一陽来復とは

四字熟語 | 一陽来復 |
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読み方 | いちようらいふく |
意味 | 悪い傾向にあった物事がよい傾向に向かうこと。
または、冬が終わって春が来ること。または、冬至のこと。 「一陽」は冬から春になる兆しのこと。 「来復」は再びやってくること。 もとは易経の言葉で、陰と陽の二つを組合せたものからなる六十四卦で、陰暦十月は陰だけで構成され、冬至から陽が一つ含まれるようになるということから。陽が復する(戻ってくる)のは冬至からであることから。 |
出典 | 『易経』「復卦」 |
漢検級 | 5級 |
場面用途 | 状況が好転する / 状況 / ことわざ |
使用されている漢字
「一」を含む四字熟語
以一当千(いいつとうせん)
一人で千人と同等の働きをすること。 または、一つのものが千のものの代わりになること。 「一を以て千に当つ」とも読む。
夷険一節(いけんいっせつ)
どんな時でも信念を守り続けること。 「夷険」は平らな場所と険しい場所のことから順境と逆境のことで、順境でも逆境でも信念を変えないということ。
一意攻苦(いちいこうく)
苦労しながら、ひたすら考えること。 「一意」はいちずに、一心にという意味。 「攻苦」は苦難、苦境とたたかうという意味から、苦労しながら勉強すること。
一意孤行(いちいここう)
誰の意見も聞かずに自分の考えだけで行動すること。 「一意」は一つのことに専念すること。 「孤行」は一人で行くこと。 相手の意見に左右されない公平さのたとえとして用いることもある。 「孤行一意」ともいう。
一意専心(いちいせんしん)
他のことに心を奪われることなく、一つのことだけに心を注ぐこと。 「一意」と「専心」はどちらも一つのことだけに心を注ぐこと。 「専心」は「摶心」とも書く。 「専心一意(摶心一意)」ともいう。
一衣帯水(いちいたいすい)
海や川が間にあって遮られているが、非常に距離が近いこと。 または、互いの関係が非常に深いこと。 陳の君主の悪政によって庶民が飢えと寒さで窮地に陥ったときに、隣国の隋の文帝が「たった一本の帯のような川(揚子江)に隔てられているからといって、民を見捨てることができるか」といって、陳の国を討伐したという故事から。
「陽」を含む四字熟語
陰徳陽報(いんとくようほう)
誰にも知られないように善い行いをすると、必ずよい報いがあるということ。 「陰徳」は人知れずに善い行いをすること。 「陽報」は一目でわかるよい報いのこと。 「陰徳あれば必ず陽報あり」とも読む。
陰陽五行(いんようごぎょう)
この世の全てのものを造り出す陰と陽の気と、この世の全てを生み出す元となる木・火・土・金・水の五つの元素のこと。 古代中国では、これらの関わり合いで、全ての物事の解釈や説明をしようとしていたということから。
衡陽雁断(こうようがんだん)
便りがなくなること。 「衡陽」は中国の山の衡山の南のこと。 衡山には回雁峰と呼ばれる険しい峰があり、雁は南へ行こうとしても、これを越えることができず、北に戻っていくということから。 「衡陽雁断ゆ」とも読む。
高陽酒徒(こうようのしゅと)
酒を好んで飲む人のこと。 または、自身のことを世を捨てて、ただ酒を飲むだけの人だとあざけっていう言葉。 「高陽」は中国の地名。 「酒徒」は酒飲みのこと。 中国の秦の時代、高陽を進軍していた劉邦たちに面会を求めたレキ食其は、儒者の服を着ていたために儒者嫌いの劉邦の家臣の沛公に断られた。 レキ食其はそれに対して、自分は儒者ではなくただの酒飲みだと憤慨したという故事から。
皮裏陽秋(ひりのようしゅう)
口に出して言うことなく、心の中で善悪や是非を判断して批判すること。 「皮裏」は皮膚の裏側という意味から、心の中という意味。 「陽秋」は孔子が厳正に歴史を批評し、賞賛や批判の意味を、言葉の一つ一つに深く込めて編集したとされる、五経の一つの『春秋』の別名。
鳳鳴朝陽(ほうめいちょうよう)
世の中が平和なことを示すめでたいしるしのこと。または、すぐれた能力のある人が大きな志を発揮する機会を得ること。 「鳳」は徳の高い天子が現れたときに出現するとされる、中国の伝説上の鳥、鳳凰のこと。 「朝陽」は朝日がよく当たる場所ということから、山の東側のこと。 鳳凰が山の東側で鳴くということから、すぐれた才能や行動のたとえ。 「鳳朝陽に鳴く」とも読む。
「来」を含む四字熟語
一往一来(いちおういちらい)
行ったり来たりすること。 「一」は"ある時は"という意味。 「往」は行くこと。 「来」は来ること。
一別以来(いちべついらい)
この前会った時以来という意味。 しばらく会っていない人との挨拶の時に言葉。 「一別」は一度別れるの意味。 「一別来」とも略す。
因往推来(いんおうすいらい)
過去の出来事から、これから先に起きそうな出来事を予測すること。 「往」は過去の出来事。 「来」は未来の出来事。 「往に因りて来を推す」とも読む。
枉駕来臨(おうがらいりん)
訪問を歓迎する敬語表現。 「枉駕」は進路を変えてわざわざ立ち寄ること。 「来臨」は来客があることの敬語表現。 ”わざわざお越しいただきまして”という意味。
往古来今(おうこらいこん)
昔から今になるまで、またはその時間の流れ。 「往古」は過ぎ去った時のこと、 「来今」は今から後のこと。
開闢以来(かいびゃくいらい)
天地が出来てから今までずっとということ。 「開闢」は天と地が開けるという意味。
「復」を含む四字熟語
王政復古(おうせいふっこ)
日本では、明治維新のことで、政治体制が君主制から別の体制に変わったあとに、君主制に戻ること。
克己復礼(こっきふくれい)
欲望や感情に打ち勝ち、礼儀にかなった言動をすること。 「克己」は自分の欲望、感情に打ち勝つこと。 「復礼」は礼の本質に立ち返り、礼の道に従うこと。 顔淵が師である孔子に「仁」について聞くと、「己に克ちて礼に復す」と答えたという故事から。
顧復之恩(こふくのおん)
育ててもらった親への恩のこと。 「顧復」は親が何度も振り返って、子を心配すること。
死灰復然(しかいふくねん)
火が消えて冷たくなった灰が再び燃え上がるという意味から、衰えたものが勢いを取り戻すこと。 また、解決したことが再発すること。
失地回復(しっちかいふく)
奪われた地位や権力、領地などを取り戻すことのたとえ。 「失地」は奪われた土地。 戦争などで奪われた土地を取り戻すという意味から。
文芸復興(ぶんげいふっこう)
十四世紀末のイタリアから始まった、古典古代の文化を復興しようという文化運動、「ルネサンス」の異称。 イタリアから始まり、西欧一帯に広がって近代文化の形成の源流となった。