凶終隙末とは

四字熟語 | 凶終隙末 |
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読み方 | きょうしゅうげきまつ |
意味 | 仲良く付き合っていた関係が、最後には争い合う関係になることがよくあるということ。 「凶終」は最終的に相手を傷つけるような、激しい争いになるということ。 「隙末」は不仲になること。 中国の戦国時代の秦の張耳と陳余や、漢の蕭育と朱博は非常に仲がよかったが、最終的に殺し合いをする間柄になったという故事から。 「終わりを凶にし末に隙あらしむ」とも読む。 |
出典 | 『後漢書』「王丹伝」 |
使用されている漢字
「凶」を含む四字熟語
吉凶禍福(きっきょうかふく)
よいこととわるいこと。幸福と不幸。 「吉凶」と「禍福」はどちらもよいことと悪いことや、幸いと災いという意味で、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
凶終隙末(きょうしゅうげきまつ)
兵者凶器(へいはきょうき)
武器というものは、人を殺傷する忌まわしい道具だということ。 「兵」は武器や兵器、「者」は「というものは…」という意味で、強調して提示する語。 「凶器」は人を殺傷することを目的とした道具のこと。
「終」を含む四字熟語
一部始終(いちぶしじゅう)
物事の最初から最後までの詳しい事情のこと。 初めから終わりまで。 「一部」は一つの書物のこと。”部”は書物を数える単位。 「始終」は初めと終わり、または初めから終わりまでの全ての事情のこと。 元は”一つの書物の初めから終わりまでの全ての内容”という意味の言葉。
終歳馳駆(しゅうさいちく)
極めて忙しく、一年中走り回ること。 「終歳」は一年中、いつもという意味。 「馳駆」は走り回る、尽力すること。
終始一貫(しゅうしいっかん)
初めから終わりまで言動や態度を貫き通すこと。
終南捷径(しゅうなんしょうけい)
正規の試験などをすることなく官職につくこと。または、終南山には仕官への近道があるということ。 「終南」は長安の南にある山の終南山のこと。 「捷径」は近道、最短距離の道のこと。 終南山で隠居していた盧蔵用が、則天武后に召されて官職を得た故事から、終南山で隠者のふりをすることで名声が上がって仕官への近道になるという意味。
慎始敬終(しんしけいしゅう)
最初から最後まで、気をゆるめずに慎重に行うこと。 または、物事は最初と最後が大切であるということ。 「慎」と「敬」はどちらも細心の注意を払うこと。 「始めを慎み終わりを敬しむ」とも読む。
同始異終(どうしいしゅう)
原因が同じでも、状況が違えば結果も変わるということ。 「同始」は始まりが同じであること。 「異終」は終わりが違うこと。 「始めを同じくするも終わりを異にす」とも読む。
「隙」を含む四字熟語
騏驥過隙(ききかげき)
一瞬の出来事のこと。 または、時の経過が非常に速いことのたとえ。 「騏驥」は一日で千里を走りきるといわれる駿馬。 「過隙」は戸の隙間の向こう側をすっと走り抜けること。 戸の隙間の向こう側を走り抜ける駿馬の姿を見ることができるわずかな時間という意味から。 元は人の命のはかなさや短さを嘆いた言葉。
凶終隙末(きょうしゅうげきまつ)
小隙沈舟(しょうげきちんしゅう)
些細なことでも軽く見ないで、慎重に取り組むべきであるという戒めの言葉。 「小隙」は少しの隙間。 「沈舟」は舟が沈没すること。 少しの隙間でも、その部分から水が入って舟が沈没してしまうので、少しの隙間にも気をつけるべきであるということから。 「小隙舟が沈む」とも読む。
踰牆鑚隙(ゆしょうさんげき)
男性と女性が他人に見られないように会うことのたとえ。または、だらしない付き合いをすること。 「踰牆」は垣根を越えること。 「鑚隙」は細長い穴をあけること。 入り口から入らず、垣根を越えて密かに会ったり、壁に穴をあけて覗き合うという意味から。 不当なやり方をつかうことのたとえとしても使われる。 「牆を踰え隙を鑚つ」とも読む。
「末」を含む四字熟語
葦末之巣(いまつのす)
頼りに出来るものが何もなく、安定しないために危なっかしい様子。 植物の葦の穂先にある鳥の巣という意味から。 中国の蒙鳩という鳥が、羽毛などで編んだ巣を葦の穂先に結びつけたが、風が吹いて巣と一緒に卵が落ちて割れたという故事から。
紀事本末(きじほんまつ)
始めから終わりまで一まとめにして記述する、歴史書の書式の一つ。 南宋の歴史家の袁枢が『通鑑紀事本末』を完成させたのが始まりとされている。 「記事本末」とも書く。
澆季末世(ぎょうきまっせ)
人々の心が荒れ果てた末の世。 「澆季」と「末世」は、この世の終わりのような、道徳や人情が乱れた世の中のこと。
毫末遺漏(ごうまついろう)
ほんの少し、抜けがあること。 「毫末」は細い毛の先の先という意味から、ほんの少しという意味。 毛の先ほどのほんの少しの漏れという意味から。 「豪末遺漏」とも書く。
毫末之利(ごうまつのり)
ほんの少しだけの利益のこと。 「毫末」は髪の毛の先という意味から、少ないことのたとえ。
舎本逐末(しゃほんちくまつ)
物事の根幹となる大事なことをいいかげんにして、必要のないことに関心を持つこと。 「舎本」は根本を捨てること。 「逐末」は末節を追うこと。 「本を舎てて末を逐う(もとをすててすえをおう)」とも読む。