偃武修文について

四字熟語 | 偃武修文 |
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読み方 | えんぶしゅうぶん |
意味 | 世が平和で穏やかなこと。 「偃武」は戦を止めて武具を片付けること。 「修文」は学問を修めること。 争いがなく学問に努める事ができるという意味から。 「武を偃せて文を修む」とも読む。 |
出典 | 『書経』「武成」 |
類義語 | 偃武恢文(えんぶかいぶん) |
華山帰馬(かざんきば) | |
帰馬放牛(きばほうぎゅう) | |
天下泰平(てんかたいへい) |
使用されている漢字
「偃」を含む四字熟語
偃鼠飲河(えんそいんが)
人の欲望は、その人の分に応じたもので満足するべきであるということのたとえ。 分を弁えるべきであるという教え。 「偃鼠」は動物のもぐら。または、動物のどぶねずみ。 もぐらが河の水をどれだけ飲んでも、もぐらの小さな腹を満たす程度でしかないということから。 中国の聖天子の尭帝が許由に天下を譲ろうとした時に、許由は能力も才能もなければ、今の生活に満足もしていると言って断ったという故事から。 「偃鼠河を飲む」とも読む。
偃武修文(えんぶしゅうぶん)
傾側偃仰(けいそくえんぎょう)
世の中の流れに逆らわずに、流れのままに生きること。 「傾側」は世の流れに従って逆らわないこと。 「偃仰」は寝たり起きたりすることや、うつむいたり見上げたりするという意味から、世の中の流れのままに浮いたり沈んだりするということ。
遷徙偃仰(せんしえんぎょう)
世の中の流れに応じて、身の振り方を変えること。 または、時代の変化に応じて、やり方を変えること。 「遷徙」は時の流れに合わせて変化すること。 「偃仰」は伏せたり、上を見るということから、世の流れに合わせて、浮いたり沈んだりすること。
草偃風従(そうえんふうじゅう)
君主の徳によって自然と民衆が従うこと。 「草偃」は草がなびくことで、風が吹けばそれに従い草がなびくという意味。
突怒偃蹇(とつどえんけん)
怒った人やおごりたかぶった人の顔を言い表す言葉。 または、岩石が角ばっていて突き出た様子を言い表す言葉。 「突怒」は激しく怒っている様子。 「偃蹇」はおごりたかぶっている人の様子。
「武」を含む四字熟語
緯武経文(いぶけいぶん)
学問と武術の両方を重んじて、国や政治の基礎にすること。 学問と武術を緯糸と経糸を交互に組み合わせて布を織ることにたとえた言葉。 「武を緯にし文を経にす」とも読む。
允文允武(いんぶんいんぶ)
学問と武芸のどちらもすぐれていること。 元は、学問と武芸のどちらにもすぐれている天子の徳を称えた言葉から。 「允に文、允に武」とも読む。
禹湯文武(うとうぶんぶ)
夏、殷、周の三代の王朝の始祖とされる人物の名前。 「禹」は夏王朝の禹王。 「湯」は殷王朝の湯王。 「文」と「武」は周王朝の文王と武王のこと。 どの人物も古代中国の聖天子とされている。
我武者羅(がむしゃら)
目的だけを見てひたすら打ち込むこと。 「我貪」が変化した言葉で、「我武者」と略して使うこともある。
窮兵黷武(きゅうへいとくぶ)
無分別に武力を使って、必要以上に戦争を起こして徳を汚すこと。 「窮兵」は戦争ばかりすること。 「黷武」はみだりに武力を使うこと。 中国の殷の湯王は七十里四方の領地しかなかったが、徳を修めていたために王者となり、晋の智伯は千里四方の領地があったが、戦争ばかりしていたために滅んだという故事から。
勤倹尚武(きんけんしょうぶ)
しっかりと働いて、質素に暮らしながら武芸に励むこと。 「勤倹」はしっかりと働いて、無駄遣いをしないようにすること。 「尚武」は武士の生活態度の基本をいう言葉で、武芸を尊ぶという意味。
「修」を含む四字熟語
帷薄不修(いはくふしゅう)
男女関係がだらしないことのたとえ。 「帷薄」は寝室を囲っているしきり。 寝室を整える暇もないということから。 高位の人の淫らな行為を遠回しに言う言葉。 「帷薄修まらず」とも読む。
修己治人(しゅうこちじん)
自身の知識を高めて、精神を磨き、徳を積んでから世の中を正しく治めること。 自身の修養に励み、高く積んだ徳で人々を感化して、世の中を平和に正しく治めることをいう。 儒教の根本思想。 「己を修めて人を治む」とも読む。
修飾辺幅(しゅうしょくへんぷく)
外見や世間体をよく見えるように飾って見栄を張ること。 「修飾」は飾り立てること。 「辺幅」は布の縁ということから、外見のこと。 布の縁を縫って、ほころびを取り繕うということから。 「辺幅を修飾す」とも読む。
修身斉家(しゅうしんせいか)
自身の心がけや普段の行いを正し、円満な家庭を築くこと。 「修身」は自身の心と行動を正すこと。 「斉家」は不満のないように家庭を整えて治めること。 儒教の経書の大学にある儒者の基本を説く八条目の二つ。 「身を修め家を斉う」とも読む。
修羅苦羅(しゅらくら)
怒りや嫉妬で心が激しく揺れ動く様子。 または、激しくいらだつこと。 「修羅」は好戦的な神の阿修羅の略称。 「苦羅」は意味を強調するための言葉。 怒り狂う阿修羅のように心が揺れ動くという意味から。
断悪修善(だんなくしゅぜん)
全ての煩悩を捨て去るという誓いのこと。 全ての悪を断ち切って善を修めるという意味の仏教の言葉で、菩薩の誓願の一つ。 「悪を断ち善を修む」とも読む。
「文」を含む四字熟語
一文半銭(いちもんはんせん)
ごくわずかな金銭のこと。 「文」と「銭」はともに昔の通貨の単位。 一文銭の直径が一寸(ひとき)であることから、半銭を"きなか"とも読む。
一文不通(いちもんふつう)
読み書きができないこと。 「文」は文字の意。 一文字ですら意味が通じていないことから。
緯武経文(いぶけいぶん)
学問と武術の両方を重んじて、国や政治の基礎にすること。 学問と武術を緯糸と経糸を交互に組み合わせて布を織ることにたとえた言葉。 「武を緯にし文を経にす」とも読む。
以文会友(いぶんかいゆう)
学問を通じて仲間を集めること。 君子の交友をいう言葉。 「文を以て友を会す」とも読む。
允文允武(いんぶんいんぶ)
学問と武芸のどちらもすぐれていること。 元は、学問と武芸のどちらにもすぐれている天子の徳を称えた言葉から。 「允に文、允に武」とも読む。
禹湯文武(うとうぶんぶ)
夏、殷、周の三代の王朝の始祖とされる人物の名前。 「禹」は夏王朝の禹王。 「湯」は殷王朝の湯王。 「文」と「武」は周王朝の文王と武王のこと。 どの人物も古代中国の聖天子とされている。