「じん」を含む四字熟語
「じん」を含む四字熟語 — 221 件
清風故人(せいふうこじん)
季節が秋に変わって、秋のさわやかな風が吹いてくるのは、昔からの友人が久しぶり訪ねてきたかのようだということ。 「故人」は昔からの友人。 「清風故人来る」を略した言葉。
碩師名人(せきしめいじん)
すぐれた功績のある学者や、高い名声のある人。 または、徳の高い人や、人望のあつい人。 「碩師」は大学者。 「名人」は高い名声のある人。
世道人心(せどうじんしん)
この世の道徳と、その道徳を守る人たちの心。 「世道」は人が人として守るべき道徳のこと。 「人心」は多くの人の心。
遷客騒人(せんかくそうじん)
故郷から遠く離れた土地に左遷させられた人や、心に憂いをもっている人のこと。 または、詩人や文人の別称。 「遷客」は左遷されて遠い土地に来た人。 「騒人」は心に憂いをもつ人。 どちらも詩に自身の思いを込めるということから、詩人や文人のたとえ。
千仞之谿(せんじんのたに)
極めて深い谷のこと。 「仞」は長さの単位で、長さの単位の「尋」と同じ長さ。 「一仞」はおおよそ五尺から八尺の範囲で様々な説がある。 「千仞」は「千尋」とも、「谿」は「谷」とも書く。
千仞之山(せんじんのやま)
非常に高さのある山を言い表す言葉。 「仞」は長さの単位で、「千仞」は非常に高さがあることのたとえ。 「千尋之山」とも書く。
先声奪人(せんせいだつじん)
出し抜いて他人より有利な立場に立つこと。 戦いをするときは、先に大きな声を出して相手を怯えさせるという意味から。 「先声(せんせい)人を奪う」とも読む。
吮疽之仁(せんそのじん)
部下の苦労をねぎらって大切にすること。 「吮」は口で直接吸い出すこと。 「疽」は悪性の腫物。 中国の戦国時代の楚の将軍の呉起は、悪性の腫物で苦しんでいる部下の血膿を吸い取ってやったという故事から。
前人未到(ぜんじんみとう)
今までに誰一人として成し遂げたことがないこと。 または、誰も足を踏み入れたことがないこと。 「前人」は過去から現在までの全ての人、先人のこと。 「未到」は到達したことがないこと。 今までにない素晴らしい記録や先人が誰一人として踏み込んだことのない場所への探検について使う言葉。 「前人未踏」とも書く。 「未踏」は誰もそこに入ったことがないという意味。
曾参殺人(そうしんさつじん)
嘘の話でも、多くの人から何度も繰り返し話を聞かされていると信じてしまうことのたとえ。 「曾参」は人名。孔子の弟子。 ある時、曾参の親類の者が人を殺した。 誰かが誤って、曾参の母親に「曾参が人を殺した」と告げたが、曾参の母親は信じなかった。 しかし、二人目、三人目と同じことを告げに来ると、さすがに話を信じて、機織仕事をやめて家を飛び出したという故事から。
宋襄之仁(そうじょうのじん)
必要のない情けをかけること。 「宋襄」は宋の国の襄公という人の名前。 「仁」は哀れみや思いやり。 楚との戦闘で、楚の軍が川を渡っている最中の陣形が崩れたところを攻めてはどうかと、部下に進言された襄公は、人の困難につけこむものではないと言い、攻めずにそのまま大敗したという故事から。
甑塵釜魚(そうじんふぎょ)
とても貧しいことのたとえ。 「甑」は蒸すための調理器具で、こしきやせいろのこと。 「魚」は蚊の幼虫のボウフラのこと。 こしきには塵がつもり、鍋にはボウフラがわいて炊事をすることができないほど貧しいことから。 「釜魚甑塵」ともいう。
騒人墨客(そうじんぼっかく)
詩や書画を創作する風流な人のこと。 「騒人」は”離騒”の作者である楚の詩人の屈原、または屈原から学んだ者たちのこと。転じて、詩人という意味。 「墨客」はすぐれた詩や書画を創作する人。
大快人心(たいかいじんしん)
人々を痛快な気持ちにさせること。 悪人を厳しく罰したときなどに用いられることが多い。
大人虎変(たいじんこへん)
すぐれた賢者が、時の流れに合わせて、日に日に自己変革すること。または、すぐれた統治者の制度変革によって、古い制度が新しくてよりよい制度に改められること。 「大人」は徳があって立派な人、「虎変」は虎の毛が美しく立派に生え変わることから、変化や改革を見事にすることのたとえ。
達人大観(たつじんたいかん)
物事を深くきわめた人は広く全体を見ることができ、判断を間違えないということ。 「達人」は道理をわきまえていて、深く物事に通じている人のこと。 「大観」は物事全体を広く見ること。
稠人広衆(ちゅうじんこうしゅう)
群集や公衆のこと。 「稠人」はたくさんの人。 「広衆」は集まること。
超軼絶塵(ちょういつぜつじん)
他のものよりも非常にすぐれていることのたとえ。 または、馬などが非常に速く走る様子。 「超軼」は他よりもずば抜けてすぐれていること。 「絶塵」は塵が一つも立たないほど、非常に速い速度で走ること。 馬の群の中から一頭が非常に速く走りぬけるという意味から。 「超逸絶塵」とも書く。
鳥尽弓蔵(ちょうじんきゅうぞう)
重要な地位を任されていた人も、目的が果たされた後には捨てられるということのたとえ。 全ての鳥を捕り尽くして鳥がいなくなれば、弓はしまわれるという意味から。 古代中国の漢の劉邦の家臣だった韓信の故事と、春秋時代の越の勾践の家臣だった范蠡の故事から。 「鳥(とり)尽きて弓(ゆみ)蔵(おさ)めらる」とも読む。
超塵出俗(ちょうじんしゅつぞく)
普通の人と比べて、一際すぐれていること。 「塵」はちりのことで、俗世のけがれという意味。 「塵(ちり)を超(こ)え俗を出(い)ず」とも読む。
地霊人傑(ちれいじんけつ)
すぐれた土地から素晴らしい人材が世の中に出ること。 「地霊」はすぐれた土地。または、霊的な存在が宿る土地。 「人傑」は素晴らしい人材。 「人傑地霊」ともいう。
天上人間(てんじょうじんかん)
天上界と人間界のこと。 または、絶対に通ずることのなく、遠く隔たっていることのたとえ。 または、距離が非常に離れていることのたとえ。
天人相関(てんじんそうかん)
儒教の政治思想で、天が人間を生み出し、その人間が行う政治の結果に応じて天が祝福したり、災厄を与えたりするというもの。 中国の前漢の時代の儒家の薫仲舒が『春秋繁露』で唱えたもの。 「天人(てんじん)相関(あいかかわ)る」とも読む。
天神地祇(てんじんちぎ)
全ての神のこと。 「天神」は天を司る神。 「地祇」は地を司る神。 天と地の全ての神をいう。
天人冥合(てんじんめいごう)
天の意志と人の行いが自然と一致すること。 正しい行いをすれば、知らず知らずのうちに天の意志と一致するということ。 「冥合」は自然と一致するという意味。
天理人欲(てんりじんよく)
天の道理と人の欲望。 「天理」は全てにとって正しい天の道理。 「人欲」は人の欲望や本性。 相対する意味の言葉を重ねたもの。
田夫野人(でんぷやじん)
教養のない礼儀知らずで乱暴な人のこと。 「田夫」は農業を生業にする男性、農夫。 「野人」は田舎者という意味。 「野人田夫」ともいう。
東海揚塵(とうかいようじん)
世の中の変化が激しいことのたとえ。 東にある大きな海が陸地になって、土ぼこりが立つという意味から。 「東海(とうかい)塵(ちり)を揚(あ)ぐ」とも読む。
堂堂之陣(どうどうのじん)
わずかな乱れもなく整然と隊列を組んでいる陣容のこと。 「堂堂」はいかめしく立派な様子。
輭紅塵中(なんこうじんちゅう)
華やかで賑わっている都会の様子。 「輭紅」はやわらかい花びらのことで、賑わっている都会のたとえ。 「塵中」は馬車や人が多く行き交うことで舞う塵の中ということ。
背水之陣(はいすいのじん)
死を覚悟して全力で物事にあたること。 または、引くことができない困難な状況のこと。 川や海を背にして退路のない陣形で戦うという意味。 漢の韓信が、戦いの際に川を背にして退却できない状況を意図的に作り兵に決死の覚悟をさせて、二十万以上の趙の兵に大勝したという故事から。
白水真人(はくすいしんじん)
後漢が急激に繁栄することを予言した言葉。 または、中国の貨幣の異称。 中国の前漢を倒して新を興した王莽は、貨幣に「金刀」と印字されているのを見て、「金刀」は組み合わせると「劉」となり、劉氏の復興の兆しになるとして「貨泉」と改めた。 しかし、「貨泉」も分解すると「貨」は「眞(真)人」、「泉」は「白水」になり、白水郷から劉秀が現われて後漢を興す兆しになったという故事から。
八面美人(はちめんびじん)
人に悪く思われないように、誰かと接するときは愛想良く振る舞い、相手に調子を合わせること。 または、そのような人のこと。 または、誰がどの方向から見ても美しい人のこと。 「八面」は東西南北の四つの方向と、北東、南東、南西、北西の四つの隅を合わせたもののことから、あらゆる方向という意味。 「美人」は容姿が美しいひとのこと。 行動の節操のなさを批判するために使われることが多い言葉。
八方美人(はっぽうびじん)
誰からもよく思われるために、愛想良く振る舞い、相手に調子を合わせること。または、そのような人のこと。 または、誰がどの方向から見ても美しい人のこと。 「八方」は東西南北の四つの方向と、北東、南東、南西、北西の四つの隅を合わせたもののことから、あらゆる方向という意味。 「美人」は容姿が美しい人のこと。 行動の節操の無さを批判するために使われることが多い言葉。
発人深省(はつじんしんせい)
気づかれないように悟らせて、物事を深く考えるようにさせること。 「発人」は他人を啓発すること。 「深省」は深く考えること。
伴食大臣(ばんしょくだいじん)
持っている地位に見合った能力がないこと。 または、言いなりになるだけの無能な大臣のこと。 「伴食」は主客のお供をして、食事をご馳走になること。または、仕事をせずに給料をもらうこと。 中国の唐の盧懐慎は、姚崇が政務を休んだときに、自分の能力が姚崇に及ばないということを知った。 それから盧懐慎は、独断で物事を処理することなく、姚崇に指示を仰いでいたということを、人々から「伴食宰相」と呼称されたという故事から。
被髪左衽(ひはつさじん)
文明がないような地域にある野蛮な風習のこと。 「被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。 「左衽」は左前にして着物を着ることで、普通とは逆に着るという意味。 「被髪左袵」とも書く。
貧賤驕人(ひんせんきょうじん)
貧しくて卑しい人間は、失うものがないので傲慢な態度を取ることができるということ。 「賤」は卑しい人間。 貧しく卑しい人は失うものがなく、いざとなれば逃げればいいので、権力者相手でも横暴に振る舞うことができるという意味から。 「貧賤(ひんせん)人に驕(おご)る」とも読む。
美人薄命(びじんはくめい)
美しい女性は運に恵まれず短命であることが多いという意味。 「薄命」は短命なこと。運命に恵まれないこと。
風檣陣馬(ふうしょうじんば)
勇ましく、やる気が満ちていること。または、文章や詩句などの力強さのこと。 「風檣」は風をはらんだ帆船の帆柱。 「陣馬」は戦地にいる馬。
風塵外物(ふうじんがいぶつ)
世俗の人を超越したすぐれた人のこと。 「風塵」は風で舞い上がった塵や土ぼこりということから、汚れた現世のたとえ。 現世の外にいる人という意味から。
風塵之会(ふうじんのかい)
戦争で混乱している世の中のこと。または、社会が不安定で秩序が乱れていること。 「風塵」は風で舞う砂や埃のことから、戦乱のこと。 「会」は情勢や時勢のこと。
風塵僕僕(ふうじんぼくぼく)
長い旅をして苦しむことのたとえ。または、旅で疲弊している様子。 「風塵」は風で舞い上がった塵や土ぼこりのことで、旅の最中の苦しみのたとえ。 「僕僕」は苦しむ様子。
物是人非(ぶつぜじんぴ)
自然の景色は変わっていなくても、同じ場所に住んでいる人は変わってしまうということ。 昔の知り合いがいなくなってしまったことをいう言葉。 「物(もの)是にして人(ひと)非なり」とも読む。
文人相軽(ぶんじんそうけい)
文人は他の文人を見下す傾向があるということ。 「文人」は知識人や芸術家などのこと。 文人は他の文人を認め合わないということをいう。 「文人(ぶんじん)相(あい)軽んず」とも読む。
文人墨客(ぶんじんぼっかく)
詩文や書画などの優雅で趣のある芸術を創作する人のこと。 「文人」は文字で詩文などを創作する人。 「墨客」は墨を使って、書画や絵画を創作する人。
文人無行(ぶんじんむこう)
文人の行儀や作風がよくないこと。 「文人」は知識人や芸術家などのこと。 「無行」は行儀が悪いこと。
壁立千仞(へきりつせんじん)
壁のような険しい崖が高く立っていること。 または、仏教語で真理を得るための道のりが非常に険しいことのたとえ。 「仞」は古代中国の高さや深さをあらわす単位のこと。
砲刃矢石(ほうじんしせき)
武力で争う戦争のこと。 「砲」は大砲、「刃」は刀剣、「矢」は弓矢、「石」は弩の矢のことで、全て武器のこと。
奔逸絶塵(ほんいつぜつじん)
非常に速く走ること。 「奔逸」は走って逃げること。 「絶塵」は塵を一つも立てないほど速く走ること。 「奔佚絶塵」とも書く。
傍若無人(ぼうじゃくぶじん)
公の場であるにもかかわらず、周りに人がいないかのように、他人の迷惑を考えない好き勝手な行動をすること。 「傍(かたわら)に人(ひと)無(な)きが若(ごと)し」と訓読する。 「旁若無人」とも書く。
望塵之拝(ぼうじんのはい)
身分の高い人や権力のある人に気に入られようと振る舞うこと。または、遅れを取ること。 「望」は後ろから眺めること。 「塵」は車が動くときに巻き起こす砂埃。 中国の西晋の時代の人物、藩岳は当時強い権力を持っていた賈謐に媚びへつらい、賈謐の乗った車が去るときには、車が巻き起こした砂埃の中でいつまでもお辞儀をしていたという故事から。
木人石心(ぼくじんせきしん)
薄情で冷酷な人のたとえ。または、意思が固く、頑固な人のこと。 体が木でできていて、心が石でできているという意味から。
無常迅速(むじょうじんそく)
人の世の移り変わりは、この上なく速くてはかないということ。 「無常」は仏教語で世の中は変化がとても速くて変化しないものはないということ。または、人の命ははかないということ。 「迅速」は非常に速い様子のこと。
名声籍甚(めいせいせきじん)
よい評判が世の中に広く知られるようになること。 「籍甚」はよい評判が極めて高くなること。 「名声藉甚」とも書く。
問柳尋花(もんりゅうじんか)
花や柳を探しながら景色を楽しむことから、春の景色を楽しむこと。 または、花や柳を遊女や芸妓にたとえて、色町で遊ぶこと。 「柳を問い、花を尋ねる」とも読む。 「尋花問柳」ともいう。
遊刃余地(ゆうじんよち)
余裕をもって物事に取り組むことのたとえ。 「遊刃」は包丁を巧みに扱うこと。 料理の名人である庖丁(ほうてい)は、肉と骨の間を巧みに切り分ける技術を持っていたため、余裕を持って牛を解体することができたという故事から。
勇猛精進(ゆうもうしょうじん)
精力的に物事に取り組むこと。 困難を克服し、一心に仏道修行をすること。 「勇猛」は勇ましく猛々しいさま。 「精進」は精神を打ち込んで励むこと。 「精進勇猛」ともいう。
涼風一陣(りょうふういちじん)
涼しい風が吹き抜けること。 「涼風」はさわやかで涼しい風。 「一陣」は雨や風がひとしきり吹き抜けること。
淋漓尽致(りんりじんち)
詩や文章に勢いがあり、思いの全てが込められていること。 「淋漓」は非常に勢いのある様子。 「尽致」は思いの全てを表現すること。
和光同塵(わこうどうじん)
俗世で目立たないように、才能や徳を隠して暮らすこと。 仏教では、仏や菩薩が衆生を救うために、本来の姿を隠して、煩悩の塵をまとって、俗世に現れること。 「和光」は、才能の光を和らげ目立たないように隠すこと、「同塵」は、俗世間に合わせるという意味。