『新唐書』を出典とする四字熟語 — 38 件
『新唐書』(しんとうじょ)を出典とする四字熟語を一覧で紹介します。各四字熟語の読み方・意味もあわせて確認できます。全38件を五十音順に掲載しています。
四字熟語一覧(五十音順)
以人為鑑(いじんいかん)「魏徴伝」
他の人の態度や言動をみて、自分の戒めにすること。 他人を鏡にするという意味から。 中国の唐の時代、地位など気にせずに相手をしっかりと諫(いさ)める魏徴の死を悼んだ太宗皇帝は、為政者が手本とすべき三鑑の内の一つを失ったと嘆いたという故事から。 「人(ひと)を以(もっ)て鑑(かがみ)と為(な)す」とも読む。
烟霞痼疾(えんかのこしつ)「田游巌伝」
自然を愛する気持ちが非常に強いこと。 または、隠居して自然と親しみながら生活すること。 「烟霞」はもやと霞のこと。転じて自然の景色。 「痼疾」は治ることなく長い期間患っている病。持病。 自然の風景を愛好する習性を病にたとえた言葉。 「煙霞痼疾」とも書く。
轅門二竜(えんもんにりょう)
中国の唐の烏承玭と烏承恩の二人のこと。 二人が戦場ですぐれた功績をあげたことを評した言葉。 「轅門」は軍営の門のこと。 二台の戦車の轅(ながえ)を向かい合わせにして門にしたことから。
渇驥奔泉(かっきほんせん)「徐浩伝」
勢いが非常に激しいことのたとえ。 または、書の筆遣いに力強さと勢いがあって素晴らしいこと。 「驥」は一日で千里の距離を走ることができるとされるすぐれた馬、駿馬のこと。 「奔」は非常に速く走ること。 のどが渇いて水が飲みたい駿馬が全力で泉に向かって走るという意味から。 中国の唐の時代の徐浩の書を言い表した言葉から。 「渇驥(かっき)泉(いずみ)に奔(はし)る」とも読む。
河東三鳳(かとうのさんぽう)「薛収伝」
兄弟全員が賢く、判断力に秀でていること。 「河東」は中国の山西省の地名。 「鳳」は中国の伝説上の鳥のことで、すぐれた人のたとえ。 中国の唐の時代、河東の薛収とその従子である元敬、またその族兄である徳音の三人はとてもすぐれた人物であったため、「河東三鳳」と称されたという故事から。
銀盃羽化(ぎんぱいうか)「柳公権伝」
物を盗まれることのたとえ。 「羽化」は羽が生えて飛んで行くということ。 中国の唐の書家の柳公権は、書の報酬として様々な金品を得ていた。 ある時、縄で結ばれたままの箱の中身である銀の杯が使用人に盗まれたことに気づいたが、銀の杯に羽が生えて飛んで行ったのだろうと言って、使用人を咎めなかったという故事から。 「銀杯(ぎんぱい)羽化(うか)す」とも読む。
高軒寵過(こうけんちょうか)「李賀伝」
身分の高い人が訪ねてくること。 「高軒」は他人の車の敬称で、立派な車という意味。 「寵過」は名誉ある来訪という意味。 中唐の詩人、李賀の文才を伝え聞いた韓愈と皇甫湜が訪ねると、七歳だった李賀がその場で「高軒過」と題した詩を作ったという故事から。
功徳兼隆(こうとくけんりゅう)「太宗紀」
素晴らしい功績があり、それに見合った人徳があること。 「功徳」は功績と人徳。 「兼隆」は盛んな様子。 中国の唐の皇帝の太宗を褒め称えた言葉から。
口蜜腹剣(こうみつふくけん)「李林甫伝」
心地よい言葉をかけながら、心の中には悪意が満ちていること。 「口蜜」は甘い言葉、丁寧な言葉のこと。 「腹剣」は腹の中に剣があるという意味から、心に悪意があることのたとえ。 一見丁寧で親切に見えるが、邪な心を持っている人のことをいう。 中国の唐の時代の宰相、李林甫の計算高い狡賢さを評した言葉。 「口に蜜有り腹に剣有り」を略した言葉。
作史三長(さくしのさんちょう)「劉子玄伝」
才知、学問、識見という三つの能力のことで、歴史家が歴史書を書いたり、編集したりするために必要な能力をいう。
左図右史(さとゆうし)「楊綰伝」
所蔵している書物が多いことのたとえ。 左右のどちらを向いても本ばかりということから。 「図」は書籍。 「史」は史書。
三世一爨(さんせいいっさん)
三つの世代の家族が一つの家で一緒に住むこと。 「爨」はかまどのこと。 三世代の家族が、一つのかまどを共有して食事を作るということから。
残膏賸馥(ざんこうしょうふく)「杜甫伝・賛」
すぐれた人物や詩、文章などを言い表す言葉。 「膏」はあぶらのこと。 「賸」は余り。 「馥」は香り。 すぐれた人物がいた後に残る香りという意味から。または、豪華な食事の残り香のこと。 「賸馥」は「ようふく」とも読む。
終南捷径(しゅうなんしょうけい)「盧蔵用伝」
正規の試験などをすることなく官職につくこと。または、終南山には仕官への近道があるということ。 「終南」は長安の南にある山の終南山のこと。 「捷径」は近道、最短距離の道のこと。 終南山で隠居していた盧蔵用が、則天武后に召されて官職を得た故事から、終南山で隠者のふりをすることで名声が上がって仕官への近道になるという意味。
史有三長(しゆうさんちょう)「劉子玄伝」
歴史を記述するためには、文才、学問、見識の三つが必要とされるということ。 中国の唐の時代の歴史家である劉知幾が主張したもの。 「史(し)に三長(さんちょう)あり」とも読む。
身言書判(しんげんしょはん)「選挙志」
人を登用するときに基準とするもののこと。 「身」は容姿。 「言」は言葉遣い。 「書」は筆跡。 「判」は文章。 中国の唐の官吏を登用するときの基準をいう。
心正筆正(しんせいひつせい)「柳公権伝」
心が正しければ、その人の筆跡も整うということ。 中国の唐時代の書家、柳公権が穆宗皇帝に筆法を尋ねられたときに言ったとされる言葉。 「心(こころ)正(ただ)しければ筆(ふで)正(ただ)し」とも読む。
青銭万選(せいせんばんせん)「張薦伝」
非常にすばらしい文章のたとえ。 「青銭」は青銅の銭。 「万選」は何度も選びなおすこと。 青銅の銭は非常に質がよく、他の質の悪い銭の中に混ぜても、一万回でも間違えることなく、青銅の銭を選び出すことが出来るという意味から。 中国の官吏の試験の科挙を何度受けなおしても合格する、素晴らしい文章のことをいう。 唐の張鷟の文章が素晴らしく、「青銭学士」と称されたという故事から。
滄海遺珠(そうかいのいしゅ)「狄仁傑伝」
世に知られずに埋もれている立派な人物や有能な人材。 「滄海」は大海のこと。 「遺珠」は採集に失敗した真珠のこと。 海の中でどこにあるかわからずに埋もれてしまった真珠にたとえた言葉。
束髪封帛(そくはつふうはく)「列女・賈直言妻董氏伝」
妻が固く貞操を守り続けること。 「束髪」は髪の毛を束ねること。 「封帛」は白い絹で包んで封印すること。 中国の唐の時代の賈直言は、他人の罪の連帯で処罰されて左遷されることになり、若い妻に再婚するようにいうと、白い絹で髪を束ねて封印して賈直言に署名させ、これを守り続けると誓った。 二十年後に賈直言が戻ると封印されたままだったという故事から。
造化小児(ぞうかのしょうじ)「杜審言伝」
神や運命のことを戯れていう言葉。 「造化」は世界を作った神のこと。 「小児」はつまらない人という意味の言葉で、人を軽蔑して呼ぶ名称。
太羹玄酒(たいこうげんしゅ)「駱賓王伝」
規則を守ることばかりの面白味のない文章のたとえ。 「太羹」は味をつけていない肉汁。 「玄酒」は水のこと。 まだ酒が無かった太古の時代の祭りでは、酒の代わりに水を使っていたことからきた言葉。
泰山北斗(たいざんほくと)「韓愈伝・賛」
学問や芸術などの一つの分野で最もすぐれている人のこと。 「泰山」は中国の名高い山、「北斗」は星座の北斗七星のことで、どちらも人が見上げるものであることから。
凋零磨滅(ちょうれいまめつ)「芸文志・論」
文物などが滅びて完全になくなること。 「凋零」は草花がしおれて落ちること。 「磨滅」はこすれてなくなること。
鉄網珊瑚(てつもうさんご)「払菻国伝」
珍しい品物や、素晴らしい才能をもつ人物を得るために探すこと。 海の底に鉄の網を沈めて、それに着生させ、成長したあとに引き上げて珊瑚を採取するという、唐の時代に東ローマ帝国で行われたとされる方法から。
天日之表(てんじつのひょう)「太宗紀」
天子となるべき容貌のこと。 「天日」は太陽、また、天子のこと。 「表」は顔の形、容貌。 ある書生が、唐の高祖李淵の次男である太宗を評した故事から。
兎葵燕麦(ときえんばく)「劉禹錫伝」
名前と実体が伴っていないこと。 「兎葵」は植物のいえにれ。 「燕麦」は植物のからすむぎ。 名前に「葵」や「麦」があるが、実際には違うということから。
斗南一人(となんのいちにん)「狄仁傑伝」
この世で最もすぐれている人のこと。 「斗南」は星座の北斗七星よりも南という意味から、天下という意味。 天下で並ぶ人がいないほどすぐれているということから。
内剛外柔(ないごうがいじゅう)「盧坦伝」
外見は穏やかでやさしそうに見えるが、心の中には何事にも左右されない強い意志や信念をもっていること。 「柔」は優しいこと。穏やかなこと。 「剛」は心が強いこと。 「外柔内剛」ともいう。
南山捷径(なんざんしょうけい)「盧蔵用伝」
正規の試験などを受けることなく官職につくこと。 または、終南山には仕官への近道があるということ。 「南山」は中国の山、終南山のこと。 「捷径」は近道、最短距離の道のこと。 終南山で隠者のふりをして生活することで名声が上がり官職を得ることができるという故事から、終南山は仕官への近道であるという意味。
年頭月尾(ねんとうげつび)
年の始めと月の終わりのことから、一年中という意味。 また、本来は官吏登用試験(科挙)の問題が下らないものばかりであることを批判した言葉であり「どうでもよい取るに足らないこと」という意味もある。
杯酒解怨(はいしゅかいえん)「張延賞伝」
「杯酒」は杯に注いだ酒。またはそれを飲むこと。 杯を酌み交わして、怨みを忘れるという意味。
白衣宰相(はくいのさいしょう)
地位を持っていないのに、大きな権力を持っている人。または、地位を持っていないのに、宰相のような待遇を受けること。 「白衣」は白い色の服のことで、官位にある人は、官位ごとの決まっている色の服を着たということから、官位のない人のこと。 「宰相」は政務を執る官位の最高位のこと。
猫鼠同眠(びょうそどうみん)「五行志」
悪事を働く者と、それを取り締まる立場の者が、示し合わせて事を運ぶこと。 また、上に立つ者と下の者がぐるになって悪事をはたらくこと。 鼠は隠れて盗みをはたらくもの、猫はそれを捕らえる役目なのに、その二つが同じ所で眠っているという意味から。 唐の時代、洛州で猫と鼠が一緒にいるのが見つかり、盗みを取り締まる側が役目を捨てて悪事を見逃す前ぶれだと受け取られた、という記録による。
変態百出(へんたいひゃくしゅつ)「芸文志」
次から次へと姿や形が変わること。 「変態」は形が変化すること。 「百出」は次々と出現すること。
門巷塡隘(もんこうてんあい)
門の前などに大勢の人が集まることの形容。 「門巷」は門や門の前にある小道、「塡隘」はふさがって狭くなるという意味で、人が多くて道が通れないということから。
羅雀掘鼠(らじゃくくっそ)「張巡伝」
食べ物がなく、極めて辛い状況のこと。 網で雀を捕まえて食べ、地面にある巣を掘って鼠を捕まえて食べるという意味から。 中国の唐の時代、安禄山の乱のときに、張巡という人は食料が無くなり、雀や鼠だけでなく、鎧や弩も食べたという故事から。 「雀(すずめ)を羅(あみ)し鼠(ねずみ)を掘(ほ)る」とも読む。
竜瞳鳳頸(りょうどうほうけい)「袁天綱伝」
非常に身分が高く、気品のある人の容貌のこと。 竜のような瞳と鳳凰のような頸のように神々しいという意味から。 中国の唐の時代の唯一の女性の帝王が、幼い頃に男と偽って人相を見てもらうと、仮に女性であっても天子になるだろうと評されたという故事から。
