意馬心猿とは

四字熟語 | 意馬心猿 |
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読み方 | いばしんえん |
意味 | 煩悩や情欲などの欲望に、心を乱されて落ち着かないこと。
または、そのような欲望を抑えることができないことのたとえ。 「意馬」は馬が興奮して暴れまわるように、気持ちが落ち着かないこと。 「心猿」は激しく騒ぐ猿のように、気持ちが落ち着かないこと。 乱れて落ち着かない気持ちを、走り回る馬や騒ぎ立てる猿にたとえた仏教の言葉。 「心猿意馬」ともいう。 |
出典 | 『参同契』 |
異形 | 心猿意馬(しんえんいば) |
漢検級 | 準2級 |
使用されている漢字
「意」を含む四字熟語
意気軒昂(いきけんこう)
気力があふれていて、奮い立つ様子。 「意気」は気力や気概、「軒」と「昂」はどちらも高く上がるという意味。
意気消沈(いきしょうちん)
元気をなくして気分がしょんぼりすること。 「意気」は気力や気概。「銷沈」は衰えて沈むという意味。 「意気銷沈」とも書く。
意気衝天(いきしょうてん)
気力が天を衝くほど高く充実している様子。 「意気」は気力や気概、「衝天」は天を衝くほど高いという意味。
意気自如(いきじじょ)
心の持ち方がいつも通りで平静な様子。 「意気」は気力や気概、「自如」は動じない様子。
意気沮喪(いきそそう)
意気込みがくじけて、やる気や元気がなくなること。 「意気」は気力や気概。「沮喪」は勢いを失い元気や勢いがなくなること。 「意気阻喪」とも書く。
意気投合(いきとうごう)
気持ちや考えが一致すること。または、気が合うこと。 「意気」は気持ちや考え、「投合」は一致するという意味。
「馬」を含む四字熟語
衣馬軽肥(いばけいひ)
身分が高く財産がある人の服装。 または、常にとても富貴な様子。 肥え太った立派な馬と、軽くて高級で丈夫な皮ごろもということから。
倚馬七紙(いばしちし)
素晴らしい文章をあっという間に書き上げる才能。 「倚馬」は馬の近くにたったままでいること。 「七紙」は紙七枚におよぶ長い文章。 中国の晋の時代、哀虎は主君の桓温に布告の文を書くように言われ、馬の前にたったまま、あっという間に紙七枚にわたる名文を書き上げたという故事から。
以毛相馬(いもうそうば)
外見で人を判断することはできないということ。 馬の毛の色ですぐれた馬を見分けようとするという意味から。 「毛を以て馬を相す」とも読む。
飲馬投銭(いんばとうせん)
心も行いも清く正しいこと。 馬が水を飲むたびに、自主的に代金を水に投げ込むということから。 「馬に飲い銭を投ず」とも読む。
烏白馬角(うはくばかく)
絶対にあるはずがないこと。 「烏白」は頭の色が白い烏、「馬角」は角の生えている馬のことで、そのような動物は存在しないということから。
管仲随馬(かんちゅうずいば)
聖人の知恵を借りること。 または、昔の人の経験を尊重することのたとえ。 「管仲」は中国の人の名前。 「随」は従うこと。 中国の春秋時代、名宰相といわれていた管仲は、戦いから帰るときに道に迷い、馬の知恵を借りようと馬を放ち、馬の後についていくと帰ることができたという故事から。 「管仲馬に随う」とも読む。
「心」を含む四字熟語
安心起行(あんじんきぎょう)
信仰や実践することで得られる心の安らぎのこと。 浄土宗では「南無阿弥陀仏」と誠意を込めて唱えること。
安心決定(あんじんけつじょう)
浄土宗で阿弥陀仏の誓いを信じぬき、少しの疑いももたないこと。 または、信念を得て心が決まること。 または、将来の見通しが立って、不安が全くないこと。
安心無為(あんじんむい)
信仰することで得た心の安らぎ。
安心立命(あんじんりつめい)
どんなに困難な場面に遭遇しても心を安らかな状態に保ち、どんな時にも惑わされずに天命をまっとうすること。 「安心」は仏教の語で、信仰により得ることが出来る心の安らぎの境地。 「立命」は儒教の語で、天命をまっとうすること。 「立命安心」ともいう。
以心伝心(いしんでんしん)
言葉や文字などを使うことなく、心と心で互いの意志や気持ちが通じ合うこと。 元は、文字や言葉では表現できない奥義を、師と弟子の心を通わせることで伝えることを意味した禅宗の言葉。 「心(こころ)を以(もっ)て心(こころ)に伝(つた)う」と訓読する。
異体同心(いたいどうしん)
それぞれ異なる体を持っているが、心は強く結ばれていること。 「異体」は異なる体のこと。 「同心」は心が同じであること。 おもに夫婦や親しい人間関係などの深い関係をいう言葉。
「猿」を含む四字熟語
猿猴取月(えんこうしゅげつ)
自身の地位や能力を過信して、欲を出しすぎて身を滅ぼすこと。 「猿猴」は動物の猿こと。 猿たちが木の枝から次々と尾をつかんでぶら下がって、井戸の中の水に映った月を取ろうとすると、枝が折れてしまい、猿たちは溺れ死んだという昔話から。 「猿猴月を取る」とも読む。
猿猴捉月(えんこうそくげつ)
自身の地位や能力を過信して、欲を出しすぎて身を滅ぼすこと。 「猿猴」は動物の猿こと。 猿たちが木の枝から次々と尾をつかんでぶら下がって、井戸の中の水に映った月を取ろうとすると、枝が折れてしまい、猿たちは溺れ死んだという昔話から。
猿臂之勢(えんぴのいきおい)
進退や攻守を自在に変化させることのできる軍隊の体制のこと。 または、遠い場所に陣を張ること。 「猿臂」は猿のような長いひじのこと。 弓を扱うには長いひじのほうが有利ということから、弓の扱いに長けた人のことをいう。また、長いひじを自在に操るということから、進退や攻守を自在に変えることができることをいう。
窮猿投林(きゅうえんとうりん)
困っている状況の時には、選り好みする余裕はないということ。 または、貧しいときは職を選んでいる余裕は無いということ。 「窮猿」は逃げ場のない状況に追い込まれた猿。 「投林」は林に飛び込むこと。 逃げ場の無い状況に追い込まれた猿が、林の中に飛び込んでも、掴まるための枝を選ぶ余裕はないという意味から。 中国の東晋の李充が言った言葉とされ、貧しかった李充は将軍の参謀に薦められたが、それでは生活が成り立たないと判断して、報酬は多いが地位の低い地方官になったという故事から。
犬猿之仲(けんえんのなか)
ひどく仲が悪いこと。 犬と猿は相性が悪く、互いに敵視するとされていることから。
母猿断腸(ぼえんだんちょう)
激しい悲しみや苦しみ。 中国の東晋の桓温の部下が、舟に移動しているときに子猿を捕らえた。 母猿は岸をつたって、百里以上追いかけて船に飛び乗ったところで力尽き、母猿の腹を割くと腸がずたずたになっていたという故事から。