冠前絶後とは

四字熟語 | 冠前絶後 |
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読み方 | かんぜんぜつご |
意味 | 他よりも、飛び抜けてすぐれていること。 または、極めて珍しいこと。 「冠前」は過去から今までで一番すぐれていること。 「絶後」は今から未来にも現われないということ。 「冠絶」と略して使うこともある言葉。 中国の宋の徽宋帝が、唐の画家の呉道子を評した故事から。 |
出典 | 『宣和画譜』「二」 |
漢検級 | 3級 |
場面用途 | 優れた能力のある人 / 珍しい出来事 |
類義語 | 空前絶後(くうぜんぜつご) |
曠前絶後(こうぜんぜつご) |
使用されている漢字
「冠」を含む四字熟語
衣冠禽獣(いかんきんじゅう)
下品で程度の低い人のたとえ。 礼服を着た鳥や獣ということから。 「衣冠」は官吏が朝廷に勤めに出る際に着る服。 「禽獣」は鳥と獣のことで、人格の低い人のたとえ。
衣冠盛事(いかんせいじ)
名門の家に生まれてさらに功績を上げた後に、家の名声を引き継ぐこと、またはその者のこと。 「衣冠」は衣服と冠のことで名門、立派な家柄という意味。 「盛事」は立派な事業や功績、盛大な事柄のこと。
衣冠束帯(いかんそくたい)
昔の貴族や官僚が公事で着用する礼装のこと。 「束帯」は貴族や官僚が公事で着用する礼装のこと。 「衣冠」は簡易化した礼装のこと。
海内冠冕(かいだいのかんべん)
世界で一番ということ。 「海内」は四方の海の内側という意味から、国家や世界のこと。 「冠冕」は高い地位の人がつける冠ということから、一位や一番という意味。
冠婚葬祭(かんこんそうさい)
祝いと弔いの儀式の総称。 「冠」は成人式、「婚」は結婚式、「葬」は葬式、「祭」は法事や盆などの祖先の祭礼のこと。 「婚」は「昏」、「葬」は「喪」とも書く。
冠履顛倒(かんりてんとう)
地位や立場などの順位が逆になっていること。 価値や秩序が乱れていることをいう。 「冠履」はかんむりと靴。 「顛倒」はひっくり返ること。 かんむりと靴が入れ替わるという意味から。 「冠履転倒」とも書く。
「前」を含む四字熟語
一往直前(いちおうちょくぜん)
何があっても恐怖せずに、ひたすらまっすぐ進むこと。 「一往」はひたむきという意味。 「直前」は前だけを見てまっすぐ進むこと。
階前万里(かいぜんばんり)
天子が地方の政治の状況を詳しく知っていて、家臣がごまかすことができないこと。 「階前」は宮殿の階段の前のこと。 宮殿の階段の前にあるかのように、万里の遠方の地方のことも詳しく知っているという意味から。
空前絶後(くうぜんぜつご)
今までに例がなく、これからも起こることがないような珍しいこと。 「空前」は今までに起きたことがない。 「絶後」はこれからも起こることはありえないという意味。
梧前灯火(ごぜんとうか)
書斎で本を読むこと。 「梧前」は桐の机の前のこと。 桐の机の前の明かりの下という意味から。
史上空前(しじょうくうぜん)
過去に一度もないほどに珍しいこと。 「史上」は歴史として記録されている範囲内ということ。 「空前」は今までに一度もないということ。
承前啓後(しょうぜんけいご)
昔からのものを受け継いで、未来を切り開くこと。 学問や事業などのことをいう。 文化や文明を受け継いでいくことの大切さをいう言葉で、中国で昔から重要視されてきた考え方。 「前を承け後を啓く」とも読む。
「絶」を含む四字熟語
韋編三絶(いへんさんぜつ)
同じ書物を何度も読むこと。 または、学問に励むことのたとえ。 「韋編」は紙が出来る前の、木や竹の札をひもで綴った書籍のこと。 「三絶」は何度もひもが切れること。 「韋編三たび絶つ」とも読む。 孔子が何度もひもが切れるほど易経を読んだという故事から。
空前絶後(くうぜんぜつご)
今までに例がなく、これからも起こることがないような珍しいこと。 「空前」は今までに起きたことがない。 「絶後」はこれからも起こることはありえないという意味。
孔翊絶書(こうよくぜっしょ)
私情を挟まず、公正に政治を行うこと。 「孔翊」は人の名前。 「絶書」は手紙の中身を確認せずに捨てること。 中国の晋の時代の洛陽の長官になった孔翊は、その地位を頼って送ってくる私的な依頼の手紙は、全て読まずに水の中に捨てていたという故事から。
孤峰絶岸(こほうぜつがん)
文章や詩などが、他と比べて飛びぬけてすぐれていること。 「孤峰」は他よりも一つだけ高い峰。 「絶岸」は険しい岸壁。
清絶高妙(せいぜつこうみょう)
汚れが無く、すぐれている様子。 「清絶」はこの上なく清らかなこと。 「高妙」はすぐれていて立派なこと。
清絶幽絶(せいぜつゆうぜつ)
人里から離れて暮らし、とても清らかで静かな様子。 「清絶」は非常に清らかなこと。 「幽絶」は静かで、人里から遠く離れていること。または、そのような場所のこと。
「後」を含む四字熟語
雨後春筍(うごしゅんじゅん)
同じようなものが次から次へと出現したり、発生したりすること。 「筍」は植物のたけのこ。 雨が降った後に、たけのこが次から次へと生えてくるという意味から。
空前絶後(くうぜんぜつご)
今までに例がなく、これからも起こることがないような珍しいこと。 「空前」は今までに起きたことがない。 「絶後」はこれからも起こることはありえないという意味。
鶏口牛後(けいこうぎゅうご)
大きな組織に入って上の人に付き従い言いなりになるより、小さな組織だとしても上に立つほうがよいということ。 「鶏口」は鶏の口ばしのことで、小さな組織の長という意味。 「牛後」は牛の尾のことで、大きな組織の末端という意味。 戦国時代、蘇秦が韓王に秦の属国になるより、たとえ小国だとしても一国の王のほうがよいと説得した故事から。 「寧(むし)ろ鶏口と為(な)るも、牛後と為(な)るなかれ」の略。
後悔噬臍(こうかいぜいせい)
後悔したとしてもどうにもならないこと。 「噬臍」はへそを噛むという意味で、どうやっても自分の口は、自分のへそには届かないということから、不可能という意味。
後患無窮(こうかんむきゅう)
後になってわずらわしい問題が尽きることなく発生すること。 「無窮」は終わりがない、尽きないという意味。
後顧之憂(こうこのうれい)
物事が終わったあとに残っている心配事。後日のことを心配すること。 「後顧」は後ろを振り返るという意味から、あとに残る思いという意味。 「後顧之思」とも書く。