『三国志』を出典とする四字熟語 — 68 件
『三国志』(さんごくし)を出典とする四字熟語を一覧で紹介します。各四字熟語の読み方・意味もあわせて確認できます。全68件を五十音順に掲載しています。
四字熟語一覧(五十音順)
嗚呼哀哉(ああかなしいかな)「蜀志・諸葛亮伝」
強い悲しみの気持ちを言い表す言葉。 主に人の死に対して使う言葉。
一心一意(いっしんいちい)「魏志・杜恕伝」
心を一つにして一途に思うこと。 また、集中して一心に励むこと。 「一心」と「一意」はともに一つのことをひたすらに思うこと。
一身是胆(いっしんしたん)「蜀志・趙雲伝」
強い勇気があり、何事にも恐れないことのたとえ。 体全体に胆力が満ち溢れているという意味から。 「一身」は全身。 「胆」は勇気や度胸のこと。 「一身(いっしん)是(こ)れ胆(たん)なり」とも読む。 中国の三国時代、蜀の劉備が魏の曹操に追われて逃げたときに活躍した、部下の趙雲の勇ましさを称えたという故事から。
一世之傑(いっせいのけつ)「蜀志」
その時代で最もすぐれている英雄。
以労撃逸(いろうげきいつ)「魏志・張既伝」
疲労のたまった軍隊で気力に満ちた軍隊を打ち倒すこと。 「労」は疲労。 「逸」は休むこと。 「労(ろう)を以(もっ)て逸(いつ)を撃つ」とも読む。 中国の三国時代の魏の張既は、疲弊した遠征軍を率いて、策略によって他国を平定したという故事から。
雲中白鶴(うんちゅうのはっかく)「魏志」
世俗を超越した、心の清らかな人のたとえ。 白い雲の中にいる白い鶴のことで、心が清らかで、気高く立派な人物をたとえた言葉。
煙炎漲天(えんえんちょうてん)「呉志・周瑜伝」
火の勢いが激しい様子。 空を覆うように煙と炎が広がっていることから。 「煙炎、天に漲(みなぎ)る」とも読む。
延頸鶴望(えんけいかくぼう)「蜀志・張飛伝」
強く待ち焦がれること。 「延頸」は首を伸ばすこと。 鶴の長い首のように、長く首を伸ばして心待ちにするという意味から。 「頸(くび)を伸ばして鶴望(かくぼう)す」とも読む。
恩威並行(おんいへいこう)「魏志・周魴伝」
恩賞と刑罰をそれぞれ適切に与えること。 「恩威」は恩賞と刑罰。 「恩威(おんい)並び行う」とも読む。
開門揖盗(かいもんゆうとう)「呉志・呉主伝」
自分自身で原因を作って、災いを招き入れること。 「揖盗」は泥棒を会釈して招き入れること。 自宅の門を自ら開けて、会釈して泥棒を招き入れるという意味から。 「門(もん)を開いて盗(とう)に揖(ゆう)す」とも読む。
鶴立企佇(かくりつきちょ)「魏志・陳思王植伝」
心の底から待ち望むこと。 「企」は足のかかとを上げて、つま先で立つこと。 「佇」は待ち望むこと。 鶴が首を伸ばしてつま先で立つ姿を、人や物を待ち望んでいる様子にたとえたもの。 「鶴企」と略して使うこともある言葉。
刮目相待(かつもくそうたい)「呉志・呂蒙伝・注」
人の著しい進歩や成長を待ち望むこと。 または、今までとは違う見方をして、相手のことを見直すこと。 「刮目」は目をこすった後に、しっかりと見開いて見ること。 中国の三国時代、呉の孫権に忠告された呂蒙は勉学に勤しみ、その進歩の速さに魯粛は驚き、それに対して呂蒙は、「男子たるもの別れて三日たてば刮目して見なければならない」と言ったという故事から。 「刮目(かつもく)して相待(あいま)つ」とも読む。
下筆成章(かひつせいしょう)「魏志・文帝紀」
文章を作る速度が速い様子。 筆を持てば文章が出来上がるという意味から。 中国の三国時代の魏の文帝である曹丕を称した言葉。 「筆を下せば章を成す」とも読む。
臥竜鳳雛(がりょうほうすう)「蜀志・諸葛亮伝」
才能はあっても、機会がないために才能を発揮できない人のこと。 または、才能を発揮する機会がなく、世間に知られていない英雄や賢者のこと。 「臥竜」は寝ている竜。 「鳳雛」は中国の伝説上の鳥、鳳凰の雛。 どちらもまだ知られていない英雄や賢者、または、将来に期待されている若者のたとえとしても使われる。 中国の三国時代、有能な人材を探していた劉備に、司馬徽が諸葛亮を臥竜に、龐統を鳳雛にたとえてすすめたという故事から。
帰正反本(きせいはんぽん)「蜀志・馬超伝」
悪い状態をよい方へ変えて、元のあるべき状態に戻ること。 「正に帰り本(もと)に反(かえ)る」とも読む。
泣斬馬謖(きゅうざんばしょく)「蜀志・馬謖伝」
法や規律を私情で曲げるべきではないということのたとえ。 または、大きな目的を果たすために私情を捨てること。 最も信頼している部下でも、法や規律を犯せば処罰するという意味から。 「馬謖」は中国の三国時代の人の名前。 中国の三国時代の蜀の諸葛亮が信頼を置いていた馬謖は、命令違反をして敗退したために、私情を捨て、涙をのんで軍規に従い処刑したという故事から。 「泣いて馬謖を斬る」とも読み、この形で使うことが多い言葉。
共為唇歯(きょういしんし)「蜀志・鄧芝伝」
互いが互いを助けることで成り立つ関係のこと。 唇と歯のように互いに支え合う関係のことから。 「共に唇歯(しんし)となる」とも読む。 中国の三国時代に、蜀と呉が講和を結ぶときに言った言葉から。
傾家蕩産(けいかとうさん)「蜀志・董和伝」
財産の全てを使い果たし、全てを失うこと。 「傾家」と「蕩産」はどちらも財産を全て使って失うこと。 「家を傾(かたむ)け産(さん)を蕩(やぶ)る」とも読む。
言笑自若(げんしょうじじゃく)「蜀志・関羽伝」
何があっても決して慌てず、落ち着いていることのたとえ。 「言笑」は喋り声と笑い声。談笑すること。 「自若」は落ち着いていて慌てないこと。 中国の三国時代の蜀の関羽は、毒矢をひじに受け、諸将との宴会の途中に、その場で手術したが、骨を削って血が溢れる中でも酒を飲み、談笑していたという故事から。
孔明臥竜(こうめいがりょう)「蜀志・諸葛亮伝」
まだ世間に知られていない、素晴らしい才能をもつ人のたとえ。 「孔明」は中国の三国時代の蜀の宰相、諸葛亮のこと。 「臥竜」は川などの深いところに隠れている竜のこと。 中国の三国時代の蜀の徐庶は、劉備に諸葛亮を推挙したという故事から。
蛟竜雲雨(こうりょううんう)「呉志・周瑜伝」
能力を発揮する機会の無かった英雄や豪傑が、機会を得て能力を発揮することのたとえ。 「蛟竜」は水中にすむとされる中国古代の想像上の動物。 水中にすむ蛟竜は雲や雨を得ればそれに乗って天に昇り竜になるといわれることから。 「蛟竜雲雨を得」を略した言葉。
孤論難持(ころんなんじ)「魏志・杜恕伝」
賛同者のいない、独りで主張するだけの議論を保つことは難しく通らないということ。 「孤論」は誰にも同意や支持を得られない議論。 「孤論(ころん)、持(じ)し難(がた)し」とも読む。
呉下阿蒙(ごかのあもう)「呉志・呂蒙伝」
昔から全く進歩しない人のたとえ。または、学問や知識がない人のたとえ。 「呉下」は呉の国にいること。 「阿」は親しみを込めて人の名前の前につける言葉。 「蒙」は人の名前。 呉の国にいる蒙さんという意味から。 中国の三国時代、呉の魯粛が呂蒙と久しぶりに会うと、以前とは違って学識が非常に深くなっていて驚いたという故事から。
三者鼎立(さんしゃていりつ)「呉志・陸凱伝」
同じ力を持っている三人が並び立つこと。 または、同じ力を持つ三つの勢力が争いあう、三すくみの状態のこと。 三人が並び立つことを「鼎」にたとえた言葉。 「鼎」は物を煮たり、祭器として使われる底の深い器で、足が三本で均衡を保って安定して立っているということから。
七縦七擒(しちしょうしちきん)「蜀志・諸葛亮伝・注」
敵を捕らえたり逃がしたりを繰り返して、力を見せ付けて屈服させて味方にすること。 「縦」は放つこと。 「擒」は捕まえること。 蜀の諸葛亮が、南蛮王孟獲を七回捕らえては逃がすを繰り返しつつ南部を平定して行き、孟獲も最後には二度と反乱を起こさないと誓ったという故事から。 「七擒七縦」ともいう。
車載斗量(しゃさいとりょう)「呉志・呉主権伝・注」
量や数が多すぎて全てを量ることができないこと。 車に載せて、ますで量るほど多いという意味から。
衆寡不敵(しゅうかふてき)「魏志・張範伝」
少数は多数には勝てないこと。 「衆」は数が多い、「寡」は数が少ない、「不敵」は敵対できないという意味で、戦争や勝負では、人数が多いほうが有利だということから。
手不釈巻(しゅふしゃくかん)「呉志・呂蒙伝・注引江表伝」
勉学に励むこと。 手から書物を離すことなく、読み続けることから。 中国の三国時代、呉の孫権が呂蒙に学問を勧めたときに、後漢の光武帝は戦乱の中でも書物を手放さなかったと引いて説いたという故事から。 「手(て)、巻(かん)を釈(す)てず」とも読む。
春華秋実(しゅんかしゅうじつ)「魏志・邢顒伝」
人の外見の美しさと内面の優れた性質のたとえ。 春に咲く美しい花が人の外見の美しさを、秋に実る豊かな実が内面の優れた性質を表した言葉。
承顔順旨(しょうがんじゅんし)「呉志・王蕃伝」
相手の顔色を窺って媚びへつらうこと。 「承顔」は相手の顔色を窺って、それに従うこと。 「順旨」は相手の気持ちや考えに従うこと。 「顔(かお)を承(う)け旨(し)に順(したが)う」とも読む。 「承顔順指」とも書く。
脣歯相依(しんしそうい)「魏志・鮑勛伝」
互いに頼り合い、支え合う深い関係にある状態。 「脣」は唇のこと。 密接に関わり合っている唇と歯のような関係との意から。 「脣歯(しんし)相(あい)依(よ)る」とも読む。 「脣」は「唇」とも書く。
心如鉄石(しんじょてっせき)「魏志・武帝紀・注」
人の忠誠心が非常に強いことのたとえ。 心が鉄や石のように堅く揺るがないとの意から。 「心(こころ)、鉄石(てっせき)の如(ごと)し」とも読む。
心定理得(しんていりとく)「魏志・夏侯玄伝」
行動や道理が正しいために、心が安定していて落ち着いている様子。 「人心定まりて事理得」を略した言葉。
常在戦場(じょうざいせんじょう)「呉志・朱然伝」
物事に取り組むときの心得。 戦場にいる感覚で、いつも気を引き締めて行うべきであると説いた言葉。 「常に戦場に在(あ)り」とも読む。
尋章摘句(じんしょうてきく)「呉志・孫権伝」
些細なことばかりこだわって、全体的なものの見方ができないこと。 「尋章」と「摘句」は文章の一節を考えること。 文章や詩の語句を解釈することにこだわって、書物全体の意味や趣旨を理解できないという意味から。 「章を尋(たず)ね句を摘(つ)む」とも読む。
水魚之交(すいぎょのまじわり)「蜀志・諸葛亮伝」
とても仲がよく、離れがたい交際や友情のこと。 その関係を魚と水にたとえた言葉。 三国時代、蜀の劉備が仲の良かった孔明を軍師に迎えたときに、古参の武将は不満をもらしたが、魚に水が必要なように私には孔明が必要だと言ったという故事から。
旌旗巻舒(せいきけんじょ)「魏志」
戦いが何度も続いて起こることのたとえ。 「旌」と「旗」はどちらも旗、「巻」は巻く、「舒」は広げるという意味で、軍旗を巻いたり、広げたりするということから、戦いに明け暮れるというたとえ。
清聖濁賢(せいせいだくけん)「魏志」
酒の異名。 「聖」は聖人、「賢」は賢者のことで、曹操が禁酒令を出したときに、清酒のことを聖人とよび、濁り酒のことを賢人とよんで、見つからないように飲んでいたという故事から。
煎水作氷(せんすいさくひょう)「魏志・高堂隆伝」
絶対に不可能なこと。 または、見当違いなやり方では、目的を果たすことは出来ないということ。 「煎」は煮るということ。 氷を作るために水を煮るという意味から。 「水を煎(に)て氷を作る」とも読む。 「煎水作冰」とも書く。
千里無烟(せんりむえん)「魏志・衛覬伝」
人々の生活が貧しく苦しいこと。 「千里」は千里四方という意味から、広大な範囲のたとえ。 「烟」は炊事をするときにでる煙。 千里四方の広い範囲で、炊事をする煙が見えないという意味から。 「千里無煙」とも書く。
抽薪止沸(ちゅうしんしふつ)「魏志・董卓伝・注」
問題を根元から解決すること。 「抽薪」は火のついている薪をかまどから引き抜くこと。 「止沸」は沸騰している湯を冷ますこと。 沸騰している湯を冷ますために、燃えている薪をかまどから引き抜くということから。 「薪を抽(ぬ)きて沸(たぎり)を止(とど)む」とも読む。
昼夜兼行(ちゅうやけんこう)「呉志・呂蒙伝」
一日中休まずに仕事をすること。 「昼夜」は昼と夜のことから、一日中という意味。 「兼行」は先を急ぎ、一日に二日分の距離を進むこと。
冢中枯骨(ちょうちゅうここつ)「蜀志・先主伝」
特に目立つ長所がなく、役に立たない人のこと。 「冢」は墓のこと。 墓の中の骨のような人という意味から。 中国の後漢の劉備が徐州の長官を辞退して、袁術に任せようとしたときに、孔融が袁術をあざけって言ったとされる言葉から。
東家之丘(とうかのきゅう)「魏志」
すぐれた人物を見抜くことが出来ないこと。 人を見る目がないこと。 または、すばらしい才能を持っているのに世間に知れ渡っていないこと。 「東家」は東隣にある家。 「丘」は孔子の名前。 孔子の家の隣人が、孔子のことを聖人とは知らずに「東隣の丘さん」と呼んでいたという故事から。
読書三余(どくしょさんよ)「魏志・王粛伝」
読書をするのに都合のよい三つの余暇のこと。 冬の季節、夜、雨天の日の三つ。 中国の三国時代、魏の董遇が弟子に読書を勧めると、弟子は時間が無いと嘆いたときに諭したという言葉から。
読書百遍(どくしょひゃっぺん)「魏志・王粛伝・注」
意味の難しい文章でも、何度も読むことで自然に理解できるということ。 「百遍」は百回行うということから、何度も行うことのたとえ。 「読書百遍、意自ずから通ず」という形で使うことの多い言葉。 中国の三国時代、魏の董遇が読書の大切さを弟子に説いたという言葉から。
忍辱負重(にんじょくふじゅう)「呉志・陸遜伝」
辱めを受けても耐え続け、重い責任を背負いながらも全うすること。 「忍辱」は屈辱を我慢すること。 「負重」は重い責任を背負うこと。 「辱(はずかし)めを忍(しの)び重きを負(お)う」とも読む。
白眉最良(はくびさいりょう)「蜀志・馬良伝」
たくさんのものの中で一番すぐれていること。 中国三国時代、蜀の馬氏の五人兄弟はみな優秀であり、全員の字(あざな)に「常」の字がついていた。 中でも、馬良はひときわすぐれており、幼い頃から眉に白い毛が混ざっていたことから「白眉」と呼ばれ、「馬氏の五常、白眉最も良し」といわれたという故事から。
攀竜附驥(はんりょうふき)「呉志・呉主権伝」
力のある人に付き従うことで、自身も出世すること。 「攀」はすがりつくということ。 「驥」は一日で千里の距離を走るとされる、すぐれた馬のこと。 竜やすぐれた馬にしがみつくという意味から。 「竜(りょう)に攀(よ)じ驥(き)に附(つ)く」とも読む。
馬氏五常(ばしごじょう)「蜀志・馬良伝」
兄弟全員が優秀なこと。 中国三国時代、蜀の馬氏の五人兄弟はみな優秀であり、全員の字(あざな)に「常」の字がついていた。 中でも、馬良はひときわすぐれており、幼い頃から眉に白い毛が混ざっていたことから「白眉」と呼ばれ、「馬氏の五常、白眉最も良し」といわれたという故事から。
馬良白眉(ばりょうはくび)「蜀志・馬良伝」
たくさんのものの中で一番すぐれていること。 中国三国時代、蜀の馬氏の五人兄弟はみな優秀であり、全員の字(あざな)に「常」の字がついていた。 中でも、馬良はひときわすぐれており、幼い頃から眉に白い毛が混ざっていたことから「白眉」と呼ばれ、「馬氏の五常、白眉最も良し」といわれたという故事から。
万全之策(ばんぜんのさく)「魏志・劉表伝」
失敗する可能性が少しもない、完璧な策略。 「万全」は一万に一つも失敗する可能性がないということから。
髀肉之嘆(ひにくのたん)「蜀志・先主伝・注」
実力を発揮する機会がなく、功績を上げられないことを嘆くこと。 または、特にやることもなく、無駄に日々を過ごすことを嘆くこと。 「髀肉」は太ももについた贅肉。 中国の三国時代の蜀の劉備は、劉表のもとに身を寄せたが、劉表は劉備の野心を警戒して重用することなく、戦場に出る機会もなくなり、常に戦場に出て締まっていた太ももに贅肉がついたと、劉備が嘆いた故事から。 「髀肉」は「脾肉」、「嘆」は「歎」とも書く。
百里之才(ひゃくりのさい)「蜀志」
人々を治めることのできる、それなりの能力のこと。 「百里」は四方が百里の範囲のことで、古代中国の一つの県の大きさをいう。 一つの県を治めることが出来るくらいの能力という意味から。
百挙百捷(ひゃっきょひゃくしょう)「呉志・周魴伝」
どんなことをしても全て上手くいくこと。 「百挙」は行動や策略などの様々な行い。 「捷」は勝つという意味。
不急之務(ふきゅうのむ)「呉志・孫和伝」
いつかはしなければならないが、特に急ぐ理由のない仕事のこと。
腹中鱗甲(ふくちゅうりんこう)「蜀志・陳震伝」
気性が激しく、人と争いやすい性質のたとえ。または、性格が陰険で、心がねじけていることのたとえ。 心の中に固い鱗や甲羅があり、触ると触れた側が傷つくということから。
伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)「蜀志・諸葛亮伝・注」
能力を発揮する機会がないために人に知られていない英雄。 または、将来的な活躍が期待されている若者のこと。 「伏竜」は地面の中に潜って隠れている竜。 「鳳雛」は中国の伝説上の鳥、鳳凰の雛。
放虎帰山(ほうこきざん)「蜀志・劉巴伝・注」
後で大きな災いになるものを残すこと。 虎を山に放てば、いつか自分が襲われることになるという意味から。 蜀の劉璋が、張魯を討伐するために劉備が入国することを許可したときに、臣下の劉巴が虎を山に放つように危険なことだと反対した故事から。 劉巴の意見は聞き入れられず、のちに劉璋は劉備に倒された。
木牛流馬(ぼくぎゅうりゅうば)「蜀志・諸葛亮伝」
三国時代に蜀の諸葛亮が作ったとされる、兵糧を運ぶための車。 「木牛」「流馬」は、それぞれ牛と馬になぞらえた呼び名。 険しい山道での輸送に用いられたと伝わるが、どのような仕組みだったかは分かっていない。
満身是胆(まんしんしたん)「蜀志・趙雲伝」
強い勇気があり、何事にも恐れないことのたとえ。 体全体に胆力が満ち溢れているという意味から。 「満身」は全身。 「胆」は勇気や度胸のこと。 中国の三国時代、蜀の劉備が魏の曹操に追われて逃げたときに活躍した、部下の趙雲の勇ましさを称えたという故事から。
落筆点蠅(らくひつてんよう)「呉志・趙達伝・注」
失敗をうまく取り繕うこと。 「点蠅」は蠅(はえ)の絵を描くことで、筆を落とした際の汚れをうまく蠅の絵にするという意味。 三国時代、呉の曹不興が孫権の命で絵を描いていたときに、誤って筆を落とした際の汚れを蠅に書き換えてうまく処理した故事から。
乱世姦雄(らんせいのかんゆう)「魏志・武帝紀・異同雑語」
乱れた世に乗じて、悪知恵をはたらかせて頭角を現す人のこと。 「乱世」は戦乱の絶えない、乱れた世。「姦雄」は悪知恵にすぐれた者。 後漢の末、人を見る目で知られた許劭は、若いころの曹操を評して、治まった世ならすぐれた臣下だが、乱れた世なら姦雄だと言ったという故事から。 同じ評は『後漢書』では「清平の姦賊、乱世の英雄」と伝えられており、そちらは乱世英雄という語になった。
藍田生玉(らんでんしょうぎょく)「呉志・諸葛恪伝」
名家から家柄に見合ったすぐれた子弟が生まれること。 「藍田」は中国の陝西省にある山の名前で、美しい宝石の産地。 宝石の名産地から美しい宝石が産出されるという意味から。 「藍田(らんでん)玉(ぎょく)を生ず」とも読む。
竜驤虎視(りょうじょうこし)「蜀志・諸葛亮伝」
活気に溢れていて、勢いのある様子を世の中に示して威圧すること。 竜は空に躍り上がり、虎は獲物を睨むという意味から。
老生常譚(ろうせいのじょうだん)「魏志・管輅伝」
古臭くてありふれた話のこと。 「老生」は年をとった書生、「常譚」はいつもする話のことで、年老いた人がいつもする話という意味から。 三国時代に魏の管輅が何晏を占い「易を勉強して徳を深めないと危険」と言うと、同席していた鄧颺は「老生の常譚」といって取り合わなかったが、次の年に二人とも誅殺されてしまったという故事から。
廊廟之器(ろうびょうのき)「蜀志・許靖伝評」
政府で政治を行うのに相応しい才能のこと。または、首相や大臣に相応しい才能や、その才能がある人のこと。 「廊廟」は政務をとるための建物。 「器」は才能のこと。
論功行賞(ろんこうこうしょう)「魏志・明帝紀」
功績や手柄を調べて、その程度に見合う褒美を与えること。 「論功」は功績や手柄の程度を議論して褒美を決めること。 「行賞」は褒美を与えること。 「功(こう)を論(ろん)じ賞(しょう)を行(おこな)う」とも読む。
