荘周之夢について

四字熟語 | 荘周之夢 |
---|---|
読み方 | そうしゅうのゆめ |
意味 | 自分とものとの区別がなくなって、全てのものが一つのものとする万物一体の境地のこと。または、人の生がはかないことのたとえ。または、夢と現実の境がはっきりと区別できなくなること。 「荘周」は道教の始祖の一人とされる思想家の荘子の別名。 荘子が胡蝶になって遊ぶ夢をみて、目が覚めると夢で胡蝶になったのか、胡蝶が夢をみて自分になったのかわからなくなったという故事から。 |
出典 | 『荘子』「斉物論」 |
類義語 | 胡蝶之夢(こちょうのゆめ) |
使用されている漢字
「荘」を含む四字熟語
孔孟老荘(こうもうろうそう)
古代中国の四人の思想家をまとめていう言葉。 儒家の孔子と孟子、道家の老子と荘子のことをいう。
荘厳華麗(そうごんかれい)
重々しく威厳があり、華やかな様子。 「荘厳」は威厳があって立派なこと。 「華麗」はきらびやかで美しいこと。
荘厳美麗(そうごんびれい)
重々しく威厳があり、華やかな様子。 「荘厳」は威厳があって立派なこと。 「美麗」はきらびやかで美しいこと。
荘周之夢(そうしゅうのゆめ)
百福荘厳(ひゃくふくしょうごん)
数多く積んだ福で仏像を飾ること。 または、仏の三十二相のこと。 「百福」は百の福徳を積むこと。 「荘厳」は仏像や奉ってある建物を美しく飾ること。 仏の三十二相は、仏にあるとされる三十二の特徴で、それぞれ百の福徳を積むことで現われるとされている。
「周」を含む四字熟語
周章狼狽(しゅうしょうろうばい)
予想していなかったことが起きて、ひどく慌てること。 「周章」と「狼狽」はどちらもひどく慌てるという意味。 「狼」と「狽」はどちらも想像上の動物のことで、「狼」は後足が極端に短く、「狽」は前足が極端に短いため、離れるとうまく歩けずに倒れてしまうことから、「狼狽」でうまくいかずに慌てふためくという意味になった。
周知徹底(しゅうちてってい)
全ての人にしっかりと知れ渡らせること。
周密精到(しゅうみつせいとう)
隅々まで行き届いていること。 「周密」と「精到」は、どちらも細かい場所まで注意が行き届いていることで、似た意味の言葉を重ねて強調したもの。
旦暮周密(たんぼしゅうみつ)
常に気を張って、注意し続けること。 「旦暮」は朝から晩までということから、一日中ということ。 「周密」は細かいところまで注意が行き届いていること。
堂下周屋(どうかのしゅうおく)
廊下のこと。 建物の部屋と部屋をつなぐ通路のこと。 「周屋」は部屋の周りをめぐるという意味。
朋党比周(ほうとうひしゅう)
仲間を作って結託して、それ以外の人を排斥すること。 「朋党」は考えや利害が同じ仲間のこと。 「比周」は片方だけと仲良くすること。 主に悪い意味で使われる言葉で、徒党を組んで悪事を働く場合などに使われる。
「之」を含む四字熟語
阿吽之息(あうんのいき)
複数の人と同じことをするときに、お互いの調子や気持ちが一致すること。 「阿」は吐く息、「吽」は吸う息のことをいい、互いの呼吸が揃った様子をいう言葉。
阿衡之佐(あこうのさ)
賢い家臣や、宰相が政治の補佐をすること。 または、その人のこと。 「阿衡」は中国の殷の賢臣の伊尹が就いた官職の名前。 「佐」は手助けすること。
阿保之功(あほのこう)
子供を育て上げた功績。 貴族などの、高い身分の人の子の子守りをする人の功績をいう。 「阿保」は子供を危険から守ったり、一緒に遊んだりすること。
晏子之御(あんしのぎょ)
他人の権威を笠にきておごり、自らの低い地位に満足している愚か者のたとえ。 「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。 「御」は御者のこと。 晏嬰の御者は、晏嬰を乗せたことで得意気になっていたが、その姿を見た御者の妻は離縁を迫ると、御者は改心したという故事から。
帷幄之臣(いあくのしん)
参謀や軍師など、指揮官に付き従って作戦を練る部下のこと。 「帷」は垂れ幕「幄」は引き幕のこと。 昔の陣営は幕をめぐらしたことから作戦を練る場所、本陣や本営、軍部の意味。
異域之鬼(いいきのき)
祖国に帰れず異国の地で死ぬこと。またはその人の魂。 「異域」は自分の国でない国、外国。 「鬼」は死んだ人の魂のこと。 故郷から離れて、外国に留まり続けている死者の魂という意味から。
「夢」を含む四字熟語
一場春夢(いちじょうのしゅんむ)
人生の栄光や繁栄が、儚く消えてしまうことのたとえ。 「一場」はほんの短い間の意。 春の夜にみる夢のように儚いということから。
一炊之夢(いっすいのゆめ)
人の世界での繁栄は儚いということのたとえ。 または、人の人生が儚いことのたとえ。 「一炊」は一度飯を炊くこと。 唐の盧生という人が、旅の途中の邯鄲の町で、道士から出世が叶うという枕を借りて寝ると、出世して財力や権力を手に入れる夢を見た。 目が覚めると、宿の主人に頼んでいた、粟のかゆが出来上がっていないほどのわずかな時間しか過ぎていなかったという故事から。
栄華之夢(えいがのゆめ)
人の繁栄は一時的なもので、長い期間続くことはないということ。 人の栄華は夢のように儚いもので、すぐに終わるということ。
役夫之夢(えきふのゆめ)
人生の栄華や栄光は夢のように儚いということのたとえ。 「役者」は使用人のこと。 昼間は主人にこき使われている使用人が「夜は夢の中で王になって楽しんでいるから平気だ」と言ったという故事から。
華胥之夢(かしょのゆめ)
良い夢のこと。 または、昼寝のこと。 「華胥」は夢の中にある理想郷。 中国の伝説の聖天子の黄帝は、昼寝をしていると華胥という国に行く夢を見た。 華胥では、人民に不満などが何も無く、理想的な政治が行われていた。 夢から覚めた黄帝は、その国を見習った政治をすると、自国をうまく治めることができたという故事から。
邯鄲之夢(かんたんのゆめ)
人の世界での繁栄は儚いということのたとえ。 または、人の人生が儚いことのたとえ。 「邯鄲」は中国の町の名前。 唐の盧生という人が、旅の途中の邯鄲の町で、道士から出世が叶うという枕を借りて寝ると、出世して財力や権力を手に入れる夢を見た。 目が覚めると、宿の主人に頼んでいた、粟のかゆが出来上がっていないほどのわずかな時間しか過ぎていなかったという故事から。