金口木舌とは

四字熟語 | 金口木舌 |
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読み方 | きんこうぼくぜつ(きんこうもくぜつ) |
意味 | すぐれた言論で人々を指導する人のたとえ。 金属の口に、舌の形をした木製の振り子でできた大きな鐘のことで、古代中国で新しい政令を出すときにこの鐘を鳴らして人々に知らせていたということから。 |
出典 | 『揚子法言』「学行」 |
異形 | 金口木舌(きんこうもくぜつ) |
漢検級 | 4級 |
場面用途 | 指導者 |
使用されている漢字
「金」を含む四字熟語
石部金吉(いしべきんきち)
物堅くて融通のきかない人のたとえ。 堅い物として有名な「石」と「金」を人の名前のようにした言葉。
一字千金(いちじせんきん)
筆跡や詩文がすぐれていることのたとえ。 「一字」は文字の一つ、「千金」は多額の金銭のたとえで、一つ一つの文字に大金のような価値があるという意味から。 『呂氏春秋』を完成させたときに、都の門の前に並べて、一文字でも添削できれば千金を与えようと言って、出来映えを誇ったという故事から。
一諾千金(いちだくせんきん)
決して裏切らない、一度約束したことは守らなければならないというたとえ。 一度引き受けた約束には、千金同様の重みがあるということ。 「一諾」は一度承知して、引き受けること。 「千金」は大金のたとえ。 中国楚の季布は、一度承知して引き受けたことは違えることなく確実に果たしたため、季布に約束を引き受けてもらうことは千金を得るよりも価値があると言われていたという故事から。
一攫千金(いっかくせんきん)
苦労することなく、一度の機会で大金を手に入れること。 「一攫」は一度つかむこと。 「千金」は大金のこと。 現在では「一獲千金」とも書くが、本来は誤用。
一刻千金(いっこくせんきん)
ほんのわずかな時間が千金にも値するということ。 「一刻」の「刻」は時間の単位のことで、わずかな時間のたとえ。 「千金」は多額の金銭のことから、価値があるもののたとえ。 楽しい時間や季節などがあっという間に過ぎ去っていくことを惜しんでいう言葉。 また、少しの時間でも大切にするべきだという戒め。 出典は「春宵一刻値千金」という言葉で、春の夜は素晴らしく非常に価値があるという意味。 「千金一刻」ともいう。
一壺千金(いっこせんきん)
価値がないと思えるものでも、時と場合によっては非常に役に立つこと。 「壺」はひょうたんのこと。 「千金」はきわめて大きな価値という意味。 普段は価値のないひょうたんも、溺れそうになったときには浮き袋の代わりとなり、はかれないほどの大きな価値になるということから。
「口」を含む四字熟語
悪口雑言(あっこうぞうごん)
様々な悪口を好き放題に言うこと。 またはその言葉のこと。
悪口罵詈(あっこうばり)
好き勝手に悪口を言うこと。または、その悪口のこと。
異口同音(いくどうおん)
全員が同じことを言うこと。 または、全員の意見が一つに揃うこと。 「異口」は多くの自分以外の口。 「同音」は口をそろえて言うこと。
一口両舌(いっこうりょうぜつ)
前に話した内容と、後で話した内容とが食い違っていること。 以前に言ったことと違うことを、平気で言う人のこと。 一つの口に二つの舌があるということから。
開口一番(かいこういちばん)
「開口」は口を開き話しを始めることで、口を開いて前置きもなく、一番最初に言う言葉。または、いきなり話し始めること。
箝口結舌(かんこうけつぜつ)
口を閉じて何も言わないこと。 「箝口」と「結舌」はどちらも何も言わないことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
「木」を含む四字熟語
悪木盗泉(あくぼくとうせん)
困窮したとしても人としての道理を外れた行いはしないこと。 または、悪事に近づかないこと。 「悪木」はとげやにおいがあり人を困らせる悪い木、「盗泉」は泉の名前で、孔子が名前を嫌い喉が渇いていても水を飲まなかった泉。
一木一草(いちぼくいっそう)
一本の木から一本の草まで全てという意味から、その場にあるすべてのもののこと。 または、わずか一本の木と一本の草という意味から、極めて少ないもののこと。 「一木」は一本の木のこと。 「一草」は一本の草のこと。 「一草一木」ともいう。
一木難支(いちぼくなんし)
一度崩れ始めると、一人の力ではどうすることも出来ないということ。 「一木」は一本の建物の柱。 大きな建物が崩れると、一本の柱で支えることは出来ないという意味から。
一世木鐸(いっせいぼくたく)
人々の指導者のこと。 「一世」はこの世にいる人たちのこと。 「木鐸」は木の振り子がついている大きな鈴のことで、古代中国では、法律や命令を人々に伝えるときに鳴らしていたということから、指導者のたとえ。
移木之信(いぼくのしん)
約束を必ず実行することのたとえ。 為政者は人民に法の権威や信用を示すべきという戒めのこと。 戦国時代、秦の商鞅が国民からの信用を得るために、南門の大木を北門に移した者に十金を与えると布告したが、皆疑い誰も移さなかった。 五十金に増額すると移す者が現れたので、五十金を渡して約束を本当に守ると示した故事から。
円孔方木(えんこうほうぼく)
物事が食い違っていて、上手く噛み合わないこと。 「円孔」は円形の穴。 「方木」は木を接合するときに、一方の穴にはめ込むための四角形の突起部分。四角形のほぞ。 木を接合するときに、円形の穴に四角形のほぞを入れようとするという意味から。
「舌」を含む四字熟語
一口両舌(いっこうりょうぜつ)
前に話した内容と、後で話した内容とが食い違っていること。 以前に言ったことと違うことを、平気で言う人のこと。 一つの口に二つの舌があるということから。
箝口結舌(かんこうけつぜつ)
口を閉じて何も言わないこと。 「箝口」と「結舌」はどちらも何も言わないことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
顔常山舌(がんじょうざんのした)
辛い処罰を受けても、君主や国への忠義を貫き通すこと。 「顔常山」は顔杲卿という人物のこと。 中国唐の顔杲卿は、反乱軍の安禄山に捕らえられても、唐への忠義を曲げず、安禄山を罵倒したため舌を切られるという処罰を受けたが、それでもなお罵倒を続けたという故事から。
鼓舌揺脣(こぜつようしん)
好き放題に思ったことを喋ること。 「鼓舌」は舌を鳴らして喋ること。 「揺脣」は唇を動かすこと。 どちらも勢いよく喋ることのたとえ。 「揺脣」は「揺唇」とも書く。 「揺脣鼓舌(揺唇鼓舌)」ともいう。
舌先三寸(したさきさんずん)
口先だけで誠実さがなく、巧みな弁舌のこと。 口だけで相手をうまくあしらったり、丸め込んだりすること。
七嘴八舌(しちしはちぜつ)
七つの嘴(くちばし)と八つの舌という意味で、たくさんの意見が色々なところから出ること。 または、多くの人々が喋っている様子。