引縄批根とは

四字熟語 | 引縄批根 |
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読み方 | いんじょうへいこん |
意味 | 協力して他を全て排除すること。 または、裏切った相手に報復して恨みを晴らすこと。 「引縄」は縄をつけて引っ張ること。 「批根」は根本から全て取り除くこと。 中国の前漢の高官の灌夫と、その親友の魏其侯は、力を持っていたときに擦り寄ってきたが、力を失うといきなり裏切った者たちに報復したいと思ったという故事から。 「縄を引き根を批く」とも読む。 |
出典 | 『史記』「灌夫伝」 |
漢検級 | 準1級 |
場面用途 | 復讐 / 怨む |
類義語 | 引縄排根(いんじょうはいこん) |
使用されている漢字
「引」を含む四字熟語
引決自裁(いんけつじさい)
自分で責任を取ること。 または、責任を取って自殺すること。 「引決」は自身で責任を取ること。 「自裁」は自ら命を絶つこと。または、辞職などして責任を取ること。 「引訣自裁」とも書く。
引古証今(いんこしょうこん)
昔の事象や事実などを根拠として現在の物事を議論すること。 「古を引いて今を証す」とも読む。
引而不発(いんじふはつ)
人に教える時に、基本的な方法だけを教えて、その人が自ら理解するまで待つ方法。 弓の射方を教える時に、弓の引き絞る方法だけを教えて矢を放たないということから。 「引きて発せず」とも、「引きて発たず」とも読む。
引錐刺股(いんすいしこ)
眠気を覚ますために、先の尖った錐で自分の太股を刺すこと。 または、眠くても頑張って勉強すること。 「引錐」はそばにある錐を引いて手元に寄せること。 中国の戦国時代の遊説家の蘇秦は、太股を錐で刺して眠気を覚まし書物を読んでいたという故事から。 「錐を引きて股を刺す」とも読む。
引足救経(いんそくきゅうけい)
動機と結果が一致せず、目的を果たせないことのたとえ。 「経」は首つり自殺をしようとしている人のこと。 首つり自殺をしようとしている人を救おうとして、自殺しようとしている人の足をつかんで下に引いてしまうことから。 「足を引きて経れるを救わんとす」とも読む。 「救経引足」ともいう。
引喩失義(いんゆしつぎ)
都合のよいたとえ話や、悪い前例を持ち出して正しい意義を見失うこと。 「引喩」はたとえを引くこと。 「失義」は道理から外れること。 「喩を引きて義を失す」とも読む。
「縄」を含む四字熟語
甕牖縄枢(おうゆうじょうすう)
貧しく質の悪い家のたとえ。 甕(かめ)の口のような小さな窓と、扉の軸となる枢(とぼそ)の代わりとして縄を用いている家ということから。 「甕」はかめ、「牖」は窓のこと。また、「甕牖」は割れたかめの口の部分を壁にはめ込んで窓にしたものをいうこともある。 「枢」は扉の軸の部分のこと。
規矩準縄(きくじゅんじょう)
物事や行動をおこすときに基準や標準になるもののこと。 「規」は円を描くときに使うコンパス。 「矩」は長さを測るための指矩(さしがね)のこと。 「準」は水平を測るための水準器。 「縄」は直線を引くための墨縄(すみなわ)のこと。
規則縄墨(きそくじょうぼく)
物事の決まり。掟。 「縄墨」は大工道具のすみなわのことから、決まりや掟のたとえ。
結縄之政(けつじょうのまつりごと)
古代に行われた政治のこと。 文字が存在しなかった時代の政治を行う上での意志の伝達や記録の方法で、大事には大きな縄の結び目を結び、小事には小さな縄の結び目を結んだということから。
鉤縄規矩(こうじょうきく)
物事の法則や基準になるもののこと。 「鉤」は曲線を引く時に使う道具。 「縄」は直線を引く時に使う道具。 「規」は円を描く時に使う道具。 「矩」は直角を描く時に使う道具。 どれも正確に線を引くことが出来るものということから。
七五三縄(しめなわ)
鳥居や神棚などに飾ったり、神域を区別するために用いたりする縄のこと。 縄の網目に七、五、三筋のわらをはさんで垂らすことに由来する当て字。 「注連縄」「〆縄」「標縄」などとも。
「批」を含む四字熟語
印象批評(いんしょうひひょう)
客観的な基準ではなく、個人的な印象や感動を基準にして芸術作品の批評をすること。 フランスの文芸批評の手法で、十九世紀後半に生まれた。
引縄批根(いんじょうへいこん)
裁断批評(さいだんひひょう)
芸術作品などを、一定の基準によって判定する批評方法のこと。 古典主義時代以前の欧州で主流だった方法。 「裁断」は善悪や是非などを判断して決めること。
抹月批風(まつげつひふう)
文人は、客を十分にもてなすことができないほどに、貧しいということのたとえ。 または、世間から離れて趣味を楽しむこと。 「抹」は細かく切ること。 「批」は薄く切ること。 風月を料理のようにして、客をもてなすという意味から。 「月を抹し、風を批す」とも読む。
「根」を含む四字熟語
根深柢固(こんしんていこ)
基礎をよく固めて、不安定にならないようにすること。 「根」と「柢」はどちらも木の根のことで、物事の基礎のたとえ。 根を深く強固なものにするという意味から。
削株掘根(さくしゅくっこん)
災いの原因を根本から取り除くこと。 災いを木にたとえ、株を削って根を掘り起こすという意味から。 「株を削り根を掘る」とも読む。
釈根灌枝(しゃくこんかんし)
「釈根」は根を捨てる、「灌枝」は枝に水を注ぎかけるという意味から、他の事に気をとられて物事の本質を忘れること。 または、問題の本質を調べることをせずに結果だけを問題にすること。
捨根注枝(しゃこんちゅうし)
他の事に気をとられて物事の本質を忘れること。 または、問題の本質を調べることをせずに結果だけを問題にすること。 「捨根」は根を捨てること。 「注枝」は枝に水を注ぎかけること。
深根固柢(しんこんこてい)
基礎をよく固めて、不安定にならないようにすること。 「根」と「柢」はどちらも木の根のことで、物事の基礎のたとえ。 根を深く強固なものにするという意味から。 「根を深くして柢を固くす」とも読む。 「深根固蔕」とも書く。
事実無根(じじつむこん)
事実に基づいていない上に、根拠もないこと。