采椽(さいてん)斲(けず)らず」とも読む。
数見不鮮(さくけんふせん)
珍しいことでも、何度も遭遇していると珍しくなくなるということ。 いつも顔を合わせている人に対しては、新鮮味がなくなるという意味から。 「数」はしばしばや何度も、たびたび。 「数(しばしば)見れば鮮(せん)ならず」とも読む。
三寸不律(さんずんふりつ)
長さの短い筆のこと。 「三寸」の「寸」は長さの単位で、「三寸」は長さが短いことのたとえ。 「不律」は筆の別名。
賛拝不名(さんぱいふめい)
天子に上奏する時に、自分の名前を言わなくてよいこと。 天子が功績のある臣下に与えた特権の一つ。 「賛拝(さんぱい)するに名(な)いわず」とも読む。
罪不容誅(ざいふようちゅう)
罪が重いため、死罪ですら許すことができないこと。 中国の後漢の歴史家の班固が、前漢の末期に帝位を奪った王莽について言った言葉。
坐視不救(ざしふきゅう)
他人が災難に遭っていても、座ったまま見ているだけで助けようとしないこと。 「坐視(ざし)して救わず」とも読む。
孜孜不倦(ししふけん)
途中でやめることなく、ずっと努力し続けること。 「孜孜」は熱心に努力すること。 「倦」は何度も続いて嫌な気分になること。 「孜孜(しし)として倦(う)まず」とも読む。
孜々不倦(ししふけん)
途中でやめることなく、ずっと努力し続けること。 「孜孜」は熱心に努力すること。 「倦」は何度も続いて嫌な気分になること。 「孜孜(しし)として倦(う)まず」とも読む。
四十不惑(しじゅうふわく)
孔子が生涯を述懐して語った言葉で、四十歳のときに自分の学問に自信をもって、向かう方向が妥当だと確信して迷わなくなったということから、四十歳で迷わなくなること。
次第不同(しだいふどう)
決まった順序通りになっていないこと。
至徳不孤(しとくふこ)
徳さえあれば人から嫌われることもなく、周りに同じような人たちが集まるため、孤独になることはないということ。 「至」は至って。きわめて。この上なく。 「徳」はよい人格。 「至徳(しとく)は孤(こ)ならず」とも読む。
志不可満(しふかまん)
願望は完全に満たすのではなく、常に何か未達成の状態に留めておく方が望ましいということ。 「志(こころざし)満(み)たす可(べ)からず」とも読む。
四曼不離(しまんふり)
真言密教の四種類の曼荼羅は、お互いに深く関わりあっていて分けることはできないという教義のこと。 「四曼」は四種曼荼羅を略した仏教の言葉で、梵字や立像、仏具などで悟りの境地や世界観など表現したもののこと。 「不離」は密接に結びついていて、分けることができないということ。
衆寡不敵(しゅうかふてき)
少数は多数には勝てないこと。 「衆」は数が多い、「寡」は数が少ない、「不敵」は敵対できないという意味で、戦争や勝負では、人数が多いほうが有利だということから。
秀而不実(しゅうじふじつ)
才能があっても功績や評価などを残せないことのたとえ。 穂が出ているのに実ができないことから。 「秀(ひい)でて実(みの)らず」とも読む。
愁眉不展(しゅうびふてん)
悩みや心配事が解決せず、心配し続けている様子。 「愁眉」は悩みなどが原因となって眉をひそめている様子。 「愁眉(しゅうび)展(ひら)かず」とも読む。
出言不遜(しゅつげんふそん)
言葉遣いや話し方が偉そうで、他人を敬わない、無礼な人のこと。 「出言」は言葉を出すこと。または、言葉そのもののこと。 「不遜」は無礼なこと。
手不釈巻(しゅふしゃくかん)
勉学に励むこと。 手から書物を離すことなく、読み続けることから。 中国の後漢の時代の光武帝は、戦場でも書物を手放さなかったという故事から。 「手(て)、巻(かん)を釈(す)てず」とも読む。
消化不良(しょうかふりょう)
胃や腸の働きが鈍くなり、食物の消化がうまくいかないこと。 または、知識や技術をうまく使いこなせないことのたとえ。 「消化」は食べ物を吸収しやすいように、胃や腸で分解すること。 「不良」は状態が悪いこと。
生死不定(しょうじふじょう)
人の一生は儚いということ。 仏教の言葉で、人はいつ生まれて、いつ死ぬかは決まってないのでわからないという意味から。
従容不迫(しょうようふはく)
のんびりと落ち着いている様子。 「従容」は気持ちが落ち着いていること。 「不迫」は何事にも動じないこと。 「従容(しょうよう)として迫らず」とも読む。
食不重肉(しょくふじゅうにく)
一度の食事で複数の肉料理を食べないことから、質素な食生活の様子を表す言葉。 中国の春秋時代に斉の宰相であった晏嬰(あんえい)の生活様式に由来する。 「食(しょく)は肉(にく)を重(かさ)ねず」とも読む。
真金不鍍(しんきんふと)
真の実力や才能があれば、わざわざ外見や表面を飾る必要はないということ。 金自体が高く評価される素材であるため、めっきで表面を飾る必要がないことから。 「鍍」はめっきのこと。 「真金(しんきん)は鍍(と)せず」とも読む。
信言不美(しんげんふび)
誠実な言葉は飾り気がなく、必ずしも美しくないということ。 「信言(しんげん)美(び)ならず」とも読む。 この後に、「美言(びげん)信(しん)ならず(飾り立てた言葉は信用できない)」と続く。
心不在焉(しんふざいえん)
心が他の場所にあるため、目の前の物事に集中できない状態を指す言葉。 注意散漫で、手元の作業や会話に心を傾けることが難しい様子などをいう。 「心(こころ)焉(ここ)に在(あ)らず」とも読む。
自彊不息(じきょうふそく)
休むことなく、自ら努力を続けること。 「彊」は心を緩めず励んで行うこと。 「自彊(じきょう)息(や)まず」とも読む。 「自彊」は「自強」とも書く。
自強不息(じきょうふそく)
休むことなく、自ら努力を続けること。 「彊」は心を緩めず励んで行うこと。 「自彊(じきょう)息(や)まず」とも読む。 「自彊」は「自強」とも書く。
自他不二(じたふに)
絶対的な平等のこと。 仏教の考え方から見ると自身と他人には区別などなく、自身を救うことと他人を救うことは同じことであるという仏教の言葉。
時不可失(じふかしつ)
良い機会は逃さないようにするべきということ。 「時(とき)は失(うしな)う可(べ)からず」とも読む。
時不久留(じふきゅうりゅう)
時間は素早く過ぎていくものであるということ。 「時(とき)久(ひさ)しくは留(とど)まらず」とも読む。
時不再来(じふさいらい)
良い機会は二度と訪れないこともあるので、時機を逃すことなく行動すべきであるということ。 「時(とき)再(ふたた)び来(きた)らず」とも読む。
充耳不聞(じゅうじふぶん)
耳を塞いで話しを聞こうとしないこと。 話を聞く気が全くないことをいう。 「充」は塞ぐという意味。 「耳を充(ふさ)いで聞かず」とも読む。
裋褐不完(じゅかつふかん)
貧しくて粗雑な衣服を身に着けていること。 衣服が破れたままで整っていないことから。 「裋褐(じゅかつ)完(まった)からず」とも読む。
述而不作(じゅつじふさく)
昔の人の説を伝えるだけで、むやみに自身の考えを作らないこと。 『論語』「述而篇」の冒頭の言葉で、孔子が自身の学問への態度について述べたもの。 「述べて作らず」ともいう。
常住不断(じょうじゅうふだん)
途切れることなくずっと続いていること。 「常住」と「不断」はずっと続いているという意味。 「常住」は仏教の言葉で、過去から現在、未来にわたって変わることなく続いていること。
常住不滅(じょうじゅうふめつ)
いつまでも変わらずに滅びないこと。 「常住」は生まれたり死んだりすることなく、いつまでもあり続けること。
常住不断(じょうじゅふだん)
途切れることなくずっと続いていること。 「常住」と「不断」はずっと続いているという意味。 「常住」は仏教の言葉で、過去から現在、未来にわたって変わることなく続いていること。
常備不懈(じょうびふかい)
普段の生活の中でも、何かあった時のための準備を怠らないこと。 「不懈」は怠らない、油断しないということ。 「常に備えて懈(おこた)らず」とも読む。
除去不祥(じょきょふしょう)
不運や不幸を避ける、またはそれらを取り除くこと。 邪気払い、また吉祥を願う言葉。
仁者不憂(じんしゃふゆう)
仁徳が備わった人は、常に人としての正しい行いをするので、悩むことがないということ。 「仁者」は仁徳が備わっている人、仁徳者。 「不憂」は悩んだり、不安になったりしないこと。 「仁者(じんしゃ)は憂(うれ)えず」とも読む。
人事不省(じんじふせい)
意識を失うこと。昏睡状態になること。 病気や怪我などで意識を失い、刺激に反応を示さないほどの酷い状態になることをいう。 「人事」は人としての感覚・意識。 「不省」は意識がはっきりとしないこと。
人不易知(じんふいち)
他人の本性を奥底まで知ることは容易ではないということ。 「人(ひと)は知(し)り易(やす)からず」とも読む。
寸歩不離(すんぽふり)
すごく近い距離にいること。または、非常に深い関係のこと。 「寸歩」はほんの少しの距離、一歩。 一歩より遠い距離に離れることがなく、常に一緒にいるという意味から。 「寸歩(すんぽ)も離れず」とも読む。
青黄不接(せいこうふせつ)
前年の穀物が消費し尽くされたのに、新しい穀物の苗がまだ育っていない端境期(はざかいき)のこと。 また、次世代を担う人材が十分に育たず、世代交代が途切れている状態のたとえ。 「青」は今年に植えた穀物の苗のこと。 「黄」は昨年に収穫された穀物のこと。
成事不説(せいじふせつ)
過去の出来事について、あれこれ言わないこと。 「成事」は過去の出来事。 「説」は議論すること。 孔子が弟子の宰我の失言について諭した言葉。 「成事(せいじ)は説かず」とも読む。
井渫不食(せいせつふしょく)
すぐれた才能をもつ人物が登用されずにいることのたとえ。 「井渫」の「渫」は水の底にあるごみを取り除くという意味から、「井渫」はきれいな井戸水のこと。 「不食」は飲むためには用いないこと。 ごみなどのないきれいな井戸水があるのに、飲むための水として用いないという意味から。 「井(せい)渫(さら)えども食らわれず」とも読む。
摂取不捨(せっしゅふしゃ)
この世に生きているもののことを、仏が決して見捨てることなく救うこと。 「摂取」は仏がこの世で生きているものを救うこと。 「不捨」はどんな生き物のことも、仏は決して見捨てないということ。
千古不易(せんこふえき)
永遠に変わらないこと。 「千古」は大昔、または、遠い昔から現在まで長い時間のこと。 「不易」は変わらないという意味。
千古不朽(せんこふきゅう)
いつまでも価値を保ち続けること。 「千古」はこの上なく遠い過去。昔。または、昔から現在までの長い時間。 「不朽」は失われることなく、後の世まで残ること。
千古不抜(せんこふばつ)
いつまでも変化しないこと。 「千古」はこの上なく遠い過去。昔。または、昔から現在までの長い時間。 「不抜」は堅くてゆるがないこと。
千古不磨(せんこふま)
いつまでもなくならないこと。または、途絶えることなく、伝わり続けること。 「千古」は遠い昔のこと。または、遠い過去から現在まで。 「不磨」は磨り減ってなくなることがないということ。 すぐれた伝統や芸術、技術などがいつまでも受け継がれていくことについていう。
千古不滅(せんこふめつ)
いつまでも価値を保ち続けること。 「千古」はこの上なく遠い過去。昔。または、昔から現在までの長い時間。 「不滅」は失われることなく、後の世まで残ること。
前後不覚(ぜんごふかく)
物事の前後がわからなくなるほど、正気を失ってしまうこと。 気絶したり、酒を飲みすぎたりした状態のことをいう言葉。 「前後」は物事の前と後。 「不覚」は意識がしっかりしてしないこと。
相即不離(そうそくふり)
深すぎて切り離すことができない関係のこと。 「相即」は仏教の言葉で、全ての事象は完全に溶け合っていて、一つのものであり、本質は一体であるということ。 「相(あい)即(つ)きて離れず」とも読む。
大信不約(たいしんふやく)
約束をしなければ守られないようなことは、本当の信頼関係とはいえないということ。 または、信義のない約束は、約束としての意味を持たないということ。 「大信」はこのうえない誠意という意味から、本物の信頼関係という意味。 「大信(たいしん)は約せず」とも読む。
大道不器(たいどうふき)
聖人が行う偉大な道は、普遍的で大きな働きをもつということ。 「大道」は聖人が行う偉大な道。 「器」は物を入れることしか使い道のない器のこと。 器のように一つの用途でしか使えないものとは異なり、聖人の行う道は様々な作用を発揮するという意味から。
大惑不解(たいわくふかい)
自分の心にある迷いを理解できない人は、いつまでも真理を悟ることができないということ。 または、様々なことを疑い迷って、疑問を解くことができないこと。 「大惑」は酷く迷うということで、自分の心にある迷いを理解できない人をいう。 「大惑(たいわく)解(と)けず」または、「大惑(たいわく)は解(さと)らず」とも読む。
卓爾不群(たくじふぐん)
一際すぐれていること。 または、そのような人のこと。 「卓爾」は並外れてすぐれていること。 「不群」は他よりも特にすぐれていること。
大胆不敵(だいたんふてき)
精神力が強く、決して恐れることがないこと。 「大胆」は度胸が据わっていること。 「不敵」は敵を敵とも思わないこと。
大智不智(だいちふち)
本当にすぐれて賢い人は、知識や才能を見せびらかさないので、一見愚かな人のように見えるということ。 「大智」は、すぐれた知恵、またはそれを持つ人。 「大智(だいち)は智ならず」とも読む。
知者不言(ちしゃふげん)
物事を本当に知っている人は、軽々しく言葉に出して説明しようとはしないということ。
知者不惑(ちしゃふわく)
賢い人は物事の道理を理解しているので、判断に迷うことがないということ。
知足不辱(ちそくふじょく)
自分の境遇にあったところで満足すれば、辱めを受けることはないという意味。 分をこえた欲求を戒めた言葉。
長生不死(ちょうせいふし)
いつまでも死なずに生き続けること。
朝不謀夕(ちょうふぼうせき)
目の前のことを考える余裕もない、差し迫った状況のこと。 または、先のことを考える余裕もないこと。 朝に夕方のことすら考えないという意味から。 「朝(あした)に夕(ゆうべ)を謀らず」とも読む。
直立不動(ちょくりつふどう)
まっすぐと立って、動かないこと。
顛越不恭(てんえつふきょう)
人としての道を外れて、君主の命令に従わないこと。 「顛越」は転がり落ちるという意味から、人としての道を外れること。 「不恭」は不謹慎な態度のこと。
顛撲不破(てんぼくふは)
どうやっても議論で相手を言い負かすことができないこと。 「顛」はひっくり返すこと。 「撲」はたたくこと。 ひっくり返したり、たたいたりしても破れないという意味で、学説などが批判や、反論など一切できないほどに正しいことをいう。
同而不和(どうじふわ)
こびへつらって調子を合わせているが、親しみは持っていないこと。 孔子が、くだらない人間との付き合い方について言った言葉。 「同じて和(わ)せず」とも読む。
独立不羈(どくりつふき)
他の人から縛られず、自身で判断して行動すること。 「不羈」はなにものにも繋ぎ止められないこと。 「不羈独立」ともいう。
独立不撓(どくりつふとう)
他人に頼らずに、自分自身の力だけで物事を行い、辛いことがあってもくじけないこと。 「撓」は枝がたわむということから、心が折れる、くじけるということのたとえ。
呑吐不下(どんとふげ)
質問の答えに困って、何もいえない様子。 「呑吐」は呑むことと吐くこと。 「不下」はその行動をする余裕がないということ。 仏教の言葉で、呑むことも吐くこともできないということから。
難攻不落(なんこうふらく)
非常に攻めることが難しく、容易には陥落しないこと。 または、事が思い通りに進まないこと。 「難攻」は攻めることが難しいという意味。 「不落」は落城することがないという意味。
南山不落(なんざんふらく)
城や城塞などが堅固で陥落しないことのたとえ。 「南山」は堅固や長寿の象徴とされる中国の山、終南山のこと。
破鏡不照(はきょうふしょう)
一度壊れたものは、壊れる前と同じ状態には戻らないという意味。または、悟りを得たものは二度と迷いを持つことはないということ。 主に夫婦の関係のことをいい、離婚した夫婦は二度と離婚以前の状態にはならないという意味。 「破鏡」は割れた鏡。または、離婚すること。 「不照」は照らすことはないという意味。 「破鏡照らさず」とも読む。
半身不随(はんしんふずい)
体の左右半分のどちらかが痺れて、感覚が無くなって思うとおりに動かなくなること。 「半身」は体の左右どちらか半分。 「不随」は怪我や病気が理由で、身体が思い通りに動かなくなること。
叛服不常(はんぷくふじょう)
態度がすぐに変わること。 「叛」は従わないこと。 「服」は従うこと。 いつも背くわけではなく、いつも服従しているわけではないという意味から。 「叛服(はんぷく)常(つね)ならず」とも読む。
万古不易(ばんこふえき)
いつまでも変化しないこと。 「万古」は非常に長い期間、永遠という意味。 「不易」は変わる事がないこと。
万古不磨(ばんこふま)
永遠に滅びないこと。 「万古」は永遠や、永久。 「不磨」はすぐれているものがいつまでも残ること。
万世不易(ばんせいふえき)
いつまでも変わらないこと。 「万世」は永遠、いつまでもという意味。 「不易」は変わらないということ。
万世不刊(ばんせいふかん)
途切れることなく、いつまでも伝わり続けること。 または、いつまでも無くならないこと。 「万世」は永遠、いつまでもという意味。 「不刊」はなくならない、すりへらないということ。
万世不朽(ばんせいふきゅう)
永遠に滅びないこと。 「万世」は永遠や永久。 「不朽」は永遠に朽ちないこと。
万代不易(ばんだいふえき)
いつまでも変化しないこと。 「万代」は非常に長い期間、永遠という意味。 「不易」は変わる事がないこと。
万夫不当(ばんぷふとう)
たくさんの男が向かっていっても、勝負にすらならないほど強い人のこと。 「万夫」は大勢の男。 「不当」は相手にもならないこと。 「万夫(ばんぷ)当たらず」とも読む。
百世不磨(ひゃくせいふま)
いつまでも消えることなく存在し続けること。 「百世」は世代が百代もの長い期間という意味から、非常に長い年月、後世まで長く続くという意味。 「不磨」は擦り減ってなくなることがないこと。
百折不撓(ひゃくせつふとう)
何度失敗しても信念を曲げないこと。 「百折」は何度も折れること。 「不撓」は決して曲がらないこと。 非常に意志が固いことをたとえた言葉で、物事が何度途中で駄目になっても、決して諦めないという意味から。
百折不撓(ひゃくせつふどう)
何度失敗しても信念を曲げないこと。 「百折」は何度も折れること。 「不撓」は決して曲がらないこと。 非常に意志が固いことをたとえた言葉で、物事が何度途中で駄目になっても、決して諦めないという意味から。
百古不磨(ひゃっこふま)
いつまでも消えることなく存在し続けること。 「百古」は非常に長い年月、後世まで長く続くという意味。 「不磨」は擦り減ってなくなることがないこと。
尾大不掉(びだいふとう)
臣下の力が大きくなりすぎると、君主が統制することができなくなるということ。 「尾大」は尾の大きさが大きいこと。 「掉」は振り動かすこと。尾が大きすぎると自力で尾を動かすことができないという意味から。
不易流行(ふえきりゅうこう)
松尾芭蕉一門の俳諧の理念の一つで、絶対に変わることがない部分を忘れずに、変化を続けている新しいものを取り入れていくこと。 または、新しいものを取り入れていくことこそが、永遠に変わらないことであるということ。 「不易」はいつまでも変わらないこと。 「流行」はその時々に合わせて変化すること。
不壊金剛(ふえこんごう)
並外れて固く、決して壊れないこと。 または、非常に意志が固いこと。 「金剛」は「堅固」という意味の梵語を、漢語に翻訳した言葉。 「不壊金剛」ともいう。
不解衣帯(ふかいいたい)
他のことを忘れるほど、あることに集中すること。 「衣帯」は着物と帯のこと。 衣服も着替えず、不眠不休で仕事に取り組むことから。 「衣帯(いたい)を解かず」とも読む。 「不解衣帯」ともいう。
不可抗力(ふかこうりょく)
人の力ではどうすることもできない大きな力や事態のこと。 または、必要と認められる注意や予防法を講じても、なお被害を防ぐことができないことをいう法律用語。 「不可抗」は人の力ではどうすることもできないという意味。 不慮の事故や天災などのこと。
不可思議(ふかしぎ)
人間の持っている知識では理解することができない出来事やその様子。または、常識では考えることすらできないおかしな出来事やその様子。 元は仏教語で、普通の人が考えても思いつくことができないようなことや、言葉で言い表すことが出来ないことをいい、仏の知恵や神通力、悟りの境地などのことをいう言葉。 「不思議」という言葉は「不可思議」を略したもの。
不刊之書(ふかんのしょ)
いつまでも伝わり続ける書物。 不朽の名作。 「刊」は削るという意味。 紙のない時代には、木や竹に文字を記し、必要の無い部分や誤った部分は削っていたということから。
不羈自由(ふきじゆう)
何者にも縛られず、自由なこと。または、普通よりもすぐれていた性質のために束縛することができないこと。 「不羈」は繋ぎ止めることができず、自由なこと。
不羈独立(ふきどくりつ)
他の人から縛られず、自身で判断して行動すること。 「不羈」はなにものにも繋ぎ止められないこと。 「不羈独立」ともいう。
不帰之客(ふきのきゃく)
死んだ人のこと。 二度と帰ることの出来ない旅に出た人という意味から。
不羈之才(ふきのさい)
非常にすぐれた才能。 「羈」はつなぐという意味。 誰にも繋ぎとめることが出来ない才能という意味から。
不羈奔放(ふきほんぽう)
誰にも縛られることなく、好き勝手に振る舞うこと。 「羈」はつなぐという意味から「不羈」は何ものにも縛られないこと。 「奔放不羈」ともいう。
不急之務(ふきゅうのつとめ)
いつかはしなければならないが、特に急ぐ理由のない仕事のこと。
不急之務(ふきゅうのむ)
いつかはしなければならないが、特に急ぐ理由のない仕事のこと。
不朽不滅(ふきゅうふめつ)
滅びることなくいつまでも続くこと。永遠に滅びないこと。 朽ちて滅びるという意味の「朽滅」に、否定の意味の「不」をそれぞれに添えた言葉。
不協和音(ふきょうわおん)
意見が揃わなかったりして、釣り合いが取れない状態のこと。 元は調和が取れず、不安定で耳障りな和音のこと。
不羈磊落(ふきらいらく)
世間の習慣やくだらないことにこだわらず、縛られない様子。 「不羈」は何ものにも縛られず、自由なこと。 「磊落」は度量が広く、くだらないにこだわらない様子。
不義富貴(ふぎのふうき)
正しくない方法を使って手に入れた財産や地位のこと。 「不義」は人の道理から外れること。 「富貴」は財産と高い身分の両方があること。
不義不正(ふぎふせい)
人としての道理から外れていて、正しくないこと。 「不義」は人としての道理から外れること。 「不義不正」ともいう。
不義不貞(ふぎふてい)
信念がなく、人としての道理から外れていること。 「不義」は人としての道理から外れること。 「不貞」は貞操を守らないこと。 「不貞不義」ともいう。
不義不徳(ふぎふとく)
人としての道理から外れること。 「不義」は人としての道理から外れること。 「不徳」は人としての道理に背くこと。
覆水不返(ふくすいふへん)
一度行ったことは、元に戻したり、やり直したりすることは出来ないということ。 または、一度離婚した夫婦の仲は二度と元のようになることはないということ。 こぼれた水は元には戻らないという意味から。 古代中国の周の呂尚は、読書ばかりしていて貧乏だったために妻の馬氏は離婚したが、呂尚が出世すると復縁を求めた。 呂尚は水を地面にこぼして、こぼれた水は二度と元には戻らないと言い、断ったという故事から。 「覆水は返らず」とも読み、多くは「覆水盆に返らず」という形で用いる言葉。
不屈不撓(ふくつふとう)
苦労や困難があっても決して諦めることがないこと。 「不屈」と「不撓」はどちらも決して屈しない、諦めないという意味。 似た意味の語を重ねて強調した言葉。 「不屈不撓」ともいう。
不倶戴天(ふぐたいてん)
同じ世界で一緒に生きていくことができないほどに深い恨みや憎しみのこと。 「不倶」は共存することができないこと。 「戴天」は同じ世界にいること。 「倶に天を戴かず」とも読み、もとは父親の仇敵を言う言葉で、同じ世界に生かしてはおかないという意味。
不虞之誉(ふぐのほまれ)
偶然手に入れた名誉のこと。 「不虞」は予想外、思ってもいないこと。 手に入れた名誉を謙遜していう言葉。
不繋之舟(ふけいのふね)
心に不満や不信など何もない、無心のたとえ。 または、なにものにも縛られずにただ漂っているだけのような人のこと。 繋がれてなく、ただ波に漂う船という意味から。
不言実行(ふげんじっこう)
屁理屈をこねたり文句を言ったりせず、黙ってやるべきことをやること。 「不言」は口に出して言わないこと。 「実行」は実際に行動すること。
不言之教(ふげんのおしえ)
口に出すことなく相手に習得させることのできる教えのこと。 老荘思想の「無為自然」の教えのことで、道を修めた者は、何もせず、何も言わずに人を教え導くことができるということ。
不言不語(ふげんふご)
何も言わないこと。 または、口に出して言うことなく、相手に理解されること。 「言わず語らず」という形で用いられることの多い言葉。
不耕不織(ふこうふしょく)
何かを生み出すような仕事をしないこと。 または、武士などの身分のこと。 田を耕すこともなく、機を織ることもないという意味から。 そのような仕事には、武士は関わることはないということから。
不遑枚挙(ふこうまいきょ)
極めて数が多いために、全てを数えることができないこと。 「不遑」は余裕がない様子。 「枚挙」は一つずつ数を数えること。 「枚挙(まいきょ)に遑(いとま)あらず」とも、「枚挙(まいきょ)に遑(いとま)がない」とも読む。
不在証明(ふざいしょうめい)
事件が起こったその時に、容疑者が現場にいなかったことを証明すること。 「現場不在証明」を略した言葉。
不失正鵠(ふしつせいこう)
物事の一番大切な部分を正確にとらえること。 「正鵠」は弓の的にある中心の黒い星のこと。 矢を外すことなく、正確に正鵠を射抜くという意味から。
不失正鵠(ふしつせいこく)
物事の一番大切な部分を正確にとらえること。 「正鵠」は弓の的にある中心の黒い星のこと。 矢を外すことなく、正確に正鵠を射抜くという意味から。
不死不朽(ふしふきゅう)
永遠に滅びないこと。 「不死」は死ぬことがないこと。 「不朽」はいつまでも滅びずに残ること。
不惜身命(ふしゃくしんみょう)
命や体を惜しむことなく、全力で事に当たること。 「不惜」は使うことにためらわないこと。 「身命」は体と命。 元は仏教語で、仏道を修めるために体も命もためらわずに捧げるという意味。
不渉階梯(ふしょうかいてい)
段階を踏まずに、いきなり悟りに至ること。 「階梯」は修行の段階のこと。 「階梯(かいてい)に渉(わた)らず」とも読む。
不将不迎(ふしょうふげい)
後悔することなく、これから先に起こるかもしれないことに悩んだりしないこと。 「将」は送ること。 去っていくものを送ることなく、来るものを迎えないという意味から。 「将(おく)らず迎えず」とも読む。
不承不承(ふしょうぶしょう)
嫌だと思いながらも仕方なく物事を行うこと。 「不承」は嫌だと思いながらも聞き入れること。 同じ言葉を重ねて意味を強調した言葉。 「不請不請」とも書く。
不請不請(ふしょうぶしょう)
嫌だと思いながらも仕方なく物事を行うこと。 「不承」は嫌だと思いながらも聞き入れること。 同じ言葉を重ねて意味を強調した言葉。 「不請不請」とも書く。
不時之需(ふじのじゅ)
突然発生した必要や需要のこと。 思いがけない時の要求という意味から。
不時之需(ふじのもとめ)
突然発生した必要や需要のこと。 思いがけない時の要求という意味から。
不時之須(ふじのもとめ)
突然発生した必要や需要のこと。 思いがけない時の要求という意味から。
不正不義(ふせいふぎ)
人としての道理から外れていて、正しくないこと。 「不義」は人としての道理から外れること。 「不義不正」ともいう。
不正不公(ふせいふこう)
正しくない上に不公平なこと。 「不公」は不公平なこと。
不正不便(ふせいふべん)
正しくなく、都合が悪いこと。 「不便」は便利ではない、不都合なこと。
不説一字(ふせついちじ)
仏法の真理や悟りの境地は大変奥深く、言葉で言い表すことはできないため、自ら体得するしかないということ。 釈迦が悟り得た境地の真理は一字も説いていないことから。 「不説一字」ともいう。
不争之徳(ふそうのとく)
人と争わないという人格。 「不争」は人と争いをしないこと。 「徳」は立派な人格。 本当に強い人は争わず、戦わず、人を使うことがうまい人は、人に謙るということ。 老子が説いた言葉。
不即不離(ふそくふり)
二つのものが、近づき過ぎることも離れ過ぎることもなく、適度な関係にあること。 「不即」は近づかないこと。 「不離」は離れないこと。 「即(つ)かず離れず」とも読む。 「不離不即」ともいう。
不断節季(ふだんせっき)
決算を毎日するつもりで、借金をせずに地道に生活すれば、困るようなことにはならないということ。 「不断」はいつもの生活、日常。 「節季」は盆と暮れに行う、一年に二回の決算の時期のこと。
不知案内(ふちあんない)
知識がないために、何が起こっているのか全くわからないこと。 「不知」は知識がないこと。 「案内」は物事の事情や様子のこと。 「案内を知らず」とも読む。
不智不徳(ふちふとく)
知恵や学識がなく、正しい行いや品性が欠けていること。 「智徳」は知恵や学識、知識と道徳や人格を兼ね備えていること。 「智徳」に否定の意味の「不」を添えた言葉。 「不知不徳」とも書く。
不知不徳(ふちふとく)
知恵や学識がなく、正しい行いや品性が欠けていること。 「智徳」は知恵や学識、知識と道徳や人格を兼ね備えていること。 「智徳」に否定の意味の「不」を添えた言葉。 「不知不徳」とも書く。
不貞不義(ふていふぎ)
信念がなく、人としての道理から外れていること。 「不義」は人としての道理から外れること。 「不貞」は貞操を守らないこと。 「不貞不義」ともいう。
不撓不屈(ふとうふくつ)
苦労や困難があっても決して諦めることがないこと。 「不屈」と「不撓」はどちらも決して屈しない、諦めないという意味。 似た意味の語を重ねて強調した言葉。 「不屈不撓」ともいう。
不得要領(ふとくようりょう)
大切な部分のことがよくわからないこと。 「要領」は着物で大切な部分の腰帯と襟のことで、物事の大切な部分のことをいう。 「要領を得ず」とも読む。
不同不二(ふどうふじ)
一つだけしかないこと。 「不同」と「不二」は同じものが存在しないこと。
不敗之地(ふはいのち)
負ける可能性が絶対にない態勢のこと。 敵の攻撃を受けにくく、攻め落とされる可能性のない大事な場所にあること。 「不敗の地に立つ」という形で使うことが多い言葉。
不買美田(ふばいびでん)
子孫のためを思って、故意に資産を残さないこと。 「美田」は肥えた地質の田畑。 多くの資産を子孫に残すと、その資産に頼って、子孫は怠けて楽な生き方を選んでしまうということから。 「美田(びでん)を買わず」とも読む。
不抜之志(ふばつのこころざし)
何があっても諦めないこと。 「不抜」はどうやっても抜くことができないという意味から、とても堅いことのたとえ。
不聞不問(ふぶんふもん)
興味を示さない態度のこと。 「不聞」は聞こうとしない態度。 「不問」は質問しようとしない態度。 「聞かず問わず」とも読む。
不平煩悶(ふへいはんもん)
様々な不満や悩み、苦しみのこと。 「不平」は思うとおりにならずに、不満に思うこと。 「煩悶」は悩みや苦しみのこと。
不平不満(ふへいふまん)
思うとおりにならずに、満たされずに気持ちが落ち着かない様子。 「不平」と「不満」はどちらも満足できずに、心が落ち着かないことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
不偏不党(ふへんふとう)
主義や思想にこだわることなく、また特定の党に所属することなく、公平で中立の立場をとること。 「不偏」はかたよらないこと。 「不党」は特定の主義や主張を持つ党派に所属しないこと。
不眠不休(ふみんふきゅう)
物事に取り組み続けること。 睡眠をとることもなく、休憩もすることなく物事を行い続けるということから。
不名一銭(ふめいいっせん)
一銭の金もなく、とても貧しいこと。 「名」は「所持する」という意味。
不毛之地(ふもうのち)
作物が育たない、ひどく痩せた土地。 または、見るべきよい結果や、発見が何もないこと。 「毛」は地面から生える草木や穀物のこと。
不要不急(ふようふきゅう)
大したことではないこと。 重要でもなく、急ぐ必要もないという意味から。
不埒千万(ふらちせんばん)
法や道理に従わないこと。 または、非常に無礼なこと。 「埒」は乗馬をする場所の囲いのこと。 「不埒」は埒から外れるということから、法や道理から外れることをいう。 「千万」は普通の程度を甚だしく超えていることを言い表す言葉。
不離不即(ふりふそく)
二つのものが、近づき過ぎることも離れ過ぎることもなく、適度な関係にあること。 「不即」は近づかないこと。 「不離」は離れないこと。 「即(つ)かず離れず」とも読む。 「不離不即」ともいう。
不立文字(ふりゅうもんじ)
経典に書かれている教義や教条だけではなく、体験によって伝えることが最も大切であるということ。 禅宗の言葉で、悟りの道は言葉や文字ではなく心で伝わるものだという教えから。 「文字(もんじ)を立てず」とも読む。
不倫不類(ふりんふるい)
決められた基準に合わず、分類で分けられないこと。または、いい加減な様子。 「不倫」と「不類」はどちらも似ているものがいないということ。
不霊頑冥(ふれいがんめい)
道理がわからず、頑固で思考が鈍い人のこと。 「頑冥」は頑固で道理がわからないこと。 「不霊」は頭の働きが鈍いこと。 「不霊頑冥」ともいう。
不労所得(ふろうしょとく)
労働をせずに収入を得ること。 配当金や利子、土地の利用料などで得られる収入をいう。
不老長寿(ふろうちょうじゅ)
老いることなくいつまでも長生きすること。
不老長生(ふろうちょうせい)
いつまでも年老いることなく長生きすること。 「不老」はいつまでも年を取ることないことや、老いることがないこと。 「長生」は長く生きること。
不老不死(ふろうふし)
老いることなく、いつまでも生き続けること。
不惑之年(ふわくのとし)
四十歳になって、心に迷いがなくなること。 孔子が生涯を述懐して語った言葉で、四十歳のときに自分の学問に自信をもって、向かう方向が妥当だと確信して迷わなくなったということから。
無為不言(ぶいふげん)
何もしていなくても、何も言わなくても全てがうまくいくこと。
放縦不羈(ほうしょうふき)
何ものにも縛られず、好きなように振る舞うこと。 「放縦」は好き勝手に振る舞うこと。 「不羈」は何ものにも縛られないこと。
放縦不羈(ほうじゅうふき)
何ものにも縛られず、好きなように振る舞うこと。 「放縦」は好き勝手に振る舞うこと。 「不羈」は何ものにも縛られないこと。
放蕩不羈(ほうとうふき)
思うまま好き勝手に振る舞うこと。 「放蕩」は好き勝手に振る舞うこと。 「不羈」はなにものにも縛られないこと。
奔放不羈(ほんぽうふき)
誰にも縛られることなく、好き勝手に振る舞うこと。 「羈」はつなぐという意味から「不羈」は何ものにも縛られないこと。 「奔放不羈」ともいう。
茅茨不翦(ぼうしふせん)
粗末な家のこと。 または、質素な生活のたとえ。 「茅茨」は屋根の材料のちがやといばらのことから、茅葺きの屋根のこと。 「不翦」は切りそろえていないために端が不揃いなこと。 「茅茨(ぼうし)翦(き)らず」とも読む。 古代中国の伝説の聖天子の尭が、王になっても粗末な家に住み、質素な生活を重んじたという故事から。
密雲不雨(みつうんふう)
前触れはあるのに事が起こらないこと。 また、恩恵が全ての人にいきわたらないこと。 雨雲が空いっぱいに覆っているが、まだ雨は降らないという意味。
無為不言(むいふげん)
何もしていなくても、何も言わなくても全てがうまくいくこと。
冥頑不霊(めいがんふれい)
道理がわからず、頑固で思考が鈍いひとのこと。 「冥頑」は頑固で道理がわからないこと、「不霊」は頭の働きが鈍いという意味。
迷者不問(めいしゃふもん)
わからないことがあれば積極的に尋ねるべきだという戒め。 無知な人は道に迷っても、人に道を尋ねることをせず、さらに迷うことになるという意味。
面向不背(めんこうふはい)
どの方向から見ても整っていて美しいこと。 または、どの方向から見ても同じであること。 「面向」は顔の額の中央ということから、顔の正面のこと。 「不背」は裏が存在しないこと。 元は正面が三方向ある仏像のことをいい、どの方向から見ても正面になるということから。
面誉不忠(めんよふちゅう)
直接相手と向かい合って人をほめる人は、誠実ではないということ。 「面誉(めんよ)忠ならず」とも読む。
網目不失(もうもくふしつ)
法が細かいところまで厳しく抜け道がないこと。 「網目」は法の網の目のこと。 法の網の目に穴がないという意味から。
網目不疎(もうもくふそ)
法が細かいところまで厳しく定められていて抜け道がないこと。 「網目」は法の網の目のこと。 「疎」はあらいや大雑把ということ。 法の網の目があらくないという意味の言葉。
門外不出(もんがいふしゅつ)
とても大切な技術や物などを、決して他人に知られないように人に見せ付けたり自慢することなく隠して外に出さないこと。 家の門から外に出さないという意味から。
唯一不二(ゆいいつふじ)
世の中に一つだけで他に並ぶものがないもののこと。 「唯一」は一つだけ、「不二」は二つとないということで、同じ意味を持つ同義語を並べたもの。
游移不定(ゆういふてい)
思い切りがつかずに、物事を決められないこと。 または、常に揺れ動いていて安定しないこと。 「游移」はあっちに行ったり、こっちに行ったりして定まらないこと。 「不定」は安定しないこと。 「游移(ゆうい)して定まらず」とも読む。
勇者不懼(ゆうしゃふく)
勇敢な人は恐れないこと。 「懼」は恐怖で震え上がること。 「勇者は懼(おそれ)ず」とも読む。
優柔不断(ゆうじゅうふだん)
いつまでもはっきりとせず、決断力に欠けること。 「優柔」ははっきりとしないこと、「不断」はどうするか決めることができないこと。
優游不断(ゆうゆうふだん)
いつまでもはっきりとせず、決断力に欠けること。 「優游」はのんびりと心のままにするさま。 「不断」はどうするか決めることができないこと。
六親不和(りくしんふわ)
家族や親戚との仲が悪く、憎んで争い合うこと。 「六親」は父・子・兄・弟・夫・妻のこと。 「六親(りくしん)和(わ)せずして、孝慈(こうじ)有り」を略した言葉で、「六親(りくしん)和(わ)せず」とも読む。
霊魂不滅(れいこんふめつ)
死によって肉体がなくなっても、人の霊魂は永遠に存続し不滅であるという考えのこと。
醴酒不設(れいしゅふせつ)
人をもてなすための礼儀が雑になること。 「醴酒」は甘酒のことで、酒を飲み始めや、酒が苦手な人のため酒。 「醴酒(れいしゅ)設(もう)けず」とも読む。 中国の前漢の楚の元王は穆生を師として、酒宴の時には甘酒を用意していたが、孫の戊が楚の王になると甘酒を用意しなくなったという故事から。
老少不定(ろうしょうふじょう)
人の寿命は歳に関係なく一定ではないので予見できないということ。 「不定」は一定ではない、定まっていないというから、人生の無常をいう仏教語。 「少」は若い、または若者という意味。
六親不和(ろくしんふわ)
家族や親戚との仲が悪く、憎んで争い合うこと。 「六親」は父・子・兄・弟・夫・妻のこと。 「六親(りくしん)和(わ)せずして、孝慈(こうじ)有り」を略した言葉で、「六親(りくしん)和(わ)せず」とも読む。
和而不同(わじふどう)
人と協力はしても、むやみやたらに意見や態度を同じにしないこと。 徳があるものは協力はするが同調はしない、徳がないものは協力はしないが同調するという意味から。