「う」で終わる四字熟語
「う」で終わる四字熟語 — 1521 件
下学之功(かがくのこう)
始めに簡単で身近にあることを学び、少しずつ難しいことを学んでいくこと。 または、簡単なことから初めて、次第に上手くなっていくこと。 「下学」はごく普通にある簡単なことを学ぶこと。 「下学(かがく)して上達す」とも読む。
花顔柳腰(かがんりゅうよう)
美人を言い表す言葉。 「花顔」は花のように美しい顔。 「柳腰」は柳のように細く、しなやかな腰。
和気香風(かきこうふう)
穏やかな天候で、よい香りが満ち溢れていること。 「和気」は穏やかな気候。 「香風」はよい香りや、よい香りが含まれている風のこと。
下喬入幽(かきょうにゅうゆう)
よい環境から悪い環境へ移ること。 「喬」は高さの高い木。 「幽」は人里から離れた、静かな谷。 明るく高い木の上から、薄暗く静かな谷の底に移り住むということから。 孟子が陳良のことをそしったという故事。 「喬を下り幽に入る」とも読む。
蝸牛角上(かぎゅうかくじょう)
取るに足らない小さな争いのたとえ。 「角」はかたつむりの角のこと。 かたつむりの角のように小さく、左右にある国同士が小さな領土を奪い合う争いをしたという故事から。 「蝸牛角上の争い」を略した言葉。
赫赫之功(かくかくのこう)
素晴らしい評判。 「赫赫」は光り輝く様子のこと。 「功」は功績。 光り輝く功績という意味から。
各種各様(かくしゅかくよう)
様々な種類。 「各種」は違う種類。 「各様」はそれぞれに違っている様子。
各人各様(かくじんかくよう)
人によってそれぞれ違うということ。 「各人」はそれぞれの人。 「各様」はそれぞれによって違っている様子。
廓然大公(かくぜんたいこう)
不満や疑念などなく、さっぱりとしていて、心に偏りがないこと。 聖人の心構えを学ぶための心構えをいう言葉。 「廓然」は心が広く、わだかまりのないこと。 「大公」は私心がなく、公平なこと。 「廓然太公」とも書く。
廓然無聖(かくねんむしょう)
不満や疑念などのわだかまりがなく、聖なる真理などないと悟ること。 「廓然」は心が広々としていて、わだかまりなどなにもないこと。 「無聖」は凡人と聖者の差がないという意味。 仏教の言葉で、古代中国の南北朝時代の梁の国の武帝が、インドから来た達磨に聖諦第一義のことを尋ねたという故事から。
鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)
世間から離れて暮らしていても、よい名声が自然と知られること。 「九皐」は山の奥深い場所にある沼沢。 山奥にある沼沢で美しい鳴き声の鶴が鳴くという意味から。 山の奥深くに隠居している賢者の名声は、自然と広まるということをたとえた言葉。
嘉言善行(かげんぜんこう)
戒めとなる素晴らしい言葉と立派な行いのこと。 「嘉言」は素晴らしい言葉。 「善行」は立派なよい行い。
嫁娶不同(かしゅふどう)
嫁入りと嫁取りがうまくいくというやり方のこと。 自分の家よりもよい家に嫁入りさせ、自分より劣っている家から嫁取りをすると、嫁いだ家に誠意と慎みをもって仕えるのでうまくいくということ。 「嫁娶」は嫁入りと嫁取り。 「嫁娶(かしゅ)、同じからず」とも読む。
花燭洞房(かしょくどうぼう)
結婚して初めての夜。新婚初夜。 「洞房」は家の奥にある女性の部屋のこと。閨房。 「花燭」は華やかなろうそくの灯りのことから、婚礼という意味。 「花燭」は「華燭」とも書く。 「花燭洞房(華燭洞房)」ともいう。
禾黍油油(かしょゆうゆう)
植物の稲や黍が勢いよく成長している様子。 「禾」は稲のこと。 「油油」は植物などにつやがあって勢いがよい様子。
加持祈祷(かじきとう)
病気や災難から身を守るためや、願いを叶えるために神や仏に祈ること。 「加持」は仏の加護を祈る、密教の法。 「祈祷」は神や仏に祈ること。 「祈祷」は「祈禱」とも書く。
寡二少双(かじしょうそう)
匹敵する者がいないこと。 「寡二」は二つは存在しない、唯一。 「少双」は匹敵するものが存在しないということ。 似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
火宅之境(かたくのきょう)
災いに満ち溢れた境遇。 または、この世のたとえ。 火事が起こって燃えている最中の家ということから。 「境」は「きょう」とも読む。
過致資給(かちしきゅう)
中国の唐の時代の罪名の一つで、逃亡した罪人をかくまい、飲食物を与えて送り出すこと。 「過」は移動の途中で立ち寄ること。 「致」は送り出すこと。
夏虫疑氷(かちゅうぎひょう)
見識が狭いことのたとえ。 世間のことを知らない人が、自分の知っていること以外のことを信じようとしないことをいう言葉。 夏の季節しか生きることのできない虫は、冬に氷があるということを信じようとしないことから。 「夏虫(かちゅう)氷を疑う」とも読む。 「夏虫疑冰」とも書く。
隔靴掻痒(かっかそうよう)
望みどおりにならないことに苛立(いらだ)ちを覚えること。 または、物事の重要な部分に触れることができずに、もどかしいこと。 靴の上から、足のかゆい所をかくことから。 「靴(くつ)を隔(へだ)てて痒(かゆ)きを掻(か)く」とも読む。 「隔靴掻癢」とも書く。
葛屨履霜(かっくりそう)
貧しいことのたとえ。または、ひどい扱いをされることのたとえ。また、度を越した倹約をすることのたとえ。 「葛屨」は葛の蔓を編んで作った靴で、主に夏に履くためのもの。 夏に履くための涼しい靴で、冬の霜を踏むことから。 「葛屨(かっく)霜(しも)を履(ふ)む」とも読む。
割鶏牛刀(かっけいぎゅうとう)
ちょっとしたことに、無駄に大きな手段を使って処理すること。 牛をさばくための牛刀を使って鶏をさばくという意味から。 「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」を略した言葉。 「牛刀割鶏」ともいう。
刮垢磨光(かっこうまこう)
悪い部分をなくして人格を高めること。懸命に努力すること。 「刮」は削って取り除くこと。 垢などの汚れを削り落とし、磨き輝かせるという意味から。 「垢(あか)を刮(けず)り光を磨(みが)く」とも読む。
確乎不動(かっこふどう)
地位や気持ちがしっかりと定まっていて、決して揺れ動かないこと。 「確乎」はしっかりとしていて、簡単に揺れ動かない様子。 「不動」は動かないこと。 「確固不動」とも書く。
豁達豪放(かったつごうほう)
心が広く、大らかな性格。また、度量が大きく堂々とした様子。 「豁達」は心が広く、細かいことにこだわらないこと。 「豪放」は小さなことにこだわらず、豪快なこと。 「豁達」は「闊達」とも書く。 「豪放豁達(豪放闊達)」ともいう。
闊達自由(かったつじゆう)
のびのびとした広い心で小事にこだわらないこと。 「自由」は縛られることなく、のびのびしていること。 「闊達」は広くおおらかな心で小事にこだわらないこと。 「闊達自由」ともいう。
闊達明朗(かったつめいろう)
明るくて些細なことにこだわらずさっぱりしていること。 「闊達」は些細なことにこだわらないこと。度量の大きいこと。 「闊達明朗」ともいう。
活潑豪宕(かっぱつごうとう)
威勢がよく、度量が大きく、細かいことにこだわらない様子。 「活潑」は生き生きとしていて元気のある様子。 「豪宕」は度量が大きく、細かいことにこだわらないこと。
豁然開朗(かつぜんかいろう)
目の前が明るく広がること。 または、これから先に望みの持てる見通しが立つこと。 または、悩みが解決して悟りを得ること。 「豁然」は広々と開けている様子。または、悩みなどが解決してすっきりとすること。
過当競争(かとうきょうそう)
適切な程度を超えた競い合い。 企業同士の競い合いが激しくなりすぎて、程度を超えた状態をいう。
河東三鳳(かとうのさんぽう)
兄弟全員が賢く、判断力に秀でていること。 「河東」は中国の山東省の地名。 「鳳」は中国の伝説上の鳥のことで、すぐれた人のたとえ。 中国の唐の時代、河東の薛収とその従子である元敬、またその族兄である徳音の三人はとてもすぐれた人物であったため、「河東三鳳」と称されたという故事から。
下筆成章(かひつせいしょう)
文章を作る速度が速い様子。 筆を持てば文章が出来上がるという意味から。 中国の三国時代の魏の文帝である曹丕を称した言葉。 「筆を下せば章を成す」とも読む。
禍福得喪(かふくとくそう)
災難にあったり、幸せなことがあったり、成功して出世したり、失敗して地位を失ったりすること。 「禍福」は災いと幸せ。 「得喪」は成功と失敗。または、出世して地位を得ることと、地位を失うこと。
寡不敵衆(かふてきしゅう)
少ない人数では、大勢と争っても勝ち目がないということ。 「寡」は少ない人数。 「衆」は多い人数。 「寡(か)、衆(しゅう)に敵(てき)せず」とも読む。
佳兵不祥(かへいふしょう)
戦争を批判する言葉で、すぐれた性能の武器は人を殺すためのものであり不吉なものであるということ。 「佳兵」はすぐれた兵ということから、すぐれた性能のある武器のたとえ。 「不祥」は不吉なこと。
烏之雌雄(からすのしゆう)
物事の善悪や正誤が非常に区別しにくいこと。 烏(からす)の雌雄は、外見上の特徴が非常に似ており、一見して判別が困難であることから来ている言葉。
苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)
税金や年貢を手加減せずに、厳しく取り立てること。 「苛斂」と「誅求」はどちらも厳しく責めて取り立てるという意味。 同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
韓雲孟竜(かんうんもうりょう)
男性同士で肉体関係を持つこと。 または、男の同性愛のこと。 「韓」と「孟」はどちらも人の名前で、韓愈と孟郊のこと。 二人は互いに地位を気にせずに、親友としての契りを交わしていたが、世間からは同性愛と噂されたということから。 「雲」と「竜」は互いに必要とし合っていることを言い表す言葉。
檻猿籠鳥(かんえんろうちょう)
自由を奪われて自分の好きなように生きることが出来ない境遇のたとえ。 籠の中の鳥と檻の中の猿という意味から。 「檻猿籠鳥」ともいう。
韓海蘇潮(かんかいそちょう)
中国の唐の詩人の韓愈と北宋の詩人の蘇軾の文体のこと。 韓愈が書いた文章は海のように広々としていて、蘇軾の書いた文章は、海水の満ち引きのように力強い起伏があるという二人の文体を批評した言葉から。
干戈倥偬(かんかこうそう)
いつも戦争をしていて休む暇がないこと。 「干戈」は盾と矛のことで、戦争のたとえ。 「倥偬」は忙しい様子。
轗軻不遇(かんかふぐう)
すぐれた才能を持ちながら、世に受け入れられないこと。 または、物事が思い通りにいかず、地位や境遇に恵まれないこと。 「轗軻」は道が悪く車がうまく進めないことから転じて、物事が思い通りにいかないことのたとえ。
関関雎鳩(かんかんしょきゅう)
夫婦の仲がよいこと。 「関関」は鳥がむつまじく鳴く声のたとえ。 「雎鳩」は水鳥のみさごの別名。 みさごのつがいが、仲良く和らいで鳴き交わしているということから。
乾乾浄浄(かんかんじょうじょう)
私欲がなく、清らかでさっぱりとしていること。 または、全部なくなること。
感慨無量(かんがいむりょう)
計ることが出来ないほど、深く感じ入ること。 「感慨」は深く心に感じて、しみじみとした気持ちになり、その気持ちにひたること。 「無量」は計ることができないほどに量が多いこと。 「感無量」という言葉はこれを略したもの。
緩急軽重(かんきゅうけいちょう)
物事や状況の重要性や緊急性の程度のこと。 「緩急」は緊急ではないことと、緊急なこと。 「軽重」は重要性の程度の軽さと重さ。 「軽重緩急」ともいう。
緩急剛柔(かんきゅうごうじゅう)
状況に合わせて適切に対処すること。 「緩急」は緩やかなことと、厳しいこと。 「剛柔」は強いことと、優しいこと。
汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)
所有している書物が非常に多いことのたとえ。 車に載せれば車を引く牛が汗をかくほど重く、家の中で積み上げれば天井の棟木に届くほど書物が多いという意味から。 「牛(うし)に汗(あせ)し棟(むなぎ)に充(み)つ」とも読む。 「充棟汗牛」ともいう。
艱苦奮闘(かんくふんとう)
苦しいなかでも力の限り戦うこと。 「艱苦」は辛く苦しい状況。 「奮闘」は力を尽くして戦うこと。
観闕之誅(かんけつのちゅう)
不正を行った臣下をとがめて処刑すること。 「観闕」は宮殿などの左右にある大きな物見台。 「誅」は罪を非難して処刑すること。または、罪を厳しく非難すること。 中国の春秋時代、魯の国の大夫(たいふ)である少正卯(しょうせいぼう)は不正を行ったために、孔子によって観闕で処刑されたという故事から。
簡潔明瞭(かんけつめいりょう)
単純ではっきりとしていること。 「明瞭」ははっきりとしていて分かりやすいこと。
寒江独釣(かんこうどくちょう)
冬の雪が降っている川で、一人で釣りをすること。 または、その姿のこと。 画題として有名。 中国の唐の柳宗元の「江雪」という詩で歌われた情景。
敢作敢当(かんさくかんとう)
覚悟を決めて行動すること。 または、決断して行動した結果の責任を潔く取ること。 または、その気持ちのこと。 「敢作」は「敢行」は同じ意味で、思い切って行動すること。 「当」は取り掛かること。
感情移入(かんじょういにゅう)
他人の表情や言葉で、感情などを自分のものとして体験すること。 十九世紀の末に、ドイツのリップスが唱えたもので、美学における根本の概念をいう。 自然や芸術作品などの対象に、自分の感情を投射することで、対象の感情をつかもうとすることをいう。
姦人之雄(かんじんのゆう)
世辞がうまく、世渡り上手で中身の薄い人のこと。 「姦人」はあくどい人のこと。
干戚羽旄(かんせきうぼう)
武の舞と文の舞のこと。 「干戚」は盾と斧などの武器を持って舞う、武の舞のこと。 「羽旄」は鳥の雉の羽と、牛の旄牛の尾を飾った旗を持って舞う、文の舞のこと。
完全燃焼(かんぜんねんしょう)
最後まできれいに燃え尽きること。 または、全ての力を出し切ること。
観測気球(かんそくききゅう)
世論や相手の反応を調べるために、わざと流す情報や声明のこと。 または、高層の大気の状態を調べたり、戦場で敵の状況の偵察や、砲弾の着弾の状態を観測するための気球のこと。 「観測」はよく観察して推測すること。
肝胆相照(かんたんそうしょう)
お互いに心の奥深くまで理解しあっていて、打ち解け合っている関係のたとえ。 「肝胆」は内臓の肝臓と胆嚢のことで、心の奥底のたとえ。 肝臓と胆嚢のように近くて深い関係ということから。 「肝胆(かんたん)相(あい)照らす」とも読む。
簡単明瞭(かんたんめいりょう)
単純ではっきりとしていること。 「明瞭」ははっきりとしていて分かりやすいこと。
寒煖饑飽(かんだんきほう)
普段の生活で感じる苦楽のこと。 寒さや暖かさ、空腹や満腹ということから。 「饑飽」は空腹と満腹のこと。 「寒暖饑飽」とも書く。
奸知術数(かんちじゅっすう)
悪い知恵や策略。悪だくみ。 「奸知」は邪悪な知恵。 「術数」は策略のこと。 「姦知術数」とも書く。
管中窺豹(かんちゅうきひょう)
見識が非常に狭いことのたとえ。 管を通して動物の豹を見ても、一つの斑文しか見ることが出来ず、全体はわからないという意味から。 「管中(かんちゅう)より豹(ひょう)を窺(うかが)う」とも読む。
旱天慈雨(かんてんじう)
辛い状況の時に助けや援助を受けること。 または、待ち望んだものが手に入ったり、実現したりすること。 「旱天」は日照りが続いて旱魃になること。 旱魃で困っているときの恵の雨ということから。 「干天慈雨」とも書く。
感応道交(かんのうどうこう)
仏の力が人々の信仰の心に応えて、仏と人々の心が通じ合うこと。 「感応」は仏と人々の心が通じ合うこと。 「感応(かんのう)の道(みち)交わる」とも読む。
汗馬之労(かんばのろう)
物事を成功させるために、苦労しながらあちこち駆け回ること。 「汗馬」は馬に汗をかかせるということから、戦場で功績を得るために駆け巡るということ。
感孚風動(かんぷふうどう)
人を感動させて感化すること。 「感孚」は人に感動を与えること。 「風動」は風に吹かれてなびくように、人を感化するということ。
完璧帰趙(かんぺききちょう)
預かった大切なものを傷一つつけずに返すこと。 「璧」は宝石のこと。 古代中国の戦国時代、和氏の璧という宝石を持っていた趙の恵文王は、秦の昭王から十五の城市と交換するように要求され、藺相如が和氏の璧を届けに行ったが、道中で交換ではなく奪うつもりだと気づき、一度秦の昭王に奪われた後に、上手く言いくるめて取り返して趙の国に持ち帰ったという故事から。 「璧を完うして趙に帰る」とも読み、「完璧」という言葉の語源とされている。
管鮑之交(かんぽうのこう)
お互いのことを理解しあっていて、利害を超えた親密な友情のこと。 「管」は管仲、「鮑」は鮑叔牙、どちらも古代中国の人の名前。 中国の春秋時代、斉の鮑叔牙と管仲は幼い頃からの親友で、二人は違う王子に仕え、王子の後継者争いで鮑叔牙が仕える桓公が勝った。 桓公は敵対した管仲を殺そうとしたが、鮑叔牙は臣下に迎えるように桓公を説得し、後に宰相となった管仲と、その補佐になった鮑叔牙の力によって斉は大きな国になった。 鮑叔牙の死後、管仲は墓前で、「私を生んだのは両親だが、私を理解しているのは鮑叔だった」と言い、互いに互いの厚意を感謝し、二人の関係はいつまでも変わらなかったという故事から。
簡明扼要(かんめいやくよう)
分かりやすく、物事の大切な部分をしっかりと押さえていること。 「扼要」は戦略上で大切な場所を占拠するという意味から、要点を押さえること。 「簡明(かんめい)にして要(よう)を扼(おさ)う」とも読む。
歓楽哀情(かんらくあいじょう)
楽しい気持ちで満たされると、その後のことを考えてしまい、哀しい気持ちがわき上がってくるということ。 「歓楽」は遊びや飲酒、女遊びの楽しみ。 「哀情」は哀しい気持ち。 「歓楽極まりて哀情多し」を略した言葉。
冠履顛倒(かんりてんとう)
地位や立場などの順位が逆になっていること。 価値や秩序が乱れていることをいう。 「冠履」はかんむりと靴。 「顛倒」はひっくり返ること。 かんむりと靴が入れ替わるという意味から。 「冠履転倒」とも書く。
磑風舂雨(がいふうしょうう)
物事の起こる前触れ。 「磑風」は石臼を回すように、羽虫などの虫が回るように飛び回れば風が吹くという言い伝えのこと。 「舂雨」はきねでつくように、羽虫などの虫が上下に飛び回ると雨がふるという言い伝えのこと。
瓦解土崩(がかいどほう)
物事が根元から崩壊して、手の施しようが無いこと。 「土崩」は盛っていた土の山が崩れること。 「瓦解」は落ちてきた瓦が砕けてばらばらになること。 「瓦解土崩」ともいう。
瓦解氷消(がかいひょうしょう)
物事がばらばらになること。または、完全に無くなること。 氷が解けて消えるように、屋根の瓦の一部分の崩壊から全体が次々と崩れるように、ばらばらになるという意味から。 「氷(こおり)と消え瓦(かわら)と解く」とも読む。 「氷」は「冰」、「消」は「銷」とも書く。 「瓦解氷消」ともいう。
餓鬼偏執(がきへんしゅう)
他人への迷惑や他人の意見を考えず、自身の考えだけにとらわれること。 または、そのような人のこと。 「餓鬼」は生前に悪行を働いて、餓鬼道に落ちた亡者のことで、飢え苦しみ、食べ物をむさぼり続けるということから、強欲な人のたとえ。 「偏執」は偏った思考にとらわれること。
鷽鳩笑鵬(がくきゅうしょうほう)
小人物が大人物を嘲笑うこと。または、大人物を理解することは小人物には難しいということ。 「鷽鳩」は小さな鳩(はと)のこと。 「鵬」は伝説上の鳥。 ”鵬は南の果ての海である冥南を目指して九万里の高さで飛ぶ”という話を聞いた小さな鳩が、それに何の意味があるのかと嘲笑ったという説話から。 「鷽鳩(がくきゅう)、大鵬(たいほう)を笑う」を略した言葉。 「鷽鳩」は「学鳩」とも書く。
学知利行(がくちりこう)
人としての道を学んで理解し、学んだことの正しさを考えて実際に行うこと。 「学知」は学んで知ること。 「利行」は正しいと認めて実行すること。 人としての道を学んで実践するための三つの過程の二番目のこと。
画脂鏤氷(がしろうひょう)
苦労したわりに大した成果を得られないこと。 または、意味のないことに力を使うことのたとえ。 あぶらに絵を描いて、氷に彫刻をするということで、どちらも残らずに消えてしまうという意味から。 「脂(あぶら)に画(えが)き氷に鏤(ちりば)む」とも読む。 「画脂鏤冰」とも書く。