剣抜弩張について

四字熟語 | 剣抜弩張 |
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読み方 | けんばつどちょう |
意味 | 戦闘が始まる直前のような緊張している状況のこと。 または、書道で筆勢に激しい気迫がこもっていることのたとえ。 剣を鞘から抜いて、石弓に矢をつがえて弦を引くという意味から。 「弩」は矢や石を飛ばすことのできる機械、石弓。 「張」は弦を引いて張ること。 |
出典 | 『漢書』「王莽伝・下」 |
類義語 | 一触即発(いっしょくそくはつ) |
刀光剣影(とうこうけんえい) |
使用されている漢字
「剣」を含む四字熟語
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)
皇位継承の証として、天皇が代々受け継いできた三種の神器の一つ。 草薙剣や草那芸之大刀とも呼ばれ、スサノオノミコトが八岐大蛇を倒したときに尾から出てきたとされている。 現在は、熱田神宮で神体として祭られている。
琴心剣胆(きんしんけんたん)
風情を楽しむ心があり、勇ましい力があること。 琴を奏で楽しむ心があるが、剣をとって戦う力強さもあるということから。
剣戟森森(けんげきしんしん)
恐ろしくなるような厳しく激しい性格のこと。 「剣戟」は剣と矛ということから、武器のこと。 「森森」は数多く立ち並んでいる様子。 多くの武器が立ち並んでいる様子を性格にたとえた言葉。
剣山刀樹(けんざんとうじゅ)
地獄にあるとされている、剣の山と刀の林のこと。 「剣山」は刃を上に向けて立てた山のこと。 「刀樹」は刀が葉になっている木がたくさん生えている林のこと。
口蜜腹剣(こうみつふくけん)
心地よい言葉をかけながら、心の中には悪意が満ちていること。 「口蜜」は甘い言葉、丁寧な言葉のこと。 「腹剣」は腹の中に剣があるという意味から、心に悪意があることのたとえ。 一見丁寧で親切に見えるが、邪な心を持っている人のことをいう。 中国の唐の時代の宰相、李林甫の計算高い狡賢さを評した言葉。 「口に蜜有り腹に剣有り」を略した言葉。
刻舟求剣(こくしゅうきゅうけん)
時代の変化を知らずに、古い考えや昔からの習慣にこだわって、融通がきかないことのたとえ。 中国の春秋時代、楚の人が舟で川を渡っているときに川に剣を落としてしまったので、慌てて剣を落とした位置を舟に記した。 向こう岸に着いた後に、舟に記した位置をたよりに水中を探したという故事から。 「舟に刻みて剣を求む」とも読む。
「抜」を含む四字熟語
一毛不抜(いちもうふばつ)
極めてけちなこと。 または、利己的な人、けちな人。 「一毛」は一本の毛のこと。 自分のものは一本の毛すら惜しんで抜かないということから。 「一毛も抜かず」とも読む。
確乎不抜(かっこふばつ)
意志がしっかりとしているため、何があっても動揺したり、平静さを失ったりしないこと。 「確乎」はしっかりと定まっていること。 「不抜」は固くて抜くことができないという意味から、しっかりとしていて動かない、動揺しないこと。 「確固不抜」とも書く。
蓋世不抜(がいせいふばつ)
性格や才能などが、他の人と比べられないほどにすぐれていて、しっかりとしていること。 「蓋世」は世界を覆いつくすという意味から、非常にすぐれていることのたとえ。 「不抜」はしっかりとしていて、安定していること。
堅忍不抜(けんにんふばつ)
辛く苦しいことがあっても我慢して、ひたすら意志を貫くこと。 「堅忍」は我慢強く、意志が固いこと。 「不抜」は抜くことが出来ないという意味から、意志が固く決して揺るがないという意味。
斬新奇抜(ざんしんきばつ)
物事の思いつきがこれまでにないほど新しく、独特なこと。 「斬新」は今までになく新しいこと。 「奇抜」は他の人が思いつきもしない、変わっていること。
出類抜萃(しゅつるいばっすい)
同じ仲間の中のすぐれたものの中でも、さらに一際すぐれていること。 「出類」は同じ種類の中で、すぐれている人を選ぶこと。 「抜萃」はすぐれたものの中から、一際すぐれているものを選ぶということ。 「類より出でて萃に抜く」とも読む。
「弩」を含む四字熟語
「張」を含む四字熟語
一弛一張(いっしいっちょう)
人に厳しくしたり、やさしく接したりすること。 「一…一… 」は"あるときは…し、あるときは…する"という意味。 「弛」は弦を弛めること。 「張」は弦を張ること。 弦を弛めたり張ったりするということから。
一張一弛(いっちょういっし)
人に厳しくしたり、やさしく接したりすること。 「一…一… 」は"あるときは…し、あるときは…する"の意味。 「張」は弦をはること。 「弛」は弦をゆるめること。 弦を張ったり弛めたりすることから。
五角六張(ごかくろくちょう)
何をしてもうまくいかない縁起の悪い日のたとえ。 または、物事がうまく進まないこと。 正座によって二十八方位に分割したものの中の二つ、「角」と「張」のことで、どちらも物事がうまく進まない日とされている。 五日に角宿にあい、六日に張宿にあうという意味から。
主義主張(しゅぎしゅちょう)
その組織や人が持ち続けている、意見や考えのこと。 「主義」は常に持ち続けている行動の指針。 「主張」は常に持ち続けている意見や考え。
瞋目張胆(しんもくちょうたん)
大いに勇気を奮うこと。 「瞋目」は怒りで目をむき出すこと。 「張胆」は肝っ玉を太くすること。 恐ろしい事態にあっても、恐れずに勇気を持って立ち向かう心構えをいう言葉。 「目を瞋し胆を張る」とも読む。
蘇張之弁(そちょうのべん)
その時の利益と損害などの状況に合わせて、国や組織などが手を組んだり、離れたりすること。 「蘇」は強大になった秦に対して、周辺の六カ国が、縦(南北)に同盟を組んで対抗するという蘇秦の策略。 「張」は合従の対抗策として秦の張儀が使った策略で、秦と組む利を説いて、合従から抜けさせ、秦と各国が横(東西)に同盟を組むというもの。