曳尾塗中について

四字熟語 | 曳尾塗中 |
---|---|
読み方 | えいびとちゅう |
意味 | 高い地位を得て窮屈な生活をするより、低い地位でも自由に暮らすほうがよいことのたとえ。 「塗中」は泥の中という意味。 楚王から役人に登用したいと言われた壮士が、「亀は殺されて甲羅を占いに使われて尊ばれることと、泥の中をはいずりまわって自由に生きることのどちらを選ぶか」と言い断った故事から。 |
出典 | 『荘子』「秋水」 |
使用されている漢字
「曳」を含む四字熟語
「尾」を含む四字熟語
銜尾相随(かんびそうずい)
一列に連なって、切れ目なく進む様子。 「銜尾」は後ろの馬が前の馬の尾を口にくわえること。 「相随」は前のものについていくこと。 狭く険しい山道などで、まるで前の馬の尾を後ろの馬が口にくわえるように、一列に連なって進むという意味から。 「銜尾相随う」とも読む。
狗尾続貂(くびぞくちょう)
つまらない者が、権力で次々と高官になることを罵しる言葉。または、劣った者がすぐれた者のあとに続くこと。 「狗尾」は犬の尾、「貂」は動物のてんのことで、昔は高官の冠にてんの尾を飾っていた。 晋の趙王倫が力を得て、一族をみな高官にして、てんの尾で飾った冠をつけたために、てんの尾が足りなくなって、犬の尾で飾らないといけなくなると人々が罵った故事から。
虎頭蛇尾(ことうだび)
始めは勢いがあるが、終わりになるとなくなってしまうことのたとえ。 頭は大きくて立派な虎の頭だが、尾は蛇のように細く弱々しいという意味から。
虎尾春氷(こびしゅんぴょう)
極めて危険なことのたとえ。 または、危険なことをすることのたとえ。 虎の尾を踏んで、春の厚みの無い氷の上を歩くという意味から。 「虎尾春冰」とも書く。
首尾一貫(しゅびいっかん)
最初から最後まで、態度や方針を変えずに貫き通すこと。 「首」は頭という意味。 「首尾」は頭から尾までのこと。転じて、始めから終わりまでという意味。 「一貫」は貫き通すこと。
首尾貫徹(しゅびかんてつ)
初めから終わりまで態度や方針を変えないこと。 「首尾」は頭から尾までのこと。転じて、始めから終わりまでという意味。 「貫徹」は貫き通すこと。
「塗」を含む四字熟語
一敗塗地(いっぱいとち)
勝負に完全に負けること。 「塗地」は戦争で負けた兵士の内臓が地面に散乱して、泥まみれになること。 二度と起き上がることができないほどの敗北をいう。 「一敗、地に塗る」とも読む。
肝脳塗地(かんのうとち)
戦場で無残な死に方をすることのたとえ。 または、忠義を尽くすためならどんな犠牲も惜しまないことのたとえ。 「肝脳」は内臓の肝臓と脳。 「塗地」は土でひどく汚れること。 死体の内臓が土で汚れるという意味から。
殊塗同帰(しゅとどうき)
手段や方法など道筋は違っていても、結果や結論は同じところにたどり着くこと。 「殊塗」は異なる道筋のこと。 「同帰」は同じところに状態や結果が落ち着くこと。
縦塗横抹(じゅうとおうまつ)
思うままに書きなぐること。 「抹」は塗り消すこと。 縦に書いて横に消すという意味から。
塵飯塗羹(じんぱんとこう)
実際に何の役にも立たないもののこと。 「塵飯」は塵の飯。 「塗羹」は泥の吸い物。 こどもがままごと遊びで作った、見た目だけで食べられない食事ということから。
彗氾画塗(すいはんがと)
何の問題もなく簡単にできることのたとえ。 「彗氾」は水溜りを箒で掃くこと。 「画塗」は刀を使って泥に線を引くこと。
「中」を含む四字熟語
暗中飛躍(あんちゅうひやく)
ひそかに計画を立てて、見事な活躍をすること。 「飛躍」は高く飛び上がるという意味から、見事な活躍をすることのたとえ。 「暗躍(あんやく)」と省略して用いられることもある。
暗中摸索(あんちゅうもさく)
手がかりのない中で、色々と試してみること。 「暗中」は暗い場所、「摸索」は手探りで何かを探すことで、暗い場所で手の感触のみを頼りに探し物をするという意味から。 「暗中模索」とも書く。
衣帯中賛(いたいちゅうのさん)
中国南宋の文天祥という人物が、処刑されるときに帯の中に残した文章のこと。または、仁義や忠節を守り通すこと。 「衣帯中」は衣服の帯の中のこと。 「賛」は人や物事を褒め称える文体のこと。 南宋が滅ぼされていく中、南宋の文天祥は元(げん)に捕らえられ、元に仕えるように迫られたが、南宋への忠義を守り通して処刑された。 文天祥の帯の中には、死に臨む賛の文章が残されていたという故事から。
意中之人(いちゅうのひと)
心の中でひそかに思いを寄せている相手。 恋愛対象や、仕事などの適任者の候補として挙げている人を指すときに用いる。
一旅中興(いちりょちゅうこう)
衰退して滅亡しかけた国を立て直して栄えさせること。 「一旅」は五百人の兵士のこと。 「中興」は復興するという意味。 「一旅にて中興す」とも読む。
一発必中(いっぱつひっちゅう)
一度の機会で確実に成功させること。 一発の銃弾や矢を確実に命中させるということから。