臥竜鳳雛について

四字熟語 | 臥竜鳳雛 |
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読み方 | がりょうほうすう(がりゅうほうすう) |
意味 | 才能はあっても、機会がないために才能を発揮できない人のこと。 または、才能を発揮する機会がなく、世間に知られていない英雄や賢者のこと。 「臥竜」は寝ている竜。 「鳳雛」は中国の伝説上の鳥、鳳凰の雛。 どちらもまだ知られていない英雄や賢者、または、将来に期待されている若者のたとえとしても使われる。 中国の三国時代、有能な人材を探していた劉備に、司馬徽が諸葛亮を臥竜に、ホウ統を鳳雛にたとえてすすめたという故事から。 |
出典 | 『三国志』「蜀志・諸葛亮伝」 |
別表記 | 臥竜鳳雛(がりゅうほうすう) |
類義語 | 孔明臥竜(こうめいがりょう) |
伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう) | |
猛虎伏草(もうこふくそう) |
使用されている漢字
「臥」を含む四字熟語
臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
目的を果たすために、苦難に耐えて機会を待つこと。 「臥薪」は固い薪(たきぎ)の上で寝ること。 「嘗胆」は苦い肝(きも)をなめること。 春秋時代、呉王の夫差は固い薪の上で寝ることで、父親の敵である越王の勾践への恨みを忘れないようにし、ついには会稽山の戦いで勝利した。 その一方で、会稽山の戦いで敗北した勾践は、寝室に苦い肝を置き目覚める度にそれをなめることで敗北の恥を思い返し、ついには夫差を滅ぼしたという故事から。
臥榻之側(がとうのかたわら)
自身の領域、身近にあること。 「臥榻」は寝床のことで、一番私的な場所ということから自身の領域のたとえ。 自分の領域を、他人が荒らすことを許さないというときに使うことが多い言葉。
行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
普段の生活で行う最も基本的な動作のこと。 転じて、普段や常々という意味。 「行」は歩く、「住」は止まる、「坐」は座る、「臥」は寝ること。 仏教では、これらのことを四威儀や四儀とも言う。 「行住座臥」とも書く。
高臥東山(こうがとうざん)
世間から離れて、山奥で隠遁すること。 「高臥」は枕を高くして寝るということから、なにものからも縛られずに、好きに暮らすという意味。 「東山」は中国の浙江省にある山の名前。 晋の政治家の謝安は、何度も朝廷から出仕の要請を受けていたが、四十歳を過ぎるまで断り続けて、東山で隠遁し続けたという故事から。
侯覇臥轍(こうはがてつ)
善政を行った立派な人物の留任を願って、引き止めること。 「侯覇」は中国の後漢の人の名前。 「臥轍」は車の通り道で、人が伏して通れなくすること。 長官として善政を行った侯覇が、天子の命で都に帰ることになったが、人々が道に伏して通れなくして留任を請うたという故事から。
孔明臥竜(こうめいがりょう)
まだ世間に知られていない、素晴らしい才能をもつ人のたとえ。 「孔明」は中国の三国時代の蜀の宰相、諸葛亮のこと。 「臥竜」は川などの深いところに隠れている竜のこと。 中国の三国時代の蜀の徐庶は、劉備に諸葛亮を推挙したという故事から。
「竜」を含む四字熟語
一竜一猪(いちりょういっちょ)
努力して学ぶ人と、怠けて学ばない人との間には大きな賢愚の差ができるということ。 「竜」は賢く、成功した者のたとえ。 「猪」は豚のことで、無恥な愚な人のたとえ。 一方は竜になり、一方は豚になるということから。
一登竜門(いっとりゅうもん)
権力を持っている人に認められると、急激に世間の評判はよくなるということ。 「一登」は一回登ること。 「竜門」は中国の黄河の上流にある山のことで、非常に激しい流れの川があることで有名。 苦しく険しいことで有名な場所を一度でも登りきれば、名声を上げることが出来るということから。
雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)
英雄や豪傑などが良い時期に現れて活躍すること。 「雲蒸」は雲が沸き起こること。 「竜変」は竜が思うままに動きまわること。 舞い上がる竜は雲を沸き起こし、さらに勢いを増しながら自在に活躍するという意味から。
雲竜井蛙(うんりょうせいあ)
地位や知恵の差が非常に大きいこと。 大空を翔る竜と井戸の中にいる蛙という意味から。 竜は地位や知恵が高いことをたとえたもの、蛙は低いことをたとえたもの。
雲竜風虎(うんりょうふうこ)
似た同士が互いに引きつけ合うこと。 または、英雄や豪傑のたとえ。 竜は雲と共に現れ、虎は風を引き連れて現れると考えられていたことから。
轅門二竜(えんもんにりょう)
中国の唐の烏承ヒンと烏承恩の二人のこと。 二人が戦場ですぐれた功績をあげたことを評した言葉。 「轅門」は戦場のたとえで、二台の戦車の舵棒、轅を向かい合わせて門にしたということから。
「鳳」を含む四字熟語
鴉巣生鳳(あそうせいほう)
無能の親から頭の良い子どもが生まれること。 または、貧しい家から聡明な人がでること。 鴉(からす)の巣に伝説の瑞鳥である鳳凰が生まれるという意味から。
景星鳳凰(けいせいほうおう)
聖人や賢人がこの世に現れるという喜ばしいことの前兆のこと。 「景星」はめでたいことの証の星。 「鳳凰」は聖天子が現れる時に出現するという想像上の鳥のこと。
高鳳漂麦(こうほうひょうばく)
心を込めて学問に取り組むこと。 「高鳳」は中国の後漢の人の名前。 高鳳は妻に干した麦の番をするように頼まれたが、読書に夢中になり、雨が降って麦が流されたことに気がつかなかったという故事から。
彩鳳随鴉(さいほうずいあ)
女性が身分の劣る男性に嫁に行かされること。または、そのことに不満を持つこと。 美しい鳳が鴉に嫁ぐというたとえで、妻が夫のことをいい加減に扱うことにも用いる。
随鴉彩鳳(ずいあさいほう)
女性が自分より劣る男性のもとに嫁に行かされること。 またはそのことに不満を持つこと。 美しい鳳(おおとり)が鴉(からす)に嫁ぐというたとえ。 妻が夫のことをいい加減に扱う場合にも用いる言葉。
騰蛟起鳳(とうこうきほう)
才能が抜群にすぐれていること。 「騰蛟」は天に躍り上がる蛟竜のことで、雷雨を呼び洪水を起こすとされる伝説の竜。 「起鳳」は飛び立つ鳳凰のこと。鳳凰は伝説の鳥。
「雛」を含む四字熟語
臥竜鳳雛(がりょうほうすう)
伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)
能力を発揮する機会がないために人に知られていない英雄。 または、将来的な活躍が期待されている若者のこと。 「伏竜」は地面の中に潜って隠れている竜。 「鳳雛」は中国の伝説上の鳥、鳳凰の雛。
竜駒鳳雛(りょうくほうすう)
すぐれた才能を持っている賢い少年のこと。 「竜駒」は名馬、「鳳雛」は伝説上の鳥の鳳凰のひな。 中国の晋の詩人の陸雲は幼い頃から天才と呼ばれていて、呉の大臣の呂閔鴻が陸雲を評したという言葉から。
麟子鳳雛(りんしほうすう)
将来に期待が持てる、すぐれた資質のある子どものたとえ。 「麟子」は伝説上の霊獣の麒麟の子ども。 「鳳雛」は伝説上の霊獣の鳳凰の雛。