「い」を含む四字熟語
「い」を含む四字熟語 — 3099 件
枕冷衾寒(ちんれいきんかん)
一人で寝ることの寂しさを言い表す言葉。 「衾」は掛け布団のこと。 枕も掛け布団も冷たくて寒いということから。 「枕冷ややかに衾(しとね)寒し」とも読む。
墜茵落溷(ついいんらくこん)
人には幸運と不運があることのたとえ。 「茵」は敷物のこと。 「溷」は便所、厠(かわや)のこと。 散った花びらが運よく敷物に落ちることもあれば、便所に落ちることもあるということから。 「茵(いん)に墜(お)ち溷(こん)に落(お)つ」とも読む。
追根究底(ついこんきゅうてい)
本質まで徹底的に追求、究明すること。
椎心泣血(ついしんきゅうけつ)
激しく怒り悲しむこと。 「椎心」は怒りや悲しみのあまりに、自分の胸を拳でたたくこと。 「泣血」は涙が枯れて血が出るほどに、激しく泣き悲しむこと。 「心(むね)を椎(う)ちて泣血(きゅうけつ)す」とも読む。
追善供養(ついぜんくよう)
死んだ人の死後の幸福を祈って行う、仏教の行事のこと。 「追善」は死者の死後の幸福を祈る仏教の行事。 「供養」は供え物をして、死者の死後の幸福を祈ること。
追奔逐北(ついほんちくほく)
走って逃げる賊などを追いかけるという意味。 「追」と「逐」は追いかけるという意味。「奔」と「北」は走って逃げるという意味。
痛快無比(つうかいむひ)
胸がすっとして、並外れて楽しく気持ちのよい様子。 「無比」は比べることができるものが存在しないということ。
通過儀礼(つうかぎれい)
人生の重要な節目に行われる儀式。誕生、成人、結婚、死などの大きな変化に伴い、その人の新たな立場や役割を認める役割を持つ。 比喩的に、ある集団に加わる際に誰もが経験する試練や過程を指す。
痛定思痛(つうていしつう)
辛かった過去を思い出して今後の戒めにすること。 「痛定」は病気が治ること。 病気が治った後に辛かった過去を思い出すという意味。
鄭衛桑間(ていえいそうかん)
国を滅亡に導くほどの下品で淫靡な音楽のこと。 「鄭」と「衛」は中国春秋時代の国名。 「桑間」は衛の地名。 両国の音楽はみだらなものであったとされていることから。 「鄭衛之音」ともいう。
低回顧望(ていかいこぼう)
何かに心を引かれるなどして、行ったり戻ったり振り返ったりすること。 「低回」は考え事をしつつ、ゆっくりと歩き回ること。 「顧望」は振り返って見ること。
低徊趣味(ていかいしゅみ)
世俗を離れてのんびりとした気持ちで自然や芸術を楽しむこと。 「低徊」は考え事をしたりしながら、ゆっくりと歩き回ること。 「低」は「彽」、「徊」は「回」とも書く。
棣鄂之情(ていがくのじょう)
仲が良く美しい兄弟の情のこと。 「棣」は庭梅のこと。 「鄂」は花のがくのこと。 庭梅の花はがくが寄り添って美しく咲くことから。
程孔傾蓋(ていこうけいがい)
親しく会話すること。 古くからの友人のように親しく会話すること。 「程孔」は程子と孔子。 「傾蓋」は車の蓋を傾けるという意味から車を止めること。 旅の途中に孔子と程子がたまたま出会い親しく会話したという故事から。
提綱挈領(ていこうけつりょう)
重要な部分を理解すること。 「綱」はおおづなのことで、物事の要点や根本のたとえ。 「挈」は身に着けて持つこと。 「領」は衣服の襟のこと。 大綱を掴んで、襟を持つという意味から。 「綱(つな)を提(さ)げ領(えり)を挈(と)る」とも読む。
渟膏湛碧(ていこうたんぺき)
水があぶらのように深く静かによどんで、深緑色に見える様子。 「渟」は水が流れずに留まっていること。 「膏」はあぶらのこと。 「湛碧」は深緑色の水が満ちている様子。
梯山航海(ていざんこうかい)
学問や道を志す人が、さまざまな場所を巡り歩いて精進すること。 「梯山」ははしごをかけて険しい山を登ること。 「航海」は船に乗って海を越えること。 険しい山を越え、海を渡って困難な旅をしてでも、学問や道を教えてくれる先生を訪ね歩くということから。
亭主関白(ていしゅかんぱく)
夫が家庭の中で妻に対して、支配者のように威張っていること。 「関白」は天皇の補佐をする職の名前で、権力者のたとえ。
低唱微吟(ていしょうびぎん)
低く小さい声で物静かに歌を口ずさむこと。 「低唱」は低い声で詩歌を歌うこと。 「微吟」は小さな声で詩歌を歌うこと。 意味が類似している言葉を重ねて強調したもの。
提耳面命(ていじめんめい)
細かいところまで行き届いた丁寧な説明をして、理解できるように説き聞かせること。 「提耳」は耳を引いて寄せること。 「面命」は向かい合って説き聞かせること。
鼎鐺玉石(ていそうぎょくせき)
この上ないほどの贅沢をすることのたとえ。 「鼎」は権威や高い地位の象徴で、祭器として用いられた三本足の器。 「鐺」は三本足の酒を温めるための器。 「玉」は宝玉のこと。 鼎を鐺のように酒を温めるために使い、宝玉を石のように扱うという意味から。 「鼎(てい)をば鐺(とう)のごとく玉(ぎょく)をば石のごとく」とも読む。
亭亭皎皎(ていていこうこう)
遠い先で浮かび上がり輝く様子。 「亭亭」は遠く離れた場所で浮かんで見える様子。 「皎皎」は明るく輝く様子。 月の光を言い表す言葉。
低頭傾首(ていとうけいしゅ)
頭を低くして身を慎むこと。 「低頭」と「傾首」はどちらも首をたれるという意味。 「頭(こうべ)を低(た)れて首(くび)を傾(かたむ)く」とも読む。
剃頭辮髪(ていとうべんぱつ)
中国の周辺民族で見られた代表的な髪型。 清朝では漢民族にも強制された髪型。 「剃」は剃ること、「辮」は髪を編むことで、頭の頭頂部を残して、周囲を剃って残った頭頂部を編んで後ろにたらした髪型。
剃髪落飾(ていはつらくしょく)
髪を剃って仏門に入ること。 特に身分の高い人が仏門に入ることをあらわす言葉。
綈袍恋恋(ていほうれんれん)
昔からの友情が、変わらず厚いことのたとえ。 「綈袍」は綿を厚く入れた防寒具。 「恋恋」は情が厚いこと。 中国の戦国時代の秦の国の宰相である范雎は、貧しかった頃に魏の国の須賈から防寒具をもらった恩を忘れずに命を救ったという故事から。
程門立雪(ていもんりっせつ)
弟子が師匠を尊敬し、心の底から教えを乞うこと。 「程門」は程一族の家の門。または、中国の宗の程顥と程頤の学問を受け継ぐ人のこと。 「立雪」は雪の上に立つこと。 中国の北宗の時代、游酢と楊時の二人は、程顥と程頤に教えを受けようと家を訪れたが、程頤は瞑想をしていたので傍で待っていたが、程頤が二人に気がついた時には雪が一尺ほど積もっていたという故事から。 教えを受ける人の心得をいう言葉。 「程門(ていもん)雪に立つ」とも読む。
羝羊触藩(ていようしょくはん)
勇気だけで勢いよく突き進む人は、どうすることもできない状況に陥るということのたとえ。 または、どうにもできない状況のたとえ。 「羝羊」は雄の羊。 「触藩」は生垣に突っ込むこと。 雄の羊が勢いよく生垣に突っ込んで、角が引っかかって動けなくなるということから。 「羝羊(ていよう)藩(まがき)に触(ふ)る」とも読む。
適怨清和(てきえんせいわ)
恨めしいほどに素晴らしく、清らかで整っていること。 「適怨」はこの上なく素晴らしいために、恨めしい気持ちが生まれること。 「清和」は清らかで整っていること。
適材適所(てきざいてきしょ)
その人の能力や特性などに適した地位や役目をあたえること。 「適材」は最適な才能を持つ人のこと。 「適所」は適している地位や仕事のこと。
適者生存(てきしゃせいぞん)
環境に適応できた生物のみが生き残り、適応できない生物は淘汰されて絶滅すること。 イギリスのハーバード・スペンサーによる生物進化論の用語。
滴水成氷(てきすいせいひょう)
冬の猛烈な寒さのこと。 または、極寒の地のこと。 滴る水がすぐに氷になるという意味から。 「滴水(てきすい)氷を成す」とも読む。
滴水嫡凍(てきすいてきとう)
一瞬の気も抜かずに、禅の修業にはげむこと。 「滴水」は水がしたたること。 「嫡凍」の「嫡」はすぐにという意味で、「嫡凍」はすぐに凍るという意味。 滴る水が間をおかずに凍る寒さということを、厳しい修行の緊張感にたとえた言葉。
徹骨徹髄(てっこつてつずい)
心に強く感じること。 または、物事の核心や奥底までに達すること。 骨や髄に深く染み込むという意味から。 「骨髄に徹する」という言葉から生まれた造語。
跌宕狷介(てっとうけんかい)
好き放題に振る舞い、自分の考えを変えないこと。 「跌宕」は思ったまま、好き放題に振る舞うこと。 「狷介」は自分の考えに執着して、他人の考えを受け入れないこと。
哲婦傾城(てっぷけいせい)
賢い女性が事あるごとに口をはさむようになると、国家や城を傾け滅ぼしかねないということ。 「哲婦」は賢い女性、「傾城」は城を傾けるという意味から、城を滅ぼすという意味。 「哲婦(てっぷ)城(くに)を傾(かたむ)く」とも読む。
鉄樹開花(てつじゅかいか)
将来の可能性がないこと。または、非常に珍しいこと。 「鉄樹」は鉄でできた木のことで、鉄でできた木は花が咲かないという意味から。 または、「鉄樹」は六十年に一度だけ花が咲くといわれているということから。 「開花」は花が咲くこと。
天威咫尺(てんいしせき)
天子の側近のこと。または、天子の威光に近づきすぎて怖れ多いこと。 「天威」は自然と恐れ従わせる天子の威厳。 「咫尺」の「咫」は長さの八寸、「尺」は十寸ということから、「咫尺」は非常に近いという意味。 天子の威光が非常に近くにあるという意味から。
顛委勢峻(てんいせいしゅん)
川のどこでも流れに勢いがあって激しいこと。 「顛委」は頂上と末端という意味から、水の水源と末流、上流と下流という意味。 「勢峻」は勢いが激しいこと。
天一地二(てんいちちに)
天の数と地の数のこと。易経の言葉。 この世の全ての変化は「一」と「二」に含むとされている。 易経で「一」は奇数の代表であり陽を表す。「二」は偶数の代表であり陰を表す。
天衣無縫(てんいむほう)
詩や文章などにわざとらしさがなく、自然で美しいこと。 また、無邪気で飾り気のない人柄のこと。 「天衣」は天に住むとされる天女の衣服のこと。 「無縫」は縫い目がないこと。 天女の衣服は、縫い目がない(加工されていない)にもかかわらず美しいという意味から。 「無縫天衣」ともいう。
天下一品(てんかいっぴん)
世の中で比べるものが存在しないほど素晴らしいこと。 または、そのようなもののこと。 「天下」は世界のこと。「一品」は一番優れているもののこと。
転禍為福(てんかいふく)
災いや不幸を良い出来事に変えること。 悪い状況をうまく利用して、良い状況に変えることをいう。 「禍転じて福と為す」の形で使うことが多い言葉。
天下蒼生(てんかそうせい)
世界の全ての人々のこと。 「蒼生」は青々と生い茂っている草木という意味から、たくさんの人々のたとえ。
天下泰平(てんかたいへい)
世の中が平和な状態で安定していて、穏やかな状態のこと。 または、心配事もなくのびのびとしている様子のこと。 「天下」は天の下の全てという意味から全世界や国全体のこと。 「泰平」は世の中が平和なこと。 「天下太平」とも書く。
天下平泰(てんかへいたい)
世の中が平和な状態で安定していて、穏やかな状態のこと。 または、心配事もなくのびのびとしている様子。 「天下」は天の下の全てという意味から、全世界や国全体のこと。 「平泰」は世の中が平和なこと。
天下無類(てんかむるい)
世の中につりあうものが存在しないほどすぐれていること。 または、そのような人のこと。 「天下」は全世界や国全体のこと。 「無類」は二つと存在しないということから、比べることが出来るものがないという意味。
天花乱墜(てんからんつい)
話し方が生き生きとしていること。 または、物事を実際よりも大きく話して、巧みな話術で人を騙すこと。 「天花」は天に咲いている神秘的な花。 「乱墜」は乱れ落ちるという意味。 古代中国の南朝梁で雲光法師が説法をすると、その説法に感動した天が花を降らせたという故事から。 「天花(てんか)乱れ堕(お)つ」とも読む。 「天華乱墜」とも書く。
天涯海角(てんがいかいかく)
距離が非常に離れていること。または、都会から非常に遠く離れていて、不便な場所のたとえ。 天の果てと海の果てという意味から。 「海角天涯」ともいう。
天涯孤独(てんがいこどく)
血縁者や婚姻関係にある人がいないこと。 または、故郷を出て一人で暮らすこと。 「天涯」は空の果て。または、故郷から離れた土地。 「孤独」は信頼できる人が一人もいないこと。
塡街塞巷(てんがいそくこう)
繁華街に人が多く、活気に満ちている様子。 「塡」と「塞」は塞ぐこと。 「巷」は町にある小さな道のこと。 大きな道も小さな道も、人や馬車が多くて道が塞がれるということから。 「街を塡(うず)め巷(ちまた)を塞(ふさ)ぐ」とも読む。
天涯地角(てんがいちかく)
二つの地がきわめて離れていることのたとえ。 天の果て、大地のすみという意味から。 「地角天涯」ともいう。
天涯比隣(てんがいひりん)
どれだけ遠く離れていても、すぐ近くにいるように親しく感じること。 主に親友などについていう言葉。 「天涯」は非常に距離が離れていること。 「比隣」は隣の家。
天高気清(てんこうきせい)
秋の空が高く、すっきりと晴れ渡っていて、空気がさっぱりとしていること。 「天高」は秋の空が晴れ渡っていて高いこと。 「気清」はさっぱりとしていて心地よい空気のこと。 「天高く気清し」とも読む。
天香桂花(てんこうけいか)
月の中にあるとされる桂(かつら)の花のこと。 または、美人を言い表す言葉。 「天香」は天から香る、かぐわしい香り。
天災地変(てんさいちへん)
自然が変化することが原因で起こる様々な災いのこと。 地震や台風、落雷、洪水、津波などの災害をいう。
天資英明(てんしえいめい)
生まれたときからすぐれた才能と知恵があること。 「天資」は生まれながらにして持っている資質。 「英明」はすぐれた才能と知恵があること。
天人冥合(てんじんめいごう)
天の意志と人の行いが自然と一致すること。 正しい行いをすれば、知らず知らずのうちに天の意志と一致するということ。 「冥合」は自然と一致するという意味。
点睛開眼(てんせいかいがん)
物事の一番重要な部分。 または、仕上げるために最後に手を加える重要な部分。 「点睛」は目を書くこと。 他の部分は良い出来だが、最後の部分が物足りない状態のことをいう。 南朝梁の画家の張僧ヨウが、安楽寺の壁に竜の絵を描いたが、目を描くと絵から出て飛び去ってしまうといって描かなかったが、信用しなかった人たちから、無理やり描かされると本当に飛び去ってしまったという故事から。
天造草昧(てんぞうそうまい)
天と地が生まれる前の渾沌としている様子。 「天造」は天が世界を作ること。 「草昧」は始まる前の秩序もなく、渾沌としている状態のこと。
霑体塗足(てんたいとそく)
きつい労働の様子。 「霑」は濡れること。 「塗」は泥で汚れること。 泥まみれになり、びしょぬれになって畑仕事をするということから。 「体(からだ)を霑(うるお)し足に塗(ぬ)る」とも読む。
椽大之筆(てんだいのふで)
立派で堂々としている文章のたとえ。 「椽」は屋根を支える最も立派で太い木材。垂木。 中国の西晋の時代の王珣は、垂木のような大きな筆を授けられる夢を見て、そのように筆をふるう機会があるのではと思っていると、武帝が崩御して、忌辞などで堂々とした文章を書いたという故事から。
天地一指(てんちいっし)
この世に存在するすべてのものは、みな同じであるという考え。 荘子の思想を言い表す言葉で、対立を超えた絶対的な観点からすると、天も地も一本の指も同じであるということ。
天地開闢(てんちかいびゃく)
世界の始まり。天と地ができた世の始まり。 「天地」は天と地のこと。 「開闢」は始まり、開け始めという意味。 一つの渾沌としたものがあり、それが二つに分かれて天と地になったという古代中国の神話から。
天地四時(てんちしいじ)
天地と四季のこと。 「四時」は四つの時ということから、春、夏、秋、冬の四季のこと。
天地神明(てんちしんめい)
この世に存在するとされる全ての神のこと。 「天地」は天と地のことから、この世という意味。 「神明」は日本の神道の神々のこと。
点鉄成金(てんてつせいきん)
他人の作った平凡な文章に手を加えて素晴らしい作品にすること。 仙人の術にたとえた言葉で、鉄に手を加えて金に変えるということから。 「鉄(てつ)を点(てん)じて金(きん)と成す」とも読む。
天人五衰(てんにんのごすい)
天人が死ぬ時に現れるとされている、五つの死相のこと。 「天人」は仏教の言葉で、六道で最も上にある天道に住む人。 「五衰」はいくつかの説があり、『大般涅槃経』では、着ている服が垢で汚れ、脇から汗が出て、体がくさくなり、頭の上にある花が萎れ、自分のいるべき場所のことを好きでなくなるという五つのことをいう。
諂佞阿諛(てんねいあゆ)
相手に気に入られるように振る舞うこと。 「諂佞」と「阿諛」はどちらもお世辞を言ったりして、気に入られるために振る舞うことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
顛沛流離(てんぱいりゅうり)
つまづいて倒れたり、ふらふらしながら、当てもなく歩くこと。 「顛沛」はつまづいて倒れること。 「流離」は当てもなくさまようこと。
顛沛流浪(てんぱいるろう)
つまづいて倒れたり、ふらふらしながら、当てもなく歩くこと。 「顛沛」はつまづいて倒れること。 「流浪」は当てもなくさまようこと。
天覆地載(てんぷうちさい)
広く大きな人徳や慈愛の心のたとえ。 「天覆」は天が上から広くこの世の全てのものを覆うこと。 「地載」は地が下からこの世の全てのものを載せて支えること。 天地が全てのものを包み込むという意味から、様々なことを受け入れる、人としての器量の大きさをいう。
天変地異(てんぺんちい)
奇妙な自然現象や自然災害のこと。 「天変」は天の異変という意味から、隕石、彗星、日食、月食などの天体の異変のことや、雷、竜巻、大雨、暴風などの気象の異変のこと。 「地異」は地震、洪水、津波、噴火などの地上で起こる異変のこと。
転迷開悟(てんめいかいご)
煩悩による迷いを捨てて、悟りの境地へ至ること。 「転迷」は煩悩による迷いを捨てること。 「開悟」は悟りを開くこと。 「転迷解悟」とも書く。
天網恢恢(てんもうかいかい)
悪人や悪事を天は決して見逃さないということ。 「天網」は天が張っている網ということから、天の道理が厳しくも正しいということのたとえ。 天が張っている網は、非常に大きく、隙間があるように見えるが、何があっても悪は逃がさないということから。 「天網恢恢疎にして漏らさず」を略した言葉。
天門開闔(てんもんかいこう)
この世の全てのものが変化し、生まれ消滅すること。 「天門」はこの世にあるものが生まれ出るとされる門。 「開闔」は開いたり閉まったりすること。 天門が開くと全てのものが生まれ、閉じると全てのものが消滅するといわれている。
泥牛入海(でいぎゅうにゅうかい)
出て行ったきりで何の連絡もなく、帰ってもこないこと。 泥でできた牛が出掛けて、海に入ると溶けてなくなって戻ってこないということから。 「泥牛(でいぎゅう)海に入(い)る」とも読む。
禰衡一覧(でいこうのいちらん)
記憶力が極めてよいことのたとえ。 「禰衡」は人の名前。 中国の後漢の禰衡は、蔡ヨウの碑文を一度しか見ていないにも関わらず、欠けてわからなかった二文字以外をすべて書き表したという故事から。
泥車瓦狗(でいしゃがこう)
役に立たないもののこと。 「泥車」は泥で作られた車。 「瓦狗」は瓦で作られた犬。 泥で作られた車は何も運ぶことができず、瓦で作られた犬は番犬としての役目を果たすことができないことから役に立たないものという意味。
泥首銜玉(でいしゅかんぎょく)
頭を地面につけ、玉を口にくわえること。 謝罪や降伏を意味する儀式の一つ。