「ひ」から始まる四字熟語
「ひ」から始まる四字熟語 — 149 件
百端待挙(ひゃくたんたいきょ)
やらなければならないことが数多くあること。 「百端」はたくさんの事柄。 「待挙」は行うのに最もよい時を待っていること。 行われることを待っている事柄が数多くあるという意味から。 「百端(ひゃくたん)挙(あ)ぐるを待つ」とも読む。
百代過客(ひゃくだいのかかく)
永久に止まらずに、歩き続ける旅人のこと。 または、年月をたとえた言葉。 「百代」は途絶えることなく、何代も続いていくこと。または、いつまでも続くことのたとえ。 「過客」は旅人のこと。 時間や年月をいつまでも歩き続け、帰ることのない旅人にたとえた言葉。
百二山河(ひゃくにのさんが)
防備がしっかりとしている天然の要塞。 「百二」は二人で百人を相手にして対等に渡り合えること。または、百人で二百人を相手に対等に渡り合えること。 中国の秦の地の防備の固さを言った言葉。
百人百態(ひゃくにんひゃくたい)
考え方や、やり方は人それぞれに異なるというということ。 「態」は人の外観からとらえた形。姿。 人が百人いても、一人として同じ姿の人はいないという意味から。
百人百様(ひゃくにんひゃくよう)
考え方や、やり方は人それぞれに異なるというということ。 「様」は人の外観からとらえた形。姿。 人が百人いても、一人として同じ姿の人はいないという意味から。
百年河清(ひゃくねんかせい)
期待できないことをいつまでも待ち続けること。 または、いつまで待っても望みは叶わないということ。 「百年」は長い年月ということ。 「河」は中国の黄河のこと。 黄河の水はいつまでも待っても、澄んだ水になることはないという意味から。 「百年河清を待つ」を略した言葉。
百年大計(ひゃくねんたいけい)
規模が大きく、長い期間に渡って行う、未来のための計画。 「百年の計」ともいう。
百年之業(ひゃくねんのぎょう)
これから後の世に残る素晴らしい仕事のこと。 または、昔から受け継がれてきた伝統的な仕事のこと。 「業」は仕事という意味。
百年之柄(ひゃくねんのへい)
将来のことを考えた政治を行い、権力を長く保とうとすること。 「百年」は長い期間のたとえ。 「柄」は権力のこと。
百八煩悩(ひゃくはちぼんのう)
人間の持つ苦しみを生み出す全ての迷いのこと。 「煩悩」は仏教の言葉で、人間の心身の苦しみを生み出す迷いのこと。煩悩は百八種類あるとされている。
百売千買(ひゃくばいせんばい)
取引が何度も行われることのたとえ。 「百」と「千」は数が多いことのたとえ。
百福荘厳(ひゃくふくしょうごん)
数多く積んだ福で仏像を飾ること。 または、仏の三十二相のこと。 「百福」は百の福徳を積むこと。 「荘厳」は仏像や奉ってある建物を美しく飾ること。 仏の三十二相は、仏にあるとされる三十二の特徴で、それぞれ百の福徳を積むことであらわれるとされる。
百聞一見(ひゃくぶんいっけん)
何度も人から聞くよりも、一度実際に見るほうがよいということ。 「百聞」の「百」は数が多いことのたとえで、何度も聞くという意味。 「一見」は一度実際に見ること。 多くは「百聞は一見に如かず」という形で用いられ、これを略した言葉。
百味飲食(ひゃくみのおんじき)
色々な珍しい味の食べ物や、おいしい食べ物のこと。 「百味」は様々なおいしい食べ物。 「飲食」は飲み物と食べ物。
百薬之長(ひゃくやくのちょう)
酒のこと。 酒を賞賛したもので、様々な薬の中で酒が最も効果があるという意味の言葉。 「百薬」は様々な種類の薬。 「長」は最も上に立つもの、かしら。 前漢の王莽が言ったとされる言葉から。
百様玲瓏(ひゃくようれいろう)
様々な種類の美しさがある様子。 「百様」は数多くの種類のものがある様子。 「玲瓏」は宝石のように澄み切っていて美しい様子。または、宝石や金属から出る澄んだ美しい音のこと。
百里之才(ひゃくりのさい)
人々を治めることのできる、それなりの能力のこと。 「百里」は四方が百里の範囲のことで、古代中国の一つの県の大きさをいう。 一つの県を治めることが出来るくらいの能力という意味から。
百里之命(ひゃくりのめい)
一つの国の政治、運命のこと。 「百里」は四方が百里の範囲のことで、天子から委任された諸侯の国の領土のことをいう。 「命」は制令のことで、一国の運命のこと。
百伶百利(ひゃくれいひゃくり)
非常に賢く、理解力や判断力にすぐれていること。 「百」は普通の程度を大いに超えている様子を言い表す言葉。 「伶」と「利」はどちらも賢いという意味。 「百伶百俐」とも書く。
百錬成鋼(ひゃくれんせいこう)
心と体を何度も鍛えることによって、初めて立派な人物になることができるということ。 または、意志などが非常に強いことのたとえ。 「百錬」は何度も繰り返し鍛えること。 鋼を作るためには何度も鉄を鍛えなければならないという意味から。 「百錬(ひゃくれん)鋼(こう)を成す」とも読む。
百怪魑魅(ひゃっかいちみ)
たくさんの怪物のこと。または、さまざまの悪人を言い表す言葉。 「魑魅」は山や林から生まれる悪霊のこと。または、怪物全般のこと。
百花斉放(ひゃっかせいほう)
学問や芸術などが、自由で盛んに行われて発展すること。 「百花」は花の数が非常に多いことのたとえ。 全ての花が同時に咲くという意味から。 1956年に主席である中国共産党の毛沢東が「百家争鳴」と共に掲げた標語の一つで、翌年には撤回された。
百家争鳴(ひゃっかそうめい)
様々な立場の学者や専門家が自由に盛んな勢いで論争すること。 「百家」は数多くの学者や専門家のこと。 「争鳴」は自由で活発な議論をすること。 1956年に中国共産党の主席である毛沢東が「百家斉放」と共に掲げた標語の一つで、翌年には撤回された。 春秋戦国時代の学者や学派は諸子百家と呼ばれ、孔子や老子、孫子などの様々な学派の思想家が論争したという故事から。
百下百全(ひゃっかひゃくぜん)
何一つ欠けていない、完全であること。 百のうちの百全てあるという意味から。
百花繚乱(ひゃっかりょうらん)
すぐれた能力を持っている人物が同じ時期に一斉に現れ、多くの素晴らしい成果を残すこと。 または、すぐれた能力を持っている人物や、容姿の美しい人物がたくさん集まっている様子を言い表す言葉。 「百花」は様々な種類のたくさんの花、「繚乱」は多くの花がまじり合って咲くことで、様々な種類の花がまじり合ってたくさん咲いているという意味。 「百花撩乱」とも書く。
百鬼夜行(ひゃっきやこう)
たくさんの悪人たちが横暴な態度で好き勝手に行動して、思いのままに悪事を働くこと。 「百鬼」は色々な怪物のこと。 「夜行」は夜に連なって歩き回ること。 夜になると色々な怪物が、たくさん連なって好き勝手に歩き回るという意味から。
百挙百捷(ひゃっきょひゃくしょう)
どんなことをしても全て上手くいくこと。 「百挙」は行動や策略などの様々な行い。 「捷」は勝つという意味。
百孔千瘡(ひゃっこうせんそう)
欠点や短所が数多くあること。 または、ひどく傷だらけでぼろぼろの状態のこと。 「百」と「千」はどちらも数が多いことのたとえ。 「孔」は穴、「瘡」は切り傷。 百の穴、千の切り傷があるという意味から。 「千瘡」は「千創」とも書く。 「千瘡百孔(千創百孔)」ともいう。
百古不磨(ひゃっこふま)
いつまでも消えることなく存在し続けること。 「百古」は非常に長い年月、後世まで長く続くという意味。 「不磨」は擦り減ってなくなることがないこと。
百発百中(ひゃっぱつひゃくちゅう)
発射した弾丸や矢などが、全て狙った場所に当たること。 または、予想や計画などが、全て狙い通りの結果になること。 「百発」は矢や弾丸などを百回発射すること。 「百中」は矢や弾丸などが狙った場所に百回命中すること。 古代中国の楚の国の養由基という弓の名人が、柳の木から百歩離れた場所から百発の矢を放ち、全ての矢を葉に命中させたという故事から。
百歩穿楊(ひゃっぽせんよう)
すぐれた射撃の能力があること。 「穿」は穴を開けること。 「楊」は柳のこと。 百歩離れた場所から、細い柳の葉を打ち抜くという意味から。 「百歩(ひゃっぽ)楊(やなぎ)を穿(うが)つ」とも読む。
氷甌雪椀(ひょうおうせつわん)
汚れがなく、上品で趣のある文具のこと。 または、そのような文具で詩文を書き写すこと。 「氷甌」は氷でできたかめ。 「雪椀」は雪でできたお椀。 「冰甌雪椀」とも書く。
剽悍無比(ひょうかんむひ)
極めて素早く、荒々しいこと。 「剽悍」は動きが素早く、乱暴なこと。 「無比」は比べるものが存在しないほど、ということ。
氷肌玉骨(ひょうきぎょっこつ)
容姿の美しい女性のこと。 または、梅の花の異称。 「氷肌」は透明な氷のように清らかな肌。または、寒さが厳しい期間に咲く梅の花のたとえ。 「玉骨」は高貴な人や美しい人の骨ということから、美しい容姿のこと。
憑虚御風(ひょうきょぎょふう)
広々としていて、世俗を超越しているような気持ちや気分のこと。 「憑」はたよりにするということ。 「虚」は空のこと。 「御」は馬車などをうまく操作すること。 空に身を任せて、風に乗ってどれだけ行くのか分からないという意味から。 「虚(きょ)に憑(よ)り風(かぜ)に御(ぎょ)す」とも読む。
表敬訪問(ひょうけいほうもん)
敬う気持ちを示すために人を訪ねること。 「表敬」は敬う気持ちを示すこと。
氷壺秋月(ひょうこしゅうげつ)
清く澄んだ心のこと。 「氷壺」は白い玉で出来ていて、中に氷が入っている壺。 「秋月」は秋の月。 どちらも清らかで澄んでいる様子を言い表す言葉。 「氷」は「冰」とも、「壺」は「壷」とも書く。
飄忽震蕩(ひょうこつしんとう)
いきなり激しく揺り動かすこと。 「飄忽」は突然、いきなりという意味。 「震蕩」は激しく揺らすこと。 「飄忽震盪」とも書く。
飄忽淜滂(ひょうこつひょうほう)
速い速度で風が吹き付ける様子。または、その音を言い表す言葉。 「飄忽」は素早い様子。 「淜滂」は風が物に当たった時に発する音。
氷姿雪魄(ひょうしせっぱく)
梅の花のこと。または、清く澄んだ心を持った人のたとえ。 梅の花は雪の残る冬の終わりに、白く美しく咲くことから。 「氷姿」は「冰姿」とも書く。 「雪魄氷姿(雪魄冰姿)」ともいう。
剽疾軽悍(ひょうしつけいかん)
動きが素早く、気が荒く、強いこと。 「剽疾」は動きが速いこと。 「軽悍」は動きが速く、気が強いこと。
熛至風起(ひょうしふうき)
物事が非常に早く起こることを言い表す言葉。 「熛」は飛び火や火の粉のことで、「熛至」は飛び火するかのようにくること。 「風起」は風は発生するように、わき起こること。 「熛」と「風」はどちらも素早いこと。 「熛(ひょう)のごとく至(いた)り、風(かぜ)のようにわき起(おこ)る」とも読む。
氷消瓦解(ひょうしょうがかい)
物事がばらばらになること。または、完全に無くなること。 氷が解けて消えるように、屋根の瓦の一部分の崩壊から全体が次々と崩れるように、ばらばらになるという意味から。 「氷(こおり)と消え瓦(かわら)と解く」とも読む。 「氷」は「冰」、「消」は「銷」とも書く。 「瓦解氷消」ともいう。
豹死留皮(ひょうしりゅうひ)
死後に名声を残すこと。 生きている時に功績を上げて、死後に功績と名を残すことをいう。 動物の豹は、死後に美しい毛皮を残すという意味から。 「豹(ひょう)は死して皮を留(とど)む」とも読む。
標新立異(ひょうしんりつい)
過去に誰も出していない、新しい見解や解釈を出すこと。 「標」は人目につくように、高い位置に持ち上げるという意味。 「新しきを標(かか)げ異(い)を立つ」とも読む。
氷清玉潤(ひょうせいぎょくじゅん)
父親と娘婿の二人ともが高い徳を備えていることのたとえ。または、清く気高い人格のたとえ。 氷のように清らかで、宝石のように潤いがあるという意味から。 中国の晋の楽広は、身も心も清らかな人柄と評されていたが、その娘婿の衛カイも清らかで潤いがあると評され、楽広は氷清と呼ばれ、衛カイは玉潤と呼ばれ、賞賛されたという故事から。
氷炭相愛(ひょうたんそうあい)
この世にあるはずがないもののたとえ。 または、性質が逆のもの同士が助け合うことのたとえ。 炭の火で氷はとけて、氷のとけた水で炭の火が消えるという意味から、氷と炭が愛し合うことはできないということ。 また、氷のとけた水で炭の火を消して燃え尽きるのを防ぎ、炭の火は氷を本来の姿である水に戻すという意味から、性質が反していても互いに助け合って本質を保つことができるということ。 「氷炭(ひょうたん)相(あい)愛す」とも読む。 「冰炭相愛」とも書く。
評頭品足(ひょうとうひんそく)
人の良いところや、悪いところを批評して議論すること。または、欠点や失敗を探し出すこと。 「品」は品評すること。 もとは女性の容姿について批評して議論するという意味。 「頭(あたま)を評し足を品(ひん)す」とも読む。
漂蕩奔逸(ひょうとうほんいつ)
特に目的もなくさまようこと。 「漂蕩」は目的もなく歩き回ること。 「奔逸」は好きなように行動すること。
飄飄踉踉(ひょうひょうろうろう)
ふらふらとしていて定まらない足取りのこと。 「踉踉」は足取りが定まらずにふらふらとするという意味の言葉で、それを重ねて強調した言葉。
摽末之功(ひょうまつのこう)
ちょっとした功績。わずかな功績。 「摽」は刀の先端、切っ先のことで、わずかなことのたとえ。 「功」は成し遂げた結果。功績。手柄。
表裏一体(ひょうりいったい)
二つのものが切り離すことができないほど深い関係にあること。 「表裏」は表と裏のこと。 「一体」は一つのものという意味。 表と裏は一つのものの両面であり、決して切り離すことができないという意味から。
庇葉傷枝(ひようしょうし)
細かい部分にこだわりすぎて、一番大切な部分を駄目にしてしまうということ。 木の葉を守るために、枝を傷つけるという意味から。 「葉(は)を庇(かば)いて枝を傷つく」とも読む。
飛鷹走狗(ひようそうく)
野生の鳥や獣をとること。 「狗」は狩りに使うための犬、猟犬。 狩猟のために鷹を飛ばして、猟犬を放つという意味から。
飛揚跋扈(ひようばっこ)
思うまま横暴に振る舞うこと。 または、臣下が好き勝手に振る舞い、君主の力をこえること。 「飛揚」は猛禽類の鳥が舞い上がること。 「跋扈」は魚を捕まえるための竹垣の罠を飛び越えて逃げること。 悪人などが、常識や規則などを無視して好き勝手に行動することをいう。
比翼連理(ひよくれんり)
夫婦の愛情が深く、非常に仲がよいことをたとえた言葉。 「比翼」は目と翼が一つしかなく、雌雄が常に一体となって飛ぶとされている比翼の鳥のこと。古代中国の想像上の動物。 「連理」は別々の木の枝や幹がくっついて、まるで一本の木であるかのように木理(木目)が一つになったもののこと。 どちらも、男女間の愛情が深く仲がよいことのたとえ。
皮裏春秋(ひりのしゅんじゅう)
口に出して言うことなく、心の中で善悪や是非を判断して批判すること。 「皮裏」は皮膚の裏側という意味から、心の中という意味。 「春秋」は孔子が厳正に歴史を批評し、賞賛や批判の意味を、言葉の一つ一つに深く込めて編集したとされる。
皮裏陽秋(ひりのようしゅう)
口に出して言うことなく、心の中で善悪や是非を判断して批判すること。 「皮裏」は皮膚の裏側という意味から、心の中という意味。 「陽秋」は孔子が厳正に歴史を批評し、賞賛や批判の意味を、言葉の一つ一つに深く込めて編集したとされる、五経の一つの『春秋』の別名。
飛竜乗雲(ひりょうじょううん)
時代の流れに乗って、英雄や賢者が才能を発揮することのたとえ。 竜が雲に乗って空へ舞い上がるという意味から。 「飛竜(ひりょう)雲に乗る」とも読む。
疲労困憊(ひろうこんぱい)
疲れ果てること。 「困憊」は酷く疲れて弱ること。
非驢非馬(ひろひば)
どちらとも言えず、曖昧なこと。 または、正体がわからないこと。 見た目は驢馬(ろば)のようにも見えるが、馬のようにも見え、驢馬でも馬でもないという意味から。 「驢(ろ)に非ず馬に非ず」とも読む。
牝鶏之晨(ひんけいのしん)
女性が強い権力を持って、勢力を振るうこと。 または、女性が権力を握って治めると、国や家などが滅びることのたとえ。 「牝鶏」は雌鶏。 「晨」は日の出を鶏が鳴いて知らせるという意味。 日の出の時間に鳴くのは本来は雄鶏であり、雌鶏が鳴くことは秩序が乱れた証とされ、王后や王妃が権力を握り、国家が滅びることの前触れとされていた。
牝鶏牡鳴(ひんけいぼめい)
女性が強い権力を持って、勢力を振るうこと。 「牝鶏」は雌鶏。 「牡鳴」は雄鶏の鳴き声。 雌鶏が雄鶏の鳴き声の真似をするという意味から。 日の出の時間に鳴くのは本来は雄鶏であり、雌鶏が鳴くことは秩序が乱れた証とされ、王后や王妃が権力を握り、国家が滅びることの前触れとされていた。
品行方正(ひんこうほうせい)
考えや行いが正しくきちんとしている様子。 「品行」は普段の行いや振る舞い。 「方正」は心や行動が正しいこと。
貧者一灯(ひんじゃのいっとう)
誠意がこもっている行いのこと。 または、誠意のこもった行いは尊いものであるということのたとえ。 裕福な人が多くの寄付をするよりも、貧しい人の誠意のこもった少しの寄付のほうが尊いものであるという意味の言葉。 古代インドの阿闍世王が、仏を供養するためにたくさんの灯明で照らしたが、それらの灯明はすべて消えてしまった。 貧しい老女が誠意を込めて用意した灯明は、朝まで輝き続けたという故事から。
貧賤驕人(ひんせんきょうじん)
貧しくて卑しい人間は、失うものがないので傲慢な態度を取ることができるということ。 「賤」は卑しい人間。 貧しく卑しい人は失うものがなく、いざとなれば逃げればいいので、権力者相手でも横暴に振る舞うことができるという意味から。 「貧賤(ひんせん)人に驕(おご)る」とも読む。
貧賤之交(ひんせんのまじわり)
貧しく苦労している時から交友のある友人のこと。または、そのような友人は大切にすべきであるということ。 出世すると以前の友人を捨てて、高い地位を持っている人と付き合おうとするが、以前の友人を捨ててはならないということ。
貧富貴賤(ひんぷきせん)
貧しい人と裕福な人、高貴な人と下賎な人のこと。 「貴賤貧富」ともいう。
牝牡驪黄(ひんぼりこう)
物事の見た目にこだわらず、本質を見抜くことのたとえ。 「牝牡」はめすとおすのこと。 「驪黄」は色の黒色と黄色。 中国の秦の穆公が、馬を見抜く名人である伯楽に推薦された九方皐に馬を探しに行かせた。 九方皐が黄色い牝馬を見つけたという報告を受けたが、連れ帰られた馬は黒い牡馬であった。 穆公は馬の色や性別も分からないのかと怒ったが、これに対して伯楽は色や性別などの見た目にこだわらず、馬本来の能力を見るべきだといった。 そして、その馬は他と比べることのできないほどの名馬だったという故事から。