君子三楽について

四字熟語 | 君子三楽 |
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読み方 | くんしのさんらく |
意味 | 父母と兄弟が元気で健在なこと、正しい行動をして、正しい心を持って天に恥じない生活をすること、すぐれた才能を持つ人を見つけ出し教育するという人格者の三つの楽しみのこと。 「君子」は人格者。 |
出典 | 『孟子』「尽心・上」 |
使用されている漢字
「君」を含む四字熟語
一飯君恩(いっぱんくんおん)
一度の食事の恩をいつまでも忘れないこと。 「一飯」は一膳の食事。 少しの恩でも忘れてはいけないという戒めの言葉。
君恩海壑(くんおんかいがく)
君主から受けた恩は、海や谷のように深いこと。 「君恩」は君主からの恩。 「海壑」は海と谷。 海や谷のように深い恩ということから。
君子自重(くんしじちょう)
学識があり、徳の備わった人格者は、自身の行動を慎んで、軽率な行動をしないこと。 「君子」は教養があり、高い徳がある人格者。 「自重」は慎んで、軽はずみな行動をしないこと。
君子殉名(くんしじゅんめい)
人格者は、名誉のために自身を犠牲にするということ。 「君子」は教養があり、高い徳がある人格者。 「殉名」は名誉を得るために、自身を犠牲にすること。 「君子名に殉ず」とも読む。
君子九思(くんしのきゅうし)
人格者が常に心がけるべき九つのこと。 「君子」は人格者、「九思」はいつも忘れないように心にある九つのこと。 物はしっかりと見る、話は正確に聞く、表情はいつも穏やかに保つ、手厚く礼儀正しい姿勢、言葉は真心を持って偽らない、仕事は慎重にする、疑問には質問する、怒る時にはその後どうするか考えておく、道義を犯して利益を貪らないという九つのこと。 「君子は九思あり」とも訓読する。
君子三畏(くんしのさんい)
君子がおそれ敬うべき三つのこと。 天命、有徳の大人、聖人の言をいう。 「君子」は人格者、「畏」はおそれ敬うこと。
「子」を含む四字熟語
晏子之御(あんしのぎょ)
他人の権威を笠にきておごり、自らの低い地位に満足している愚か者のたとえ。 「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。 「御」は御者のこと。 晏嬰の御者は、晏嬰を乗せたことで得意気になっていたが、その姿を見た御者の妻は離縁を迫ると、御者は改心したという故事から。
晏子高節(あんしのこうせつ)
脅しや暴力に屈しない気高い志のこと。 「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。 「高節」は志や節度が高いこと。 中国の春秋時代の斉の崔杼は、君主である荘公を殺し、自身に従わない者を粛清したが、晏嬰はそれに従わず脅しに屈しなかったという故事から。
一子相伝(いっしそうでん)
学問や技芸などの奥義を子孫の一人、または、弟子の一人だけに伝授し、他の者には決して漏らさないこと。 「相伝」は物事を代々伝えていくこと。
一本調子(いっぽんぢょうし)
ほとんど変化がなく、面白みがないこと。 音楽や文章、話し方などのことをいう。
延陵季子(えんりょうのきし)
中国の春秋時代の呉の季札のこと。 「延陵」は中国の呉の地名。 「季」は兄弟の四男のこと。 賢者の季札は、父親の呉王の寿夢の四男で、延陵を与えられて、見事にその地を治めたということから。
佳人才子(かじんさいし)
理想的な男女のこと。 「佳人」は美しい女性。 「才子」はすぐれた才能の男性。
「三」を含む四字熟語
一月三舟(いちがつさんしゅう)
仏の教えは一つなのに、受け手によりそれぞれの解釈があるということ。 同じ一つの月でも、停止している舟から見れば止まって見え、北へ動く舟から見れば北へ動いているように見え、また南へ動く舟から見れば南へ動いているように見えるということから。
一行三昧(いちぎょうざんまい)
一つの修行法を一心に励むこと。 または、念仏を唱えること。 「一行」は一つのことに専念すること。 「三昧」は精神を集中することで、心を安らかにすること。
一字三礼(いちじさんらい)
敬い慎んで写経すること。 または、写経をするときは、敬い慎んでやるべきであるという教え。 写経する時は、一文字書き写すたびに仏を三度礼拝していたということから。
一日三秋(いちじつさんしゅう)
相手を恋しく思う気持ちが深いこと。 または、とても待ち遠しいこと。 「三秋」は秋が三回過ぎることから"三年"の意。 一日会わなかっただけで、三年も会わなかったような気がすることから。
一読三嘆(いちどくさんたん)
すばらしい詩文などをよみ、感銘を受けること。 または、そのような名文、書物のこと。 「三」は何度もという意味。 「嘆」は感心して褒め称える、感嘆という意味。
一念三千(いちねんさんぜん)
日常における一瞬の思いの中にも、全宇宙の全事象が備わっているということ。 「三千」は世界の数を意味し、全宇宙のこと。 天台宗の教義。
「楽」を含む四字熟語
安居楽業(あんきょらくぎょう)
今の地位や立場などに満足して、楽しみながら仕事をすること。 または、よい政治が行われ、人々の生活が安定していること。 「居に安んじ、業を楽しむ」とも、「安居して業を楽しむ」とも読む。
安楽浄土(あんらくじょうど)
仏教において、阿弥陀仏がいるという安楽の世界。 また、すべてが満たされていることのたとえ。
為善最楽(いぜんさいらく)
善い行いをすることが一番楽しいことであるということ。 「善を為すこと最も楽し」とも読む。
隠居楽道(いんきょらくどう)
世間から離れ、山奥などの静かな場所に住み、清くゆったりとした気持ちで生活すること。または、文人が街中での生活を楽しむこと。 「隠居、道を楽しむ」とも読む。
益者三楽(えきしゃさんごう)
「礼儀と音楽をほどよく楽しむこと」「人の美点について褒めること」「立派な友人が多いこと」の三つの有益な楽しみのこと。 孔子の言葉。
往生極楽(おうじょうごくらく)
この世で死んだ後に、極楽浄土に生まれ変わること。 または、思い残すことなく、心穏やかに死ぬこと。 「往生」は死ぬこと。 「極楽」は「極楽浄土」を略した言葉で、仏教で阿弥陀仏がいるとされている、苦しみのない世界のこと。