一筆勾消について

四字熟語 | 一筆勾消 |
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読み方 | いっぴつこうしょう |
意味 | 今までのものを全て取り消すこと。 「勾消」は線を引いて消すこと。 帳簿などの今までの記録の上から線を引いて消すという意味から。 中国の北宋の時代に范中淹は、才能のない駄目な役人を名簿から消していったという故事から。 「一筆勾銷」とも書く。 |
出典 | 『五朝名臣言行録』「七」 |
別表記 | 一筆勾銷(いっぴつこうしょう) |
類義語 | 一筆勾断(いっぴつこうだん) |
一筆抹殺(いっぴつまっさつ) |
使用されている漢字
「一」を含む四字熟語
以一当千(いいつとうせん)
一人で千人と同等の働きをすること。 または、一つのものが千のものの代わりになること。 「一を以て千に当つ」とも読む。
夷険一節(いけんいっせつ)
どんな時でも信念を守り続けること。 「夷険」は平らな場所と険しい場所のことから順境と逆境のことで、順境でも逆境でも信念を変えないということ。
一意攻苦(いちいこうく)
苦労しながら、ひたすら考えること。 「一意」はいちずに、一心にという意味。 「攻苦」は苦難、苦境とたたかうという意味から、苦労しながら勉強すること。
一意孤行(いちいここう)
他人からの意見を聞かずに、自身の考えだけで行動すること。 「一意」は一つのことに専念すること。 「孤行」は一人で行くこと。 相手の意見に左右されず、公平なことのたとえとして用いることもあるが、誰の意見も聞かずに自分の考えだけで判断して行動するという意味でも用いられる言葉。
一意専心(いちいせんしん)
他のことに心を奪われることなく、一つのことだけに心を注ぐこと。 「一意」と「専心」はどちらも一つのことだけに心を注ぐこと。 「一意摶心」とも書く。
一衣帯水(いちいたいすい)
海や川が間にあって遮られているが、非常に距離が近いこと。 または、互いの関係が非常に深いこと。 陳の君主の悪政によって庶民が飢えと寒さで窮地に陥ったときに、隣国の隋の文帝が「たった一本の帯のような川(揚子江)に隔てられているからといって、民を見捨てることができるか」といって、陳の国を討伐したという故事から。
「筆」を含む四字熟語
一筆啓上(いっぴつけいじょう)
筆をとって文章で申し上げるということ。 男子が手紙の書き出しに使う言葉。 「一筆」は一通の手紙。 「啓上」は申し上げるという意味。 安土桃山時代の本多作左衛門重次が、妻に書いた手紙の書き出しとして有名。
一筆三礼(いっぴつさんらい)
慎みを持って、深く敬いながら仕事をすること。 写経するときは、一文字ごとに三回礼拝するという意味から。
一筆抹殺(いっぴつまっさつ)
あまり考えずに、全てのものを消し去ること。 または、過去に積み重ねた功績を考慮せずに、全てを否定すること。 一筆で記録を全て消し去るという意味から。
意到筆随(いとうひつずい)
文章を作るときに、思ったままに筆が進むこと。 文章を書きたいと思う気持ちのままに筆が進むという意味から。 「意至りて筆随う」とも読む。
燕頷投筆(えんがんとうひつ)
思い切った決意をして志を立てること。 または、文章を書く仕事をやめて、武の道に進むこと。 「燕頷」は燕のような顎という意味で、強く勇ましい人の人相。 「投筆」は筆を捨てること。 中国の後漢の班超は、筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと思い、筆書の仕事を止めて武将になったという故事から。 「燕頷筆を投ず」とも読む。
曲筆舞文(きょくひつぶぶん)
必要以上に言葉を飾りつけるために、事実を曲げて文章を書くこと。 「曲筆」は事実を捻じ曲げて文章を書くこと。 「舞文」は文章を飾るために、好き勝手に文章をいじること。
「勾」を含む四字熟語
一筆勾消(いっぴつこうしょう)
「消」を含む四字熟語
意気消沈(いきしょうちん)
元気をなくして気分がしょんぼりすること。 「意気」は気力や気概。「銷沈」は衰えて沈むという意味。 「意気銷沈」とも書く。
雲散霧消(うんさんむしょう)
雲や霧が消えてなくなるように、何かがそこにあった形跡が全て消えてなくなること。
雲消霧散(うんしょうむさん)
雲や霧が消えるように、そこにあった形跡すらも消えてなくなること。
瓦解氷消(がかいひょうしょう)
物事が崩れてばらばらになること。 または、完全に無くなること。 氷が解けて消えるように、屋根の瓦の一部分の崩壊から全体が次々と崩れるように、ばらばらになるという意味から。 「氷」は「冰」とも、「消」は「銷」とも書く。
罪業消滅(ざいごうしょうめつ)
現世で起こした悪行も、仏道修行することで消してしまうことができるということ。 「罪業」は仏教語で罪の原因となる悪い行い。
消化不良(しょうかふりょう)
胃や腸の働きが鈍くなり、食物の消化がうまくいかないこと。 または、知識や技術をうまく使いこなせないことのたとえ。 「消化」は食べ物を吸収しやすいように、胃や腸で分解すること。 「不良」は状態が悪いこと。