鏡花水月について

四字熟語 | 鏡花水月 |
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読み方 | きょうかすいげつ |
意味 | 長く続かずに消えてしまいやすい幻のたとえ。または、詩文などの作品から感じ取ることができ、言葉では表すことができないほどの深い味わいのこと。 水に映る月と鏡に映る花という意味で、目で見ることは出来るが、実際に手に取ることが出来ないということから。 |
出典 | - |
類義語 | 水月鏡花(すいげつきょうか) |
水月鏡像(すいげつきょうぞう) |
使用されている漢字
「鏡」を含む四字熟語
韻鏡十年(いんきょうじゅうねん)
理解することが極めて難しいこと。 「韻鏡」は中国の唐の時代の書物で、漢字の音韻を図示した書物。 非常に難しく、理解するのには十年の歳月が必要という意味から。
虚堂懸鏡(きょどうけんきょう)
心を空にして、公平に物事を判断すること。 「虚堂」は人も物も何もない、空の部屋。 「懸鏡」は鏡を壁にかけること。 何もなく、誰もいない部屋に鏡を懸けるという意味から。 「虚堂に鏡を懸く」とも読む。
水鏡之人(すいきょうのひと)
人の手本になるような、理解力や判断力に優れている賢い人のこと。 または、事実のままに物事を観望できる公平な人のこと。 水鏡のように清廉な人物。 「水鏡」は本当の姿をそのまま映す鏡のように、静かで曇りのない水面という意味。
水月鏡花(すいげつきょうか)
目で見ることは出来るが手に取ることが出来ない、はかない幻のたとえ。 または、詩文などの作品から、感じ取ることができるが言葉では表すことができない深い味わいのこと。 水に映る月と鏡に映る花という意味。
破鏡重円(はきょうじゅうえん)
一度別れた夫婦がまた一緒になること。または、離散していた夫婦がまた会うこと。 割れた円い鏡が元の円い鏡に戻るという意味から。 徐徳は戦乱の中で鏡を二つに割って、後に再会するために妻と一つずつ持って離散したが、再会できたという故事から。
破鏡之嘆(はきょうのなげき)
夫婦が離婚する時の悲しみ。 「破鏡」は鏡を半分に割ること。 結婚する時に鏡を半分に割り、それぞれを妻と夫それぞれ片方ずつもち、妻が浮気をすると、妻の持っている鏡がカササギになって夫のところへ飛んで行き、浮気が発覚して離婚したという故事から。 「破鏡之歎」とも書く。
「花」を含む四字熟語
桜花爛漫(おうからんまん)
桜の花が開き、鮮やかに咲き乱れている様子。
解語之花(かいごのはな)
美人のたとえ。 「解語」は言葉を理解するという意味で、唐の玄宗が「蓮の花の美しさも、言葉を理解する花には及ばない」と楊貴妃をさして言った故事から。
花下曬褌(かかさいこん)
風流の心の無いたとえ。 「曬」は日光にさらすこと。 「花下(かか)に褌(ふんどし)を曬(さら)す」とも読む。
花街柳巷(かがいりゅうこう)
色町のこと。 「花街」は花が咲いている町、「柳巷」は柳の木が多くある街路のことで、遊郭には柳の木が多く植えられていたことと、花の美しさを女性にたとえたといわれている。
花顔柳腰(かがんりゅうよう)
美人を言い表す言葉。 「花顔」は花のように美しい顔。 「柳腰」は柳のように細く、しなやかな腰。
花言巧語(かげんこうご)
飾りつけただけで、内容のない言葉。 「花言」は見た目だけの内容のない言葉。 「巧語」は飾りつけただけの言葉。
「水」を含む四字熟語
以水救水(いすいきゅうすい)
間違った手段で盛んな勢いを抑えようとして、かえって勢いを強めてしまうこと。 水を注いで水の流れを止めようとするということから。 「水を以て水を救う」とも読む。
以水滅火(いすいめっか)
非常に簡単に物事ができること。 水をかけて火を消すという意味から。 「水を以て火を滅す」とも読む。
一衣帯水(いちいたいすい)
海や川が間にあって遮られているが、非常に距離が近いこと。 または、互いの関係が非常に深いこと。 陳の君主の悪政によって庶民が飢えと寒さで窮地に陥ったときに、隣国の隋の文帝が「たった一本の帯のような川(揚子江)に隔てられているからといって、民を見捨てることができるか」といって、陳の国を討伐したという故事から。
一水盈盈(いっすいえいえい)
愛する人に、言葉をかけることが出来ない苦しい思いのこと。 「一水」は一筋の川のこと。 「盈盈」は水が満ちている様子。 牽牛と織女の七夕伝説を題材に、一筋の天の河があることで、見つめるだけで会話することが出来ない切なさをうたった詩。
一水四見(いっすいしけん)
同じものを見ても、見る人が変わればそれぞれの見方があるということ。 「一水」は一つの水のこと。 「四見」は四つの見方という意味から、様々な見方のたとえ。 仏教用語。
飲水思源(いんすいしげん)
物事の基本を忘れずに大切にするべきという戒め。 または、受けた恩を忘れてはいけないという戒め。 水を飲むときに、水源のことを思うという意味から。 「水を飲むときは井戸を掘った人のことを忘れるな」という中国のことわざから。 「水を飲みて源を思う」とも読む。
「月」を含む四字熟語
愛月撤灯(あいげつてっとう)
ものを大切にして可愛がる程度が、極めて激しいこと。 「愛月」は月を愛すること。 「撤灯」は光源となる灯りを撤去すること。 中国の唐の蘇テイは、酒を飲みながら詩を作る宴席で、月明かりがとても美しかったので、灯りを撤去させたという故事から。 「月を愛して灯を撤す」とも読む。
一月三舟(いちがつさんしゅう)
仏の教えは一つなのに、受け手によりそれぞれの解釈があるということ。 同じ一つの月でも、停止している舟から見れば止まって見え、北へ動く舟から見れば北へ動いているように見え、また南へ動く舟から見れば南へ動いているように見えるということから。
一竿風月(いっかんふうげつ)
俗世にとらわれず、自然の中でのんびりと自由な生活を送ること。 「竿」は釣竿のこと。 「風月」は自然を親しみ、風流を楽しむこと。 一本の釣竿を持って、風流を楽しむということから。
雲心月性(うんしんげっせい)
清らかな心があり、地位や利益にこだわらないこと。 人の心や性質を清らかな月と雲にたとえた言葉。
雲壌月鼈(うんじょうげつべつ)
両者の違いが非常に大きいこと。 「雲壌」は天と地。 「月鼈」は月とすっぽん。 どちらも違いが大きいことのたとえとして使われる言葉。
猿猴取月(えんこうしゅげつ)
自身の地位や能力を過信して、欲を出しすぎて身を滅ぼすこと。 「猿猴」は動物の猿こと。 猿たちが木の枝から次々と尾をつかんでぶら下がって、井戸の中の水に映った月を取ろうとすると、枝が折れてしまい、猿たちは溺れ死んだという昔話から。 「猿猴月を取る」とも読む。