泣斬馬謖とは

四字熟語 | 泣斬馬謖 |
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読み方 | きゅうざんばしょく |
意味 | 法や規律を私情で曲げるべきではないということのたとえ。
または、大きな目的を果たすために私情を捨てること。 最も信頼している部下でも、法や規律を犯せば処罰するという意味から。 「馬謖」は中国の三国時代の人の名前。 中国の三国時代の蜀の諸葛亮が信頼を置いていた馬謖は、命令違反をして敗退したために、私情を捨て、涙をのんで軍規に従い処刑したという故事から。 「泣いて馬謖を斬る」とも読み、この形で使うことが多い言葉。 |
出典 | 『三国志』「蜀志・馬謖伝」 |
漢検級 | 1級 |
場面用途 | ことわざ |
使用されている漢字
「泣」を含む四字熟語
飲泣呑声(いんきゅうどんせい)
悲しみや苦しみなどの辛い気持ちを我慢すること。 涙を飲み込んで、泣き声を我慢するという意味から。 「泣を飲んで声を呑む」とも読む。
泣血漣如(きゅうけつれんじょ)
深い悲しみで涙が流れ続けること。 「泣血」は涙が出なくなり、血の涙を流すこと。 「漣」は涙が流れること、「如」は様子や状態を表す助字。
哭岐泣練(こくききゅうれん)
心がけや習慣次第で、人は悪人にも善人にもなるということ。 「哭」は大きな声で泣くこと。 「岐」は分かれ道。 「練」は白い糸。 「哭岐」は楊朱が分かれ道を見て、どちらにも行くことができると気づいて泣いたという故事から。 「泣練」は墨子が白い糸を見て、何色にも染めることができると気づいて泣いたという故事から。 どちらも好きなように選ぶことができ、その選択次第で結果が変わるということをいう。 「岐に哭き練に泣く」とも読む。 「哭逵泣練」とも書く。
狐死兎泣(こしときゅう)
仲間の不幸を悲しみ、同情すること。 「狐」と「兎」は徳の低い人、悪人のたとえ。 悪人同士が悲しみ合うことをいう。 「狐死して兎泣く」とも読む。
椎心泣血(ついしんきゅうけつ)
激しく怒り悲しむこと。 「椎心」は怒りや悲しみのあまりに、自分の胸を拳でたたくこと。 「泣血」は涙が枯れて血が出るほどに、激しく泣き悲しむこと。 「心を椎ちて泣血す」とも読む。
伯兪泣杖(はくゆきゅうじょう)
両親が年をとって衰えたことに気がつき、悲しむこと。 「伯兪」は中国の漢の時代の人の名前。 「杖」は鞭のこと。 親孝行で知られていた伯兪は、過ちの罰として母親に鞭でたたかれたが、少しも痛みを感じなかったことに母親が老いて衰えたことを感じて泣いたという故事から。 「伯兪杖に泣く」とも読む。 「伯瑜泣杖」とも書く。
「斬」を含む四字熟語
泣斬馬謖(きゅうざんばしょく)
斬衰斉衰(ざんさいしさい)
親しい関係の人の死んだ時に使う喪服。 「斬衰」は縁を縫っていない喪服で、君主や父親が死んだ時に使う、最も重い三年の喪の期間に着る服。 「斉衰」は縁を縫っている喪服で、母親や妻が死んだ時に使う、二番目に重い一年の喪の期間に着る服。
斬新奇抜(ざんしんきばつ)
物事の思いつきがこれまでにないほど新しく、独特なこと。 「斬新」は今までになく新しいこと。 「奇抜」は他の人が思いつきもしない、変わっていること。
斬釘截鉄(ざんていせってつ)
毅然とした態度で、強い決断力があること。 「斬」と「截」はどちらも断ち切るということ。 釘や鉄を断ち切るという意味から。 元は禅宗の言葉で、妄想や煩悩などの迷いをすっぱりと断ち切ることをいう。 「釘を斬り鉄を截つ」とも読む。
先斬後奏(せんざんこうそう)
指示を受ける前に問題を解決して、解決した後に上の人に報告すること。 規則を破った人を処罰し、その後君主に報告するという意味から。 「斬」は切り殺すという意味から、処罰すること。 「奏」は上の立場の人に申し上げること、上奏すること。 「先ず斬りて後奏す」とも読む。
披荊斬棘(ひけいざんきょく)
困難を克服しながら前進すること。 「披」と「斬」はどちらも切り開く、「荊」と「棘」はどちらもいばらのことで、いばらの道を切り開いて先にすすむという意味から。
「馬」を含む四字熟語
衣馬軽肥(いばけいひ)
身分が高く財産がある人の服装。 または、常にとても富貴な様子。 肥え太った立派な馬と、軽くて高級で丈夫な皮ごろもということから。
倚馬七紙(いばしちし)
素晴らしい文章をあっという間に書き上げる才能。 「倚馬」は馬の近くにたったままでいること。 「七紙」は紙七枚におよぶ長い文章。 中国の晋の時代、哀虎は主君の桓温に布告の文を書くように言われ、馬の前にたったまま、あっという間に紙七枚にわたる名文を書き上げたという故事から。
意馬心猿(いばしんえん)
煩悩や情欲などの欲望に、心を乱されて落ち着かないこと。 または、そのような欲望を抑えることができないことのたとえ。 「意馬」は馬が興奮して暴れまわるように、気持ちが落ち着かないこと。 「心猿」は激しく騒ぐ猿のように、気持ちが落ち着かないこと。 乱れて落ち着かない気持ちを、走り回る馬や騒ぎ立てる猿にたとえた仏教の言葉。 「心猿意馬」ともいう。
以毛相馬(いもうそうば)
外見で人を判断することはできないということ。 馬の毛の色ですぐれた馬を見分けようとするという意味から。 「毛を以て馬を相す」とも読む。
飲馬投銭(いんばとうせん)
心も行いも清く正しいこと。 馬が水を飲むたびに、自主的に代金を水に投げ込むということから。 「馬に飲い銭を投ず」とも読む。
烏白馬角(うはくばかく)
絶対にあるはずがないこと。 「烏白」は頭の色が白い烏、「馬角」は角の生えている馬のことで、そのような動物は存在しないということから。
「謖」を含む四字熟語
泣斬馬謖(きゅうざんばしょく)