抜山蓋世とは

四字熟語 | 抜山蓋世 |
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読み方 | ばつざんがいせい |
意味 | 気力が充実していて、盛んな勢いがあること。 山を引き抜いて、世界を覆いつくすほどの力という意味から。 古代中国の戦国時代、楚の項羽が漢の軍に包囲されたときに、虞美人と最後の酒を交わしながら、自らを鼓舞するために詠んだ詩の一節から。 「山を抜き世を蓋う」とも読む。 |
出典 | 『史記』「項羽紀」 |
漢検級 | 2級 |
場面用途 | 盛んな勢い |
類義語 | 抜山倒河(ばつざんとうか) |
抜山倒海(ばつざんとうかい) | |
抜山翻海(ばつざんほんかい) |
使用されている漢字
「抜」を含む四字熟語
一毛不抜(いちもうふばつ)
極めてけちなこと。 または、利己的な人、けちな人。 「一毛」は一本の毛のこと。 自分のものは一本の毛すら惜しんで抜かないということから。 「一毛も抜かず」とも読む。
確乎不抜(かっこふばつ)
意志がしっかりとしているため、何があっても動揺したり、平静さを失ったりしないこと。 「確乎」はしっかりと定まっていること。 「不抜」は固くて抜くことができないという意味から、しっかりとしていて動かない、動揺しないこと。 「確固不抜」とも書く。
蓋世不抜(がいせいふばつ)
性格や才能などが、他の人と比べられないほどにすぐれていて、しっかりとしていること。 「蓋世」は世界を覆いつくすという意味から、非常にすぐれていることのたとえ。 「不抜」はしっかりとしていて、安定していること。
堅忍不抜(けんにんふばつ)
辛く苦しいことがあっても我慢して、ひたすら意志を貫くこと。 「堅忍」は我慢強く、意志が固いこと。 「不抜」は抜くことが出来ないという意味から、意志が固く決して揺るがないという意味。
剣抜弩張(けんばつどちょう)
戦闘が始まる直前のような緊張した状況のこと。 または、書道で筆勢に激しい気迫がこもっていることのたとえ。 剣を鞘(さや)から抜いて、石弓に矢をつがえて弦を引くことから。 「弩」は矢や石を飛ばすことのできる機械、石弓。 「張」は弦を引いて張ること。 「弩張剣抜」ともいう。
斬新奇抜(ざんしんきばつ)
物事の思いつきがこれまでにないほど新しく、独特なこと。 「斬新」は今までになく新しいこと。 「奇抜」は他の人が思いつきもしない、変わっていること。
「山」を含む四字熟語
安如泰山(あんじょたいざん)
物事が安定していて揺るがないこと。 「泰山」は中国にある山の名前。 泰山のように安定しているということから。 「安きこと泰山の如し」とも読む。
移山造海(いざんぞうかい)
自然を作り変えること。 山を移動させて、穴を掘って海を造るということから。 「山を移して海を造る」とも読む。
海千山千(うみせんやません)
物事の裏も表も知り尽くすほど様々な経験をしたことで、悪い知恵が働くようになること。 または、そのようなずる賢いこと人のこと。 海に千年、山に千年住んだ蛇は竜になるという伝説から。
雲雨巫山(うんうふざん)
男女の交わり、情交のたとえ。 「雲雨」は雲と雨のこと。 「巫山」は中国の四川省と湖北省の間にある、女神が住んでいたとされる山のこと。 中国の戦国時代の楚の懐王が昼寝をした際、夢の中で巫山の女神と情交を結んだ。別れ際に女神が「朝には雲となって、夕方には雨となってここに参ります」と言ったという故事から。 「巫山雲雨」ともいう。
回山倒海(かいざんとうかい)
山をころがし、海をひっくり返すほど勢いが盛んなこと。
海誓山盟(かいせいさんめい)
永久に変わることのない海や山のように、変わらない固い誓いという意味。 主に男女の愛情についていう言葉。
「蓋」を含む四字熟語
帷蓋不棄(いがいふき)
駄目になった物でも、何かに使うことができるので、捨てることを惜しむということ。 「帷」は部屋の仕切りなどに使う垂れ幕。 「蓋」は車を覆うための布。 「不棄」は駄目になっても捨てずにとっておくこと。 「帷」と「蓋」は死んだ動物を覆って埋める時に使うもので、それらを捨てずに取っておくということから、動物を大切にすることのたとえとしても使われる言葉。 「帷蓋棄てず」とも読む。
蓋棺事定(がいかんじてい)
その人の生前の評価はあてにならず、死後になってはじめて定まること。 「蓋棺」は遺体を入れる棺の蓋を閉めるということから、死ぬことをいう。 「棺を蓋いて事定まる」とも読む。
蓋瓦級甎(がいがきゅうせん)
屋根を覆っている屋根瓦と階段に敷かれている敷き瓦のこと。 「蓋瓦」は屋根を覆っている屋根瓦。蓋は覆うという意味。 「級甎」は階段に敷かれている敷き瓦。級は階段、甎は敷き瓦。
蓋世之才(がいせいのさい)
やる気に満ちていて、世を覆い尽くすほどの優れた才能を持っている人のこと。 「蓋世」は世を覆い尽くすこと。 「才」は優れた才能のこと。
蓋世不抜(がいせいふばつ)
性格や才能などが、他の人と比べられないほどにすぐれていて、しっかりとしていること。 「蓋世」は世界を覆いつくすという意味から、非常にすぐれていることのたとえ。 「不抜」はしっかりとしていて、安定していること。
蓋天蓋地(がいてんがいち)
この世の全てに仏の教えが広まること。 「蓋」は覆うという意味で、仏法が天地全てを覆うという意味から。 「天を蓋い地を蓋う」とも読む。
「世」を含む四字熟語
阿世曲学(あせいきょくがく)
世に認められた正しい学問の道理を曲げて、権力や世間、時勢に気に入られるようにへつらうこと。 「阿世」は世に気に入られるようにふるまうこと。 「曲学」は正しいと認められた道理を曲げた学問のこと。 「曲学阿世」ともいう。
一生一世(いっしょういっせ)
人生で一度きりの最も大切な出来事。 強く信じたり、心を決める時に使う言葉。
一世一元(いっせいいちげん)
天皇や皇帝が一代ごとに一つの元号を定め、変えずに用いること。 日本では明治天皇のときに制度として実施された。
一世一代(いっせいちだい)
人が生まれて死ぬまでの間にたった一度だけのこと。 「一世」と「一代」はどちらも人が生きている間という意味。 元は歌舞伎の役者などが引退する最後の舞台で一番得意な芸を演じることをいった言葉。
一世一度(いっせいちど)
生きている間に一度だけあること。
一世之傑(いっせいのけつ)
その時代で最もすぐれている英雄。