被髪佯狂について

四字熟語 | 被髪佯狂 |
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読み方 | ひはつようきょう |
意味 | 髪を振り乱して、気がふれた人のふりをすること。
「被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。 「佯狂」は狂っているかのように見せかけること。 古代中国の殷の紂王の臣下である箕子は、暴政を行う紂王を諫めたが聞き入れられなかった。 君主のもとを去れば、君主の悪が公になってしまい、また、自分自身を弁解することにもなってしまうと考えた箕子は、髪を乱し、狂ったふりをして奴隷となったという故事から。 |
出典 | 『史記』「宋世家」 |
使用されている漢字
「被」を含む四字熟語
公孫布被(こうそんふひ)
高い地位があるが、質素な生活をすること。 または、うわべだけの節約のこと。 「布被」は麻や木綿のつつましい掛け布団のこと。 売名のために、わざとらしく質素な生活を見せ付けることをいう。 中国の前漢の高官の公孫弘は、臣下は節約すべきといい、麻の布団で寝て、質素な食事をしていたが、汲黯が偽善的だと言ったという故事から。
扇枕温被(せんちんおんぴ)
両親を大切にすること。 夏は親の枕元で、扇で扇いで涼しくして、冬は自分の体温で親の布団を温めて、親が過ごしやすいようにするということから。
長枕大被(ちょうちんたいひ)
同じ布団で寝るほどに兄弟や夫婦が仲睦まじいことのたとえ。 「被」は夜着や掛け布団のことで、元は夫婦仲がよいことだったが、玄宗皇帝が、息子兄弟が仲良く寝られるようにと、大きな布団と長い枕を作らせた故事から、兄弟の仲がよいことをいうようにもなった。
被褐懐玉(ひかつかいぎょく)
すぐれた才能を持っているが、表面には出さないこと。 「褐」はぼろぼろの服のことで、外見は粗末な服だが懐には宝玉を隠し持っているという意味。
被官郎党(ひかんろうとう)
武士、または、その家来のこと。 「被官」は大名などの上級武士に直接仕えている下級武士のこと。 「郎党」は武士の下僕のことで、血の繋がりがなく、領地を持っていない人のこと。 「被官」は「被管」、「郎党」は「郎等」とも書く。
被害妄想(ひがいもうそう)
主に精神疾患にみられる症状で、特に根拠もないのに、他者から危害を受けていると思い込むこと。 「妄想」は間違ったことを根拠もなく信じること。
「髪」を含む四字熟語
握髪吐哺(あくはつとほ)
熱心にすぐれた人材を探し求めることのたとえ。 「握髪」は髪を握る、「吐哺」は食べ物を吐き出すという意味。 春秋時代、周公旦は食事中でも食べ物を吐き出し、入浴中でも濡れた髪を握って、面接を求める人にはすぐに面会して、すぐれた人材の登用に努めた故事から。
一髪千鈞(いっぱつせんきん)
この上なく危険なことのたとえ。 「鈞」は中国の昔の重さの単位で、「一鈞」は周の時代では約八キログラム、唐の時代では約二十キログラム。 髪の毛一本で千鈞の重さがあるものを吊り下げるという意味から。 「一髪、千鈞を引く」を略した言葉。
鶴髪童顔(かくはつどうがん)
年老いても元気な人の様子。 「鶴髪」は鶴の羽毛のような白髪。 「童顔」は子どものような幼い顔。または、子どものように色つやのよい顔のこと。
間不容髪(かんふようはつ)
何か事が起きたときに、それに合わせた行動をすぐに行うこと。 髪の毛一本を入れる隙間もないという意味から。 「間、髪を容れず」という形で使うことが多い言葉。
危機一髪(ききいっぱつ)
「一髪」は一本の髪の毛ほどの隙間のことで、髪の毛一本ほどのわずかな差で、大変なことになる瞬間や状況という意味。
苦髪楽爪(くがみらくづめ)
人の苦楽の様子のことで、苦しいときは髪が早く伸び、楽をしているときは爪が早く伸びるということ。
「佯」を含む四字熟語
被髪佯狂(ひはつようきょう)
「狂」を含む四字熟語
我慢強狂(がまんごうきょう)
他人の意見を絶対に受け入れないこと。 「我慢」は好き勝手に振る舞うこと。 「強狂」は頑固なこと。
狂喜乱舞(きょうきらんぶ)
思い切り喜ぶこと。 「狂喜」は正気を失ったかのように激しく喜ぶこと。 「乱舞」は大人数で入り乱れて踊ることや狂ったように踊ること。 思わず踊ってしまうほど激しく興奮して喜ぶという意味から。
狂言綺語(きょうげんきご)
事実のように作り上げていたり、文章を飾るだけで内容の無い文章や小説を卑しめていう言葉。 「狂言」は道理に外れた言葉。 「綺語」はうまく飾った言葉。
狂悖暴戻(きょうはいぼうれい)
狂っているように暴力的で、道理に反していること。 「狂悖」は良心を失って、道理に反すること。 「暴戻」は暴力的で道理に反していること。
狂瀾怒濤(きょうらんどとう)
ひどく乱れている様子。 「狂瀾」と「怒濤」はどちらも荒れ狂った大きな波のこと。 主に世の中や時代の情勢を言い表す言葉。
朴魯疎狂(ぼくろそきょう)
飾り気がなく愚かで、落ち着きがなく、常識はずれなこと。または、その人のこと。 「朴魯」は見た目を繕わず、愚かなこと。 「疎狂」は落ち着きがなく、常識はずれなこと。 君子の理想像とされ、完璧な人よりも、多少愚かで常識はずれな振る舞いをするほうがよいとことをいう。