断琴之交について

四字熟語 | 断琴之交 |
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読み方 | だんきんのまじわり(だんきんのこう) |
意味 | とても親密な友情のこと。 中国の春秋時代の伯牙は、琴の名手として名高く、自分の琴を真に理解してくれる親友である鐘子期が死ぬと、琴の弦を切って二度と琴を弾くことはなかったという故事から。 |
出典 | 『列子』「湯問」 |
別表記 | 断琴之交(だんきんのこう) |
類義語 | 管鮑之交(かんぽうのまじわり) |
金石之交(きんせきのまじわり) | |
古琴之交(こきんのまじわり) | |
断金之交(だんきんのまじわり) | |
莫逆之友(ばくぎゃくのとも) |
使用されている漢字
「断」を含む四字熟語
一刀両断(いっとうりょうだん)
ためらうことなく、物事をすぐさま決断すること。 または、思い切りよく、物事の始末をつけること。 「一刀」は刀を一度振り下ろすこと。 「両断」は二つに切断すること。 刀を一度振り下ろし、真っ二つに切断するという意味から。 「一刀両段」とも書く。
慧可断臂(えかだんぴ)
とても固い決意を示すこと。 「慧可」は高僧の名前、「断臂」は腕を切り落とすこと。 慧可は河南省嵩山の少林寺にいた達磨に教えを請うために、左腕を切り落として決意を示したという故事から。
軻親断機(かしんだんき)
物事を途中でやめてしまったり、諦めてしまってはいけないという戒めの言葉。おもに学問のことを指す。 「軻親」は孟子(孟軻)の母親のこと。 「断機」は織りかけている機の糸を途中で切ること。 孟子が学問を投げ出そうとしたときに、孟子の母親は織り途中の機の糸を切断して「学問を途中でやめることは、この織物と同じようなものだ」と言って戒めたという故事から。
九腸寸断(きゅうちょうすんだん)
ひどくつらく、悲しいこと。 「九腸」は腸全体のこと。 「寸断」は細かくたくさんに切ること。 内臓がばらばらに千切れるような、つらい悲しみという意味から。
藕断糸連(ぐうだんしれん)
関係が完全には切れていないことのたとえ。 夫婦などが離婚などで縁を切っても、相手のことを思う情は完全には消えないということのたとえ。 「藕」は植物の蓮。または、その根、蓮根。 「糸連」は切った部分が糸を引くこと。 蓮や蓮根を切っても糸でつながっているという意味から。 「藕断たれて糸連なる」とも読む。
好謀善断(こうぼうぜんだん)
しっかりと考えて、物事を正しく処理すること。 「謀」はしっかりと考えること。 「善断」はうまく処理すること。
「琴」を含む四字熟語
一琴一鶴(いっきんいっかく)
清廉潔白な役人のこと。 または、旅支度がとても簡易であることのたとえ。 一張りの琴と一羽の鶴の意。 宋の役人が蜀に赴任する際、一張りの琴と一羽の鶴だけを携えて出ていったことから。
琴歌酒賦(きんかしゅふ)
隠者の欲の無い生活のこと。 または、俗世から離れた優雅な遊びのこと。 「琴歌」は琴を弾いて歌を歌うこと。 「酒賦」は酒宴を開いて、酒を飲みながら詩を作ること。
琴棋詩酒(きんきししゅ)
文化人の風流な楽しみや遊び。 昔の中国で知識人の風流なたしなみとされていた。 「琴棋」は琴を弾いて、囲碁を打つこと。 「詩酒」は詩を作って、酒を飲むこと。
琴棋書画(きんきしょが)
教養のある、文人のたしなみのこと。 琴を弾いて囲碁を打ち、書を書いて絵を描くということをいう。 中国では四芸と呼ばれ、文人のたしなみとされ、画題としてもよく用いられる。
琴瑟相和(きんしつそうわ)
夫婦の仲がよいこと。 「瑟」は大型の琴。 琴と瑟は合奏するとよく調和することから、夫婦仲のよさを琴と瑟の調和にたとえた言葉。 夫婦以外にも、兄弟や友人との仲が良いこともいう。 「琴瑟相和す」とも読む。
琴瑟調和(きんしつちょうわ)
夫婦の仲がよいこと。 「瑟」は大型の琴。 琴と瑟は合奏するとよく調和することから、夫婦仲のよさを琴と瑟の調和にたとえた言葉。 夫婦以外にも、兄弟や友人との仲が良いこともいう。 「琴瑟相和す」とも読む。
「之」を含む四字熟語
阿吽之息(あうんのいき)
複数の人と同じことをするときに、お互いの調子や気持ちが一致すること。 「阿」は吐く息、「吽」は吸う息のことをいい、互いの呼吸が揃った様子をいう言葉。
阿衡之佐(あこうのさ)
賢い家臣や、宰相が政治の補佐をすること。 または、その人のこと。 「阿衡」は中国の殷の賢臣の伊尹が就いた官職の名前。 「佐」は手助けすること。
阿保之功(あほのこう)
子供を育て上げた功績。 貴族などの、高い身分の人の子の子守りをする人の功績をいう。 「阿保」は子供を危険から守ったり、一緒に遊んだりすること。
晏子之御(あんしのぎょ)
他人の権威を笠にきておごり、自らの低い地位に満足している愚か者のたとえ。 「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。 「御」は御者のこと。 晏嬰の御者は、晏嬰を乗せたことで得意気になっていたが、その姿を見た御者の妻は離縁を迫ると、御者は改心したという故事から。
帷幄之臣(いあくのしん)
参謀や軍師など、指揮官に付き従って作戦を練る部下のこと。 「帷」は垂れ幕「幄」は引き幕のこと。 昔の陣営は幕をめぐらしたことから作戦を練る場所、本陣や本営、軍部の意味。
異域之鬼(いいきのき)
祖国に帰れず異国の地で死ぬこと。またはその人の魂。 「異域」は自分の国でない国、外国。 「鬼」は死んだ人の魂のこと。 故郷から離れて、外国に留まり続けている死者の魂という意味から。
「交」を含む四字熟語
烏集之交(うしゅうのまじわり)
「烏集」は烏の群れのことで、疑り深く、利己的な鳥とされていることから、お互いに自分の利益のみを考え、誠意のない交流や集まりのこと。
雲霞之交(うんかのまじわり)
一般的な関係を超越した交友関係のこと。 雲と霞がたなびいている場所という意味から、仙人などの俗世を超越したものが住むとされている場所のこと。 俗世を超越したもの同士の交友関係という意味から。
遠交近攻(えんこうきんこう)
遠くの国と親しくして、近くの国を攻める策略。 中国の戦国時代に范雎が秦の君主に進言した策略で、兵法三十六計の第二十三計にあたる。
感応道交(かんのうどうこう)
仏の力が人々の信仰の心に応えて、仏と人々の心が通じ合うこと。 「感応」は仏と人々の心が通じ合うこと。 「感応の道交わる」とも読む。
管鮑之交(かんぽうのまじわり)
お互いのことを理解しあっていて、利害を超えた親密な友情のこと。 「管」は管仲、「鮑」は鮑叔牙、どちらも古代中国の人の名前。 中国の春秋時代、斉の鮑叔牙と管仲は幼い頃からの親友で、二人は違う王子に仕え、王子の後継者争いで鮑叔牙が仕える桓公が勝った。 桓公は敵対した管仲を殺そうとしたが、鮑叔牙は臣下に迎えるように桓公を説得し、後に宰相となった管仲と、その補佐になった鮑叔牙の力によって斉は大きな国になった。 鮑叔牙の死後、管仲は墓前で、「私を生んだのは両親だが、私を理解しているのは鮑叔だった」と言い、互いに互いの厚意を感謝し、二人の関係はいつまでも変わらなかったという故事から。
外交辞令(がいこうじれい)
相手によく思われるために、口先だけのお世辞や形だけの愛想をよくすること。 「外交」は外部との付き合いや交渉のこと。 「辞令」は応対の言葉や挨拶のこと。