『世説新語』を出典とする四字熟語 — 53 件
『世説新語』(せせつしんご)を出典とする四字熟語を一覧で紹介します。各四字熟語の読み方・意味もあわせて確認できます。全53件を五十音順に掲載しています。
四字熟語一覧(五十音順)
哀毀骨立(あいきこつりつ)「徳行」
哀しみのあまり体を毀し、骨と皮ばかりになるほど痩せること。 多くは肉親の死を悼む場合にいう。
倚玉之栄(いぎょくのえい)「容止」
容姿の美しい人や、人格のすぐれた人のそばへ寄ること。 「倚」は寄りかかること。 「玉」は玉樹のことで、容姿の美しい人や、立派な人物のたとえ。 「栄」は栄誉。 中国の魏のすぐれた容姿の夏侯玄に、明帝が皇后の弟である毛曽を並べて座らせたのを見た人々が、「葭が玉樹に寄りかかっている」と言ったという故事から。
一往深情(いちおうしんじょう)「任誕」
一途で情に厚いこと。 または、感情を抑えられないくらいに深く感動すること。 「一往」はひたむきという意味。 美しい歌を聞く度に深く感動していた桓子野のことを、謝公が評した故事から。
一時名流(いちじめいりゅう)「品藻」
その時、その時代で名を知られていて、優れた能力のある人。 「一時」はその時、その時代。 「名流」はすぐれた能力があり、世に名が知れ渡っている人のこと。
倚馬七紙(いばしちし)「文学」
素晴らしい文章をあっという間に書き上げる才能。 「倚馬」は馬の近くにたったままでいること。 「七紙」は紙七枚におよぶ長い文章。 中国の晋の時代、袁虎は主君の桓温に布告の文を書くように言われ、馬の前にたったまま、あっという間に紙七枚にわたる名文を書き上げたという故事から。
応接不暇(おうせつふか)「言語」
忙しすぎて、全てを対処することはできないこと。 または、次々に来訪者があり、一人ずつ対応することができないこと。
割席分坐(かっせきぶんざ)「徳行」
友人との縁を切ること。 「席」は座るときに敷くむしろのこと。 「坐」は座ること。 一緒に座っていたむしろを裂いて席を分けること。 中国の魏の管寧と華歆が絶交したという故事から。
雅人深致(がじんしんち)「文学」
世俗を超越した高尚な人の持っている深い趣のこと。 「雅人」は風雅を理解できる才知のある人のこと。 「深致」は深い風情のある様子。
鶏骨支床(けいこつししょう)「徳行」
喪に服して、痩せ衰える様子。 「鶏骨」は痩せ衰え、鶏の骨のように見えるということ。 痩せ衰えて、寝台に支えるだけで精一杯という意味から。 「鶏骨(けいこつ)、床(とこ)を支(ささ)う」とも読む。
蒹葭玉樹(けんかぎょくじゅ)「容止」
愚かな人が、富貴な親戚の勢いと力を借りること。 または、勢いのある親戚のおかげで繁栄することを軽蔑していう言葉。 または、それを謙って言う言葉。 「蒹葭」は成長しきっていない、オギとアシのことで、身分の低い人のたとえ。 「玉樹」は宝石のように美しい木のことで、身分が高く、富のある人のたとえ。 植物のオギとアシが、宝石のように美しい木に寄りかかるという意味から。 「蒹葭玉樹に倚る」を略した言葉。
懸河瀉水(けんがしゃすい)「賞誉」
流れるような話し方や、文章を言い表す言葉。 「懸河」は傾斜が激しい場所を、激しく流れている川。または、滝のこと。 「瀉」は流れ込むこと。 「懸河(けんが)水を瀉(そそ)ぐ」とも読む。
黄絹幼婦(こうけんようふ)「捷悟」
二人の判断が完全に同じになること。 または、物事を正確に理解すること。 または、「絶妙」という言葉の隠語。 または、素晴らしい文章のたとえ。 「黄絹」は色のついている糸という意味で、漢字の「絶」のこと。 「幼婦」は少女という意味で、漢字の「妙」のこと。 古代中国の魏の曹操が楊修と曹娥の石碑の前を通ると、石碑には「黄絹幼婦、外孫齏臼」と書いてあった。 「外孫」は女子という意味で、漢字の「好」のこと、「齏臼」は香辛料を挽く臼のことで、香辛料は舌に辛いという意味から、漢字の「辞」のこと。 合わせると「絶妙好辞」と解釈して、楊修と答えを合わせると同じになったという故事から。 「絶妙好辞」は素晴らしい文章や言葉という意味もある。
高足弟子(こうそくていし)「文学」
非常に優れた弟子。 「高足」は優れた馬。転じて、優れた弟子のこと。 中国の後漢の時代、鄭玄(じょうげん)は、馬融(ばゆう)の門下になったが、三年の間、直接学問を教えてもらうことはなく、優れた弟子に教わったという故事から。
鼓琴之悲(こきんのかなしみ)「傷逝」
親友の死に対する悲しみのこと。 「鼓琴」は琴を奏でること。 中国の晋の時代の顧栄が死んだ時に、親友の張翰が葬儀に参列し、顧栄が愛用していた琴を泣きながら弾いて、故人を偲んだという故事から。
濠濮間想(ごうぼくかんのおもい)「言語」
世間から離れて、自然の中で静かに楽しむ心のこと。 「濠」は濠水、「濮」は濮水のことで、どちらも中国の川の名前。 中国の戦国時代の荘子は、楚王からの丞相にするという招きを断り、濠水で魚が遊ぶのを見て楽しみ、濮水で魚を釣って楽しんだという故事から。
呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ)「言語」
勘違いして無駄に怯えること。 または、考えすぎたせいで無駄な苦労をすること。 「呉」は中国の地名。 南の暑い地域にいる牛は、月を見ても太陽だと思って苦しそうに呼吸するということから。 「呉牛(ごぎゅう)、月に喘(あえ)ぐ」とも読む。
山簡倒載(さんかんとうさい)「任誕」
大酒飲みのこと。 「山簡」は人の名前。 「倒載」は車に乗せた酒を全て傾けるという意味から、全ての酒を飲み尽くすという意味。 古代中国の晋の将軍の山簡は大の酒好きで、高陽池のほとりで酒を持って行っては全て飲み尽くし、ご機嫌で帰ってきていたという故事から。
七歩之才(しちほのさい)「文学」
「七歩」は七歩歩くという意味で、七歩歩く間にすぐれた詩を素早く作る詩の才能のこと。 三国時代、曹植の詩才に嫉妬した曹丕は七歩歩く間に詩を作ることが出来なければ処刑すると命じたところ、即座にすぐれた詩を作ったという故事から。
七歩八叉(しちほはっさ)「文学」
詩文の才能にめぐまれていること。 魏の曹植は七歩歩く間に詩を作り、唐の温庭筠は八回腕を組む間に八韻の賦を作った故事から。 「叉」は腕を組むこと。
詩腸鼓吹(しちょうのこすい)「言語」
詩を作る情をかきたてられること。 または、情をかきたてられる鶯(うぐいす)の鳴き声のこと。 「詩腸」は詩を作る情、「鼓吹」は太鼓や笛を鳴らすという意味から勢いづけるや鼓舞するという意味。 六朝時代、宋の戴顒が行き先を聞かれ、「鶯の声を聞き世俗に染まった耳を清めて、詩情をかきたてようとしている」と答えた故事から。
松柏之質(しょうはくのしつ)「言語」
体が丈夫なことのたとえ。 または、意志や信念が固いことのたとえ。 「松柏」は植物の松と柏のことで、どちらも常緑樹で一年中緑の葉をつけるということから、体力や意志が強いことのたとえ。 「松栢之質」とも書く。
芝蘭玉樹(しらんぎょくじゅ)「言語」
才能のあるすぐれた人材や子弟のこと。 または、一族や一門から人材を輩出すること。 「芝」は霊芝のこと。 「蘭」は藤袴のこと。 どちらも植物で香り高いということから、すぐれた才能を持つ人のたとえ。 「玉樹」は宝石のように美しい木のこと。
人琴之嘆(じんきんのたん)「傷逝」
人が死んだことを激しく悲しむ様子。 「琴」は中国の弦楽器で、琴柱のない琴。 中国の晋の王徽之と王献之の兄弟は、どちらも琴の名人だったが、王献之が若くして亡くなり、王献之の琴を王徽之が弾いてもうまくいかず、琴を投げつけ、嘆き悲しんだという故事から。
水鏡之人(すいきょうのひと)「賞誉」
人の手本になるような、理解力や判断力に優れている賢い人のこと。 または、事実のままに物事を観望できる公平な人のこと。 水鏡のように清廉な人物。 「水鏡」は本当の姿をそのまま映す鏡のように、静かで曇りのない水面という意味。
截髪易酒(せっぱつえきしゅ)「賢媛」
やせ細るほどに努力して来客を接待することのたとえ。 または、誠意を持って客を接待することのたとえ。 「截」は断ち切ること。 中国の晋の陶侃は、貧しかったために、友人をもてなすために、自身の髪を切って売り、酒や食べ物を買ってもてなしたという故事から。 「髪を截(き)りて酒に易(か)う」とも読む。
千巌万壑(せんがんばんがく)「言語」
険しい岩山と深い谷が続く景色。 「巌」は険しい岩山。 「壑」は深い谷。 「千」と「万」は数が非常に多いことを言い表す言葉。
剡渓訪戴(せんけいほうたい)「任誕」
思いのままに風流を楽しむこと。 晋の王徽之が大雪の夜に興を覚え、友人の戴逵を訪ねて剡まで行ったが、門前で興が尽きたとして会わずに帰った故事に由来する。
千里一曲(せんりいっきょく)「任誕」
すぐれた人物にも過ちはあるということ。 または、その過ちをとりたてて批判する必要はないということ。 または、行動が自由でつまらない節操にこだわらないことのたとえ。 中国の黄河は千里の距離に一度進路を変えるということから。
即時一杯(そくじいっぱい)「任誕」
後で大きな利益を得るよりも、すぐに手に入る小さな利益のほうがよいということ。 「即時一杯の酒に如かず」を略した言葉で、後世に名を残すよりも、今の一杯の酒のほうが大切だという意味から。 古代中国の晋の張翰は、何もせずに毎日を過ごしていたことを人に諫(いさ)められたが、死後に名誉を残すよりも、目の前の酒を飲むことのほうが大切だと答えたという故事から。 「即時一盃」とも書く。
大廈棟梁(たいかのとうりょう)「賞誉」
国を支える重職を担う人材のたとえ。 「大廈」は屋根があって大きい建物。 「棟」と「梁」は屋根を支えるための棟木と梁のことで、どちらも家屋を支える大事なものということから。
断腸之思(だんちょうのおもい)「黜免」
激しい悲しみや苦しみ。 中国の東晋の桓温の部下が、舟で移動しているときに子猿を捕らえた。 母猿は岸をつたって、百里以上追いかけて船に飛び乗ったところで力尽き、母猿の腹を割くと腸がずたずたになっていたという故事から。
竹頭木屑(ちくとうぼくせつ)「政事」
役に立たないもののこと。 または、役に立たないように見えるものでも、役立つことがあるので粗末にしないこと。 「竹頭」は竹の切れ端。 「木屑」は木を削ったときに出るくず。 船を作るときに出た木屑を捨てずにとっておき、雪道で滑らないようにまいたり、竹の切れ端から作った釘を船の修理に使ったという故事から。
竹林七賢(ちくりんしちけん)「任誕」
俗世から離れた竹林で高尚な論談をした七人の隠者のこと。 または、俗世を離れて生活をしている隠者のこと。 乱世の中、争いに嫌気が差した七人の賢人(「王戎」「嵇康」「阮咸」「阮籍」「山濤」「向秀」「劉伶」)たちは、俗世から離れ隠者として生活をし、酒を酌み交わしながら老子や荘子を慕って論談をしたことから。
東床坦腹(とうしょうたんぷく)「雅量」
自身の娘の婿のこと。 「床」は寝台の御床。 「坦腹」は腹を出して仰向けで堂々と寝ること。 中国の王羲之は、婿選びの使者が来たときに、東の御床で腹を出して横になったまま食事をしていたが、その変人ぶりから選ばれたという故事から。 「東床」とも「坦腹」とも略す言葉。 「東牀坦腹」とも書く。
湯池鉄城(とうちてつじょう)「文学」
城の守りが非常に固いことのたとえ。 「湯池」は熱湯で満たした堀。 「鉄城」は鉄の塀に囲まれた城。
道傍苦李(どうぼうのくり)「雅量」
誰からも関心を示されずに見捨てられたもののたとえ。 「道傍」は道端のこと。 「苦李」は苦い味のすもも。 道端にある誰の物でもないすももの木に実がなっていても、苦いすももは誰もとろうとしないという意味から。 中国の三国時代の賢者の王戎が、多くの人が道端のすももをとり合っていたが、王戎はとろうとしなかったという故事から。
土木形骸(どぼくけいがい)「容止」
自然のまま飾らずに生きることのたとえ。 「土木」は土と木のこと。 「形骸」は人の体。 土や木のように自然で飾らない姿という意味から。 「形骸(けいがい)を土木にす」とも読む。 「形骸土木」ともいう。
璞玉渾金(はくぎょくこんきん)「賞誉」
すぐれた人物になる才能を秘めていること。 宝石の原石と精錬されていない鉱石との意から。 「璞玉」は、掘り出したばかりで磨かれていない宝玉の原石。 「渾金」は、あらがね、精錬されていない鉱石。 「渾金璞玉」ともいう。
梅林止渇(ばいりんしかつ)「仮譎」
別のものを使って、その場をしのぐこと。 魏の曹操の軍が道に迷って、兵士たちが喉の渇きを訴え始めると、曹操が先の梅の林に多くの甘酸っぱい実がなっていると言うと、口の中に唾液がでて、渇きをしのいだという故事から。
標新立異(ひょうしんりつい)「文学」
過去に誰も出していない、新しい見解や解釈を出すこと。 「標」は人目につくように、高い位置に持ち上げるという意味。 「新しきを標(かか)げ異(い)を立つ」とも読む。
風月玄度(ふうげつげんたく)「言語」
長い期間、会っていない人のことを想うこと。 または、すばらしい人の死を残念に思い、その人のことを思い出すこと。 「風月」はさわやかな風と美しい月。 「玄度」は人の名前。 簡文帝の座敷に招かれた劉エンが「風が清々しく、月も美しい。玄度がいないのは非常に残念だ」と語った故事から。
風塵外物(ふうじんがいぶつ)「賞誉」
世俗の人を超越したすぐれた人のこと。 「風塵」は風で舞い上がった塵や土ぼこりということから、汚れた現世のたとえ。 現世の外にいる人という意味から。
腹中之書(ふくちゅうのしょ)「排調」
広い知識があることを自慢する言葉。 腹の内側に書物がたくさんあるという意味から。 中国の晋の郝隆は七月七日に腹を出して寝ている理由を尋ねられ、書物を虫干しする日だから腹の中の書物を虫干ししていると答えたという故事から。
北門之嘆(ほくもんのたん)「言語」
仕官した先の主人が愚かな人物で、重要な地位につくことができずに嘆くこと。 「北門」は『詩経』の詩の篇名。 中国の東晋の李充が家計のために、地位の低い地方官になったときに言ったとされる言葉から。 「北門之歎」とも書く。
蒲柳之質(ほりゅうのしつ)「言語」
生まれた時から体が弱く、病気になりやすいこと。 「蒲柳」は植物のかわやなぎ、ねこやなぎのことで、木が柔らかく、秋になると真っ先に葉が落ちるということから、病弱な体質のたとえ。
母猿断腸(ぼえんだんちょう)「黜免」
激しい悲しみや苦しみ。 中国の東晋の桓温の部下が、舟で移動しているときに子猿を捕らえた。 母猿は岸をつたって、百里以上追いかけて船に飛び乗ったところで力尽き、母猿の腹を割くと腸がずたずたになっていたという故事から。
網目不疎(もうもくふそ)「言語」
法が細かいところまで厳しく定められていて抜け道がないこと。 「網目」は法の網の目のこと。 「疎」はあらいや大雑把ということ。 法の網の目があらくないという意味の言葉。
門当戸対(もんとうこたい)「文学」
互いの家柄や勢いの程度が同じで、釣り合いがとれている様子。 「門」と「戸」はどちらも家の格式のこと。 「当」と「対」はどちらも程度が同じで釣り合いがとれていること。
瑶林瓊樹(ようりんけいじゅ)「賞誉」
人の品性が清らかで気高く、普通の人よりも優れていることのたとえ。 「瑶」と「瓊」はどちらも宝石のことで、宝石のように美しい林と樹のこと。 高潔なものを美しい林や樹にたとえた言葉。
蘭摧玉折(らんさいぎょくせつ)「言語」
美しい女性や賢い人の死をたとえた言葉。 蘭の花が散り、玉が砕けるという意味。 出典の「蘭摧玉折と為(な)るとも、蕭敷艾栄(しょうふがいえい)とは作(な)らず」は、ただ漠然と生きるよりも、潔く死ぬ方が本望であるという意味。
竜躍雲津(りょうやくうんしん)「賞誉」
出世すること。または、才能に満ち溢れている様子。 「雲津」は銀河のこと。 竜が空へ舞い上がり、銀河まで昇っていくという意味から。 「竜(りょう)雲津(うんしん)に躍(おど)る」とも読む。
林下風気(りんかのふうき)「賢媛」
品があり、物静かな女性の立ち居振る舞いを言い表す言葉。または、中国六朝の時代に山林に隠居していた、竹林の七賢のような上品で優美な趣のこと。 「林下」は林の中。 「風気」は性質や趣のこと。 もとは晋の王の王凝之の妻である、謝道蘊を評して言った言葉。
琳琅珠玉(りんろうしゅぎょく)「容止」
美しい宝石のこと。 または、素晴らしい人物や詩文のたとえ。 「琳琅」は美しい宝石や詩文のこと。
