「う」を含む四字熟語
「う」を含む四字熟語 — 4264 件
景星鳳凰(けいせいほうおう)
聖人や賢人がこの世に現れるという喜ばしいことの前兆のこと。 「景星」はめでたいことの証の星。 「鳳凰」は聖天子が現れる時に出現するという想像上の鳥のこと。
蛍雪之功(けいせつのこう)
苦しい環境の中で勉学に励むこと。 「蛍雪」は蛍の光と雪明りのこと。 中国の人物、車胤は貧しくて灯火の油を買うことができず、蛍を集めてその光で勉強していた。 同じく貧しかった孫康は、雪明かりで勉強していたという二つの故事から。
蛍窓雪案(けいそうせつあん)
苦労して勉学に励むこと。 蛍の光と雪明かりで勉強するという意味から。 「車胤」と「孫康」という二人の人物の故事から。 晋の車胤は、灯火の油を買うことができないほど貧しかったため、蛍を集めてその光で勉強し、同じように貧しかった孫康は、雪明かりで勉強をしたという二つの故事から。 「雪案蛍窓」ともいう。
勁草之節(けいそうのせつ)
勁草のように強い節操や意志があること。 「勁草」は強い風でも倒れない強い草ということから。
傾側偃仰(けいそくえんぎょう)
世の中の流れに逆らわずに、流れのままに生きること。 「傾側」は世の流れに従って逆らわないこと。 「偃仰」は寝たり起きたりすることや、うつむいたり見上げたりするという意味から、世の中の流れのままに浮いたり沈んだりするということ。
形息名彰(けいそくめいしょう)
後の時代に名が残ること。 「形息」は肉体がなくなること。 「名彰」は名が世に知られること。 肉体がなくなっても名が世に知られるという意味から。 「形(かたち)息(や)みて名(な)彰(あらわ)る」とも読む。
髻中明珠(けいちゅうみょうしゅ)
隠された奥義のたとえ。 「髻」は束ねた髪。 法華経で説かれる七つのたとえ話の一つで、転輪聖王は束ねた髪の中に隠した宝珠を大きな功績がある者にだけ与えたとされている。
軽佻浮薄(けいちょうふはく)
言動に思慮が足りず、気持ちが浮ついている様子。 または、信念がなく、言動が軽率で周りに流されやすいこと。 「軽佻」はよく考えずに発言したり行動したりすること。 「浮薄」は気持ちに落ち着きがないこと。 「軽窕浮薄」とも書く。
兄弟鬩牆(けいていげきしょう)
兄弟が家の中で争い合うこと。または、味方と味方が争い合うこと。 「鬩」は争うこと。 「牆」は垣根のことで、家の敷地内のこと。 「兄弟(けいてい)牆(かき)に鬩(せめ)ぐ」とも読む。
桂殿蘭宮(けいでんらんきゅう)
とても美しい宮殿のこと。 「桂」は香木の名前、「蘭」は香草の名前のことで、どちらも見た目が美しく、良い香りを放つ植物。 「殿」と「宮」はどちらも建物のこと。
軽薄短小(けいはくたんしょう)
人格が薄っぺらで中身がないことを言い表す言葉。または、物の大きさが小さく、厚さが薄く、重さが軽くなっていく様子。
瓊葩綉葉(けいはしゅうよう)
美しい花と美しい葉。 「瓊葩」は宝石のように美しい花。 「綉葉」は美しい葉のこと。 「瓊葩繍葉」とも書く。
繋風捕影(けいふうほえい)
話や物事にまとまりがないことのたとえ。 風をつなぎとめて、影を捕まえることは不可能なことという意味から。 「風を繋(つな)ぎ影を捕(と)らう」とも読む。 「係風捕影」とも書く。
恵風和暢(けいふうわちょう)
心地よい風が吹いて、穏やかでなごやかにすること。 「恵風」は生物を育む恵の風。 「和暢」は穏やかでなごやかなこと。または、穏やかでなごやかにすること。
軽便信用(けいべんしんよう)
手間がかからずに得られる信用のこと。 信用を得るには、長い期間の努力の積み重ねるしかないが、これは便利で簡単に得られる信用をいう。
刑鞭蒲朽(けいべんほきゅう)
世の中が平和なことのたとえ。 刑罰用の鞭や蒲の穂が使われることなく朽ちるという意味から。 中国の後漢の官僚の劉寛は、温厚で知られ、打っても痛みの少ない蒲の穂で鞭を作り、痛みよりも恥辱を与えるようにした。 しかし、犯罪が起きなくなって、蒲の穂が使われることなく朽ちたという故事から。 「刑鞭(けいべん)蒲(ほ)朽(く)つ」とも読む。
傾盆大雨(けいぼんのたいう)
激しく降る雨、豪雨のたとえ。 「盆」は水や酒を入れるための大きい器、鉢。 鉢をひっくり返したように見えるほどの雨ということから。
軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)
会話や文章が軽快で洗練されていること。 「軽妙」は軽やかで洗練されていること。 「洒脱」は垢抜けていて爽やかなこと。
鶏鳴狗盗(けいめいくとう)
小賢しい策略で人をおとしめようとする人やくだらない技能や芸しかない人のたとえ。 または、使い道のないような技能や芸でも役に立つことがあることのたとえ。 「鶏鳴」は鶏の鳴き声の真似をすること。 「狗盗」は犬のようにこっそりと物を盗むことで、人を騙したり卑しい行為をしたりする人のたとえ。 戦国時代、斉の孟嘗君が捕らえられていたときに、鶏の鳴き真似のうまい者と犬のようにうまく物を盗む者の二人を利用して逃げ延びたという故事から。
形名参同(けいめいさんどう)
口に出して言った言葉と行動を完全に合わせること。 「形」は行動、「名」は言葉、「参同」は比較して一致させること。 中国の戦国時代、韓非子ら法家が唱えた基本的な思想で、実際に起こした行動や功績と、臣下が言ったことや地位を比較して、それが合っているかどうかで賞罰を決めること。 「刑名参同」とも書く。
兄友弟恭(けいゆうていきょう)
兄は弟に兄弟としての愛情を尽くし、弟は兄を慎み敬うこと。 「友」は兄弟としての愛情、友愛。 「恭」は敬って慎むこと、恭敬。 「兄(けい)は友(ゆう)、弟(てい)は恭(きょう)」とも読む。
勁勇無双(けいゆうぶそう)
並外れて武術にすぐれ、勇ましい様子。 「勁勇」は勇気があって、力強いこと。 「無双」は比べるものが存在しないこと。 「勁」は「きょう」とも、「無」は「む」とも読む。
傾揺解弛(けいようかいし)
気持ちが落ち着かず不安で、やるべきことがいい加減になること。 「傾揺」は不安で落ち着きがないこと。 「解弛」は怠ること。 「傾揺懈弛」とも書く。
形容枯槁(けいようここう)
容姿がやつれていて、生気がないこと。 「形容」は容姿のこと、「枯槁」は植物が枯れるという意味から、人がやつれることのたとえ。
形容辺幅(けいようへんぷく)
容姿、見た目。 「形容」は容姿、容貌。 「辺幅」は布や織物のへりということから、外からの見た目、外見。
啓沃之功(けいよくのこう)
主君の手助けをして、功績をあげること。 「啓沃」は誠意をもって主君に仕えて、よい策略を助言すること。 「功」は功績のこと。
軽慮浅謀(けいりょせんぼう)
思慮の欠けた考えや作戦。 「軽慮」は軽はずみな考え。 「浅謀」はあまり考えられていない計画や作戦。
結縁灌頂(けちえんかんじょう)
多くの人々に仏道との縁を結ばせるために行う儀式。 「灌頂」は頭に水を注ぎかける儀式で、仏道との縁を結ばせたり、僧侶が高い地位にのぼるときに行う密教の儀式。
血脈相承(けちみゃくそうじょう)
師から弟子へと、仏の教えを受け継いで伝えていくこと。 仏教の言葉で、父親から子へと血を受け継いでいくことにたとえた言葉。
血気方剛(けっきほうごう)
働き盛りの年頃になると、精力が盛んになるということ。 「血気」は心身の元気、精力。 「方」はまさに、ちょうど。 「剛」は活発や、つよいという意味。 君子の戒めとして、孔子が説いた言葉から。 「血気(けっき)方(まさ)に剛(つよ)し」とも読む。
結縄之政(けつじょうのまつりごと)
古代に行われた政治のこと。 文字が存在しなかった時代の政治を行う上での意志の伝達や記録の方法で、大事には大きな縄の結び目を結び、小事には小さな縄の結び目を結んだということから。
血脈貫通(けつみゃくかんつう)
文章の構成に初めから最後まで一貫性があり、統一されていること。 血液の流れが体の全てに行き渡るという意味から。
兼愛交利(けんあいこうり)
全ての人を愛して、互いに利益を与え合うこと。 「兼愛」は全ての人を愛するという意味。 墨子が儒教の「仁愛」を差別愛と批判して唱えた思想。 「交利」はお互いに利益を与え合うこと。
涓埃之功(けんあいのこう)
非常に小さな功績と、その功績のための非常に小さな苦労のこと。 「涓」はしずく。 「埃」はほこり。 どちらも非常に小さいことのたとえ。 自身の功績を謙っていう言葉。
狷介孤高(けんかいここう)
意志を曲げずに、他人と協力しないこと。 「狷介」は自分の意志を固く守り、決して妥協しないこと。 「孤高」は自分一人の狭い視野だけを信じること。 「孤高狷介」ともいう。
狷介固陋(けんかいころう)
意志をかたく守り、頑固で他人の意見を受け入れないこと。 「狷介」は自分の意志を難く守り、決して妥協しないこと。 「固陋」は視野が狭く、頑固なこと。
喧嘩囂躁(けんかごうそう)
慌しく騒々しいこと。 または、その様子。 「喧嘩」は騒々しいこと。 「囂躁」は騒々しく慌しいこと。 似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。 「喧嘩」は「喧譁」とも、「囂躁」は「嗷騒」とも書く。
犬牙相制(けんがそうせい)
国境でお互いに牽制しあうこと。 「犬牙」は犬の牙のことで、国境が入り組んでいることのたとえ。 「犬牙(けんが)相(あい)制す」とも読む。
牽強附会(けんきょうふかい)
自分に都合がいいように、滅茶苦茶な理屈をこじつけること。 「牽強」は道理に合わないことを合っているかのようにいうこと。 「附会」は無理に関連付けたり一つに合わせたりすること。 どちらも理屈をこじつけるという意味。 「牽強付会」とも、「牽強傅会」とも書く。
喧喧囂囂(けんけんごうごう)
たくさんの人たちが各々好き勝手に喋ってやかましい様子。 または、たくさんの人たちが激しく騒ぎ立てて、事態を収めることが出来ないこと。 「喧喧」と「囂囂」はどちらもやかましいや騒がしいという意味で、同じ意味の言葉を重ねて強調したもの。 「喧々囂々」とも書く。
蹇蹇匪躬(けんけんひきゅう)
自身のことはあとまわしにして、主君に尽くすこと。 「蹇蹇」は辛い状況でも主君に忠義を尽くすこと。 「匪躬」は自身が富や名声の得るためではないということ。
拳拳服膺(けんけんふくよう)
人から教わった事や言葉などを決して忘れることなく、常に心に留めて大切にすること。 「拳拳」は丁寧に両手で捧げるように持つこと。 「服膺」は胸に付けるということから、心に留めるという意味。
堅甲利兵(けんこうりへい)
強大な戦力を持つ軍隊のこと。 「堅甲」は丈夫な鎧、「利兵」は鋭い武器。
剣山刀樹(けんざんとうじゅ)
地獄にあるとされている、剣の山と刀の林のこと。 「剣山」は刃を上に向けて立てた山のこと。 「刀樹」は刀が葉になっている木がたくさん生えている林のこと。
見出知入(けんしゅつちにゅう)
結果を見て、行った物事の影響を知ること。 「出(いず)るを見て入(い)るを知る」とも読む。
見性自覚(けんしょうじかく)
自身の生まれつき持っている性質を悟ること。 「見性」は自身の本質を見極めること。
見性成仏(けんしょうじょうぶつ)
自身の持つ仏としての性質を見極め、悟りの境地に至ること。 「見性」は自身の本質を見極めること。 「成仏」は悟りを得て、仏になること。 禅宗の言葉で、全ての人は本質的に仏になる資質を持っているということをいう言葉。
兼弱攻昧(けんじゃくこうまい)
弱いものが併合して、道理に合わないものを攻撃すること。 また、弱いものが協力して、政治が乱れ衰えた国を討ち果たすこと。 「昧」は、乱れていること。道理に合わないこと。 「弱を兼ね昧(まい)を攻む」とも読む。
献寿羞璧(けんじゅしゅうへき)
長生きの祝いとして、言葉と品を贈ること。 「献寿」は長生きの祝いとして言葉を贈ること。 「璧」は中央に穴の開いた平たい円形の玉。 「羞」は相手にすすめること。 「寿(じゅ)を献(けん)じ璧(へき)を羞(すす)む」とも読む。
懸鶉楽道(けんじゅんらくどう)
粗末な姿で、貧しくも清らかな生活を楽しむこと。 「懸鶉」はぶら下げたうずらのことで、すそがあがった衣服に見えるということから、破れた粗末な衣服のたとえ。 「楽道」は聖人と賢者の道を守りながら楽しむこと。 「懸鶉(けんじゅん)、道を楽しむ」とも読む。
堅城鉄壁(けんじょうてっぺき)
並外れて守りの固い砦のこと。 鉄で出来た城壁という意味から。
萱草忘憂(けんそうぼうゆう)
植物の忘れ草は、憂いを忘れさせてくれるということ。 「萱草」は忘れ草のこと。 「萱草(けんそう)憂(うれ)いを忘れしむ」とも読む。
見知故縦(けんちこしょう)
犯罪を目の前で見ていながら、見ていないふりをすること。 「見知」は実際に見ること。 「故縦」は犯罪と知っていながら意図的に見逃すこと。
懸頭刺股(けんとうしこ)
苦労しながらも勉学に励むこと。 「懸頭」は縄を首にかけること。 「刺股」は穴をあけるための錐(きり)でふとももを刺すこと。 中国の漢の時代の楚の孫敬は、勉強をしているときに眠らないように、天井から下げた縄を首にかけて眠るとしまるようにして勉強を続けたという故事と、中国の戦国時代の蘇秦が眠くなるとふとももを錐で刺して、眠気を覚ましながら勉強したという二つの故事から。 「頭(こうべ)を懸(か)け股(もも)を刺す」とも読む。 「刺股懸頭」ともいう。
捲土重来(けんどちょうらい)
敗北や失敗によって一度は落ちた勢いを、再び取り戻して反撃することのたとえ。 一度静まった土煙が、再び巻き上げられるという意味から。 「捲土」は土煙が舞い上がる様子のことから、勢いが激しいことのたとえ。 「重来」は去ったものが、もう一度やって来ること。 「巻土重来」とも書く。
剣抜弩張(けんばつどちょう)
戦闘が始まる直前のような緊張した状況のこと。 または、書道で筆勢に激しい気迫がこもっていることのたとえ。 剣を鞘(さや)から抜いて、石弓に矢をつがえて弦を引くことから。 「弩」は矢や石を飛ばすことのできる機械、石弓。 「張」は弦を引いて張ること。 「弩張剣抜」ともいう。
犬馬之養(けんばのよう)
両親への孝行をするときに、食事を出すだけで気持ちがないこと。 犬や馬などの動物を飼うように、衣食住を与えるだけという意味から。
犬馬之労(けんばのろう)
君主や他人のために出来る限りのことをすること。 自分の労力を謙遜していう言葉で、犬や馬程度の働きという意味から。 中国の三国時代、諸葛亮が劉備に出仕を承諾した故事から。
堅白異同(けんぱくいどう)
辻褄の合わない無茶な論理を展開すること。詭弁。 中国の戦国時代の趙の公孫竜の詭弁のことで、堅くて白い石を見ると白いことはわかるが堅さは分からない、手で触って堅さを調べると色は分からないので、堅くて白い石は存在しないというもの。
堅白同異(けんぱくどうい)
辻褄の合わない無茶な論理を展開すること。詭弁。 中国の戦国時代の趙の公孫竜の詭弁のことで、堅くて白い石を見ると白いことはわかるが堅さは分からない、手で触って堅さを調べると色は分からないので、堅くて白い石は存在しないというもの。
権謀術策(けんぼうじゅっさく)
他人を騙し貶める策略のこと。 「権謀」は状況にあわせた策略。 「術策」は策略のこと。 特に社会や組織などの集団の中で他者を貶めて、自分の都合がいい状況に仕向け、地位や評価を上げる策略のこと。
権謀術数(けんぼうじゅっすう)
他人を騙しておとしめる策略のこと。 「権謀」は状況にあわせた策略。 「術数」は策略のこと。 特に、社会や組織などの集団の中において、他者をおとしめることで自分にとって都合がいい状況になるように仕向けて、地位や評価を上げる策略のこと。
牽羊悔亡(けんようかいぼう)
本性のままにさせず、正しい方向を教えて導けば、後悔するような出来事にあわなくてすむということ。 「牽羊」は羊を引っ張るという意味で、羊は本能的に他の羊とぶつかって、角が絡むまで前進し続けるので、羊飼いは羊を導く必要があるということ。 「悔亡」は後悔することがなくなるということ。 「羊(ひつじ)を牽(ひ)けば悔い亡(ほろ)びん」とも読む。
権理通義(けんりつうぎ)
様々なものに当てはまる原理で、人が生まれた時から持っている権利。 「権理」は権利のこと。 「通義」は世間一般に受け入れられている道理。
見利忘義(けんりぼうぎ)
自分の利益のみを追求し、正しい行いや倫理的な原則を忘れてしまうこと。 利己主義が過ぎて、道徳が失われてしまう状態を表す言葉。
賢良方正(けんりょうほうせい)
賢くて行いが正しいということ。 または、中国の漢や唐の時代以降に行われた、官吏を登用するときの試験の科目の名前。 「賢良」は賢くて素直なこと。 「方正」は行いが正しいという意味。
堅牢堅固(けんろうけんご)
守りが非常に固くて、容易に破れたり壊れたりしないこと。 または、極めて丈夫なこと。 「堅牢」と「堅固」はどちらも非常に硬いという意味で、同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
霓裳羽衣(げいしょううい)
薄い絹などで作った軽やかで美しい女性の衣装のこと。または、楊貴妃が得意とした舞曲の名前。 「霓裳」は虹のように美しいもすそ、「羽衣」は鳥の羽で作った薄くて軽い衣のことで、天人が着て空を飛ぶとされるもの。
激而行之(げきじこうし)
善の本質を持つ人でも、欲望が激しくなると悪事を行ってしまうということ。 水の流れをせき止めて逆行させることから。 「激(げき)して之(これ)を行(や)る」とも読む。
撃壌之歌(げきじょうのうた)
古代中国の伝説の聖天子である尭帝が国を治めている時代に、世の中が平和であることを喜び、人々が歌った歌のこと。 「撃壌」は足で地面を踏み、音を鳴らして拍子をとること。
激濁揚清(げきだくようせい)
悪を取り除き、善を勧めること。 「濁」は濁った流れことで、悪のたとえ。 「清」は清らかな水のことで、善のたとえ。 悪を激流に流して、善を上に押し上げるという意味から。 「濁(だく)を激(げき)して清(せい)を揚(あ)ぐ」とも読む。 「揚清激濁」ともいう。
撃排冒没(げきはいぼうぼつ)
一切を顧みずに、徹底的に攻撃すること。 「撃排」は撃退すること。 「冒」は覆って押さえつけること。 「没」は沈めること。
激憤慷慨(げきふんこうがい)
激しく怒って嘆くこと。 「激憤」は激しく怒ること。または、その怒り。 「慷慨」は怒り嘆くこと。
下化衆生(げけしゅじょう)
菩薩が全ての人々を救い悟りへ導くこと。 仏教の言葉で、上を向けばさらに高い次元の悟りを目指し、下を向けば全ての人々を救おうとするということから。
解脱幢相(げだつどうそう)
僧侶が着る服装、袈裟のこと。 「解脱」は煩悩の迷いから開放されて悟りの境地に達すること。 「幢相」は寺の庭に立て、小さな旗のついた幢に袈裟の形が似ているということから。 「解脱幢相衣」を略した言葉。 「解脱同相」とも書く。
月下推敲(げっかすいこう)
詩文の字句や表現を深く考えて、何度も修正して仕上げること。 月の光に照らされた門を開ける動作を「推す」と表現するか、「敲く」と表現するか、考えをめぐらせるという意味から。 中国の唐の詩人の賈島が、科挙の試験を受けるために驢馬に乗って移動している時、詩の表現を「推す」と「敲く」のどちらにすべきか悩みながら進むと、政府の高官である韓愈の行列にぶつかってしまった。 賈島は韓愈に非礼をわびて事情を話すと、韓愈は「敲のほうがよい」と答えた。 それから二人は詩を論じ合ったという故事から。
月下氷人(げっかひょうじん)
男女の間に入り、結婚の手助けをする人。仲人。 「月下」は「月下老人」を略したもので、縁結びの神のこと。 「氷人」は氷の上で氷の下にいる人と話しをする夢を見たため、その夢について占ってもらうと「結婚の手助けをする前触れだろう」と言われ、後にその通りになったという故事から仲人を意味する。
月下老人(げっかろうじん)
縁結びの神のこと。 または、男女の間に入り、結婚の手助けをする仲人のこと。 中国の唐の韋固は、月明かりの下で読書をしている一人の老人と出会った。 韋固は老人のそばにあった袋の中身を問うと、老人は「将来結婚する相手同士の足首を結ぶ赤い縄が入っている」と答え、韋固の結婚相手を予言した。 その後、韋固は老人の予言通りの相手と結婚したという故事から。
月卿雲客(げっけいうんかく)
公卿と殿上人のこと。 または、高い身分の人のこと。 「月卿」は三位以上の公卿。 「雲客」は宮中での昇殿を許された雲上人、殿上人。 古代中国では宮中を天にたとえ、日を天子に、月を臣下にたとえていたということから。
齧指痛心(げっしつうしん)
親孝行の情がこの上なく厚いことのたとえ。 中国の春秋時代の曽参は、母親が自宅で指をかむと、胸騒ぎがしてどこにいてもすぐに帰宅する親孝行者だったという故事から。 「指を齧みて心を痛ましむ」と読む。