寸善尺魔とは

四字熟語 | 寸善尺魔 |
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読み方 | すんぜんしゃくま(すんぜんせきま) |
意味 | 世の中には悪いことが多く、善いことは少ないことのたとえ。または、よいことがあっても、悪いことに邪魔されてうまくいかないということ。 「寸」と「尺」は長さの単位で、「寸」は「尺」の十分の一の単位。 |
異形 | 寸善尺魔(すんぜんせきま) |
漢検級 | 3級 |
場面用途 | よい機会に邪魔が入る / 邪魔が入る / 機会 |
類義語 | 好事多魔(こうじたま) |
使用されている漢字
「寸」を含む四字熟語
一寸光陰(いっすんのこういん)
ほんの少しの時間のこと。 少しでも時間を無駄にしてはいけないという戒めの言葉。 「一寸」の「寸」は長さの単位で、とても短いことや、少ないことのたとえ。 「光陰」は日時計の陰のことから、時間や年月のたとえ。 「一寸の光陰軽んずべからず」の形で使うことが多い言葉。 朱熹の「遇成」の詩とされていたが、現在では日本の五山の僧侶が作ったとされる説がある。
一寸丹心(いっすんのたんしん)
嘘のない本心から誠意。 ほんの少しだけの真心という意味から。 自身の誠意という意味の謙譲語。 「一寸」の「寸」は長さの単位で、とても短いことや、少ないことのたとえ。 「丹心」は真心、誠意のこと。
九腸寸断(きゅうちょうすんだん)
ひどくつらく、悲しいこと。 「九腸」は腸全体のこと。 「寸断」は細かくたくさんに切ること。 内臓がばらばらに千切れるような、つらい悲しみという意味から。
九寸五分(くすんごぶ)
短刀のこと。 「寸」と「分」は長さの単位で、短刀の長さと同じということから。
口耳四寸(こうじよんすん)
聞いたことの意味を考えることをせずに、そのまま人に伝えるだけの役に立たない学問のこと。 「寸」は長さの単位のこと。 耳から入ったことがそのまま口から出ることで、口と耳の四寸の長さの間でする浅い学問ということから。
三寸之轄(さんずんのくさび)
物事の重要な部分のこと。 「三寸」は長さのことで、短いことのたとえ。 「轄」は車輪が車軸から抜けないようにするための留め金のこと。 長さ三寸程度のものでも、これがなければ車は走ることができないということから、物事の重要な部分をいう。
「善」を含む四字熟語
遏悪揚善(あつあくようぜん)
悪い行いには罰則を与えて禁止し、善い行いには褒賞を与えて奨励すること。 「遏悪」は悪い行いを禁止したりとどめたりすること。 「揚善」は善い行いを奨励したり誉めたりすること。 「悪を遏(とど)め善を揚(あ)ぐ」とも読む。
為善最楽(いぜんさいらく)
善い行いをすることが一番楽しいことであるということ。 「善を為すこと最も楽し」とも読む。
隠悪揚善(いんあくようぜん)
他人の悪いところは言わずに、善いところを広めること。 または、悪いことをおさえて、善いことに着目して広めること。 「隠悪」は悪い部分を隠すこと。 「揚」は世間に広く知らせるという意味。 「悪を隠して善を揚ぐ」とも、「悪を隠えて善を揚ぐ」とも読む。
嘉言善行(かげんぜんこう)
戒めとなる素晴らしい言葉と立派な行いのこと。 「嘉言」は素晴らしい言葉。 「善行」は立派なよい行い。
勧善懲悪(かんぜんちょうあく)
善い行いを奨励して、悪い行いには罰を与えること。 「勧善」は善い行いを勧めること。 「懲悪」は悪い行いを懲らしめること。 「善を勧め悪を懲らす」とも読む。 「懲悪勧善」ともいう。
強悪強善(きょうあくきょうぜん)
極悪な人物が心を入れ替えると、ものすごい善人になるということ。 または、悪に精通したものは、善にも精通しているということ。 「悪に強ければ善にも強し」とも読む。
「尺」を含む四字熟語
枉尺直尋(おうせきちょくじん)
大きな利益を得るためには、多少の犠牲は仕方ないということのたとえ。 または、小さな犠牲で大きな利益を得ることのたとえ。 「枉」は曲げること。 「尺」と「尋」はどちらも長さの単位で、八尺=一尋。 一尺分を折り曲げることで、八尺(一尋)を真っ直ぐにできればよいという意味から。
喙長三尺(かいちょうさんじゃく)
口が達者なことのたとえ。 「喙長」はくちばしの長さ。 「三尺」は長いことのたとえ。 喙(くちばし)の長さが三尺もあるという意味から。
尭階三尺(ぎょうかいさんじゃく)
君主がつつましい生活をすることのたとえ。 古代中国の伝説の聖天子の宮殿は、土を固めただけの階段があり、高さは三尺ほどしかなかったということから。 君主の生活の理想とされている。
鑿歯尺牘(さくしせきとく)
古代中国の国の晋にいた名文家の習鑿歯は、手紙での議論がとても上手かったということ。 「鑿歯」は習鑿歯のこと。 「尺牘」は手紙のこと。 晋の習鑿歯は名文家として有名で、その中でも手紙を使っての議論が上手かったために、将軍の桓温が右腕として厚遇したという故事から。
三尺秋水(さんじゃくしゅうすい)
研ぎ澄まされたすぐれた剣のこと。 「三尺」の「尺」は長さの単位で、「三尺」は剣の標準的な長さのこと。 「秋水」は冷たく澄んだ秋の水のことで、剣の冴えわたった光をたとえた言葉。
三尺童子(さんせきのどうじ)
七、八歳の子どものこと。 「三尺」の「尺」は長さの単位で、「三尺」は身長が低いことのたとえ。 身長が低い子どもということから。 または、「一尺」は二歳半として数え、「三尺」で七、八歳とするという説もある。
「魔」を含む四字熟語
好事多魔(こうじたま)
よい出来事には邪魔が入ることが多いということ。 「魔」は邪魔や災難、災いのこと。 男女の交際などで邪魔が入ったり、もめごとが起きたりしてうまくいかないことをいうこともある言葉。 「好事魔多し」とも読む。 「好事多磨」とも書く。
寸善尺魔(すんぜんしゃくま)
天魔外道(てんまげどう)
天上界にいる魔王と仏教を信仰しない人のこと。 「天魔」は仏教の修行や、善い行いなどを妨害したり、邪道に誘ったりする魔王のこと。 「外道」は仏教以外の宗教や、仏道から外れた教えのこと。または、それらを信仰する人のこと。 「天魔」も「外道」も仏道を妨害し、害を与える者のことをいう。
天魔波旬(てんまはじゅん)
仏教の修行を妨げるとされている悪魔のこと。 「波旬」は悪者という意味の梵語を音訳したもの。 天上にいるとされる悪魔で、「第六天魔王波旬」を略した言葉。 他化自在天や第六天魔王、天子魔などとも呼ばれる。