「い」で終わる四字熟語
「い」で終わる四字熟語 — 979 件
頓知頓才(とんちとんさい)
状況に合わせてすぐに適切な判断ができる知恵や才能のこと。 「頓」は一瞬という意味で、一瞬の間に出てくる知恵をいう言葉。 「頓智頓才」とも書く。
敦篤虚静(とんとくきょせい)
人を思いやる心が厚く、心にわだかまりがなく、落ち着いていること。 「敦」と「篤」は人情に厚い、他人を思いやる心が厚いこと。 「虚静」は欲が無く、落ち着いている心のこと。
同仇敵愾(どうきゅうてきがい)
恨んでいる相手に共に立ち向かうこと。 「同仇」は同じ人物を恨むべき相手とすること。 「敵愾」は怨んでいる相手に向かっていくこと。 「敵愾同仇」ともいう。
動静云為(どうせいうんい)
人の言葉と行動。 「動静」は普段の生活の立ち居振る舞い。 「云為」は普段の生活の発言と行動。
独出心裁(どくしゅつしんさい)
表現や発想が他人とは違っていて独創的なこと。 「心裁」は独自の考えや思いつきのこと。 「独り心裁(しんさい)を出(いだ)す」とも読む。
読書三昧(どくしょざんまい)
一日中、ずっと読書にふけること。 「三昧」は一つのことに心を奪われて、ほかの事を蔑ろにすること。
独知之契(どくちのけい)
自分だけが約束が成り立っていると思い込むこと。 「独知」は自分一人が知っているということ。 「契」は約束や契約のこと。 相手の意思をはっきりと確かめていない約束のことをいう。
土崩瓦解(どほうがかい)
物事が根元から崩壊して、手の施しようが無いこと。 「土崩」は盛っていた土の山が崩れること。 「瓦解」は落ちてきた瓦が砕けてばらばらになること。 「瓦解土崩」ともいう。
土木形骸(どぼくけいがい)
自然のまま飾らずに生きることのたとえ。 「土木」は土と木のこと。 「形骸」は人の体。 土や木のように自然で飾らない姿という意味から。 「形骸(けいがい)を土木にす」とも読む。 「形骸土木」ともいう。
土木壮麗(どぼくそうれい)
庭や建物が大きく美しいこと。 「土木」は家の造作という意味から、庭や建物のたとえ。 「壮麗」は大きくて立派なこと。
努力奮励(どりょくふんれい)
気力を充実させ、力を尽くして取り組むこと。 「奮励」は気力を奮い立たせること。 目的を果たすために、懸命に取り組む心構えをいう言葉。 「努力奮励」ともいう。
貪小失大(どんしょうしつだい)
すぐに手に入る小さな利益を得ようとしたために、大きな利益を得られなくなること。 「小を貪(むさぼ)りて大を失う」とも読む。
内平外成(ないへいがいせい)
国の内側がよく治まっており、外交も特に問題がなく、とても平和な状態のこと。 「地平天成」と同じく元号「平成」の由来とされる語。 「内(うち)平(たいら)かに外(そと)成る」とも読む。
南郭濫吹(なんかくらんすい)
才能の無い者が才能があるかのように見せかけること。 または、それにより高い地位を得ること。 「南郭」は人の名前。 「濫吹」は下手な笛をむやみやたらに吹くこと。 春秋時代の斉の王は合奏を好み、三百人もの楽士を集めて笛の演奏をさせていた。 南郭は演奏が下手であるにもかかわらず、その中に混ざり高給を得ていた。 ところが、次の王は独奏が好みで、一人ずつ吹かせることにしたところ、南郭はあわてて逃げ出したという故事から。
南華之悔(なんかのくい)
上司を怒らせる余計な発言のせいで、才能があるにもかかわらず出世できないこと。 唐の温庭インは宰相の質問に答えたところ、答え方が宰相の怒りに触れ、能力があるにもかかわらず科挙(試験)に合格できなかったという故事から。
南山捷径(なんざんしょうけい)
正規の試験などを受けることなく官職につくこと。 または、終南山には仕官への近道があるということ。 「南山」は中国の山、終南山のこと。 「捷径」は近道、最短距離の道のこと。 終南山で隠者のふりをして生活することで名声が上がり官職を得ることができるという故事から、終南山は仕官への近道であるという意味。
南都北嶺(なんとほくれい)
奈良と比叡山のこと。 または、奈良の興福寺と比叡山の延暦寺のこと。 「南都」は京都からみて南の都である奈良、または奈良にある興福寺のこと。 「北嶺」は比叡山、または比叡山にある延暦寺のこと。 「北嶺南都」ともいう。
肉食妻帯(にくじきさいたい)
明治以前に浄土真宗以外で禁じられていた、僧侶が肉を食べ、妻を持つこと。
肉袒負荊(にくたんふけい)
上半身を脱いで裸になり、罪人を罰するための荊の鞭を背負い、自ら罰してほしいと心から謝罪すること。 「肉袒」は上半身を脱ぎ裸になることで、どんな罰でも受けるという降伏の意思を表すこと。 「負荊」は罪人を鞭打ちするための荊の鞭を背負うこと。 「肉袒(にくたん)して荊(けい)を負う」とも読む。
日陵月替(にちりょうげったい)
月日が経つにつれて少しずつ衰えていくこと。 「陵」と「替」はどちらも衰えるという意味。 「日(ひ)に陵(りょう)し月(つき)に替(たい)す」とも読む。
女人禁制(にょにんきんせい)
女性が特定の場所に立ち入ることや行事に参加することを禁止したもの。 昔の仏教や修験道では、女性がいると修行に差し支えるとして、寺や聖域に入ることを禁止していた。
忍気呑声(にんきどんせい)
怒りや悔しさを声に出さずに抑え込むこと。 「忍気」は怒りをこらえること。 「呑声」は息を呑んで声にしないこと。 「呑声忍気」ともいう。
人情世態(にんじょうせたい)
人間の感情や世の中の状況。 「人情」は人の感情。 「世態」は世の中の状況。 「世態人情」ともいう。
人相風体(にんそうふうてい)
人の容姿や服装のこと。 「人相」は容姿。 「風体」は服装。 主に印象が悪い時に使うことの多い言葉。
熱願冷諦(ねつがんれいてい)
熱意をもって真剣に願うことと、冷静になって本質を見きわめること。
燃犀之明(ねんさいのめい)
物事の本質を鋭く見抜く力があることのたとえ。 怪物がいるといわれる深い淵の中で、犀(さい)の角を燃やして探してみると、水の底に本当に怪物がいたという故事から。
年年歳歳(ねんねんさいさい)
「来る年も来る年も」や「毎年、毎年」という意味。 「年年」と「歳歳」はどちらも「どの年も」という意味。 「歳歳年年(歳々年々)」ともいう。
念仏三昧(ねんぶつざんまい)
一心に念仏を唱えて雑念を払い、心を統一すること。 「念仏」は仏を思い、南無阿弥陀仏の名号を唱えること。 「三昧」は他のことを考えることなく、集中して取り組むこと。
嚢沙之計(のうしゃのけい)
漢の将軍「韓信」が行った水攻めのこと。 「嚢沙」は土嚢のことで、土嚢を使って川の上流で水をせき止めて、敵が川を渡るのを見計らい土嚢を外し、下流に一気に水を流して、多くの敵を倒したという策略。
能事畢矣(のうじひつい)
成すべきことをすべて完全に終わったということ。 「能事」は成すべきこと。 「矣」は動作が完全に終わったという意味の助字。 「能事(のうじ)畢(おわ)れり」とも読む。
吠影吠声(はいえいはいせい)
一人が根拠のないうそのようなことでも言い始めると、周りが同調して本当のことのように広めること。
吠形吠声(はいけいはいせい)
一人が根拠のないうそのようなことでも言い始めると、周りが同調して本当のことのように広めること。 一匹の犬が吠え始めると、周りにいる犬も吠え始めるということから。 「一犬(いっけん)形(かたち)に吠(ほ)ゆれば百犬(ひゃっけん)声に吠(ほ)ゆ」を略した言葉で、「形(かたち)に吠(ほ)ゆれば声に吠(ほ)ゆ」とも読む。
杯賢杓聖(はいけんしゃくせい)
「杯」と「杓」を賢者と聖人にみたてて酒を飲むことを美化した言葉。
吠日之怪(はいじつのかい)
優れた言動を理解することができない見識の狭い者が、疑って非難すること。 「吠日」は犬が太陽に向かって吠えるという意味。 蜀の地方の高い山に囲まれ、曇りや雨が多く、太陽がほとんど出ない地方の犬は、たまに太陽が出ると驚いて太陽に向かって吠えるという故事から。
杯中蛇影(はいちゅうのだえい)
疑う気持ちが強くなると、つまらないことでも過剰に気になり病んでしまうことのたとえ。 自分の杯の酒に蛇の形をした影が映っているのを見て、蛇を飲み込んでしまったと思い込んで病気になったが、後にその影は蛇ではなく壁にかけていた弓のものであったと知ると、すぐに病気が治ったという故事から。
伯夷叔斉(はくいしゅくせい)
私欲がなく清らかな人格の人のたとえ。 「伯夷」と「叔斉」はどちらも人の名前。 伯夷と叔斉は自国を出て、周の文王に身を寄せた。 文王の死後、息子の武王が後を継ぎ、自身の主君である殷の紂王を討とうとしたので、不忠だと諫(いさ)めたが聞き入れられなかった。 その後、紂王を討ち取った武王が周王朝を建てたが、伯夷と叔斉は主君を討ち取った武王を非難し、周のものを食べることを恥として、周から離れて隠遁した後に餓死したという故事から。
伯夷之清(はくいのせい)
清らかで気高い人のたとえ。 「伯夷」は人の名前。 古代中国の殷の人物で、君主と臣下が義を大切にし、王朝が交代するときには節操を守り、新しい王朝に仕えなかったことから、清廉の極みとされている。
博学才穎(はくがくさいえい)
学識が豊かで、才能と知恵があること。 「博学」は学問で得た見識が高いこと。 「才穎」は才能と知恵がすぐれていること。
博学多才(はくがくたさい)
幅広い知識があり、様々な優れた才能を持っていること。 「博学」は様々な分野の知識が豊かなこと。 「多才」は様々な才能に恵まれていること。
白玉楼成(はくぎょくろうせい)
文人の死をいう言葉。 「白玉楼」は天にあるとされる、白く美しい宝石で作られた楼閣のことで、文人の死後に行くとされている場所のこと。 中国の詩人の李賀のところに天からの使者が現れ、「天帝が白玉楼を作り、李賀を招いてその記を書かせることになった」と言われ、まもなく死んだという故事から。
博識多才(はくしきたさい)
幅広く様々な知識があり、様々なことへの優れた才能を持っていること。 「博識」は様々な分野の知識が豊かなこと。 「多才」は様々なことへの才能に恵まれていること。
白紙撤回(はくしてっかい)
要求や計画を取り下げて、なかったものとすること。 「白紙」は何も書かれていない、真っ白な紙のように何もないこと。 「撤回」は一度出した意見や計画などを取り下げること。
拍手喝采(はくしゅかっさい)
拍手をしながら大きな声で褒めたてること。 「喝采」は大きな声を出して褒めたてること。
白首窮経(はくしゅきゅうけい)
歳をとって老いるまで学問に精を出すこと。 「白首」は白い頭という意味から、白髪頭のことで老人のたとえ。 「窮経」は儒教の基本経典とされる五経を研究すること。
博文約礼(はくぶんやくれい)
数多く様々な書物を読んで学問を修め、礼を基準にまとめて実際に行うこと。 「博文」は数多くの書物を読んで学ぶこと。 「約」は締めくくる、まとめるという意味。 「礼」は儒教で重要とされる道徳や、社会的規範のこと。 「博く文を学び、之を約するに礼を以てす」を略した言葉。
薄暮冥冥(はくぼめいめい)
日が暮れる頃の薄暗い様子。 「薄暮」は日が暮れる頃、夕暮れ。 「冥冥」は暗くてはっきりと区別できない様子。
白面書生(はくめんのしょせい)
若くて経験の少ない人や、若くて学問を十分に修練していない人のたとえ。 「白面」は白い顔という意味から、年が若く経験の足りない人のこと。 「書生」は学問をする人のこと。
薄利多売(はくりたばい)
物の値段を下げて、そのかわりに数を多く売ることで利益を増やすこと。 商売の一つの方法で、利益を薄くして数を多く売ること。
破邪顕正(はじゃけんせい)
不正を打破して、正しい行いを示して守ること。 仏教の言葉で、邪説を打破して、正しい仏教の道を指し示すことをいう。
破竹之勢(はちくのいきおい)
止められないほどの激しい勢い。 竹は最初の一節を割ると、あとは一気に割れていくことから。
八元八愷(はちげんはちがい)
高い徳を持っていて、清く正しい心の人物のこと。 「元」は善、「愷」は高い徳。 古代中国の神話上の高辛氏の八人の心の清い人物は「八元」と呼ばれ、高陽氏の八人の高い徳を持つ人物は「八愷」と呼ばれていたという故事から。 「八元八凱」とも書く。
八字打開(はちじだかい)
心を広く開けて全てを曝け出すこと。 「打開」は開け広げること。 心を八の字に開け広げるという意味から。
白黒分明(はっこくぶんめい)
善と悪がはっきりと区分されていること。 「白黒」は善悪や正邪、物事のよしあしのこと。 「分明」はっきりと区別すること。
発人深省(はつじんしんせい)
気づかれないように悟らせて、物事を深く考えるようにさせること。 「発人」は他人を啓発すること。 「深省」は深く考えること。
発揚蹈厲(はつようとうれい)
舞の動きが荒々しく激しい様子。または、気持ちを奮い立たせてやる気を高める様子。 「発揚」は精神が高ぶること。 「蹈厲」は気持ちを高めること。
撥乱反正(はつらんはんせい)
乱世を治めて世の中を平和な世界にすること。 「撥乱」は乱世を治めること。 「反正」は乱世になる前の平和な世に戻すこと。 「乱を撥(おさ)めて正を反す」とも読む。
破天荒解(はてんこうかい)
今まで誰もできなかったことを成し遂げること。 または、常識では考えられないやり方をすること。 「天荒」は凶作などで、雑草などが生い茂った荒れ果てた土地。または、未開の土地のこと。 「解」は解送者のことで、中国の科挙の本試験を受けるための地方試験に合格した人のこと。 中国の荊州では、長い間地方試験に合格する人がいなかったために「天荒解」と呼ばれ、劉蛻が始めて合格したときに、天荒を破ったと人々に言われたという故事から。
反間之計(はんかんのけい)
敵の間者に偽の情報を流して内部から乱したり、敵の間者を利用して敵の情報を得たりする策略のこと。 『孫子』「用間」の中にある五つの計略の一つ。
反躬自省(はんきゅうじせい)
自分で自分のことを反省すること。 「反躬」は自分で自分のことを振り返って考えること。 「自省」は自分で自分に尋ねること。
半身不随(はんしんふずい)
体の左右半分のどちらかが痺れて、感覚が無くなって思うとおりに動かなくなること。 「半身」は体の左右どちらか半分。 「不随」は怪我や病気が理由で、身体が思い通りに動かなくなること。
半醒半睡(はんせいはんすい)
意識がはっきりしていない状態。 半分目覚めていて、半分寝ているということから。 「半睡半醒」ともいう。
半知半解(はんちはんかい)
知っているだけでほとんど理解していないこと。 「半知」は全体の半分だけ知っていること。 「半解」は全体の半分だけ理解していること。 一つのことの半分しか理解していないという意味から。 「半解半知」ともいう。
繁文縟礼(はんぶんじょくれい)
形式や規則、礼儀、手続きが複雑で面倒くさいこと。 「繁文」は細かく複雑な飾りや、分かりづらい規則のこと。 「縟礼」は複雑で分かりづらい礼儀や作法のこと。 「繁縟」と略して使うこともある言葉。
馬鹿丁寧(ばかていねい)
必要以上に礼儀正しくて丁寧なこと。または、表面は非常に丁寧で礼儀正しいが、実際は尊大なために無礼なこと。
麦曲之英(ばくきょくのえい)
酒のこと。 「麦」と「曲」の漢字を組み合わせると、酒の原料の「麹」の異体字になるということから。 「英」はすぐれているものという意味。
抜群出類(ばつぐんしゅつるい)
才能などが一際すぐれていること。 「抜群」と「出類」は、どちらも同じもののなかで飛び抜けてすぐれているということ。
抜山蓋世(ばつざんがいせい)
気力が充実していて、盛んな勢いがあること。 山を引き抜いて、世界を覆いつくすほどの力という意味から。 古代中国の戦国時代、楚の項羽が漢の軍に包囲されたときに、虞美人と最後の酒を交わしながら、自らを鼓舞するために詠んだ詩の一節から。 「山を抜き世を蓋(おお)う」とも読む。
跋山渉水(ばつざんしょうすい)
苦しく辛いことを克服しながら長い旅をすること。 「跋山」は山を越えること。 「渉水」は河を渡ること。 「山を跋(ふ)み水を渉(わた)る」とも読む。
抜山翻海(ばつざんほんかい)
やる気に満ち溢れているさま。 「抜山」は山を引っ張って抜くこと。 「翻海」は海の上下を逆さにすること。 山を引き抜いて、海を逆さまにするほどに勇ましくやる気に満ち溢れている様子から。
馬舞之災(ばぶのさい)
火事のこと。 中国の晋の時代の黄平は、馬が踊り、それを見た人々が拍手する夢を見た。 そのことを占いの名人の索タンに相談すると、「馬は火の象徴であり、それが踊るということは火が巻き起こること。馬に拍手するというのは、火を消そうとすることだ」といわれ、黄平が帰ると家が火事にあっていたという故事から。
万古長青(ばんこちょうせい)
永遠に変わらないこと。 「万古」は大昔からという意味から、永遠や長い年月のたとえ。 「長青」は松などの常緑樹がずっと枯れることなく、青々としているということから、いつまでも変わらないことのたとえ。 国の繁栄や、よい人間関係などがいつまでも続くことをいう。
万死一生(ばんしいっせい)
死ぬ覚悟で事に当たること。 または、非常に危険な状況からなんとか助かること。 「万死」は命が助かりそうにない危険な状況。 「万死に一生を顧みざるの計」または、「万死を出でて一生に遇う」を略した言葉。
万世一系(ばんせいいっけい)
一つの血筋がいつまでも続いていくこと。 「万世」は永遠、いつまでもという意味。 「一系」は同じ家系のこと。 主に日本の皇室、皇統についていう言葉。
万里鵬程(ばんりほうてい)
非常に遠い道のりのたとえ。 また、海がどこまでも広く大きいことを言い表す言葉。 「鵬」は中国の想像上の鳥。 「程」は道のり。 「万里」の「里」は距離の単位で、「万里」は非常に遠いことのたとえ。 鵬は北海から南海に向かって万里もの距離を飛ぶとされることから。 「万里鵬程」ともいう。
悲歌慷慨(ひかこうがい)
世の中の有り様や自分の運命などについて憤り嘆くこと。 「悲歌」は悲しげに歌うこと。 「慷慨」は不満を抱き嘆くこと。 「慷慨悲歌」ともいう。
被堅執鋭(ひけんしつえい)
武器や防具を身につけること。 将軍や指導者が自ら戦場に出る際に用いられる言葉。 「被堅」は堅い鎧を身につけること。 「執鋭」は鋭い刃剣を手にすること。 「堅を被(こうむ)り鋭(えい)を執(と)る」とも読む。
避坑落井(ひこうらくせい)
一つの災難を乗り越えても、次の災難がすぐにやってくるということ。 「坑」は地面に掘った穴。 地面の穴を注意深く避けて、井戸に落ちるという意味から。 「坑(こう)を避(さ)け井(せい)に落つ」とも読む。
誹刺諷誡(ひしふうかい)
人のことを批判して、間接的に戒めること。 「誹刺」は他人のことを悪く言うこと。 「諷誡」は遠まわしに戒めること。 「誹刺」は「非刺」とも、「諷誡」は「風戒」とも書く。
悲傷憔悴(ひしょうしょうすい)
酷く悲しんで苦しみやつれること。 「悲傷」は酷く悲しむこと。 「憔悴」は精神的な苦痛や病気でやつれ衰えることから。
筆力扛鼎(ひつりょくこうてい)
勢いがあって力強い文章のこと。 「筆力」は文章の勢いや筆遣い。 「扛鼎」は食べ物を煮るために使う青銅の器を持ち上げること。 青銅で出来た重い器を持ち上げるほど、筆力が強いという意味から。 「筆力(ひつりょく)鼎(かなえ)を扛(あ)ぐ」とも読む。