鶏鳴狗盗とは

四字熟語 | 鶏鳴狗盗 |
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読み方 | けいめいくとう |
意味 | 小賢しい策略で人をおとしめようとする人やくだらない技能や芸しかない人のたとえ。
または、使い道のないような技能や芸でも役に立つことがあることのたとえ。 「鶏鳴」は鶏の鳴き声の真似をすること。 「狗盗」は犬のようにこっそりと物を盗むことで、人を騙したり卑しい行為をしたりする人のたとえ。 戦国時代、斉の孟嘗君が捕らえられていたときに、鶏の鳴き真似のうまい者と犬のようにうまく物を盗む者の二人を利用して逃げ延びたという故事から。 |
出典 | 『史記』「孟嘗君伝」 |
漢検級 | 準1級 |
場面用途 | 狡賢い / 無駄な技術 / 行動 / 技術 / ことわざ |
類義語 | 竹頭木屑(ちくとうぼくせつ) |
使用されている漢字
「鶏」を含む四字熟語
甕裡醯鶏(おうりけいけい)
見識が狭く世間の事情がわからない人のたとえ。 「甕裡」は甕(かめ)の中のこと。 「醯鶏」は酢や酒にわく小さな羽虫のこと。 孔子が老子に面会した後に弟子に向かって「私は甕にわく羽虫のようなものだ。老子が甕の蓋を開いて外に出したくれたおかげで、天地の大全を知ることができた。」といった故事から。
嫁鶏随鶏(かけいずいけい)
妻が夫に従うことのたとえ。 雌の鶏が雄の鶏に従うという意味から。 「嫁鶏鶏に従う」とも読む。
家鶏野雉(かけいやち)
古いものを嫌って新しいものを好むこと。 家で飼っている鶏を嫌って、野性のきじを好むという意味から。 中国の晋の時代の書家のユ翼は、世間の評判が書家の王羲之に集まることに嘆いたという故事から。 「家鶏を厭い、野雉を愛す」を略した言葉。 「家鷄野雉」とも書く。
家鶏野鶩(かけいやぼく)
古いものを嫌って新しいものを好むこと。 家で飼っている鶏を嫌って、野性のあひるを好むという意味から。 中国の晋の時代の書家のユ翼は、世間の評判が書家の王羲之に集まることに嘆いたという故事から。 「家鶏を厭い、野鶩を愛す」を略した言葉。 「家鷄野鶩」とも書く。
割鶏牛刀(かっけいぎゅうとう)
ちょっとしたことに、無駄に大きな手段を使って処理すること。 牛をさばくための牛刀を使って鶏をさばくという意味から。 「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」を略した言葉。 「牛刀割鶏」ともいう。
群鶏一鶴(ぐんけいのいっかく)
多くの凡人の中で、極めて優れている一人の人物のこと。 鶏の群れの中にいる一羽の鶴という意味から。
「鳴」を含む四字熟語
哀鳴啾啾(あいめいしゅうしゅう)
鳥や虫の悲しそうに鳴く鳴き声のこと。 「哀鳴」は鳥や獣が悲しそうに鳴いている様子。 「啾啾」は鳥や虫が低い声で鳴いている様子。
蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)
うるさいだけで役に立たない議論や、余計な表現が多い稚拙な文章のこと。 蛙(かえる)や蝉(せみ)の鳴き声は騒がしいだけで役に立たないという意味から。 「蝉噪蛙鳴」ともいう。
一牛鳴地(いちぎゅうめいち)
非常に近い距離にあること。 または、のどかな田舎、田園風景のこと。 「牛鳴」とは牛の鳴く声のことで、牛の鳴き声が聞こえるほど近い距離という意から。 「一牛鳴」とも略す言葉。
鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)
世間から離れて暮らしていても、よい名声が自然と知られること。 「九皐」は山の奥深い場所にある沼沢。 山奥にある沼沢で美しい鳴き声の鶴が鳴くという意味から。 山の奥深くに隠居している賢者の名声は、自然と広まるということをたとえた言葉。
鶴鳴之士(かくめいのし)
才能や能力があっても、世のために使われることなく、世間から認められていない賢者のこと。 または、公職についていない賢者のこと。 「鶴鳴」は鶴の鳴き声のこと。 山奥に隠遁している賢者をたとえた言葉で、山の中から鶴の美しい鳴き声は聞こえるが、姿を見ることは出来ないという意味から。
瓦釜雷鳴(がふらいめい)
能力のあるものが高い地位につかず、能力のないものが高い地位について威張り散らすことのたとえ。 「瓦釜」は素焼きの釜のことで、人格の低い人のたとえ。 素焼きの安物の釜でものを煮ると、非常に大きな音がするということから。
「狗」を含む四字熟語
画虎類狗(がこるいく)
才能のない者が、すぐれているものの真似をしても、見苦しい結果にしかならないということのたとえ。 虎の絵を描いても、犬にしか見えないということから。 後漢の将軍の馬援が、豪傑の杜季良の真似をしていた兄の子を手紙で戒めたという故事から。 「虎を画いて狗に類す」とも読む。
狗頭生角(くとうせいかく)
不思議なこと。 または、あるはずがないことが起こること。 「狗」は動物の犬のこと。 犬の頭に角が生えるということから。 「犬頭角を生ず」とも読む。
狗吠緇衣(くはいしい)
いつもと違う服を着ていれば、怪しまれることは当たり前のことだということ。 「狗吠」は犬が吠えることやその鳴き声。 「緇衣」は黒い色の服のこと。 楊布が白い服で出かけたが雨に降られたので、黒い服に着替えて帰ると、飼っている犬に吠えられたという故事から。
狗馬之心(くばのこころ)
地位が上の者への忠誠心、誠意のこと。 「狗馬」は犬と馬のことで、犬や馬のように恩を忘れず主人に仕えて、少しずつでも恩返しをするという意味。 君主に対する自分の忠誠を自らを卑下していう言葉。
狗尾続貂(くびぞくちょう)
つまらない者が、権力で次々と高官になることを罵しる言葉。または、劣った者がすぐれた者のあとに続くこと。 「狗尾」は犬の尾、「貂」は動物のてんのことで、昔は高官の冠にてんの尾を飾っていた。 晋の趙王倫が力を得て、一族をみな高官にして、てんの尾で飾った冠をつけたために、てんの尾が足りなくなって、犬の尾で飾らないといけなくなると人々が罵った故事から。
狡兎良狗(こうとりょうく)
重要な地位につき、大きな功績を上げた人も、状況が変わって必要なくなれば捨てられるということ。 「狡兎」は素早い兎。 「良狗」は賢い猟犬。 兎を取り尽くすと猟犬は必要なくなり、どれだけ役に立っていたとしても、煮て食べられるという意味から。 「狡兎死して良犬煮らる」を略した言葉。
「盗」を含む四字熟語
悪木盗泉(あくぼくとうせん)
困窮したとしても人としての道理を外れた行いはしないこと。 または、悪事に近づかないこと。 「悪木」はとげやにおいがあり人を困らせる悪い木、「盗泉」は泉の名前で、孔子が名前を嫌い喉が渇いていても水を飲まなかった泉。
掩耳盗鐘(えんじとうしょう)
浅はかな考えで、自分で自分を欺くことのたとえ。 または、自分の良心を騙して、そのことを考えないようにしながら悪事を働くこと。 または、隠していた悪事がいつのまにか知れ渡ること。 「掩耳」は耳をふさぐこと。 男が大きな鐘を盗んだが、重くて持って帰ることができず、割って小さくして持って帰ろうと槌で打つと大きな音がして、他人に気付かれることを恐れた男は慌てて自分の耳を塞いだという故事から。 「耳を掩いて鐘を盗む」とも読む。
誨盗誨淫(かいとうかいいん)
人を悪事に誘い入れること。 「誨」は教えること。「盗」は盗みのこと。「淫」はみだらなこと。 盗みや淫らなことを教えるという意味から。 もとは「戸締りを怠ることは盗みをけしかけるようなものであり、女性の色気のある仕草は人をみだらな気持ちにさせるようなものである」という戒めの言葉。 「誨淫誨盗」ともいう。
開門揖盗(かいもんゆうとう)
自分自身で原因を作って、災いを招き入れること。 「揖盗」は泥棒を会釈して招き入れること。 自宅の門を自ら開けて、会釈して泥棒を招き入れるという意味から。 「門を開いて盗に揖す」とも読む。
欺世盗名(ぎせいとうめい)
世間を偽って、実質よりも大きな名声を得ること。 「盗名」は不適切な名声を手に入れること。 「世を欺き名を盗む」とも読む。
狐狼盗難(ころうとうなん)
夜に道を行くことが危険なことのたとえ。 狐や狼、盗賊に襲われるということから。