画竜点睛について

四字熟語 | 画竜点睛 |
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読み方 | がりょうてんせい(がりゅうてんせい) |
意味 | 物事の一番重要な部分のこと。 または、最後の仕上げに手を加える重要な部分のこと。 「画竜」は絵の竜。「点睛」は目を書くこと。 「画竜点睛を欠く」と用いれば、他の部分は良い出来だが最後の部分が物足りないという意味となる。 南朝梁の画家の張僧ヨウが、安楽寺の壁に竜の絵を描いたが、目を描くと絵から出て飛び去ってしまうといって目を描かなかった。その話を信用しなかった人たちが、無理やり目を描かせたところ本当に竜が飛び去ってしまったという故事から。 「竜を画いて睛を点ず」とも読む。 |
出典 | 『歴代名画記』 |
別表記 | 画竜点睛(がりゅうてんせい) |
類義語 | 点睛開眼(てんせいかいがん) |
使用されている漢字
「画」を含む四字熟語
一措一画(いっそいっかく)
文字の一つの点、一つの筆画、主に漢字についていう。 または、文字の一つ一つの細かいところに気をつけて、丁寧に書くこと。
一点一画(いってんいっかく)
文字の一つの点、一つの筆画、主に漢字についていう。 または、文字の一つ一つの細かいところに気をつけて、丁寧に書くこと。
画虎類狗(がこるいく)
才能のない者が、すぐれているものの真似をしても、見苦しい結果にしかならないということのたとえ。 虎の絵を描いても、犬にしか見えないということから。 後漢の将軍の馬援が、豪傑の杜季良の真似をしていた兄の子を手紙で戒めたという故事から。 「虎を画いて狗に類す」とも読む。
画脂鏤氷(がしろうひょう)
苦労したわりに大した成果を得られないこと。 または、意味のないことに力を使うことのたとえ。 あぶらに絵を描いて、氷に彫刻をするということで、どちらも残らずに消えてしまうという意味から。 「脂に画き氷に鏤む」とも読む。 「画脂鏤冰」とも書く。
画蛇添足(がだてんそく)
余計なものをつけたすこと。 蛇に足を付け足した絵を描くという意味から。 中国の楚の国のとある家の使用人たちが、蛇の絵を最初に描いた人が酒を飲めるという賭けをした。 一番最初に書き終えた人は余裕があったために調子に乗り、蛇に足を付け足した絵を描くと蛇ではないと言われて酒を奪われたという故事から。 一般的に「蛇足」という形で使われることが多い言葉。 「蛇を画きて足を添う」とも読む。
琴棋書画(きんきしょが)
教養のある、文人のたしなみのこと。 琴を弾いて囲碁を打ち、書を書いて絵を描くということをいう。 中国では四芸と呼ばれ、文人のたしなみとされ、画題としてもよく用いられる。
「竜」を含む四字熟語
一竜一猪(いちりょういっちょ)
努力して学ぶ人と、怠けて学ばない人との間には大きな賢愚の差ができるということ。 「竜」は賢く、成功した者のたとえ。 「猪」は豚のことで、無恥な愚な人のたとえ。 一方は竜になり、一方は豚になるということから。
一登竜門(いっとりゅうもん)
権力を持っている人に認められると、急激に世間の評判はよくなるということ。 「一登」は一回登ること。 「竜門」は中国の黄河の上流にある山のことで、非常に激しい流れの川があることで有名。 苦しく険しいことで有名な場所を一度でも登りきれば、名声を上げることが出来るということから。
雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)
英雄や豪傑などが良い時期に現れて活躍すること。 「雲蒸」は雲が沸き起こること。 「竜変」は竜が思うままに動きまわること。 舞い上がる竜は雲を沸き起こし、さらに勢いを増しながら自在に活躍するという意味から。
雲竜井蛙(うんりょうせいあ)
地位や知恵の差が非常に大きいこと。 大空を翔る竜と井戸の中にいる蛙という意味から。 竜は地位や知恵が高いことをたとえたもの、蛙は低いことをたとえたもの。
雲竜風虎(うんりょうふうこ)
似た同士が互いに引きつけ合うこと。 または、英雄や豪傑のたとえ。 竜は雲と共に現れ、虎は風を引き連れて現れると考えられていたことから。
轅門二竜(えんもんにりょう)
中国の唐の烏承ヒンと烏承恩の二人のこと。 二人が戦場ですぐれた功績をあげたことを評した言葉。 「轅門」は戦場のたとえで、二台の戦車の舵棒、轅を向かい合わせて門にしたということから。
「点」を含む四字熟語
一点一画(いってんいっかく)
文字の一つの点、一つの筆画、主に漢字についていう。 または、文字の一つ一つの細かいところに気をつけて、丁寧に書くこと。
一点素心(いってんそしん)
名誉や利益に固執しない純粋な心。 「一点」は一つのや、少しのという意味。 「素心」は世俗にとらわれない純粋な心。
頑石点頭(がんせきてんとう)
説得力や影響力が大きいことのたとえ。 「頑石」はただの石。 「点頭」はうなずくこと。 意思のない石ですらうなずくほどに影響力が大きいということから。 僧の道生が石を集めて説法すると、その説法を理解して石はうなずいたという故事から。
点睛開眼(てんせいかいがん)
物事の一番重要な部分。 または、仕上げるために最後に手を加える重要な部分。 「点睛」は目を書くこと。 他の部分は良い出来だが、最後の部分が物足りない状態のことをいう。 南朝梁の画家の張僧ヨウが、安楽寺の壁に竜の絵を描いたが、目を描くと絵から出て飛び去ってしまうといって描かなかったが、信用しなかった人たちから、無理やり描かされると本当に飛び去ってしまったという故事から。
点滴穿石(てんてきせんせき)
小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえ。 「点滴」は一滴の水、「穿石」は石に穴をあけること。 水滴も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味から。
点鉄成金(てんてつせいきん)
他人の作った平凡な文章に手を加えて素晴らしい作品にすること。 仙人の術にたとえた言葉で、鉄に手を加えて金に変えるということから。 「鉄を点じて金と成す」とも読む。