磨穿鉄硯とは

四字熟語 | 磨穿鉄硯 |
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読み方 | ませんてっけん |
意味 | 強い意志を持ち続けて、達成するまで変えないこと。
または、休まず学問に励むこと。 「磨」はすり減らすこと、「穿」は穴をあけること。 鉄の硯(すずり)に穴を空けるほど学問に励むという意味。 「鉄硯磨穿」ともいう。 |
出典 | 『新五大史』「桑維翰伝」 |
異形 | 鉄硯磨穿(てっけんません) |
漢検級 | 準1級 |
場面用途 | 勉学に励む / 信念を貫く / 諦めない / 意思 |
類義語 | 蛍窓雪案(けいそうせつあん) |
坐破寒氈(ざはかんせん) |
使用されている漢字
「磨」を含む四字熟語
事上磨錬(じじょうまれん)
実際に行動や実践を通じて、知識や精神を磨き修養すること。 「事上」は行動や業務をしながらという意味で、「磨錬」は磨きをかけること。 日常の業務をしっかりとこなして、それを通じて修養することが真の学問だとする陽明学の基本的な考え方。
十年磨剣(じゅうねんまけん)
長い期間武術の修行をすること。 または、武術の修行をして、活躍する機会を待つこと。 十年の期間、一振りの剣を磨き続けるという意味から。 「十年、一剣を磨く」を略した言葉。
切磋琢磨(せっさたくま)
学問、精神、人格などを努力して磨き上げること。 または、同じ目標を持つ友人同士が競い、励まし合って互いに向上していくこと。 「切磋」と「琢磨」はどちらも学問や精神、人格などを向上させるという意味。 「切磋」の「切」は獣の骨や象牙などを切り出すこと。「磋」はやすりやかんななどで磨き上げること。 「琢磨」の「琢」は槌とのみで宝石や石などの角を削って形を整えること。「磨」は砂と石を使って磨き上げること。 「切瑳琢磨」とも書く。
千古不磨(せんこふま)
いつまでもなくならないこと。または、途絶えることなく、伝わり続けること。 「千古」は遠い昔のこと。または、遠い過去から現在まで。 「不磨」は磨り減ってなくなることがないということ。 すぐれた伝統や芸術、技術などがいつまでも受け継がれていくことについていう。
千磨百錬(せんまひゃくれん)
たくさんの辛く苦しい出来事を解決して、鍛え抜かれたもののこと。 「千」と「百」は数が多いことで、様々やいろいろということのたとえ。 「錬」は金属を鍛え上げること。 「千磨百煉」とも書く。
鍛冶研磨(たんやけんま)
体や心、技術などを鍛錬すること。 「鍛冶」は金属を鍛えて加工すること。 「研磨」は磨き上げること。 人間を金属製の道具を作るための手順にたとえた言葉。
「穿」を含む四字熟語
衣弊履穿(いへいりせん)
貧しいことのたとえ。 「衣弊」は使い古して敗れた衣服。 「履穿」は履物が破れ穴があくこと。 ぼろぼろになった衣服ということから、貧しい服装をいう言葉。 「衣(い)弊(やぶ)れ履(くつ)穿(うが)つ」とも読む。
衣履弊穿(いりへいせん)
ひどく粗末な服装のこと。 「衣履」は服と靴のこと。 「弊穿」は破れたり、穴があくこと。 破れた服と穴の空いた靴という意味から。
山溜穿石(さんりゅうせんせき)
小さな努力を重ねていけば、どんなことも成し遂げることができることのたとえ。 「山溜」は山から滴り出る水。 山から滴り出る水が、長い時間をかけて岩石に穴をあけるという意味から。 「山溜、石を穿つ」とも読む。 「山霤穿石」とも書く。
心堅石穿(しんけんせきせん)
意志を貫き通せば、どんな困難なことも解決することができるということ。 「心堅」は意志が固いこと。 「穿」は穴を空けるや、貫き通すということ。 意志が固ければ、石に穴を開けることもできるという意味から。 傅先生は師から木ののみだけを渡されて、岩盤に穴を開ける修行を与えられたが、四十七年かけて穴を開けたという故事から。 「心堅ければ石をも穿つ」とも読む。
水滴石穿(すいてきせきせん)
小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえ。 「水滴」は一滴の水、「石穿」は石に穴をあけること。 水滴も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味から。 「水滴石を穿(うが)つ」とも読む。
尺蚓穿堤(せきいんせんてい)
小さなことが原因となり、大きな災難が発生すること。 「尺蚓」は小さなみみず。 「穿堤」は堤防に穴をあけること。 小さなみみずが堤防に穴をあけたことが原因になり、そこから堤防が決壊して一つの村が水に浸かるということから。 「尺蚓堤を穿つ」とも読む。
「鉄」を含む四字熟語
鉄梃大尽(かなてこだいじん)
他人の意見を聞かずに、融通のきかない大富豪、資産家のこと。 「鉄梃」は鉄のてこのことで、頑固なことのたとえ。 「大尽」は財産がたくさんある人、大富豪のこと。
金城鉄壁(きんじょうてっぺき)
並外れて固い守りのこと。 金属や鉄で出来た城壁という意味から。
堅城鉄壁(けんじょうてっぺき)
並外れて守りの固い砦のこと。 鉄で出来た城壁という意味から。
斬釘截鉄(ざんていせってつ)
毅然とした態度で、強い決断力があること。 「斬」と「截」はどちらも断ち切るということ。 釘や鉄を断ち切るという意味から。 元は禅宗の言葉で、妄想や煩悩などの迷いをすっぱりと断ち切ることをいう。 「釘を斬り鉄を截つ」とも読む。
寸鉄殺人(すんてつさつじん)
短い一言で相手の弱点や欠点をつくことのたとえ。 「寸」は長さの単位で、短い長さのたとえ。 「寸鉄」は長さの短く鋭い刃物ということから、短く的を射た言葉のこと。 急所を突けば、短い刃物でも確実に人を殺すことが出来るという意味から。 「寸鉄人を殺す」とも読む。
丹書鉄契(たんしょてっけい)
功労のあった家臣に天子が与えた誓文のこと。 鉄に朱で書かれた割り符で、本人やその子孫が罪を犯したときに減免される証となった。