以夷征夷について

四字熟語 | 以夷征夷 |
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読み方 | いいせいい |
意味 | 自ら手を下さずに他人を利用して利益を図ること。
「夷」は中国東方の異民族、外敵のことで外敵を利用して外敵を制する外交戦略のこと。 「夷を以って夷を征す」とも読む。 「以夷制夷」とも書く。 |
出典 | 『清史稿』林則徐 |
別表記 | 以夷制夷(いいせいい) |
類義語 | 以夷功夷(いいこうい) |
以毒制毒(いどくせいどく) |
使用されている漢字
「以」を含む四字熟語
以逸待労(いいつたいろう)
こちらが動かないときに、相手が動かなければいけない情況を作って相手の疲弊を狙う策略。 兵法三十六計の第四計。 局面の主導権を握ることの重要性をいうもの。
以一当千(いいつとうせん)
一人で千人と同等の働きをすること。 または、一つのものが千のものの代わりになること。 「一を以て千に当つ」とも読む。
以火救火(いかきゅうか)
火を使って火を消そうとすること。 問題を解決しようとしてやり方を間違い、逆に被害が大きくなることをいう。 「火を以て火を救う」とも読む。
以杞包瓜(いきほうか)
高位の人物が持つ徳が、大衆を包み込むこと。または、高位の人物が謙遜した態度で賢者を求めること。 「杞」は植物の行李柳のことで、高い地位を持つ人のたとえ。 「瓜」は植物の瓜のことで、普通の人々のたとえ。 行李柳で作った葛籠に壊れやすい瓜を入れるということから。 「杞を以て瓜を包む」とも読む。
以魚駆蠅(いぎょくよう)
物事の対処の仕方を間違えると、かえって悪化するということ。 蠅が寄ってくる魚を振り回して追い払おうとしても、蠅は逆に寄ってくるということから。 「魚を以て蠅を駆る」とも読む。
以身役物(いしんえきぶつ)
自分の体が物に酷使されること。 または、周囲のことに振り回されたり、そのために苦労すること。 「身を以て物に役せらる」とも読む。
「夷」を含む四字熟語
夷険一節(いけんいっせつ)
どんな時でも信念を守り続けること。 「夷険」は平らな場所と険しい場所のことから順境と逆境のことで、順境でも逆境でも信念を変えないということ。
夷蛮戎狄(いばんじゅうてき)
中国の周辺にいた異民族のこと。 漢民族が異民族を蔑んで呼んでいた名称。 「東夷、南蛮、西戎、北狄」という四方の異民族の呼称をまとめた言葉。
禽獣夷狄(きんじゅういてき)
中国からみた異民族の蔑称。 「禽獣」は鳥と獣のこと。 「夷狄」は野蛮な人のこと。
勤王攘夷(きんのうじょうい)
天皇に忠義を尽くすことと、外国人を追い払うこと。 「勤王」は天皇に忠義を尽くすこと。 「攘夷」は外国人を自国から追い払うこと。 日本の江戸時代、王制に戻ることを目指した倒幕運動の中で唱えられたもの。 「勤皇攘夷」とも書く。
西戎東夷(せいじゅうとうい)
西方と東方の異民族の蔑称。 または、漢民族からみて異民族の蔑称。 「戎」は西方の異民族のこと。 「夷」は東方の異民族のこと。 どちらも読みは「えびす」。
尊皇攘夷(そんのうじょうい)
政治的な思想の一つで、天皇を崇拝して、他国の勢力を排除しようとすること。 「攘」は追い払うこと。 「夷」は異民族のこと。 元は別々の尊王論と攘夷論の二つが一つになって、江戸時代の討幕運動の中心となった。 「尊王攘夷」とも書く。
「征」を含む四字熟語
以夷征夷(いいせいい)
南征北伐(なんせいほくばつ)
休む暇もなく、いろいろな所で戦い続けることのたとえ。 「征」と「伐」はどちらも戦って敵を討つことで、戦うために南へ北へと遠征を繰り返すという意味から。
夫家之征(ふかのせい)
定職についていない者に課せられた、中国の周の時代にあった罰金。 「夫家」は夫婦、「征」は税を徴収すること。 一組の農民の夫婦に田が与えられ、その夫婦に課せられていた税と同じ額の罰金を課せられていたということから。
礼楽征伐(れいがくせいばつ)
政治、文化、教育、軍事のこと。 「礼楽」は礼儀作法と音楽のことで、古代中国では政治の要点とされていた。 「征伐」は悪人や反逆者を打ち滅ぼすこと。
「制」を含む四字熟語
以毒制毒(いどくせいどく)
悪を滅するために、他の悪を使うこと。 毒を治療するために、別の毒を使うという意味から。 「毒を以て毒を制す」という形で使うことの多い言葉。
規制緩和(きせいかんわ)
主に経済を発展させるために、産業や経済に関する制限を廃止したり、緩めたりすること。 「規制」は物事の限界を決めて、それを越えないように守らせること、「緩和」は緩めること。
犬牙相制(けんがそうせい)
国境でお互いに牽制しあうこと。 「犬牙」は犬の牙のことで、国境が入り組んでいることのたとえ。 「犬牙相制す」とも読む。
出奇制勝(しゅっきせいしょう)
相手が思いつかないような策略を使って勝つこと。 「奇」は相手が思いつかないような策略、奇策。 「奇を出だして勝ちを制す」とも読む。
柔能制剛(じゅうのうせいごう)
能力の弱い者が能力の強い者に勝つこと。 柔らかい物が固い者に勝つという意味から。 主に「柔能く剛を制す」の形で用いることが多い言葉。
先制攻撃(せんせいこうげき)
相手の攻撃よりも先に攻撃すること。 「先制」は物事が起こる直前。または、事を起こそうとしている直前のこと。