胡蝶之夢とは

四字熟語 | 胡蝶之夢 |
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読み方 | こちょうのゆめ |
意味 | 自分とものとの区別がなくなって、全てのものが一つのものとする万物一体の境地のこと。または、人の生がはかないことのたとえ。または、夢と現実の境がはっきりと区別できなくなること。 荘子が胡蝶になって遊ぶ夢をみて、目が覚めると夢で胡蝶になったのか、胡蝶が夢をみて自分になったのかわからなくなったという故事から。 |
出典 | 『荘子』「斉物論」 |
漢検級 | 準1級 |
場面用途 | 不明確 / 状態 / ことわざ |
類義語 | 荘周之夢(そうしゅうのゆめ) |
使用されている漢字
「胡」を含む四字熟語
肝胆胡越(かんたんこえつ)
そっくりなものでも、見方によっては違うものに見えるということ。 または、非常に近い関係の者の交際が途絶えがちになることのたとえ。 「肝胆」は内臓の肝臓と胆嚢。 「胡」と「越」は中国の国の名前で、胡は北方にあり、越は西方にあった。 異なる物という観点から見れば、体の中で隣り合っている肝臓と胆嚢も、楚と越の国のように離れているように思えるという意味から。
胡漢陵轢(こかんりょうれき)
中国の漢民族と異民族が争うこと。 「胡」は中国の北方、西方の異民族の別称。 「漢」は中国の漢民族のこと。 「陵轢」は踏みにじるという意味。
胡説乱道(こせつらんどう)
辻褄が合わないでたらめな議論や言葉。 「胡説」はでたらめな議論。 「乱道」はいい加減なことを言うこと。または、そのようなことを言って道理を乱すこと。
胡孫入袋(こそんにゅうたい)
民間にいた人が、公職についたために自由が無くなること。 または、物事を自由に行えないこと。 「胡孫」は動物の猿の別称。 猿が袋の中に入れられるという意味から。 「胡孫袋に入る」とも読む。
胡蝶之夢(こちょうのゆめ)
胡馬北風(こばほくふう)
故郷を懐かしむことのたとえ。 「胡馬」は中国の北の胡の国で生産された馬のこと。 胡馬は、北風が吹くとどこにいても風に身をまかせて、故郷を懐かしむということから。
「蝶」を含む四字熟語
「之」を含む四字熟語
阿吽之息(あうんのいき)
複数の人と同じことをするときに、お互いの調子や気持ちが一致すること。 「阿」は吐く息、「吽」は吸う息のことをいい、互いの呼吸が揃った様子をいう言葉。
阿衡之佐(あこうのさ)
賢い家臣や、宰相が政治の補佐をすること。 または、その人のこと。 「阿衡」は中国の殷の賢臣の伊尹が就いた官職の名前。 「佐」は手助けすること。
阿保之功(あほのこう)
子供を育て上げた功績。 貴族などの、高い身分の人の子の子守りをする人の功績をいう。 「阿保」は子供を危険から守ったり、一緒に遊んだりすること。
晏子之御(あんしのぎょ)
他人の権威を笠にきておごり、自らの低い地位に満足している愚か者のたとえ。 「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。 「御」は御者のこと。 晏嬰の御者は、晏嬰を乗せたことで得意気になっていたが、その姿を見た御者の妻は離縁を迫ると、御者は改心したという故事から。
帷幄之臣(いあくのしん)
参謀や軍師など、指揮官に付き従って作戦を練る部下のこと。 「帷」は垂れ幕「幄」は引き幕のこと。 昔の陣営は幕をめぐらしたことから作戦を練る場所、本陣や本営、軍部の意味。
異域之鬼(いいきのき)
祖国に帰れず異国の地で死ぬこと。またはその人の魂。 「異域」は自分の国でない国、外国。 「鬼」は死んだ人の魂のこと。 故郷から離れて、外国に留まり続けている死者の魂という意味から。
「夢」を含む四字熟語
一場春夢(いちじょうのしゅんむ)
人生の栄光や繁栄が、儚く消えてしまうことのたとえ。 「一場」はほんの短い間の意。 春の夜にみる夢のように儚いということから。
一炊之夢(いっすいのゆめ)
人の世界での繁栄は儚いということのたとえ。 または、人の人生が儚いことのたとえ。 「一炊」は一度飯を炊くこと。 唐の盧生という人が、旅の途中の邯鄲の町で、道士から出世が叶うという枕を借りて寝ると、出世して財力や権力を手に入れる夢を見た。 目が覚めると、宿の主人に頼んでいた、粟のかゆが出来上がっていないほどのわずかな時間しか過ぎていなかったという故事から。
栄華之夢(えいがのゆめ)
人の繁栄は一時的なもので、長い期間続くことはないということ。 人の栄華は夢のように儚いもので、すぐに終わるということ。
役夫之夢(えきふのゆめ)
人生の栄華や栄光は夢のように儚いということのたとえ。 「役者」は使用人のこと。 昼間は主人にこき使われている使用人が「夜は夢の中で王になって楽しんでいるから平気だ」と言ったという故事から。
華胥之夢(かしょのゆめ)
良い夢のこと。 または、昼寝のこと。 「華胥」は夢の中にある理想郷。 中国の伝説の聖天子の黄帝は、昼寝をしていると華胥という国に行く夢を見た。 華胥では、人民に不満などが何も無く、理想的な政治が行われていた。 夢から覚めた黄帝は、その国を見習った政治をすると、自国をうまく治めることができたという故事から。
邯鄲之夢(かんたんのゆめ)
人の世界での繁栄は儚いということのたとえ。 または、人の人生が儚いことのたとえ。 「邯鄲」は中国の町の名前。 唐の盧生という人が、旅の途中の邯鄲の町で、道士から出世が叶うという枕を借りて寝ると、出世して財力や権力を手に入れる夢を見た。 目が覚めると、宿の主人に頼んでいた、粟のかゆが出来上がっていないほどのわずかな時間しか過ぎていなかったという故事から。