詩腸鼓吹について

四字熟語 | 詩腸鼓吹 |
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読み方 | しちょうのこすい |
意味 | 詩を作る情をかきたてられること。 または、情をかきたてられる鶯(うぐいす)の鳴き声のこと。 「詩腸」は詩を作る情、「鼓吹」は太鼓や笛を鳴らすという意味から勢いづけるや鼓舞するという意味。 六朝時代、宗の戴ギョウが行き先を聞かれ、「鶯の声を聞き世俗に染まった耳を清めて、詩情をかきたてようとしている」と答えた故事から。 |
出典 | 『世説新語』「言語」 |
使用されている漢字
「詩」を含む四字熟語
琴棋詩酒(きんきししゅ)
文化人の風流な楽しみや遊び。 昔の中国で知識人の風流なたしなみとされていた。 「琴棋」は琴を弾いて、囲碁を打つこと。 「詩酒」は詩を作って、酒を飲むこと。
桂冠詩人(けいかんしじん)
「桂冠」は月桂樹の枝葉で作った冠のことで、古代ギリシャで英雄や詩人にこれが授けられた風習から、イギリス王室から最高の地位の詩人に与えられる称号のこと。
詩歌管弦(しいかかんげん)
漢詩や和歌を吟じたり、音楽をかなでたりすること。 または、文学や音楽のこと。 「詩歌」は漢詩と和歌などの韻文のこと。 「管弦」は管楽器、弦楽器のことで音楽のこと。
詩人蛻骨(しじんぜいこつ)
上質な茶をたたえる言葉。 「蛻」は抜きかえる、または、ぬけがらという意味。 素晴らしいお茶は詩人の感性さえも素晴らしいものにかえるということから。
塗抹詩書(とまつししょ)
幼い子供のこと。 または、幼い子供のいたずらのこと。 「塗抹」は塗りつぶすこと。 「詩書」は儒教で大切にされている経典の詩経と書経。 儒教では大切にされている経典も、幼児は気にかけることなく塗りつぶしてしまうという意味から。 「詩書を塗抹す」とも読む。
杜黙詩撰(ともくしさん)
詩や文章にたくさんの間違いがあって、いい加減なこと。 「杜黙」は人の名前。 「詩撰」は詩や文章を作ること。 中国の詩人の杜黙の作る詩や文章は、定型詩の格式にほとんど当てはまっていなかったということから。 「杜撰」という形で使うことが多い言葉。
「腸」を含む四字熟語
飢腸轆轆(きちょうろくろく)
空腹で腹が鳴ることを言い表す言葉。 「轆轆」は車が回転するときに出る音のことで、ここでは空腹時に腹が鳴る音を言い表す言葉。 極めて飢えている状態をいう。
九腸寸断(きゅうちょうすんだん)
ひどくつらく、悲しいこと。 「九腸」は腸全体のこと。 「寸断」は細かくたくさんに切ること。 内臓がばらばらに千切れるような、つらい悲しみという意味から。
剛腸石心(ごうちょうせきしん)
意志が固く、度胸があること。 「剛腸」は何事にも動じない、豪胆なこと。 「石心」は固い石のような心のこと。
石心鉄腸(せきしんてっちょう)
石や鉄のように固く強い心と意志のこと。 「石心」は石のように固い心臓、「鉄腸」は鉄のように固い腸、「心」と「腸」は内臓の心臓と腸のことから心や意志のたとえ。
断腸之思(だんちょうのおもい)
激しい悲しみや苦しみ。 中国の東晋の桓温の部下が、舟に移動しているときに子猿を捕らえた。 母猿は岸をつたって、百里以上追いかけて船に飛び乗ったところで力尽き、母猿の腹を割くと腸がずたずたになっていたという故事から。
鉄心石腸(てっしんせきちょう)
鉄や石のように固く強い心と意志のこと。 「鉄心」は鉄のように固い心臓、「石腸」は石のように固い腸。 「心」と「腸」は内臓の心臓と腸のことから、心や意志のたとえ。
「鼓」を含む四字熟語
歓欣鼓舞(かんきんこぶ)
思いっきり喜ぶこと。 「鼓舞」は鼓を打ち鳴らして踊ること。
含哺鼓腹(がんぽこふく)
人々が豊かな生活をして、平和な世の中を楽しむこと。 「含哺」は口に食べ物を含むこと。 「鼓腹」は腹鼓を打つこと。 満腹になって満たされている様子から。 「哺を含み腹を鼓す」とも読む。
旗鼓相当(きこそうとう)
力が互角なこと。 「旗鼓」は軍旗と太鼓のことから、軍隊のたとえ。 敵と味方の力が釣り合っているという意味から。 「旗鼓相当たる」とも読む。
旗鼓堂堂(きこどうどう)
隊列などがきちんと整っていて、威厳のある様子のこと。 または、文筆の勢いが盛んなことの形容。 「旗鼓」は旗と太鼓という意味から軍隊という意味。 「堂堂」は整然としていて威厳のある様子。
尭鼓舜木(ぎょうこしゅんぼく)
理屈や道理に合った意見は聞き入れるべきであるということ。 政治を行う人や、人の上に立つ立場の人に対する戒め。 「尭」と「舜」はどちらも古代中国の伝説上の聖天子のこと。 古代中国の尭帝は朝廷に太鼓を置いて意見がある人には太鼓を打たせ、舜帝は木札を立てて誰でも意見を書けるようにしたという故事から。
撃壌鼓腹(げきじょうこふく)
善い政治が行われ、人民が平和で不満のない生活を楽しむ様子。 または、世の中が平和なことのたとえ。 「撃壌」の「壌」は土や地面のことで、「撃壌」は地面をたたいて拍子をとること。または、履物を遠くから投げて、的に当てる遊びの名前という説もある。 「鼓腹」は食べるものが十分にあり、満腹になった腹を楽器のように打ち鳴らすこと。 古代中国の聖天使の尭帝は世の中がうまく治まっているか気になり、町に様子を見に行った。 そこで、一人の老人が満腹になった腹を打ち鳴らし、地面を踏んで拍子をとりながら、世の中は平和で、天子はいてもいなくても変わらないという意味の歌を歌っていた。 それを聞いた尭帝は、人民には政治を行うものの力を意識させずに、満ち足りた生活が出来ていることが分かり、安心したという故事から。
「吹」を含む四字熟語
呉市吹簫(ごしすいしょう)
すぐれた能力のある人が一時的に貧しく苦しくなり、物乞いをすることのたとえ。 「吹簫」はたて笛を吹くこと。 呉の市中でたて笛を吹いて物乞いをするという意味から。 「呉市に簫を吹く」とも読む。 中国の春秋時代、楚の伍子胥は呉の市中で乞食をしていたが、後に呉の王に仕えて功績をあげたという故事から。
吹影鏤塵(すいえいろうじん)
無意味な努力のこと。または、やっても充実感がないことのたとえ。 「鏤」は刻むこと。 影を吹き飛ばそうとしたり、塵に刻み目をいれようとすることから。 「影を吹き塵に鏤む」とも読む。
吹毛求疵(すいもうきゅうし)
強引に人の欠点を探すこと。または、人の欠点をなじることで、逆に自身の欠点を暴かれること。 「吹毛」は毛を吹くこと、「求疵」は傷を探すことで、わざわざ毛を吹き分けて、隠れている傷を探し出すという意味から。 「毛を吹いて疵を求む」とも読む。
懲羹吹膾(ちょうこうすいかい)
一度失敗したことに嫌になり、不必要なまでに注意すること。 「羹」は熱い汁物。 「膾」は生肉を酢につけたあえもの。 熱い汁で火傷をしたことに懲りて、冷たい料理にも息を吹きかけて冷ますという意味から。 「羹に懲りて膾を吹く」という形で使うことが多い言葉。
南郭濫吹(なんかくらんすい)
才能の無い者が才能があるかのように見せかけること。 または、それにより高い地位を得ること。 「南郭」は人の名前。 「濫吹」は下手な笛をむやみやたらに吹くこと。 春秋時代の斉の王は合唱を好み、三百人もの楽士を集めて笛の演奏をさせていた。 南郭は演奏が下手であるにもかかわらず、その中に混ざり高給を得ていた。 ところが、次の王は独奏が好みで、一人ずつ吹かせることにしたところ、南郭はあわてて逃げ出したという故事から。
鏤塵吹影(ろうじんすいえい)
無意味な努力のこと。 または、やっても充実感がないことのたとえ。 「鏤」は刻むという意味で、塵に刻み目を入れようとしたり、影を吹き飛ばそうとしたりすることから。