「とう」を含む四字熟語
「とう」を含む四字熟語 — 332 件
愛月撤灯(あいげつてっとう)
物を極度に大事にし、過剰な愛情を注ぐこと。 「愛月」は月を愛すること。 「撤灯」は光源となる灯りを撤去すること。 中国の唐の蘇テイは、酒を飲みながら詩を作る宴席で、月明かりがとても美しかったので、灯りを撤去させたという故事から。 「月を愛して灯(ともしび)を撤(てっ)す」とも読む。
悪逆無道(あくぎゃくぶとう)
人の道をはずれた計り知れないほどの悪行のこと。 「悪逆」は律令法の八逆の中の一つで親族殺しのこと。 「無道」は人としての道理にはずれていること。
悪戦苦闘(あくせんくとう)
困難な状況の中で強敵と決死の覚悟で戦うこと。 または、困難に打ち勝つために必死に努力すること。 「悪戦」は自分に不利な状況で戦うという意味。
悪木盗泉(あくぼくとうせん)
困窮したとしても人としての道理を外れた行いはしないこと。 または、悪事に近づかないこと。 「悪木」はとげやにおいがあり人を困らせる悪い木、「盗泉」は泉の名前で、孔子が名前を嫌い喉が渇いていても水を飲まなかった泉。
以一当千(いいつとうせん)
一人で千人と同等の働きをすること。 または、一つのものが千のものの代わりになること。 「一(いつ)を以(もっ)て千(せん)に当(あ)つ」とも読む。
位階勲等(いかいくんとう)
功績のあるものに贈られる位と、その勲章の等級。 「位階」は律令制での官僚の序列の標示。 「勲等」は国や社会に対して、功績のある人を褒め称えて与えられる、地位や称号などの栄典。
意気投合(いきとうごう)
気持ちや考えが一致すること。または、気が合うこと。 「意気」は気持ちや考え、「投合」は一致するという意味。
一韻到底(いちいんとうてい)
漢詩における古詩の技巧で、初めから終わりまで一つの韻で通すこと。 「韻」は詩のリズムや響きを美しくするために同じ響きの漢字をおくこと。 「到底」は最初から最後までの意。
一族郎党(いちぞくろうとう)
血縁関係のある家族や親族とそれらに付き従う家来のこと。 または、権力のある者やその者に付き従い利益を分けあう者たちのこと。 「一族」は血縁者の総称。「郎党」は家臣のこと。 「一族郎等」とも書く。
一人当千(いちにんとうせん)
非常に大きな力、勇気があること。 または、そのような人。 一人が千人と同等の力を持っている意味から。 「一人(いちにん)千人に当たる」とも読む。
一味徒党(いちみととう)
同じ志や目的のために集まること。また、その仲間のこと。 「一味」は同じ目的をもつ同志、仲間のこと。 「徒党」も仲間を表すが、多くは悪い仲間のことをいう。
一味郎党(いちみろうとう)
同じ志や目的のために集まること。また、その仲間、同志のこと。 「一味」は同じ目的をもつ同志、仲間のこと。
一問一答(いちもんいっとう)
一つの質問、設問に対して一つの解答をすること。また、その形式のこと。
一力当先(いちりょくとうせん)
自身の力だけで、先頭で敵に当たること。 「一力」は自身の力。 「当先」は真っ先に敵と当たること。
一騎当千(いっきとうせん)
並外れた能力を持つ勇敢な人のこと。 または、ずば抜けた能力や経験を持つ人のこと。 「一騎」は一人の騎兵、「当千」は千人の敵と当たることで、一人で千人の敵と戦うことが出来るほど強いという意味から。
一刀三礼(いっとうさんらい)
慎みを持って、深く敬いながら仕事をすること。 仏像を作るときは、一彫りごとに三回礼拝するという意味から。
一刀両断(いっとうりょうだん)
ためらうことなく、物事をすぐさま決断すること。 または、思い切りよく、物事の始末をつけること。 「一刀」は刀を一度振り下ろすこと。 「両断」は二つに切断すること。 刀を一度振り下ろし、真っ二つに切断するという意味から。 「一刀両段」とも書く。
以湯止沸(いとうしふつ)
対処の方法を間違えたために、事態が更に悪くなること。 沸騰している湯の勢いを弱めるために、沸騰している湯を注ぐということから。 「湯(ゆ)を以(もっ)て沸(ふつ)を止(とど)む」とも読む。
意到筆随(いとうひつずい)
文章を作るときに、思ったままに筆が進むこと。 文章を書きたいと思う気持ちのままに筆が進むという意味から。 「意(い)至りて筆(ふで)随(したが)う」とも読む。
以湯沃雪(いとうようせつ)
極めて簡単に物事ができること。 湯をかけて雪をとかすという意味から。 「湯(ゆ)を以(もっ)て雪(ゆき)に沃(そそ)ぐ」とも読む。
意路不倒(いろふとう)
人の考えでは理解することのできない不思議なこと。 または、悟りの境地は人の思考や論理では理解できないということ。 「意路」は思考の筋道。
飲馬投銭(いんばとうせん)
心も行いも清く正しいこと。 馬が水を飲むたびに、自主的に代金を水に投げ込むということから。 「馬に飲(みずか)い銭(ぜに)を投ず」とも読む。
羽化登仙(うかとうせん)
酒に酔うなどして天に昇天するような心地良さになることのたとえ。 羽が生えて仙人になり昇天するという古代中国の信仰から。
禹湯文武(うとうぶんぶ)
夏、殷、周の三代の王朝の始祖とされる人物の名前。 「禹」は夏王朝の禹王。 「湯」は殷王朝の湯王。 「文」と「武」は周王朝の文王と武王のこと。 どの人物も古代中国の聖天子とされている。
雲濤煙浪(うんとうえんろう)
遠く水平線で連なって見える雲と波。 「濤」と「浪」は大きな波。 「煙」は霞のこと。 海が大きく広いことを言い表す言葉。 「雲濤烟浪」とも書く。
燕頷虎頭(えんがんことう)
武勇に秀でた、勇ましい武者の容姿のたとえ。 または、遠い国の諸侯となる人の容姿のたとえ。 燕のような顎と、虎のような頭のことで、武勇に秀でた人物の骨相をいう。 中国の後漢の班超は筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと占い師に聞くと、遠い地域で諸侯になる人相だと言われ、万里の長城の外で武功を上げ、定遠侯に封じられたという故事から。
燕頷投筆(えんがんとうひつ)
思い切った決意をして志を立てること。 または、文章を書く仕事をやめて、武の道に進むこと。 「燕頷」は燕のような顎という意味で、強く勇ましい人の人相。 「投筆」は筆を捨てること。 中国の後漢の班超は、筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと思い、筆書の仕事を止めて武将になったという故事から。 「燕頷(えんがん)筆を投ず」とも読む。
掩耳盗鐘(えんじとうしょう)
浅はかな考えで、自分で自分を欺くことのたとえ。 または、自分の良心を騙して、そのことを考えないようにしながら悪事を働くこと。 または、隠していた悪事がいつのまにか知れ渡ること。 「掩耳」は耳をふさぐこと。 男が大きな鐘を盗んだが、重くて持って帰ることができず、割って小さくして持って帰ろうと槌で打つと大きな音がして、他人に気付かれることを恐れた男は慌てて自分の耳を塞いだという故事から。 「耳(みみ)を掩(おお)いて鐘(かね)を盗む」とも読む。
鉛刀一割(えんとういっかつ)
普通の人でも力を発揮する時があることのたとえ。 または、二度使うことができないことのたとえ。 切れ味の悪い鉛の刀でも、一回切るくらいは使えるという意味から。 主に少しでも力になりたいということを謙遜していうときに使う言葉。
円頭方足(えんとうほうそく)
人間のこと。 「円頭」は丸い頭。 「方足」は四角い足。 古代中国では、頭は天を、足は大地をかたどっており、人と天地は似ている存在と考えられていたことから。 「円首方足」「円顱方趾(円顱方址)」「方趾円顱(方址円顱)」ともいう。
桜梅桃李(おうばいとうり)
桜(さくら)、梅(うめ)、桃(もも)、李(すもも)がそれぞれ独自の花を咲かせるように、人もまた、自分らしさや個性を大切にし、それぞれの特性を活かして生きるべきであるという考え。
回山倒海(かいざんとうかい)
山をころがし、海をひっくり返すほど勢いが盛んなこと。
誨盗誨淫(かいとうかいいん)
人を悪事に誘い入れること。 「誨」は教えること。「盗」は盗みのこと。「淫」はみだらなこと。 盗みや淫らなことを教えるという意味から。 もとは「戸締りを怠ることは盗みをけしかけるようなものであり、女性の色気のある仕草は人をみだらな気持ちにさせるようなものである」という戒めの言葉。 「誨淫誨盗」ともいう。
改頭換面(かいとうかんめん)
見た目は変化しても中身が何も変わっていないこと。 「改頭」は頭を新しいものに変えること。 「換面」は顔を新しいものに換えること。 「頭(こうべ)を改め面を換(か)う」とも読む。
快刀乱麻(かいとうらんま)
複雑な問題を見事に解決すること。 「快刀」はよく切れる刀のこと。 「乱麻」は絡まった麻の糸のこと。 絡まった麻の糸を刀で綺麗に断ち切るという意味から。
開門揖盗(かいもんゆうとう)
自分自身で原因を作って、災いを招き入れること。 「揖盗」は泥棒を会釈して招き入れること。 自宅の門を自ら開けて、会釈して泥棒を招き入れるという意味から。 「門(もん)を開いて盗(とう)に揖(ゆう)す」とも読む。
夏下冬上(かかとうじょう)
炭に火をおこす上手い方法のこと。 種火は夏には炭の下に置き、冬には上に置くとよいということ。
加持祈祷(かじきとう)
病気や災難から身を守るためや、願いを叶えるために神や仏に祈ること。 「加持」は仏の加護を祈る、密教の法。 「祈祷」は神や仏に祈ること。 「祈祷」は「祈禱」とも書く。
華如桃李(かじょとうり)
女性の容姿が非常に美しい様子。 桃やスモモの花のように鮮やかで美しい様子ということから。 「華」は花のことで、華やかな様子のたとえ。 「桃」は淡い紅色の花、「李」は濃い紅色や白色の花をいうもので、どちらも華やかな様子のたとえ。また、どちらも多くの実をつけるということから豊穣の象徴とされている。 容姿の優れた男女が結婚する時の様子を詩にした言葉。 「華(はな)やかなること桃李(とうり)の如(ごと)し」とも読む。
割鶏牛刀(かっけいぎゅうとう)
ちょっとしたことに、無駄に大きな手段を使って処理すること。 牛をさばくための牛刀を使って鶏をさばくという意味から。 「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」を略した言葉。 「牛刀割鶏」ともいう。
活潑豪宕(かっぱつごうとう)
威勢がよく、度量が大きく、細かいことにこだわらない様子。 「活潑」は生き生きとしていて元気のある様子。 「豪宕」は度量が大きく、細かいことにこだわらないこと。
過当競争(かとうきょうそう)
適切な程度を超えた競い合い。 企業同士の競い合いが激しくなりすぎて、程度を超えた状態をいう。
寡頭政治(かとうせいじ)
少人数の人で政治権力を握って行う政治。 「寡頭」は少人数の支配者ということ。
河東三鳳(かとうのさんぽう)
兄弟全員が賢く、判断力に秀でていること。 「河東」は中国の山東省の地名。 「鳳」は中国の伝説上の鳥のことで、すぐれた人のたとえ。 中国の唐の時代、河東の薛収とその従子である元敬、またその族兄である徳音の三人はとてもすぐれた人物であったため、「河東三鳳」と称されたという故事から。
瓜剖豆分(かぼうとうぶん)
一つの国が小さく分裂すること。 瓜や豆を割るように小さくわかれるという意味から。
夏鑪冬扇(かろとうせん)
時期が合わず、役に立たないものや、無用な意見や才能のこと。 または、今は不要でも適切な時期が来れば役に立つようになること。 君主からの愛情や信用を失ったものや、恋人に捨てられた女性などを指す場合もある。 「夏鑪」は夏の火鉢や囲炉裏、「冬扇」は冬の扇のことで、どちらも季節外れであることから。 「夏鑪」は「夏炉」とも書く。 「冬扇夏鑪(夏炉)」ともいう。
汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)
所有している書物が非常に多いことのたとえ。 車に載せれば車を引く牛が汗をかくほど重く、家の中で積み上げれば天井の棟木に届くほど書物が多いという意味から。 「牛(うし)に汗(あせ)し棟(むなぎ)に充(み)つ」とも読む。 「充棟汗牛」ともいう。
艱苦奮闘(かんくふんとう)
苦しいなかでも力の限り戦うこと。 「艱苦」は辛く苦しい状況。 「奮闘」は力を尽くして戦うこと。
敢作敢当(かんさくかんとう)
覚悟を決めて行動すること。 または、決断して行動した結果の責任を潔く取ること。 または、その気持ちのこと。 「敢作」は「敢行」は同じ意味で、思い切って行動すること。 「当」は取り掛かること。
甘棠之愛(かんとうのあい)
すぐれた為政者を人々が慕う気持ちが深いこと。 「甘棠」はからなし、りんごの木のこと。 中国の周の召公は、善政を行った立派な為政者として人々に慕われ、召公が木蔭で休んだりんごの木を大切にして、いつまでも召公を忘れなかったという故事から。
冠履顛倒(かんりてんとう)
地位や立場などの順位が逆になっていること。 価値や秩序が乱れていることをいう。 「冠履」はかんむりと靴。 「顛倒」はひっくり返ること。 かんむりと靴が入れ替わるという意味から。 「冠履転倒」とも書く。
冠履倒易(かんりとうえき)
地位や立場などの順位が逆になっていること。 価値や秩序が乱れていることをいう。 「冠履」はかんむりと靴。 「倒易」は入れ替わること。 かんむりと靴が入れ替わるという意味から。
臥榻之側(がとうのかたわら)
自身の領域、身近にあること。 「臥榻」は寝床のことで、一番私的な場所ということから自身の領域のたとえ。 自分の領域を、他人が荒らすことを許さないというときに使うことが多い言葉。
頑石点頭(がんせきてんとう)
説得力や影響力が大きいことのたとえ。 「頑石」はただの石。 「点頭」はうなずくこと。 意思のない石ですらうなずくほどに影響力が大きいということから。 僧の道生が石を集めて説法すると、その説法を理解して石はうなずいたという故事から。
奇異荒唐(きいこうとう)
根拠がなく、とんでもないこと。 または、実現できない大きな計画を立てること。 「奇異」は普通とは違う、奇妙なこと。 「荒唐」は根拠がなく、結論やまとまりのない話や考えのこと。
機会均等(きかいきんとう)
全ての国や人などに、差別なく等しい待遇や権利を与えること。 教育や経済活動についての出発点を等しくすることをいう。 「均等」は平等という意味。
旗鼓相当(きこそうとう)
力が互角なこと。 「旗鼓」は軍旗と太鼓のことから、軍隊のたとえ。 敵と味方の力が釣り合っているという意味から。 「旗鼓(きこ)相当(あいあ)たる」とも読む。
窮猿投林(きゅうえんとうりん)
困っている状況の時には、選り好みする余裕はないということ。 または、貧しいときは職を選んでいる余裕は無いということ。 「窮猿」は逃げ場のない状況に追い込まれた猿。 「投林」は林に飛び込むこと。 逃げ場の無い状況に追い込まれた猿が、林の中に飛び込んでも、掴まるための枝を選ぶ余裕はないという意味から。 中国の東晋の李充が言った言葉とされ、貧しかった李充は将軍の参謀に薦められたが、それでは生活が成り立たないと判断して、報酬は多いが地位の低い地方官になったという故事から。
旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)
昔からの習慣や風習を守り続けること。または、昔からの習慣や風習にとらわれ、決して変えないこと。 「旧套」は昔から受け継がれている習慣や風習。 「墨守」は中国の墨子の故事から、固く守るという意味。
窮途潦倒(きゅうとろうとう)
辛い境遇の中で落ちぶれた様子。 または、望みが叶わず、がっかりしている様子。 「窮途」は行き止まりの道ということから、辛い境遇のたとえ。 「潦倒」は落ちぶれた様子。
狂瀾怒濤(きょうらんどとう)
ひどく乱れている様子。 「狂瀾」と「怒濤」はどちらも荒れ狂った大きな波のこと。 主に世の中や時代の情勢を言い表す言葉。
挙措失当(きょそしっとう)
対処の方法や振る舞いが間違っていること。 「挙措」は立ち居振る舞いや態度のこと。 「失当」は適切ではないこと。 「挙措(きょそ)、当を失す」とも読む。
金城湯池(きんじょうとうち)
守りに優れていて、他からの攻めに非常に強い城のこと。 または、防備がしっかりしていて、簡単に入り込めない勢力範囲のこと。 「金城」は金属で作られた城壁のこと。 「湯池」は熱湯が張られている堀のこと。 一般的な土や石で作られた城壁と水が張られている堀をさらに侵入しにくくしたもの。
欺世盗名(ぎせいとうめい)
世間を偽って、実質よりも大きな名声を得ること。 「盗名」は不適切な名声を手に入れること。 「世を欺(あざむ)き名(な)を盗む」とも読む。
銀河倒瀉(ぎんがとうしゃ)
大きくて立派な滝を言い表す言葉。 または、雨が激しく降る様子を言い表す言葉。 「銀河」は天の川。 「倒瀉」は逆さまになって流れ落ちてくること。 銀河が地上に降り注ぐという意味から。 「銀河(ぎんが)、倒(さか)しまに瀉(そそ)ぐ」とも読む。
狗頭生角(くとうせいかく)
不思議なこと。 または、あるはずがないことが起こること。 「狗」は動物の犬のこと。 犬の頭に角が生えるということから。 「犬頭(くとう)角(つの)を生ず」とも読む。
愚問愚答(ぐもんぐとう)
意味のない問答のこと。 つまらない質問と愚かな答えという意味から。
群而不党(ぐんじふとう)
すぐれた人物は、人と仲良くしても徒党を組むことはないということ。 「党」は徒党を組んで身内を優遇すること。 「群して党せず」、また「群すれども党せず」とも読む。
傾家蕩産(けいかとうさん)
財産の全てを使い果たし、全てを失うこと。 「傾家」と「蕩産」はどちらも財産を全て使って失うこと。 「家を傾(かたむ)け産(さん)を蕩(やぶ)る」とも読む。
鶏鳴狗盗(けいめいくとう)
小賢しい策略で人をおとしめようとする人やくだらない技能や芸しかない人のたとえ。 または、使い道のないような技能や芸でも役に立つことがあることのたとえ。 「鶏鳴」は鶏の鳴き声の真似をすること。 「狗盗」は犬のようにこっそりと物を盗むことで、人を騙したり卑しい行為をしたりする人のたとえ。 戦国時代、斉の孟嘗君が捕らえられていたときに、鶏の鳴き真似のうまい者と犬のようにうまく物を盗む者の二人を利用して逃げ延びたという故事から。
剣山刀樹(けんざんとうじゅ)
地獄にあるとされている、剣の山と刀の林のこと。 「剣山」は刃を上に向けて立てた山のこと。 「刀樹」は刀が葉になっている木がたくさん生えている林のこと。
懸頭刺股(けんとうしこ)
苦労しながらも勉学に励むこと。 「懸頭」は縄を首にかけること。 「刺股」は穴をあけるための錐(きり)でふとももを刺すこと。 中国の漢の時代の楚の孫敬は、勉強をしているときに眠らないように、天井から下げた縄を首にかけて眠るとしまるようにして勉強を続けたという故事と、中国の戦国時代の蘇秦が眠くなるとふとももを錐で刺して、眠気を覚ましながら勉強したという二つの故事から。 「頭(こうべ)を懸(か)け股(もも)を刺す」とも読む。 「刺股懸頭」ともいう。
源平藤橘(げんぺいとうきつ)
日本を代表する四つの貴族をまとめていう言葉。 奈良・平安時代以降に権勢を誇った貴族で、源氏、平氏、藤原氏、橘氏をいう。
高牙大纛(こうがだいとう)
高い地位のしるしや、軍の本陣のしるしのこと。 「高牙」は象牙の飾りのついた旗で、主に本陣に立てる旗。 「大纛」は牛の尾などの飾りをさおにつるした大きな旗で、地位の高い人の車につけたり、軍の本陣に立てる旗。
好機到来(こうきとうらい)
すばらしい機会がやってくること。 「好機」は行動するのによい時期。 「到来」はやって来るという意味。
苟且偸安(こうしょとうあん)
将来のことを考えず、一時の楽に逃げること。 「苟」と「且」はどちらもいい加減に物事を扱うこと。 「偸安」は目の前にある楽なことだけを楽しむこと。 「苟偸」と略す言葉。
鉤心闘角(こうしんとうかく)
高さのある建物が密集していて、数多く建っている様子。 または、知恵を振り絞って争いをすること。 「鉤心」は車軸ということから、屋根の中心が集まっているところをいう。 「闘角」は角を突き合わせて戦うこと。 そりかえっている屋根の中心が集まって、とがった軒先が角を突き合わせて闘っているように見えるという意味から。
交頭接耳(こうとうせつじ)
他の人に聞こえないように話をすること。内緒話。 「交頭」は頭を近づけること。 「接耳」は相手の耳の近くで話をすること。 「頭(あたま)を交えて耳を接す」とも読む。
荒唐之言(こうとうのげん)
根拠の無いでたらめな話。 「荒唐」は根拠がなく、意味の無い話。
高等貧民(こうとうひんみん)
高い教養や知識、自信などを持っているが、貧しい生活をしている人。