『礼記』を出典とする四字熟語 — 86 件
『礼記』(らいき)を出典とする四字熟語を一覧で紹介します。各四字熟語の読み方・意味もあわせて確認できます。全86件を五十音順に掲載しています。
四字熟語一覧(五十音順)
晏嬰狐裘(あんえいこきゅう)「檀弓・下」
高い身分にありながらも倹約に努め、職務に励むこと。 人の上に立つ者の心得を説いた言葉。 「晏嬰」は人の名前。 「狐裘」は狐(きつね)のわきの下に生えている白い毛皮で作られた高級な衣のこと。 中国の春秋時代の宰相「晏嬰」は、一つの高級な狐の衣を三十年間着続けて、国を治めることに尽力したという故事から。
帷蓋不棄(いがいふき)「檀弓・下」
駄目になった物でも、何かに使うことができるので、捨てることを惜しむということ。 「帷」は部屋の仕切りなどに使う垂れ幕。 「蓋」は車を覆うための布。 「不棄」は駄目になっても捨てずにとっておくこと。 「帷」と「蓋」は死んだ動物を覆って埋める時に使うもので、それらを捨てずに取っておくということから、動物を大切にすることのたとえとしても使われる言葉。 「帷蓋(いがい)棄(す)てず」とも読む。
一倡三歎(いっしょうさんたん)「楽記」
優れた詩文を褒め称えていう言葉。 「倡」は詩文を読むこと。 「三」は何度もの意。 「歎」は感心して褒め称える、感嘆という意味。 一度読み上げる間に何度も感歎することから。 「一倡」は「一唱」、「三歎」は「三嘆」とも書く。
一成不変(いっせいふへん)「王制」
一度出来上がったものは、二度と変えることが出来ないということ。 一度出来上がってしまうと、それを変えるのは難しいので、慎重を期してすべきであるという戒めの言葉。 「一成」は完成すること。
一張一弛(いっちょういっし)「雑記下」
人に厳しくしたり、やさしく接したりすること。 「張」は弦を張ること。 「弛」は弦を緩めること。 弦を張ったり緩めたりすることから。 「一弛一張」ともいう。
夷蛮戎狄(いばんじゅうてき)「王制」
中国の周辺にいた異民族のこと。 漢民族が異民族を蔑んで呼んでいた名称。 「東夷、南蛮、西戎、北狄」という四方の異民族の呼称をまとめた言葉。
陰陽相摩(いんようそうま)「楽記」
天と地の間に存在するとされる陰と陽の二つの気が互いに作用しあうことで全てのものを生み出すということ。 「陰陽(いんよう)相(あ)い摩(ま)す」とも読む。
嫗伏孕鬻(うふうよういく)「楽記」
鳥や獣が子を産んで育てること。 「嫗伏」は鳥が翼で卵を覆って温めること。 「孕鬻」は獣が子を産んで育てること。
英華発外(えいかはつがい)「楽記」
かくしていた美しくてすぐれた内面が、表に現れること。 「英華」は美しい花や華やかな光のこと。 「発外」は表に出ること。
易簀之際(えきさくのさい)「檀弓・上」
人が死ぬ間際のこと。 特に、徳の高い人が死ぬことを敬っていう言葉。 「易簀」は寝台に敷く簀(すのこ)を取り替えることで、人の死ぬ間際を意味する。 孔子の弟子である曽参が死ぬ間際、高位の人が使う簀(すのこ)が敷かれていたが、自身の身分には相応しくないといって取り替えさせたという故事から。
婉娩聴従(えんべんちょうじゅう)「内則」
上品で落ち着いていて、人に優しく、人に素直で逆らわずに従うこと。 「婉娩」は上品で素直なこと。 「聴従」は言われたことに素直に従うこと。 女性への教えの一つとされた言葉。 「婉娩(えんべん)として聴(き)き従う」とも読む。
温柔敦厚(おんじゅうとんこう)「経解」
優しく穏やかで、思いやりがあること。 「温柔」は優しく穏やかなこと。 「敦厚」は情に厚いこと。 孔子が儒教の古典『詩経』を評した言葉で、詩は昔の人々の純朴な民情で満ちており、人に感動を与え教化する力を持っていると説いたもの。
温潤而沢(おんじゅんじたく)「聘義」
思いやりがあり、隅々にまで行き届いていること。 「温潤(おんじゅん)にして沢(たく)」とも読む。
温凊定省(おんせいていせい)「曲礼・上」
親に誠意をもって尽くし、大切にすること。親孝行すること。 冬には温かく、夏には涼しくして快適に暮らせるようにし、夜には寝具を整えて朝にはご機嫌をうかがうという意味で、子が親に尽くすべき心がけを説いたもの。 「凊」は涼しいという意味。 「定」は寝具を整えてよく眠れるようにすること。 「省」は省みるという意味から、ご機嫌をうかがうこと。 「定省温凊」ともいう。
音与政通(おんよせいつう)「楽記」
音楽と政治は互いに深い繋がりがあるということ。 治世の音は安楽、乱世の音は怨怒、亡国の音は哀思とされている。 「音(おん)と政(まつりごと)と通ず」とも読む。
温良篤厚(おんりょうとっこう)「経解」
優しく穏やかで、思いやりがあること。 「温良」は優しく穏やかなこと。 「篤厚」は情に厚いこと。 孔子が儒教の基本経典の『詩経』を評した言葉で、詩は昔の純朴な民情で満ちていて、これが人に感動を与えて教化する力を持っていると説いたもの。
介者不拝(かいしゃふはい)「少儀」
軍人は軍事に力を注ぎ、他のことに心を配ることはできないということ。または、鎧や兜を身に着けている時にひざまずく姿勢が取れないので略式の礼でよいということ。 「介」は介冑(かいちゅう)のことで、鎧や兜、甲冑のこと。 「介者(かいしゃ)は拝(はい)せず」とも読む。
苛政猛虎(かせいもうこ)「檀弓・下」
悪政は人を食べる虎よりも人々を苦しめるということ。 人々を苦しめる政治を戒める言葉。 「苛政」は人々を苦しめるひどい政治。 中国の思想家の孔子が道端で泣いている女性に出会い、その理由を聞くと姑と夫、息子が虎に殺されたといい、孔子がなぜこの地を離れないのかと聞くと、悪政がしかれていないからと答えたという故事から。 「苛政(かせい)は虎(とら)よりも猛(たけ)し」とも読む。
冠婚葬祭(かんこんそうさい)「礼運」
祝いと弔いの儀式の総称。 「冠」は成人式、「婚」は結婚式、「葬」は葬式、「祭」は法事や盆などの祖先の祭礼のこと。 「婚」は「昏」、「葬」は「喪」とも書く。
観者如堵(かんじゃじょと)「射義」
多くの見物人が集まっている様子。 「堵」は土を固めて作った塀。 見物人が多く、塀のように見えるという意味から。 「観(み)る者堵(と)の如(ごと)し」とも、「観(み)る者堵(かき)の如(ごと)し」とも読む。
姦声乱色(かんせいらんしょく)「楽記」
人の心を乱し、堕落させる音楽や淫らな女性の容貌のこと。 「姦声」は人の心を乱して堕落させる音楽。 「乱色」は淫らな女性の容貌。
干戚羽旄(かんせきうぼう)「楽記」
武の舞と文の舞のこと。 「干戚」は盾と斧などの武器を持って舞う、武の舞のこと。 「羽旄」は鳥の雉の羽と、牛の旄牛の尾を飾った旗を持って舞う、文の舞のこと。
箕裘之業(ききゅうのぎょう)「学記」
祖父から受け継いだ仕事のこと。 「箕」はふるい、「裘」は皮の上着のこと。 弓作りの職人の子は箕を作ることからはじめ、鍛冶屋の職人の子は裘を作ることからはじめ、祖父の家業を受け継ぐ準備をするという故事から。
記問之学(きもんのがく)「学記」
書物などを読んで、覚えるだけの学問。 または、生活の中で役に立たない知識や学問のこと。 「記問」は書物や他人の考えや意見を覚えること。または、それらの知識を活かさないこと。
謹言慎行(きんげんしんこう)「緇衣」
言葉と行動を慎重に行うこと。 「謹」と「慎」はどちらも慎むということ。 「言(げん)を謹(つつし)み行いを慎(つつし)む」とも読む。
金石糸竹(きんせきしちく)「楽記」
楽器の総称。 「金」は鐘。 「石」は石を吊るしてたたく打楽器の磬。 「糸」は琴。 「竹」は細い竹の笛を並べてくくった、簫という楽器のこと。
九年之蓄(くねんのたくわえ)「王制」
国が豊かなこと。 「蓄」は食料の貯蓄のこと。 国民の一人一人に、九年分の食料の貯蓄があるという意味から。 「九年之儲」とも書く。
焄蒿凄愴(くんこうせいそう)「祭義」
強い香気を放っていて、人の心を悲壮で恐ろしい気持ちにさせること。 生物の死後の霊魂である鬼神を言い表す言葉。 「焄蒿」は、いぶすように強い香りが立ちのぼること。 「凄愴」は、痛ましく恐ろしいこと。
狐死首丘(こししゅきゅう)「檀弓・上」
生まれ育った地を忘れないことのたとえ。 または、物事の根本を忘れないことのたとえ。 狐は、死ぬときに生まれ育った丘に頭を向けて死ぬということから。 「狐(きつね)死して丘に首(かしら)す」とも読む。
孤陋寡聞(ころうかぶん)「学記」
知識が偏っていて、見識が狭いこと。 「孤陋」は他人の考えを聞かず、視野が狭いこと。 「寡聞」は見聞が狭いこと。
昏定晨省(こんていしんせい)「曲礼・上」
親孝行すること。 「昏定」は夜に両親の寝床の用意をすること。 「晨省」は朝に両親のご機嫌を伺うこと。 「昏(くれ)に定めて晨(あした)に省(かえり)みる」とも読む。
敖不可長(ごうふかちょう)「曲礼」
思い上がって他者を見下す心は増長させてはいけないということ。 「敖」はおごって偉そうにすること。 「敖(おごり)は長(ちょう)ず可(べ)からず」とも読む。
毫釐千里(ごうりせんり)「経解」
最初の小さな違いが、後になって大きな違いになること。 最初を慎んで行うべきという教え。 「毫」と「釐」はどちらも小さな数量の単位ということから、非常に小さいことのたとえ。 「千里」の「里」は距離の単位で、「千里」は非常に遠いことのたとえ。 「毫釐の差は千里の誤り」を略した言葉。
三老五更(さんろうごこう)「文王世子」
高い徳を積んでいる長老のこと。 「三老」と「五更」はどちらも中国の周の時代の長老の異称。 「三老」は臣下の最高位の三公、「五更」は引退した卿の地位をもっていた人の呼称とされているが、様々な説がある。
蟋蟀居壁(しっしゅつきょへき)「月令」
旧暦の六月、現在の八月頃をいう言葉。 「蟋蟀」は昆虫のコオロギのこと。 コオロギの羽が生え始め、建物の壁に張り付いて鳴くことから。 「蟋蟀(しっしゅつ)壁(かべ)に居(お)る」とも読む。
疾風迅雷(しっぷうじんらい)「玉藻」
非常に速い風と激しい雷という意味から、動きや変化が非常に速い様子。
志不可満(しふかまん)「曲礼」
願望は完全に満たすのではなく、常に何か未達成の状態に留めておく方が望ましいということ。 「志(こころざし)満(み)たす可(べ)からず」とも読む。
社稷之臣(しゃしょくのしん)「檀弓・下」
国家の重要な職についている臣下のこと。 「社」は土地の神、「稷」は五穀の神のことで、どちらも国家にとって重要な守り神ということから、「社稷」は国家や朝廷という意味。
菽水之歓(しゅくすいのかん)「檀弓・下」
貧しい生活をしていても、両親へ孝行して喜ばせること。 「菽水」は質素な食事のたとえで、「菽」は豆のことをいい、豆の粥と水という意味から。 「歓」は喜ばせること。 孔子が弟子である子路に孝行を説いた故事から。
章甫薦履(しょうほせんり)「儒行」
上下や善悪などの秩序が逆転していること。 頭にのせるための冠が靴の下に敷かれることから。 「章甫」は中国の殷の時代、または、宋の時代の冠のこと。
慎始敬終(しんしけいしゅう)「表記」
最初から最後まで、気をゆるめずに慎重に行うこと。 または、物事は最初と最後が大切であるということ。 「慎」と「敬」はどちらも細心の注意を払うこと。 「始めを慎み終わりを敬(つつ)しむ」とも読む。
孺慕之思(じゅぼのおもい)「檀弓・下」
幼い子供が親を慕うこと。 または、他人にそのような感情を抱くこと。 「孺」は幼い子供のこと。 幼い子供が親を慕って泣き叫ぶのを見た、孔子の弟子である有子と子游が言ったという故事から。
迅雷風烈(じんらいふうれつ)「玉藻」
激しい雷と風のこと。 または、行動が非常に素早い様子。
西戎東夷(せいじゅうとうい)「曲礼・下」
西方と東方の異民族の蔑称。 または、漢民族からみて異民族の蔑称。 「西戎」は西方の異民族のこと。 「東夷」は東方の異民族のこと。 「東夷西戎」ともいう。
節哀順変(せつあいじゅんぺん)「檀弓・下」
悲しみが度を過ぎないように抑えて、時間の経過によって少しずつ和らげていくのがよいということ。 お悔やみの言葉として、中国でよく使われる言葉。 「哀(あい)を節し変(へん)に順(したが)う」とも読む。
先聖先師(せんせいせんし)「文王世子」
尊敬の気持ちを込めて孔子を呼ぶ名称。 過去の聖人や賢者の教えを広めた、師と仰がれる人をいう。 「先聖」は昔の聖人や賢者のこと。 「先師」は聖人や賢者の教えを広めた人。 古代中国で学校を作るときに先聖と先師を祭っていたが、時代によって祭る人は異なっていた。
全生全帰(ぜんせいぜんき)「祭義」
親からもらった体を傷つけずに、人生を全うすることが本当の親孝行であるという教え。 「全」は欠けていない完全な状態。 体を欠くことなく、全て返すという意味から。 曾子の門人の楽正子春は、足に軽い怪我を負ったことを、孔子の親孝行の教えに背いたとして嘆いたという故事から。
桑間濮上(そうかんぼくじょう)「楽記」
国を滅ぼすような淫乱な音楽。 「濮上」は濮水(ぼくすい)という川のほとり。 「桑間」はその川の流れる地名。 春秋時代、衛の霊公が濮水のほとりで聞いた音楽を気に入り、晋の平公の前で披露させたところ、晋の楽官の師曠が、この音楽は殷を滅亡させたみだらな音楽だといって演奏を中止させたという故事から。 「桑間濮上の音(おん)」を略した言葉。 「濮上桑間」「桑濮之音」「濮上之音」ともいう。
桑弧蓬矢(そうこほうし)「射義」
男子が将来の目標や抱負をしっかりと決めること。 または、その目標や抱負のこと。 「桑弧」は桑の木で作った弓。 「蓬矢」はよもぎで作った矢。 古代中国の風習で、男の子が生まれると将来の活躍を願い、蓬矢を天地四方に射ていたことから。
蚤寝晏起(そうしんあんき)「内則」
夜は早い時間に寝て、朝は遅い時間まで寝ていること。 赤子や幼児の様子をいう。 「蚤」は早い時間、「晏」は遅い時間という意味。 「蚤(はや)く寝(い)ね晏(おそ)く起(お)く」とも読む。
桑蓬之志(そうほうのこころざし)「射義」
男子が将来の目標を心にしっかりと決めること。 「桑」は桑の木で作った弓、「蓬」は植物のよもぎの矢のこと。 古代中国で、男子が生まれるとこれから先に世間で活躍することを願い、矢を天地四方に射た風習から。
泰山梁木(たいざんりょうぼく)「檀弓・上」
立派で優れている人物のこと。 「泰山頽れ梁木壊る」という言葉を略したもので、孔子が自身の死を予見して歌ったとされ、立派で優れている人物の死を意味するようになった。 「泰山」は中国の山東省にある山の名前。 「梁木」は屋根を支えている長く太い木、梁のこと。 中国の人々から最も尊ばれる、立派な風格のある山の泰山と、屋根を支えている重要な梁ということから。 「太山梁木」とも書く。
大信不約(たいしんふやく)「学記」
約束をしなければ守られないようなことは、本当の信頼関係とはいえないということ。 または、信義のない約束は、約束としての意味を持たないということ。 「大信」はこのうえない誠意という意味から、本物の信頼関係という意味。 「大信(たいしん)は約せず」とも読む。
大道不器(たいどうふき)「学記」
聖人が行う偉大な道は、普遍的で大きな働きをもつということ。 「大道」は聖人が行う偉大な道。 「器」は物を入れることしか使い道のない器のこと。 器のように一つの用途でしか使えないものとは異なり、聖人の行う道は様々な作用を発揮するという意味から。
大法小廉(たいほうしょうれん)「礼運」
全ての家臣が忠義を尽くし、清く正しいこと。 臣下の心得をいう言葉で、「大法」は大臣が法律を守ること、「小廉」は身分の低い臣下、小臣が清廉に仕えること。
疇昔之夜(ちゅうせきのよ)「檀弓・上」
昨晩。昨夜。前日の夜。 「疇」は過ぎた時間を言い表す言葉。
長幼之序(ちょうようのじょ)「楽記」
年上と年下の間にある、守るべき社会的、道徳的な秩序のこと。 「長幼」は年齢が上の人と下の人。 「序」は順序、席次のこと。 儒教の五つの道徳法則、五倫のうちの一つ。
直情径行(ちょくじょうけいこう)「檀弓・下」
相手の気持ちや周りの状況を気にすることなく、自分の思うままに行動すること。 「直情」は偽ったりしていない、そのままの感情のこと。 「径行」は思ったことを思ったとおりに行うこと。 「情を直(なお)くして径(ただ)ちに行う」とも読む。
鄭衛桑間(ていえいそうかん)「楽記」
国を滅亡に導くほどの下品で淫靡な音楽のこと。 「鄭」と「衛」は中国春秋時代の国名。 「桑間」は衛の地名。 両国の音楽はみだらなものであったとされていることから。 「鄭衛之音」ともいう。
天下泰平(てんかたいへい)「仲尼燕居」
世の中が平和な状態で安定していて、穏やかな状態のこと。 または、心配事もなくのびのびとしている様子のこと。 「天下」は天の下の全てという意味から全世界や国全体のこと。 「泰平」は世の中が平和なこと。 「天下太平」とも書く。
天理人欲(てんりじんよく)「楽記」
天の道理と人の欲望。 「天理」は全てにとって正しい天の道理。 「人欲」は人の欲望や本性。 相対する意味の言葉を重ねたもの。
冬温夏凊(とうおんかせい)「曲礼・上」
親孝行をすることのたとえ。 冬は親が暖かく、夏は涼しく過ごせるように気を配り、夜には寝床を整え、朝には安否をうかがうという、子としての礼から。 「冬温夏清」とも書く。
倒載干戈(とうさいかんか)「楽記」
戦いが終わって平和になることの形容。 「倒載」は武器を上下逆に積むこと。 「干戈」は盾と矛のことから武器の総称。 殷の紂王を討伐した帰りに、武王が武器を逆に積み、刃を虎の皮で覆って戦いを二度としないと示した故事から。 「干戈(かんか)を倒載(とうさい)す」とも読む。
独学孤陋(どくがくころう)「学記」
師匠や共に学ぶ友人もなく、一人で学問をすることは、見識が狭くなり、他人の意見を聞こうとしなくなるということ。 「孤陋」は見識が狭く、考えや態度を変えようとしないこと。 「独学固陋」とも書く。
南風之詩(なんぷうのし)「楽記」
中国の伝説の聖天子の舜が作ったとされる歌のこと。 または、世の中が平和に治まっていることのたとえ。 または、両親に報いる孝行の教え。 「南風」は生物を育てる、温かで柔らかな南風のことで、君主からの恩沢や両親の慈愛のたとえ。 舜帝が五弦の琴を弾いて、南風の詩をうたうと世の中が平和になったという故事から。
二姓之好(にせいのこう)「昏義」
結婚すること。 または、婚約した両家の親しい交際のこと。 昔の中国では同じ姓をもつ者同士は結婚できないという風習があったことから、「二姓」とは姓の異なる両家のこと。
入境問禁(にゅうきょうもんきん)「曲礼・上」
知らない土地に行ったら、はじめにその地での禁止事項を聞いて、それを守ることが大切だということ。 「入境」は国境を越えること。他の地域に行くこと。 「問禁」は禁止されていることを聞くこと。
博聞彊識(はくぶんきょうしき)「曲礼・上」
様々なことを聞き知っていて、その内容をしっかりと覚えていること。 「博聞」は色々なことを聞き知っていること。 「彊識」はしっかりと覚えていること。 「博聞強識」とも書く。
発揚蹈厲(はつようとうれい)「楽記」
舞の動きが荒々しく激しい様子。または、気持ちを奮い立たせてやる気を高める様子。 「発揚」は精神が高ぶること。 「蹈厲」は気持ちを高めること。
跛立箕坐(はりゅうきざ)「曲礼・上」
礼儀作法に外れていて、失礼な態度のこと。 「跛立」は片足で立つこと。 「箕坐」は足を投げ出して座ること。
抜来報往(ばつらいほうおう)「少儀」
速やかにやって来て、速やかに去っていくこと。 または、何度も行ったり来たりすること。 「抜」と「報」はどちらも速いことのたとえ。 「抜(と)く来たり報(と)く往(ゆ)く」とも読む。
蛮夷戎狄(ばんいじゅうてき)「王制」
中国の周辺にいた異民族のこと。 漢民族が異民族を蔑んで呼んでいた名称。 「南蛮、東夷、西戎、北狄」という四方の異民族の呼称をまとめた言葉。
被髪文身(ひはつぶんしん)「王制」
異なる民族の風習。 または、異民族の野蛮な風習。 「被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。 「文身」は身体に入れ墨をすること。
不俱戴天(ふぐたいてん)「曲礼・上」
同じ世界で一緒に生きていくことができないほどに深い恨みや憎しみのこと。 「不俱」は共存することができないこと。 「戴天」は同じ世界にいること。 「俱に天を戴かず」とも読み、もとは父親の仇敵を言う言葉で、同じ世界に生かしてはおかないという意味。
不失正鵠(ふしつせいこく)「射義」
物事の一番大切な部分を正確にとらえること。 「正鵠」は弓の的にある中心の黒い星のこと。 矢を外すことなく、正確に正鵠を射抜くという意味から。
負薪之憂(ふしんのうれい)「曲礼・下」
自分の病気を謙遜していう言葉。 「負薪」は薪を背負うこと。 「憂」は病気。 薪を背負ったせいで疲れてしまって病気になるということから。または、病気になってしまい、薪を背負う余力も無くなるということから。
物色比類(ぶっしょくひるい)「月令」
同じようなものの中で、見た目をしっかりと調べ、他のものと比べて、その中でよいものを選ぶこと。 「物色」は犠牲になるものの毛の色のこと。 「比類」は他のものと比べて、検討すること。 よい毛の色のものを選んで、供物に合わせた祭礼の組み合わせをしっかりと検討して、慎重に供物を選ぶべきであるということ。 生贄にするものを選ぶ方法をいう言葉。
逢掖之衣(ほうえきのい)「儒行」
袖が大きくゆとりのある服のこと。儒者の服。 「逢」は大きいやゆるやかという意味。 「掖」は腋(わき)の下のこと。
放飯流歠(ほうはんりゅうせつ)「曲礼・上」
下品な食べ方をいう言葉。 「放飯」は口を大きく開けてかき込むように飯を食うこと。 「流歠」は音を出してすすりながら流し込むように汁を飲むこと。 口を大きく開き、ほしいままに飯を食べ、音を立ててすすりながら流し込むように汁を飲むことから。
報本反始(ほうほんはんし)「郊特牲」
天地や祖先の恩に感謝して恩返しをすること。 「本」と「始」は物事の一番初めのもの。 「報」と「反」はふさわしい恩返しをすること。 自分自身が存在するに至った根源の全てのものに報いようとする気持ちをいう言葉。 「本(もと)に報い始めに反る」とも読む。
用和為貴(ようわいき)「儒行」
人と人が仲良く協力しあうことが最も大切であるということ。 聖徳太子が作ったとされる「十七条憲法」の第一条にある言葉。 「和を用て貴しと為す」と読むのが一般的な言葉。
離群索居(りぐんさっきょ)「檀弓・上」
仲間や群れから離れて一人でいること。 「群」は群れや仲間、「索」は散るや孤立するという意味。
量入為出(りょうにゅういしゅつ)「王制」
収入を計算して、その後に支出を決めること。 「量入」は収入の額を計算すること。 「為出」は支出を定めること。 国家の財政を健全に運営するための原則をいう言葉。 「入(い)るを量りて出(い)ずるを為(な)す」とも読む。
量入制出(りょうにゅうせいしゅつ)「王制」
収入を計算して、その後に支出を決めること。 「量入」は収入の額を計算すること。 「制出」は支出を定めること。 国家の財政を健全に運営するための原則をいう言葉で、「入るを量りて出づるを制す」の形で使うことが多い言葉。
麟鳳亀竜(りんぽうきりょう)「礼運」
世の中が平和に治まっているときに現われるとされる、麒麟、鳳凰、亀、竜の四種類の伝説の霊獣。 または、賢者や賢人のたとえ。
礼楽刑政(れいがくけいせい)「楽記」
古代中国で国家を整え、秩序を維持するための四つの基本のことで、礼節、音楽、刑罰、政令のこと。
