越鳥南枝について

四字熟語 | 越鳥南枝 |
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読み方 | えっちょうなんし |
意味 | 故郷を懐かしみ忘れがたく思う気持ちのたとえ。 「越鳥」は中国の南方にある越の国から渡ってきた鳥。 「南枝」は南に向かって伸びている木の枝。 南方にある越の国から渡ってきた鳥は、南に向かって伸びている木の枝に巣を作るという意味から。 「越鳥は南枝に巣くう」を略した言葉。 |
出典 | 『文選』「古詩十九首」 |
類義語 | 狐死首丘(こししゅきゅう) |
胡馬北風(こばほくふう) | |
蓴羹鱸膾(じゅんこうろかい) | |
池魚故淵(ちぎょこえん) |
使用されている漢字
「越」を含む四字熟語
越権行為(えっけんこうい)
与えられた権限を越えた行いのこと。 「越権」は自分に許されている権限を越えること。
越俎代庖(えっそだいほう)
自分の出過ぎた行いによって、他人の権限を侵す罪のこと。 「俎」はまな板のこと。 「庖」は料理、または、料理人のこと。 古代中国で尭帝が許由に天下を譲ろうとしたとき、許由は「人は分を守ることが大切で、たとえ料理人が神に供える料理をうまく作らなかったとしても、神主が料理人に代わって料理を作るべきではない」と言って断った故事から。
越俎之罪(えっそのつみ)
自分の出過ぎた行いによって、他人の権限を侵す罪のこと。 「俎」はまな板のこと。 古代中国で尭帝が許由に天下を譲ろうとしたとき、許由は「人は分を守ることが大切で、たとえ料理人が神に供える料理をうまく作らなかったとしても、神主が料理人に代わって料理を作るべきではない」と言って断った故事から。
越畔之思(えっぱんのおもい)
自分の領分を守り、他者の領域を侵さないように心がけること。 「越畔」は田畑の境界である畦(あぜ)を越えること。 畦を越えて他者の田畑に踏みこむことのないように心がけることをいった言葉。
越鳧楚乙(えつふそいつ)
場所や人が違えば、同じものでも呼び名が違うことのたとえ。 「越」と「楚」は古代中国の国の名前。 「鳧」は鴨(かも)のこと。「乙」は燕(つばめ)のこと。 空高く飛んでいる鴻(おおとり)を見て、越の国の人は鴨であると言い、楚の国の人は燕であると言ったという故事から。
肝胆胡越(かんたんこえつ)
そっくりなものでも、見方によっては違うものに見えるということ。 または、非常に近い関係の者の交際が途絶えがちになることのたとえ。 「肝胆」は内臓の肝臓と胆嚢。 「胡」と「越」は中国の国の名前で、胡は北方にあり、越は西方にあった。 異なる物という観点から見れば、体の中で隣り合っている肝臓と胆嚢も、楚と越の国のように離れているように思えるという意味から。
「鳥」を含む四字熟語
一石二鳥(いっせきにちょう)
一度の行動で二つの利益を得ること。 または、一度の行動で、同時に二つの目的を達成すること。 「一石」は一つの石を投げること。 「二鳥」は二羽の鳥を捕まえること。 一つの石を投げて、二羽の鳥を同時に捕まえるという意味から。 英語のことわざを日本語に訳した言葉。
烏鳥私情(うちょうのしじょう)
親孝行して恩返しをしたい気持ちのことを謙遜していう言葉。 「烏鳥」はからすのこと。 「私情」は自分の気持ち。 からすは育ててもらった恩に親に口移しで餌を食べさせるということから。
雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)
そこに存在していた痕跡すら完全に消え去ってしまうこと。 雲が散るように、鳥が消え去るように完全に消え去るという意味から。
蟹行鳥跡(かいこうちょうせき)
西洋の書物と漢文の書物のこと。 または、書物の総称。 「蟹行」は蟹が横向きに歩くように、横向きの文字ということから、西洋の文字のこと。 「鳥跡」は鳥の足跡を見て文字を作ったという故事から、漢字のこと。
花鳥諷詠(かちょうふうえい)
四季の移り変わりなどの自然の世界の事象と、それに影響される人間の世界の事象を、客観的にそのまま詠むべきであるとする俳句の理念の一つ。 「花鳥」は『花鳥風月』を略したもので、自然のたとえ。 「諷詠」は詩歌を詠ったり作ったりすること。 高浜虚子が提唱し、ホトトギス派の基本的な理念となったもの。
花鳥風月(かちょうふうげつ)
季節によって変わる美しい自然の風景。または、そのような自然の風景を題材にして、書画や詩歌を作って楽しむこと。 「花鳥」は花と鳥、「風月」は風と月のこと。 代表的な自然の風物を並べた言葉。
「南」を含む四字熟語
子見南子(しけんなんし)
礼の道を守るために、周りに惑わされず自分の考えを信じること。 「南子」は、衛の国王霊公の夫人。 孔子は、衛の国王霊公に招かれた際、夫人の南子に謁見することが礼の道と考えたが、弟子の子路は南子の素行の悪さから謁見を嫌がり不快に思った。 しかし孔子は「私にやましいところがあれば天が私を見捨てるだろう」と誓いを立て、考えを変えなかったという故事から。
終南捷径(しゅうなんしょうけい)
正規の試験などをすることなく官職につくこと。または、終南山には仕官への近道があるということ。 「終南」は長安の南にある山の終南山のこと。 「捷径」は近道、最短距離の道のこと。 終南山で隠居していた盧蔵用が、則天武后に召されて官職を得た故事から、終南山で隠者のふりをすることで名声が上がって仕官への近道になるという意味。
楚囚南冠(そしゅうなんかん)
捕虜として捕らわれていても、祖国のことを忘れないこと。 または、捕らわれて他国にいる人のこと。 「楚囚」は他国に捕らわれた楚の国の人。 「南冠」は南方にある国の様式の冠で、この場合の南方は楚の国のことをいう。 中国の春秋時代、楚の鐘儀は晋に捕らえられていても、祖国である楚の国の冠をいつも被っていたという故事から。
東西南北(とうざいなんぼく)
方位の東、西、南、北のこと。または、周囲の全ての方向のこと。
斗南一人(となんのいちにん)
この世で最もすぐれている人のこと。 「斗南」は星座の北斗七星よりも南という意味から、天下という意味。 天下で並ぶ人がいないほどすぐれているということから。
図南鵬翼(となんのほうよく)
大事業や海外進出などの大きな計画を立てること。 大きな目標を立てて、その目標を達成しようとすることをいう。 「図南」は南の海へ行こうと計画すること。 「鵬」は伝説の大きな鳥。 鵬が南の海を目指して飛びたったという説話から。
「枝」を含む四字熟語
一枝巣林(いっしそうりん)
分相応の暮らしに満足すること。 「一枝」は一本の枝。 「巣林」は林に巣を作ること。 鳥が林に巣を作っても、自分たちが使うのは一本の枝だけということから。
強幹弱枝(きょうかんじゃくし)
中央の政府に権力を集中して強くして、地方の権限を抑えて弱くすること。 「幹」を中央政府に、「枝」を地方政権にたとえて、幹を強くして枝を弱くするということから。 「幹を強くし枝を弱くす」とも読む。
金枝玉葉(きんしぎょくよう)
天子の一族や子孫のこと。 「金」と「玉」はどちらも身分が高く、気品があることのたとえ。 「枝」と「葉」は子孫のたとえ。 元は雲や樹などの美しさをいう言葉。
玉葉金枝(ぎょくようきんし)
天子の一族や子孫のこと。 「玉」と「金」はどちらも身分が高く、気品があることのたとえ。 「葉」と「枝」は子孫のたとえ。 元は雲や樹などの美しさをいう言葉。
瓊枝玉葉(けいしぎょくよう)
天子の一族のこと。または、身分の高い家の子弟のこと。 「瓊」と「玉」は身分が高いこと、高貴であることのたとえ。 「枝」と「葉」は子孫という意味。
瓊枝栴檀(けいしせんだん)
徳のある人のこと。または、すばらしい詩文のたとえ。 「瓊枝」は玉を生み出すという木。 「栴檀」は白檀という名前の香木の別名のこと。