「ん」で終わる四字熟語
「ん」で終わる四字熟語 — 1323 件
鼻元思案(はなもとじあん)
軽率な考えという意味。 「鼻元」は鼻の付け根。 「思案」は考えのこと。 思考を重ねて頭でじっくり考えたのではなく、鼻の付け根の付近で思いついた考えということから。
破釜沈船(はふちんせん)
命を捨てる覚悟で出陣すること。 川を渡った後に、飯を炊くための釜を壊し、帰るための船を川に沈めて出陣するということから。 古代中国の楚の項羽が、秦との戦いで行ったという故事から。 「釜(かま)を破(やぶ)り船(ふね)を沈(しず)む」とも読む。 また「棄糧沈船(きりょうちんせん)」ともいい、「糧(かて)を 棄(す)て船(ふね)を沈(しず)む」とも読む。
半官半民(はんかんはんみん)
政府と民間の企業が共に出資して事業を行うこと。 政府と民間の企業が半分ずつ出資して、事業を経営することをいう。
反躬自問(はんきゅうじもん)
自分で自分のことを反省すること。 「反躬」は自分で自分のことを振り返って考えること。 「自問」は自分で自分に尋ねること。
繁絃急管(はんげんきゅうかん)
音楽の調子が激しく速いこと。 「繁」と「急」は変化が激しいという意味から、演奏の調子が早くなること。 「絃」は弦楽器、「管」は管楽器のこと。 「繁弦急管」とも書く。
班女辞輦(はんじょじれん)
班ショウヨが、天子と同じ車に乗ることを断ったという故事のこと。 または、主君の行いを諫(いさ)める賢い女性のこと。 「班女」は班ショウヨのことで、班は姓名、ショウヨは女官の地位の名称。 「輦」は天子の乗る車。 中国の漢の成帝は、寵愛していた班ショウヨに車に一緒に乗るように言ったが、すぐれた君主はすぐれた臣下と車に乗り、王朝が滅びる前の君主は愛人を車に乗せると言って辞退したという故事から。 「班女(はんじょ)輦(れん)を辞(じ)す」とも読む。
版籍奉還(はんせきほうかん)
明治維新の後に行われた政治改革で、日本全国の藩主が朝廷に領地と領民を返還したこと。 「版籍」は版図と戸籍のことで、土地と領民のこと。 「奉還」は返すという意味の言葉で、それを謙って言う言葉。 「藩籍奉還」とも書く。
帆腹飽満(はんぷくほうまん)
船の帆が風をいっぱいにはらんで、軽やかに進む様子。 「帆腹」は船の帆。 「飽満」は飽きるくらいに満腹になるまで食べるという意味から、帆がいっぱいに膨らむことのたとえ。
馬鹿慇懃(ばかいんぎん)
必要以上に礼儀正しくて丁寧なこと。または、表面は非常に丁寧で礼儀正しいが、実際は尊大なために無礼なこと。
麦秀之嘆(ばくしゅうのたん)
祖国が滅亡したことを嘆くこと。 「麦秀」は植物の麦が伸びること。 古代中国の殷の箕子が滅亡した殷の廃墟で、麦が生い茂っているのを見て嘆いた歌のことから。
抜本塞源(ばっぽんそくげん)
災いの原因になるものを完全に取り除くこと。 「抜本」は木の根を引き抜くこと。 「塞源」は水源を塞ぐこと。 中国の春秋時代、晋が周を攻めようとしたときに、周の景王は晋の平王に使いを出し、周を攻めることは、同族の本家である周をないがしろにして、木の根を抜き、水源を塞ぐようなものだと言ったという故事から。 「本(もと)を抜き源(みなもと)を塞(ふさ)ぐ」とも読む。
罵詈雑言(ばりぞうごん)
乱暴で品のない言葉を使って、相手のことを悪く言うこと。または、その言葉のこと。 「罵詈」は汚い言葉で相手の悪口を言うこと。 「雑言」は様々な悪口のこと。
伴食大臣(ばんしょくだいじん)
持っている地位に見合った能力がないこと。 または、言いなりになるだけの無能な大臣のこと。 「伴食」は主客のお供をして、食事をご馳走になること。または、仕事をせずに給料をもらうこと。 中国の唐の盧懐慎は、姚崇が政務を休んだときに、自分の能力が姚崇に及ばないということを知った。 それから盧懐慎は、独断で物事を処理することなく、姚崇に指示を仰いでいたということを、人々から「伴食宰相」と呼称されたという故事から。
万杵千砧(ばんしょせんちん)
きぬたを打つたくさんの女性。 または、いろんなところから聞こえるきぬたの音。 「万」と「千」は数が多いことのたとえ。 「杵」はきぬたを打つための棒。 「砧」は布を叩いて柔らかくして、つやを出すための石や木の台。
万水千山(ばんすいせんざん)
多くの山と川のこと。また、奥深く広大な自然のこと。 「千」と「万」は数が多いことで、どこまでも山や川が続いているという意味から、遠く険しい道のりの形容としても用いられる言葉。 「万水千山」ともいう。
万世不刊(ばんせいふかん)
途切れることなく、いつまでも伝わり続けること。 または、いつまでも無くならないこと。 「万世」は永遠、いつまでもという意味。 「不刊」はなくならない、すりへらないということ。
万能一心(ばんのういっしん)
何を学ぶにしても、集中してやらなければ身につかないということ。または、様々な技芸をこなすことができても、心が欠けていれば意味がないということ。 「万能足りて一心足らず」を略した言葉。
万万千千(ばんばんせんせん)
数がこの上なく多いことのたとえ。 「万」と「千」は数が多いことのたとえで、繰り返して使うことで強調した言葉。
万物流転(ばんぶつるてん)
この世に存在する全てのものは、変化し続けるということ。 「万物」はこの世に存在する全てのものや現象。 「流転」は常に変化し続けること。
皮開肉綻(ひかいにくたん)
皮膚が破れ開いて、肉が裂けるという意味から、酷い怪我の様子のこと。 特に、拷問や刑罰を受けた結果についていう言葉。
悲歌悵飲(ひかちょういん)
悲痛な気持ちで歌い、愚痴をこぼしながら酒を飲むこと。 「悲歌」は悲しい調子の歌を歌うこと。 「悵飲」は悲しみ、愚痴をこぼしながら酒を飲むこと。
卑怯千万(ひきょうせんばん)
行動や考えなどが、非常にずるくていやしいこと。 「卑怯」はずるくて心がいやしいこと。 「千万」は程度がこの上ないこと。
必求壟断(ひっきゅうろうだん)
利益を自分だけのものにすること。 「壟断」は切り立った丘のこと。 とある商人が丘の上から市場全体を見渡すことができる見晴らしがよい場所を見つけて、利益を独り占めしたという故事から。
筆耕硯田(ひっこうけんでん)
文章を書くことで収入を得て、生活する人のこと。 そのような人にとっての硯(すずり)を、農夫にとっての田に見立てたもので、筆で田を耕す意味から。
筆削褒貶(ひっさくほうへん)
公正で厳しく批評する春秋筆法を評する言葉。 「筆削」は必要な言葉を書き足したり、不必要な言葉を削ったりすること。 「褒貶」はよいところは褒め、悪いところは貶すこと。
飛兎竜文(ひとりょうぶん)
素晴らしい才能を持っている若者や子どものこと。 「飛兔」と「竜文」はどちらも走る速度の速い馬の名前で、賢くすぐれている子どものたとえ。 「竜」は「りゅう」とも、「文」は「もん」とも読む。
髀肉之嘆(ひにくのたん)
実力を発揮する機会がなく、功績を上げられないことを嘆くこと。 または、特にやることもなく、無駄に日々を過ごすことを嘆くこと。 「髀肉」は太ももについた贅肉。 中国の三国時代の蜀の劉備は、劉表のもとに身を寄せたが、劉表は劉備の野心を警戒して重用することなく、戦場に出る機会もなくなり、常に戦場に出て締まっていた太ももに贅肉がついたと、劉備が嘆いた故事から。 「髀肉」は「脾肉」、「嘆」は「歎」とも書く。
被髪纓冠(ひはつえいかん)
尋常でなく急ぎ慌てること。 「被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。 「纓冠」は冠の紐を結ぶこと。 乱れた髪を整えずに、そのまま冠の紐を結ぶという意味から。
被髪左衽(ひはつさじん)
文明がないような地域にある野蛮な風習のこと。 「被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。 「左衽」は左前にして着物を着ることで、普通とは逆に着るという意味。 「被髪左袵」とも書く。
被髪文身(ひはつぶんしん)
異なる民族の風習。 または、異民族の野蛮な風習。 「被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。 「文身」は身体に入れ墨をすること。
皮膚之見(ひふのけん)
物事の表面的な部分だけを見て、本質を捉えようとしない浅はかな考えのこと。 「見」は考えという意味。
百依百順(ひゃくいひゃくじゅん)
人に言われるがまま従うこと。 「依」はもたれかかる、頼るという意味。 「順」は逆らうことなく従うこと。
百舎重趼(ひゃくしゃちょうけん)
危険を乗り越えながら長い旅路を行くこと。 「百舎」は旅の途中で百回宿に泊まる、または、百里の距離を移動して一泊するということから、長旅のたとえ。 「趼」は足にできるたこ。 「重趼」は多くのたこのことをいい、歩き続けて多くのたこができるということから、長旅のたとえ。 「百舎重繭」とも書く。
百鍛千練(ひゃくたんせんれん)
詩や文章の語句を何度も考え、何度も修正してよりよいものにすること。 「百」や「千」は非常に数が多いことのたとえで、何度も繰り返すという意味。 「鍛練」は金属を鍛え上げることで、詩や文章の語句を何度も考えて練り上げることのたとえ。 百回鍛えて、千回練るという意味から。
百福荘厳(ひゃくふくしょうごん)
数多く積んだ福で仏像を飾ること。 または、仏の三十二相のこと。 「百福」は百の福徳を積むこと。 「荘厳」は仏像や奉ってある建物を美しく飾ること。 仏の三十二相は、仏にあるとされる三十二の特徴で、それぞれ百の福徳を積むことであらわれるとされる。
百聞一見(ひゃくぶんいっけん)
何度も人から聞くよりも、一度実際に見るほうがよいということ。 「百聞」の「百」は数が多いことのたとえで、何度も聞くという意味。 「一見」は一度実際に見ること。 多くは「百聞は一見に如かず」という形で用いられ、これを略した言葉。
百下百全(ひゃっかひゃくぜん)
何一つ欠けていない、完全であること。 百のうちの百全てあるという意味から。
百花繚乱(ひゃっかりょうらん)
すぐれた能力を持っている人物が同じ時期に一斉に現れ、多くの素晴らしい成果を残すこと。 または、すぐれた能力を持っている人物や、容姿の美しい人物がたくさん集まっている様子を言い表す言葉。 「百花」は様々な種類のたくさんの花、「繚乱」は多くの花がまじり合って咲くことで、様々な種類の花がまじり合ってたくさん咲いているという意味。 「百花撩乱」とも書く。
氷甌雪椀(ひょうおうせつわん)
汚れがなく、上品で趣のある文具のこと。 または、そのような文具で詩文を書き写すこと。 「氷甌」は氷でできたかめ。 「雪椀」は雪でできたお椀。 「冰甌雪椀」とも書く。
表敬訪問(ひょうけいほうもん)
敬う気持ちを示すために人を訪ねること。 「表敬」は敬う気持ちを示すこと。
剽疾軽悍(ひょうしつけいかん)
動きが素早く、気が荒く、強いこと。 「剽疾」は動きが速いこと。 「軽悍」は動きが速く、気が強いこと。
氷清玉潤(ひょうせいぎょくじゅん)
父親と娘婿の二人ともが高い徳を備えていることのたとえ。または、清く気高い人格のたとえ。 氷のように清らかで、宝石のように潤いがあるという意味から。 中国の晋の楽広は、身も心も清らかな人柄と評されていたが、その娘婿の衛カイも清らかで潤いがあると評され、楽広は氷清と呼ばれ、衛カイは玉潤と呼ばれ、賞賛されたという故事から。
飛竜乗雲(ひりょうじょううん)
時代の流れに乗って、英雄や賢者が才能を発揮することのたとえ。 竜が雲に乗って空へ舞い上がるという意味から。 「飛竜(ひりょう)雲に乗る」とも読む。
牝鶏之晨(ひんけいのしん)
女性が強い権力を持って、勢力を振るうこと。 または、女性が権力を握って治めると、国や家などが滅びることのたとえ。 「牝鶏」は雌鶏。 「晨」は日の出を鶏が鳴いて知らせるという意味。 日の出の時間に鳴くのは本来は雄鶏であり、雌鶏が鳴くことは秩序が乱れた証とされ、王后や王妃が権力を握り、国家が滅びることの前触れとされていた。
貧賤驕人(ひんせんきょうじん)
貧しくて卑しい人間は、失うものがないので傲慢な態度を取ることができるということ。 「賤」は卑しい人間。 貧しく卑しい人は失うものがなく、いざとなれば逃げればいいので、権力者相手でも横暴に振る舞うことができるという意味から。 「貧賤(ひんせん)人に驕(おご)る」とも読む。
貧富貴賤(ひんぷきせん)
貧しい人と裕福な人、高貴な人と下賎な人のこと。 「貴賤貧富」ともいう。
美意延年(びいえんねん)
心配事もなく楽しい心のまま生きれば、自然と長生きできるという意味。 「美」は楽しむ、「意」は心のことで、「延年」は長生きすること。
尾生之信(びせいのしん)
約束を守りぬくことのたとえ。または、正直すぎて機転のきかないことのたとえ。 「尾生」は人の名前。 「信」は信義という意味。 魯の国の尾生が橋の下で女性と会う約束をしたが、いつまでも女性はこないまま尾生は橋の下で待ち続けた。 やがて、雨が降り始めて川が増水して、橋の橋脚に抱きついたまま溺れ死んだという故事から。
猫鼠同眠(びょうそどうみん)
悪事を働く人と、それを取り締まる人が示し合わせて事を運ぶこと。 または、上の立場の人と、下の立場の人が共謀して悪事を働くこと。 猫と鼠が共に眠るという意味から。
貧窮福田(びんぐうふくでん)
貧しいものに施しをすれば、施しをしたものには求めずとも自然に良いことがあるということ。 「貧窮」は仏教の言葉で、供養することで福を得ることができるとされる、三つのものの一つ。 「福田」は福が生まれるとされるもののこと。
父為子隠(ふいしいん)
悪事や過ちは、父は子のために、子は父のために互いに隠してかばいあうことが人の道であるということ。
風格丰神(ふうかくぼうしん)
その人の見た目や容姿、品格のこと。 「風格」は見た目や品格のこと。 「丰神」は容姿と心のどちらも美しいこと。
風鬟雨鬢(ふうかんうびん)
風雨にさらされて、苦労しながら仕事に励むこと。 「鬟」はまげ、「鬢」は耳のあたりの髪のびん。 髪を風にとかされ、雨に洗われるという意味から。
富貴在天(ふうきざいてん)
財産や地位は天命によって決まっており、人の思い通りにはならないということ。
風紀紊乱(ふうきびんらん)
社会の道徳や規律が乱れること。または、乱すこと。 特に男女の交際の節度のこと。 「紊乱」は乱れる、または乱すという意味。
富貴浮雲(ふうきふうん)
富や地位などは、はかないものであるということ。 悪行で手にした財産や地位は、はかなく身につかないこと。 また、金銭や地位などに心がひきつけられることがないことのたとえとしても用いられる言葉。 「浮雲」は浮いている雲のことで、落ち着きが無くはかないものであることから。
風月無辺(ふうげつむへん)
自然の風景が極めて美しいこと。 「風月」は自然の美しさ、特に風や月などの風情や景色。 「無辺」はその美しさが際限なく、広々としていること。 自然界の壮大さや美しさに感動したり、その無限の広がりを称賛する言葉。
風樹之歎(ふうじゅのたん)
父母が亡くなり孝行しようとしてもできない嘆きのこと。 「風樹」は風に揺れる木のこと。 風で揺れている木は、木自身が制止したいと思っても風が止まなければ制止できず、思い通りにいかないということから。 「風樹之嘆」とも書く。
風霜之任(ふうそうのにん)
罪や責任を問いただすことは、厳しく激しい任務ということから、監察官や司法官のこと。 「風霜」は勢いの激しい風と寒々しい霜の厳しさのこと。 「任」は任務という意味。
風俗壊乱(ふうぞくかいらん)
社会の風習や日常的に行っていることが乱れること。 「風俗」はしきたりや習慣。 「壊乱」は壊れて乱れること。
風旙之論(ふうはんのろん)
結論が出ない議論をすること。 風でゆれる旗を見て、一人は風が動いたと言い、他の人が旗が動いたと言って、どちらも譲らずに議論は終わらなかったという故事から。
風流雲散(ふうりゅううんさん)
離れ離れになることを言い表す言葉。 風が流れるように去って、雲のように飛び散るという意味から。 「風(かぜ)のごとく流れ雲のごとく散る」とも読む。
風林火山(ふうりんかざん)
時勢や情勢に合わせた対処の方法のこと。 もとは軍を指揮するときの四つの心構えのこと。 風のように速く行動して、林のように静かに機会を待ち、火のように激しく襲い掛かり、山のように動かずに構えるという意味。 孫子の中の句を略した言葉で、武田信玄が旗印に使ったといわれている。
不協和音(ふきょうわおん)
意見が揃わなかったりして、釣り合いが取れない状態のこと。 元は調和が取れず、不安定で耳障りな和音のこと。
俯仰之間(ふぎょうのかん)
非常に短い時間のこと。 「俯仰」はうつむくことと上を向くこと。 下を向いたり、上を向いたりする間の時間という意味から。 「俛仰之間」とも書く。
釜魚甑塵(ふぎょそうじん)
とても貧しいことのたとえ。 「甑」は蒸すための調理器具で、こしきやせいろのこと。 「魚」は蚊の幼虫のボウフラのこと。 こしきには塵がつもり、鍋にはボウフラがわいて炊事をすることができないほど貧しいことから。 「釜魚甑塵」ともいう。
覆雨翻雲(ふくうほんうん)
人の心や、世間の人たちの考えは変わりやすいということ。 「翻」は手のひらを上に向けること。 「覆」は手のひらを下に向けること。 手のひらを上に向ければ雲が発生して、手のひらを返せば雨に変わるという意味から、ほんの少しの時間で状況が全く別のものになるということ。 「手を翻せば雲と作り手を覆せば雨」を略した言葉。 「覆雨翻雲」ともいう。
腹心内爛(ふくしんないらん)
内側から崩れること。 「腹心」は腹の内側の中心部分。 「内爛」は内側から腐敗すること。
腹心之臣(ふくしんのしん)
心から信頼できる家臣のこと。 「腹心」は自分の腹や心になるという意味で、確実な信頼をすること。
覆水不返(ふくすいふへん)
一度行ったことは、元に戻したり、やり直したりすることは出来ないということ。 または、一度離婚した夫婦の仲は二度と元のようになることはないということ。 こぼれた水は元には戻らないという意味から。 古代中国の周の呂尚は、読書ばかりしていて貧乏だったために妻の馬氏は離婚したが、呂尚が出世すると復縁を求めた。 呂尚は水を地面にこぼして、こぼれた水は二度と元には戻らないと言い、断ったという故事から。 「覆水は返らず」とも読み、多くは「覆水盆に返らず」という形で用いる言葉。
福善禍淫(ふくぜんかいん)
善人には良いことが起きて、悪人には悪いことが起きるということ。 天は善人に幸福を与え、悪人には災いを与えるという意味から。 「善に福(さいわい)し淫(いん)に禍(わざわい)す」とも読む。
覆地翻天(ふくちほんてん)
激しく変化すること。または、社会の秩序が乱れること。 「翻」と「覆」はどちらもひっくりかえるという意味で、天地が逆になることから。 「天を翻(ひるがえ)し地を覆(くつがえ)す」とも読む。 「覆地翻天」ともいう。
福徳円満(ふくとくえんまん)
様々なものに恵まれていて、何一つ不満がないこと。 「福徳」は幸福と財産があって、不自由しないこと。
不俱戴天(ふぐたいてん)
同じ世界で一緒に生きていくことができないほどに深い恨みや憎しみのこと。 「不俱」は共存することができないこと。 「戴天」は同じ世界にいること。 「俱に天を戴かず」とも読み、もとは父親の仇敵を言う言葉で、同じ世界に生かしてはおかないという意味。
俯察仰観(ふさつぎょうかん)
目に入るさまざまな物や現象を観察すること。 上を見上げては空に起こる現象を観察し、下を見ては土地の様子を観察するという意味から。 「俯察仰観」ともいう。
父子相伝(ふしそうでん)
学問や芸術の奥義を、父親が子だけに代々と伝えていくこと。 「相伝」は何代にも渡って伝えていくこと。
附耳之言(ふじのげん)
隠し事は漏れやすく、あっという間に広まるということ。 「附耳」は口を耳に近づけて話しをするという意味。 耳の横で小さな声で話しをしても、千里も離れている場所でも聞こえてしまうということから。 「付耳之言」とも書く。
不正不便(ふせいふべん)
正しくなく、都合が悪いこと。 「不便」は便利ではない、不都合なこと。
釜底抽薪(ふていちゅうしん)
根本にある原因を取り除かなければ、問題を解決することはできないということ。 火にかけた釜が煮え立たないようにするには、釜の下にある薪を取り出すのがよいという意味から。 「釜底(ふてい)薪(たきぎ)を抽(ぬ)く」とも読む。
不買美田(ふばいびでん)
子孫のためを思って、故意に資産を残さないこと。 「美田」は肥えた地質の田畑。 多くの資産を子孫に残すと、その資産に頼って、子孫は怠けて楽な生き方を選んでしまうということから。 「美田(びでん)を買わず」とも読む。