隠悪揚善とは

四字熟語 | 隠悪揚善 |
---|---|
読み方 | いんあくようぜん |
意味 | 他人の悪いところは言わずに、善いところを広めること。
または、悪いことをおさえて、善いことに着目して広めること。 「隠悪」は悪い部分を隠すこと。 「揚」は世間に広く知らせるという意味。 「悪を隠して善を揚ぐ」とも、「悪を隠えて善を揚ぐ」とも読む。 |
出典 | 『中庸』「六章」 |
使用されている漢字
「隠」を含む四字熟語
隠晦曲折(いんかいきょくせつ)
文章や表現がぼんやりしていてわかりにくいこと。 「隠晦」は隠れてわからないようにすること。または、曖昧なこと。 「曲折」は曲がりくねるという意味から、状態が複雑に変化していてわかりづらいこと。
隠居放言(いんきょほうげん)
世間から離れて、身の潔白を保った上で思っていることをそのまま言うこと。 「隠居」は世間から離れた場所でひっそりと暮らして、潔白を保つこと。 「隠居して放言す」とも読む。
隠居楽道(いんきょらくどう)
世間から離れ、山奥などの静かな場所に住み、清くゆったりとした気持ちで生活すること。または、文人が街中での生活を楽しむこと。 「隠居、道を楽しむ」とも読む。
隠公左伝(いんこうさでん)
読書や勉強を続けられず、すぐに辞めてしまうこと。 「左伝」は春秋左氏伝という名前の中国の歴史書のこと。 春秋左氏伝の最初の「隠公」という記事で、読むのを辞めてしまうということから。
隠忍自重(いんにんじちょう)
怒りや苦しみなどをぐっとこらえて、軽はずみな行動をしないこと。または、そうすべきであるという戒めの言葉。 「隠忍」は表に出すことなく、耐え忍ぶこと。 「自重」は行動を控えること。
潁水隠士(えいすいのいんし)
利欲にとらわれることのない、気高く清らかな人のたとえ。 または、古代中国、潁水という川の周辺に住んでいた隠者「許由」のこと。 古代中国で尭帝が許由に天子の位を譲話をしたところ、許由は汚れた話を聞いてしまったと言い、潁水の水で耳をすすいだという故事から。
「悪」を含む四字熟語
悪衣悪食(あくいあくしょく)
粗末な着物と食事のことから、質素で貧しい生活という意味。
悪因悪果(あくいんあっか)
元は仏教語で、悪いことをすると必ず悪い報いがあるという意味。 「悪因」は悪い報いの原因、「悪果」は悪い結果や報い。 悪いことをせずに、正しいことをするべきであるという戒めの言葉。
悪因苦果(あくいんくか)
元は仏教語で、悪いことをすると必ず悪い報いがあるという意味。 「悪因」は悪い報いの原因、「苦果」は悪い結果や報いということ。 悪いことをせずに、正しいことをするべきであるという戒めの言葉。
悪逆非道(あくぎゃくひどう)
人の道をはずれた計り知れないほどの悪行のこと。 「悪逆」は律令法の八逆の中の一つで親族殺しのこと。 「非道」は人としての道理にはずれていること。
悪逆無道(あくぎゃくむどう)
人の道をはずれた計り知れないほどの悪行のこと。 「悪逆」は律令法の八逆の中の一つで親族殺しのこと。 「無道」は人としての道理にはずれていること。
悪事千里(あくじせんり)
悪い噂や悪い評判はすぐに遠くまで知れ渡るということ。 「悪事」は悪い行い、「千里」は遠くの場所という意味。
「揚」を含む四字熟語
遏悪揚善(あつあくようぜん)
悪い行いには罰則を与えて禁止し、善い行いには褒賞を与えて奨励すること。 「遏悪」は悪い行いを禁止したりとどめたりすること。 「揚善」は善い行いを奨励したり誉めたりすること。 「悪を遏(とど)め善を揚(あ)ぐ」とも読む。
意気揚揚(いきようよう)
威勢がよく誇らしげに振る舞う様子。 「揚揚」は非常に得意げな様子。
鷹揚自若(おうようじじゃく)
落ち着いていて、何事にも動揺しない様子。 「鷹揚」は余裕があり、大らかなこと。 「自若」は落ち着いていて、慌てることがないこと。
激濁揚清(げきだくようせい)
悪を取り除き、善を勧めること。 「濁」は濁った流れことで、悪のたとえ。 「清」は清らかな水のことで、善のたとえ。 悪を激流に流して、善を上に押し上げるという意味から。 「濁を激して清を揚ぐ」とも読む。 「揚清激濁」ともいう。
国威発揚(こくいはつよう)
国家が国外へ威光を示すこと。 「国威」は国家の威光を奮い立たせて、外へ示すこと。 「発揚」は勢いを盛んにすること。
士気高揚(しきこうよう)
集団のやる気や熱意、意気込みが高くなること。または高くすること。 「士気」は戦いに臨む兵士のやる気のこと。 「高揚」は気分が高まる、または、高めること。
「善」を含む四字熟語
遏悪揚善(あつあくようぜん)
悪い行いには罰則を与えて禁止し、善い行いには褒賞を与えて奨励すること。 「遏悪」は悪い行いを禁止したりとどめたりすること。 「揚善」は善い行いを奨励したり誉めたりすること。 「悪を遏(とど)め善を揚(あ)ぐ」とも読む。
為善最楽(いぜんさいらく)
善い行いをすることが一番楽しいことであるということ。 「善を為すこと最も楽し」とも読む。
嘉言善行(かげんぜんこう)
戒めとなる素晴らしい言葉と立派な行いのこと。 「嘉言」は素晴らしい言葉。 「善行」は立派なよい行い。
勧善懲悪(かんぜんちょうあく)
善い行いを奨励して、悪い行いには罰を与えること。 「勧善」は善い行いを勧めること。 「懲悪」は悪い行いを懲らしめること。 「善を勧め悪を懲らす」とも読む。 「懲悪勧善」ともいう。
強悪強善(きょうあくきょうぜん)
極悪な人物が心を入れ替えると、ものすごい善人になるということ。 または、悪に精通したものは、善にも精通しているということ。 「悪に強ければ善にも強し」とも読む。
好謀善断(こうぼうぜんだん)
しっかりと考えて、物事を正しく処理すること。 「謀」はしっかりと考えること。 「善断」はうまく処理すること。