「つ」で終わる四字熟語
「つ」で終わる四字熟語 — 489 件
確乎不抜(かっこふばつ)
意志がしっかりとしているため、何があっても動揺したり、平静さを失ったりしないこと。 「確乎」はしっかりと定まっていること。 「不抜」は固くて抜くことができないという意味から、しっかりとしていて動かない、動揺しないこと。 「確固不抜」とも書く。
夸父逐日(かほちくじつ)
自身の能力を弁えていない行動のこと。 または、自然に正面から向かっていく、強い意志を言い表す言葉。 中国の伝説上の夸父は、能力を弁えずに太陽に追いつこうとして追いかけたが、喉の渇きから黄河と渭水の水を飲み干しても足りず、大沢の水を飲もうとしたが、道中で喉の渇きが原因で死んだという伝説から。
干雲蔽日(かんうんへいじつ)
大きな木を言い表す言葉。 「干雲」は雲の中を押し進むこと。 「蔽日」は太陽を覆い隠すこと。 雲の中を進み、太陽を覆い隠すほどに大きいということから。 「雲を干(おか)し日を蔽(おお)う」とも読む。
寒花晩節(かんかばんせつ)
老後を全うすること。 「寒花」は冬に咲く花。 冬に咲く花は、長い期間香りを保つということから、人生を終えるまで節義を保ち続けるということのたとえ。
寒気凜冽(かんきりんれつ)
極めて寒いこと。 「凜」と「冽」はどちらも寒いという意味から、「凜冽」は非常に寒いこと。 「寒気凜烈」とも書く。
箝口結舌(かんこうけつぜつ)
口を閉じて何も言わないこと。 「箝口」と「結舌」はどちらも何も言わないことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
甘井先竭(かんせいせんけつ)
才能がある人ほど、衰退するのが早いということのたとえ。 「甘井」はうまい水の出る井戸。 うまい水が出る井戸は、人がより多く集まるために、先に水がなくなるということから。 「甘井(かんせい)、先(ま)ず竭(つ)く」とも読む。
完全無欠(かんぜんむけつ)
足りない部分や短所などが全くないこと。 「完全」と「無欠」はどちらも不足や弱点が全くないという意味。 同じ意味の言葉を重ねて強調したもの。
肝胆胡越(かんたんこえつ)
そっくりなものでも、見方によっては違うものに見えるということ。 または、非常に近い関係の者の交際が途絶えがちになることのたとえ。 「肝胆」は内臓の肝臓と胆嚢。 「胡」と「越」は中国の国の名前で、胡は北方にあり、越は西方にあった。 異なる物という観点から見れば、体の中で隣り合っている肝臓と胆嚢も、楚と越の国のように離れているように思えるという意味から。
肝胆楚越(かんたんそえつ)
そっくりなものでも、見方によっては違うものに見えるということ。 または、非常に近い関係の者の交際が途絶えがちになることのたとえ。 「肝胆」は内臓の肝臓と胆嚢。 「楚」と「越」は中国の国の名前で、楚は長江の中流にあり、越は長江の下流にあった。 異なる物という観点から見れば、体の中で隣り合っている肝臓と胆嚢も、楚と越の国のように離れているように思えるという意味から。
患得患失(かんとくかんしつ)
所持していない時は手に入れるために悩み、所持したあとには失わないために悩むということ。 「患」は悩むこと。 「得」は利益。 「失」は損失。 利益や損失に振り回される器の小さい人を言い表す言葉。 つまらない人間と共に仕事はできないと、孔子が言ったという言葉から。 「得(う)るを患(うれ)い失うを患(うれ)う」とも読む。
勧百諷一(かんぴゃくふういつ)
役に立ったり利益になることがあまりなく、悪影響を与えたり損害になったりすることのほうが多いこと。 言葉や文章についていう言葉。 元は百の贅沢を勧めて、一の節約をするということを遠回しに諫(いさ)めた言葉。 「百(ひゃく)を勧(すす)めて一(いつ)を諷(ふう)す」とも読む。
間不容髪(かんふようはつ)
何か事が起きたときに、それに合わせた行動をすぐに行うこと。 髪の毛一本を入れる隙間もないという意味から。 「間、髪を容れず」という形で使うことが多い言葉。
簡明直截(かんめいちょくせつ)
簡潔で理解しやすいこと。 「直截」は迷わずに決裁すること。 「簡明」は簡潔でわかりやすいこと。 文章や人の性質のことをいう。 「簡明直截」ともいう。
外巧内嫉(がいこうないしつ)
見た目はわからないようにしているが、心の中ではねたんでいること。 「外巧」は外見をうまく飾る、「内嫉」は心の中でねたむということ。
蓋世不抜(がいせいふばつ)
性格や才能などが、他の人と比べられないほどにすぐれていて、しっかりとしていること。 「蓋世」は世界を覆いつくすという意味から、非常にすぐれていることのたとえ。 「不抜」はしっかりとしていて、安定していること。
街談巷説(がいだんこうせつ)
世間で流れている何の根拠もない噂のこと。 「街談」と「巷説」はどちらも町中で出回っている噂話のことで、同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
顔筋柳骨(がんきんりゅうこつ)
中国の唐の時代の楷書の四大書家の二人である、顔真卿と柳公権の筆法の重要な部分。 または、それらを習得していること。 「筋」は筋肉、「骨」は骨格のことで、書道のこつや骨組みのたとえ。または、力強いことのたとえ。
頑固一徹(がんこいってつ)
自分の考えや態度をかたくなに変えようとせずに最後まで押し通すこと。または、そのような性格のこと。 「頑固」と「一徹」はどちらも考えや態度を変えずに貫き通すという意味。似ている意味の言葉を重ねて強調した言葉。
翫歳愒日(がんさいかいじつ)
無為に日々を過ごすこと。 「翫」と「愒」はどちらも貪(むさぼ)るという意味。 人々を治める者が行ってはならないことを述べたもの。 「歳を翫(むさぼ)り日を愒(むさぼ)る」とも訓読する。
頑廉懦立(がんれんだりつ)
立派な人物からよい影響を受けて、悪い人もよくなっていくということ。 「頑」は強欲なこと。 「廉」は心に汚れが無く清らかなこと。 「懦」は物事を遣り通す気構えがないこと。 「立」は目標を持つこと。 立派な人物からよい影響を受けて、欲深い人も清く正しい心になり、意気地のない人も奮起して目標を持つということから。 「伯夷の風(ふう)を聞く者は、頑夫も廉に、懦夫(だふ)も志を立つる有り」から。 伯夷は、周の時代の隠者で、清い心を持った立派な人物とされる。
危機一髪(ききいっぱつ)
「一髪」は一本の髪の毛ほどの隙間のことで、髪の毛一本ほどのわずかな差で、大変なことになる瞬間や状況という意味。
起承転結(きしょうてんけつ)
文章の構成法のこと。または、物事の順序のこと。 漢詩の詩型の一つである絶句から生まれた言葉。 絶句は「起句」「承句」「転句」「結句」の四句から成り、起句で話を提起し、承句でその話を掘り下げて、転句で話の視点を転換させ、結句で話全体をまとめるというもの。
紀事本末(きじほんまつ)
始めから終わりまで一まとめにして記述する、歴史書の書式の一つ。 南宋の歴史家の袁枢が『通鑑紀事本末』を完成させたのが始まりとされている。 「記事本末」とも書く。
既成事実(きせいじじつ)
すでに成立し、多くの人に認知されている事実や状況。 「既成」はすでに確立されている、または成り立っていること。
亀甲獣骨(きっこうじゅうこつ)
亀の甲羅と獣の骨のこと。 古代中国の殷の時代に、甲骨文字を刻んで占いの記録をしていたとされている。
吉辰良日(きっしんりょうじつ)
縁起のよい日。 「吉辰」と「良日」はどちらもよいことがある日、めでたい日という意味。
屹然特立(きつぜんとくりつ)
山などが一際高くそびえ立っていること。 「屹然」は山などが高く立っている様子。 「特立」は周囲より際立って高く立っていること。
肌肉玉雪(きにくぎょくせつ)
白く美しい女性の肌を言い表す言葉。 「玉雪」は真っ白で美しい雪のこと。 純白で美しい雪のように白い肌という意味から。
弓道八節(きゅうどうはっせつ)
弓道での弓を射る時の八つの基本動作のこと。 一つの動作を竹の節にたとえ、動作の一つ一つはしっかりと区分されているが、動作の全ては竹のように繋がっているということ。
鏡花水月(きょうかすいげつ)
目には見えても、手に取ることはできないはかないもののたとえ。 または、感じ取ることができるが言葉では表すことができない、詩文などの深い味わいのたとえ。 鏡に映る花と水に映る月のことから。 「水月鏡花」ともいう。
驕奢淫逸(きょうしゃいんいつ)
偉そうに振る舞って贅沢な暮らしをして、女性に溺れること。 または、その様子。 「驕奢」は調子に乗って贅沢をすること。 「淫逸」は性的に乱れた暮らしをすること。 「驕奢淫佚」とも書く。
凶終隙末(きょうしゅうげきまつ)
仲良く付き合っていた関係が、最後には争い合う関係になることがよくあるということ。 「凶終」は最終的に相手を傷つけるような、激しい争いになるということ。 「隙末」は不仲になること。 中国の戦国時代の秦の張耳と陳余や、漢の蕭育と朱博は非常に仲がよかったが、最終的に殺し合いをする間柄になったという故事から。 「終わりを凶にし末(すえ)に隙(げき)あらしむ」とも読む。
去華就実(きょかしゅうじつ)
見た目だけを着飾ることを止めて、真面目な態度をとること。 花を捨てて実を取るという意味で、見た目よりも中身を大切にするということ。 「華(か)を去り実(じつ)に就く」とも読む。
虚虚実実(きょきょじつじつ)
互いに策略の全てを出して、全力で戦うこと。または、嘘と真を混ぜ合わせながら、互いに腹の内を探り合うこと。 「虚」は相手の弱い部分、「実」は相手の強い部分。 強い部分を避けて、弱い部分を攻めるということから 「虚」と「実」をそれぞれ重ねて意味を強調した言葉。 「虚々実々」とも書く。
局外中立(きょくがいちゅうりつ)
対立している勢力のどちらにも側にもつかない、公平な立場をとること。 「局外」は状況の外にいること。 交戦中の国のどちらにも関係を持たず、どちらにも影響を与えないようにする公平な立場という意味から。
挙止迂拙(きょしうせつ)
立ち居振る舞いがぎこちないこと。 「挙止」は動作、立ち居振る舞いのこと。 「迂拙」は不器用なこと。または、役に立たないこと。
虚誕妄説(きょたんもうせつ)
根拠のない、嘘の言説。 または、でたらめなことを好き勝手に話すこと。 「虚誕」は大げさな嘘。 「妄説」は根拠がない言説。
金甌無欠(きんおうむけつ)
何一つ欠けていることがない、完璧なこと。 または、一度も侵略されたことがない国のたとえ。 「金甌」は黄金で出来た瓶のことで、国や天子のたとえ。 全く欠けていない黄金の瓶ということから。 「金甌(きんおう)欠(か)くる無し」とも読む。
槿花一日(きんかいちじつ)
人の栄華は儚いということのたとえ。 「槿花」は植物のむくげの花のこと。 むくげの花は一日で散るということから。 「槿花一日の栄」という形で使うことが多い言葉。
金口木舌(きんこうぼくぜつ)
すぐれた言論で人々を指導する人のたとえ。 金属の口に、舌の形をした木製の振り子でできた大きな鐘のことで、古代中国で新しい政令を出すときにこの鐘を鳴らして人々に知らせていたということから。
巍然屹立(ぎぜんきつりつ)
人並みはずれてすぐれている人のこと。 または、山や建物が一際高く立っていること。 「巍然」は山がとても大きく高い様子。 「屹立」は一際高く立っていること。 「巍然(ぎぜん)として屹立(きつりつ)す」とも読む。
牛溲馬勃(ぎゅうしゅうばぼつ)
役に立たないもののこと。 「溲」は尿、小便。 「勃」は糞、大便。 牛の尿と馬の糞という意味から。 また一説には、「牛溲」は利尿作用があるとされる薬草のおおばこのこと。 「馬勃」は簡単に入手できるきのこの一種のほこりたけのこと。 どちらも貴重ではなく、大して役に立たないものという意味から。 「牛溲馬渤」とも書く。
牛歩戦術(ぎゅうほせんじゅつ)
故意にゆっくりと事を進めることで妨害する戦術のこと。 政策などの審議を引き延ばすために、投票の規則の範囲内で、わざとゆっくり歩いたりして時間を稼ぐ戦術をいう。
仰観俯察(ぎょうかんふさつ)
目に入るさまざまな物や現象を観察すること。 上を見上げては空に起こる現象を観察し、下を見ては土地の様子を観察するという意味から。 「俯察仰観」ともいう。
尭年舜日(ぎょうねんしゅんじつ)
世の中が平和で穏やかなこと。 「尭」と「舜」はどちらも古代中国の伝説の聖天子のこと。 尭帝と舜帝が世の中を治めていた平和な年月のことから。 「舜日尭年」ともいう。
議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)
たくさんの意見が出されて、活気のある議論がされること。 「百」は数が多いことのたとえ。
吟風弄月(ぎんぷうろうげつ)
自然の景色を題材にして、詩を詠むこと。 「吟風」は風に吹かれながら詩歌を吟じること。 「弄月」は月を眺めて楽しむこと。 「風(かぜ)に吟(ぎん)じ月を弄(もてあそ)ぶ」とも読む。
勲労功伐(くんろうこうばつ)
成果や功績のこと。または、成果や功績を上げること。 「勲」、「労」、「功」、「伐」はどれも成果や功績のこと。 人臣の功は「閲」を含めた五つ。
形銷骨立(けいしょうこつりつ)
疲労で痩せ衰え、弱りきっている様子。 「形銷」は痩せ衰えること。 「骨立」は痩せて骨だけになること。 体が痩せ衰えて骨だけになるという意味から。
敬神崇仏(けいしんすうぶつ)
神も仏も敬い崇めること。 「敬神」は神を敬うこと。 「崇仏」は仏を崇めること。
勁草之節(けいそうのせつ)
勁草のように強い節操や意志があること。 「勁草」は強い風でも倒れない強い草ということから。
鶏皮鶴髪(けいひかくはつ)
年老いて衰えた老人の容姿のたとえ。 鶏のように張りを失った肌と、鶴の羽のように白い髪の毛という意味から。 「鷄皮鶴髪」とも書く。
軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)
会話や文章が軽快で洗練されていること。 「軽妙」は軽やかで洗練されていること。 「洒脱」は垢抜けていて爽やかなこと。
妍姿艶質(けんしえんしつ)
華やかで美しい姿や、色っぽい身体のこと。 「妍」と「艶」はどちらも色っぽいこと。 「質」は生まれた時からもっていること。または、肉体のこと。
見性成仏(けんしょうじょうぶつ)
自身の持つ仏としての性質を見極め、悟りの境地に至ること。 「見性」は自身の本質を見極めること。 「成仏」は悟りを得て、仏になること。 禅宗の言葉で、全ての人は本質的に仏になる資質を持っているということをいう言葉。
倹存奢失(けんそんしゃしつ)
節約する人は生き残り、無駄遣いをする人は滅びるということ。 「倹(けん)は存(そん)し奢(しゃ)は失す」とも読む。
堅忍果決(けんにんかけつ)
強い意志を持って耐え続け、そうと決めると思い切りよく行うこと。 「堅忍」は意志を守り続け我慢すること。 「果決」は思い切りよく、事を行うこと。
堅忍不抜(けんにんふばつ)
辛く苦しいことがあっても我慢して、ひたすら意志を貫くこと。 「堅忍」は我慢強く、意志が固いこと。 「不抜」は抜くことが出来ないという意味から、意志が固く決して揺るがないという意味。
懸腕直筆(けんわんちょくひつ)
書道の基本的な筆の使い方のこと。 姿勢を整えて、肘を脇から離して腕を水平に上げ、筆を垂直に持つ書き方をいう。 「懸腕」は腕をつけずに浮かせること。 「直筆」は垂直に筆を持つこと。
撃排冒没(げきはいぼうぼつ)
一切を顧みずに、徹底的に攻撃すること。 「撃排」は撃退すること。 「冒」は覆って押さえつけること。 「没」は沈めること。
阮簡曠達(げんかんこうたつ)
小さなことにこだわらない、心の広いおおらかな人柄のたとえ。 「阮簡」は人の名前。 「曠達」は心が広く、小さなことにこだわらないこと。 古代中国の晋の時代にいたとされる竹林七賢の一人の阮咸の甥である阮簡は、心が広くおおらかな人格だったということから。
元気溌剌(げんきはつらつ)
生命力が満ち溢れていて、生き生きとしていること。 「元気」は事をなそうとする気持ちのこと。 「溌剌」は魚が飛び跳ねる様子のことから、生き生きとしていることのたとえ。 「元気溌溂」とも書く。
言語漏洩(げんごろうせつ)
秘密が外部に漏れること。
厳正中立(げんせいちゅうりつ)
片方に偏ることなく、どちらの敵にも味方にもならないこと。 「厳正」は公正な立場を貫くこと。 「中立」は二者の間にあっても、決してどちらの側にもつかないこと。
源平藤橘(げんぺいとうきつ)
日本を代表する四つの貴族をまとめていう言葉。 奈良・平安時代以降に権勢を誇った貴族で、源氏、平氏、藤原氏、橘氏をいう。
口角飛沫(こうかくひまつ)
口の端からつばを飛ばすほどの激しい議論のこと。
口角流沫(こうかくりゅうまつ)
盛んな勢いで議論を交わす様子。 「口角」は口の端。 「流沫」は勢いよく喋って口から唾を飛ばすこと。 口から唾が飛ぶほどに議論を交わすという意味から。 「口角(こうかく)沫(あわ)を流す」とも読む。
黄花晩節(こうかばんせつ)
年老いても、気高く立派な信念を守り続けることのたとえ。 または、年老いても健康なことのたとえ。 長寿を祝う言葉としても使われる。 「黄花」は菊の花のこと。 冬の寒い日の霜にも負けずに菊の花が咲くということから。
控馭之術(こうぎょのじゅつ)
自由を制限して、思いのままに操ること。 「控馭」は馬を思い通りに操ること。 「控御之術」とも書く。
恍恍惚惚(こうこうこつこつ)
心が強く引き付けられて、うっとりとする様子。 心を奪われてうっとりするという意味の「恍惚」という言葉を重ねて強調した言葉。 「恍恍忽忽」とも書く。
膏肓之疾(こうこうのしつ)
決して治ることのない病や、治すのが難しい病のこと。または、物事に夢中になりすぎて、やめられないこと。 「膏」は心臓の下の部分、「肓」は横隔膜の上の部分、「疾」は病気のこと。 心臓の下の部分や横隔膜の上の部分は、体の中の奥にあって、薬も鍼も届かないという意味から。 古代中国の晋の景公が病に伏しているときに、「膏の上と肓の下に病が入ってしまえば、名医でも手が出せない」と童子が話し合っている夢を見たという故事から。 「病、膏肓(こうこう)に入(い)る」とも読む。
皎皎冽冽(こうこうれつれつ)
清らかな様子。 「皎皎」は清らかな様子。または、分かりやすくはっきりしている様子。 「冽冽」は清らかで、少しの濁りもなく澄んでいること。または、寒気が厳しい様子。 朝の寒気のように清らかで、濁りもなく澄んでいる様子から。 「皓皓冽冽」とも書く。
黄裳元吉(こうしょうげんきつ)
忠義を尽くす家臣が主家に仕えると、必ずよい結果をもたらすということ。 易経の言葉で、「黄裳」は黄色のもすそのことで、「黄」は五行で中心の色とされ、天子などの高貴なものの象徴で、もすそは家臣をたとえたもの。 「元吉」は大吉のこと。 「黄裳(こうしょう)は元吉(げんきつ)なり」とも読む。
口耳講説(こうじこうせつ)
人から聞いた話を理解することなく、そのまま人に話すこと。受け売り。 耳から入ってきたものをそのまま口から出すという意味から。
孔席墨突(こうせきぼくとつ)
休む暇もないほど忙しく駆けまわること。 「孔」は儒家の孔子。 「席」は座席。 「墨」は思想家の墨子。 「突」は煙突のこと。 孔子や墨子は、道を説くために忙しく諸国を回るために、座席が暖まるほど座ることもなく、煙突に煤(すす)がつくほどかまどを使うこともないということから。 「孔席暖まらず墨突黔まず」を略した言葉。
綱断紐絶(こうだんちゅうぜつ)
国家を支えるための人材を、登用できないことのたとえ。 頼みの綱が切れてしまうことから。 「綱」と「紐」はどちらも国家を支えるための綱のこと。 「断」と「絶」はどちらも切れてしまうこと。 「綱紐断絶(こうちゅうだんぜつ)」ともいう。
光中化仏(こうちゅうけぶつ)
主となる仏像の後ろの光の部分にある小さな仏像。
膠柱鼓瑟(こうちゅうこしつ)
その場に応じた対応ができないこと。融通が利かないこと。 「膠」は接着剤の一種。 「柱」は琴と弦の間に挟んで音階を調節するためのもの。琴柱(ことじ)。 「瑟」は大きい琴。 琴柱に膠(にかわ)を塗って固定すると音程を変えることができないことから。 「柱(ことじ)に膠(にかわ)して瑟(しつ)を鼓(こ)す」とも読む。
口誅筆伐(こうちゅうひつばつ)
言葉や文章を使って、相手を非難して攻撃すること。 「誅」と「伐」はどちらも罪人を責めて攻撃すること。