窃鈇之疑とは

四字熟語 | 窃鈇之疑 |
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読み方 | せっぷのぎ |
意味 | 証拠もないのに疑うこと。また、疑う気持ちを持って見ていると、その人の言動が全て怪しく見えることのたとえ。
「鈇」は斧のこと。 斧を盗まれたと思った男性が隣人の女性を疑うと、その女性の立ち居振る舞いの全てが疑わしく思えたが、斧が物置で見つかるとその女性の全てがかわいらしく思えたという故事から。 「せっぷのうたがい」とも読む。 |
出典 | 『列子』「説符」 |
異形 | 窃鈇之疑(せっぷのうたがい) |
漢検級 | 準1級 |
類義語 | 疑心暗鬼(ぎしんあんき) |
使用されている漢字
「窃」を含む四字熟語
窃鈇之疑(せっぷのぎ)
窃位素餐(せついそさん)
高い地位をもっているだけの無駄飯食い。 または、職務を果たさず、無駄に高い給料を得ていることのたとえ。 「窃位」は才能も人徳もないのに高い地位についていること。 「素餐」は何もせずに食べること。
窃玉偸香(せつぎょくとうこう)
男性が女性に手を出して、男女の肉体関係にふけること。 「玉」と「香」はどちらも女性のたとえ。 「窃」と「偸」はどちらも盗むということ。 「玉を窃み香を偸む」とも読む。 「偸香窃玉」ともいう。
鼠窃狗盗(そせつくとう)
泥棒の異称。 「鼠窃」は鼠のように他人に見つからないように盗みを働くこと。 「狗盗」は犬の鳴き声の真似をして、家に入り込むこと。
「鈇」を含む四字熟語
窃鈇之疑(せっぷのぎ)
「之」を含む四字熟語
阿吽之息(あうんのいき)
複数の人と同じことをするときに、お互いの調子や気持ちが一致すること。 「阿」は吐く息、「吽」は吸う息のことをいい、互いの呼吸が揃った様子をいう言葉。
阿衡之佐(あこうのさ)
賢い家臣や、宰相が政治の補佐をすること。 または、その人のこと。 「阿衡」は中国の殷の賢臣の伊尹が就いた官職の名前。 「佐」は手助けすること。
阿保之功(あほのこう)
子供を育て上げた功績。 貴族などの、高い身分の人の子の子守りをする人の功績をいう。 「阿保」は子供を危険から守ったり、一緒に遊んだりすること。
晏子之御(あんしのぎょ)
他人の権威を笠にきておごり、自らの低い地位に満足している愚か者のたとえ。 「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。 「御」は御者のこと。 晏嬰の御者は、晏嬰を乗せたことで得意気になっていたが、その姿を見た御者の妻は離縁を迫ると、御者は改心したという故事から。
帷幄之臣(いあくのしん)
参謀や軍師など、指揮官に付き従って作戦を練る部下のこと。 「帷」は垂れ幕「幄」は引き幕のこと。 昔の陣営は幕をめぐらしたことから作戦を練る場所、本陣や本営、軍部の意味。
異域之鬼(いいきのき)
祖国に帰れず異国の地で死ぬこと。またはその人の魂。 「異域」は自分の国でない国、外国。 「鬼」は死んだ人の魂のこと。 故郷から離れて、外国に留まり続けている死者の魂という意味から。
「疑」を含む四字熟語
夏虫疑氷(かちゅうぎひょう)
見識が非常に狭いこと。 世間のことを知らない人が、自分の知っていること以外のことを信じようとしないことをいう。 夏の季節しか生きることのできない虫は、冬に氷があるということを信じようとしないということから。 「夏虫氷を疑う」とも読む。 「夏虫疑冰」とも書く。
疑雲猜霧(ぎうんさいむ)
周囲の人々の疑惑や嫉妬が、雲や霧がかかっているかのように晴れないこと。 「疑」は疑うこと。「猜」は嫉妬すること。 疑ったり妬んだりする周囲の人々の気持ちを雲や霧がかかってすっきりとしない様子に例えた言葉。
疑心暗鬼(ぎしんあんき)
疑う心を持ってしまい、取るに足らないことを恐れたり、怪しく感じたりしてしまうこと。 「疑心」は疑う心のこと。 「暗鬼」は暗い場所に見える亡霊のこと。 疑う心を持っていると、暗い場所に亡霊(存在するはずのないもの)が見えてくるという意味から。
疑事無功(ぎじむこう)
信じることができずに、疑いながら行動しても、よい結果が期待できないということ。 一度やると決めたことは、迷うことなくやり遂げるべきであるという戒めの言葉。 「疑事功無し」とも読む。
群疑満腹(ぐんぎまんぷく)
疑わしいことが多くて、心の中が疑問でいっぱいになること。または、たくさんの人が疑いの心を持つこと。 「群」は多いことや多くの人、「疑」は疑いの気持ちを持つこと。 「満腹」の「腹」は腹の中ということから、心という意味で、「満腹」は心の中がいっぱいに満ちるということ。
狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)
いつまでも物事を決めることができないこと。 「狐疑」は狐のように疑い深いこと。 「逡巡」は思い切りがつかなく、決心がつかないこと。