「ことわざ2」に共通する四字熟語一覧
四字熟語の一覧(五十音順)
塞翁失馬(さいおうしつば)
人の幸と不幸はその時々で変わるので幸不幸は予測できないという意味。 「塞翁」は砦の老人という意味。
歳月不待(さいげつふたい)
年月はあっという間に過ぎていき、人の都合などでは待ってくれないので、時を大切にせよという戒めの語。
砂上楼閣(さじょうのろうかく)
物事が長く続かないこと。または、実際に出来る可能性が全くない計画のこと。 「楼閣」は立派な建物のこと。 砂の上に立てた立派な建物は、地盤が弱くすぐに崩れるという意味から。
三顧之礼(さんこのれい)
立場が上の人が礼を尽くして、すぐれた才能を持つ人を招くこと。 または、立場が上の人が立場が下の人に礼を尽くして、仕事を依頼すること。 「三顧」は三回訪問すること。 古代中国の三国時代、蜀の皇帝劉備が諸葛亮を迎え入れるために住居を三回訪問したという故事から。
三人文殊(さんにんもんじゅ)
平凡な人でも、三人で知恵を出し合えば何かよい考えが出るものだということ。 「文殊」は知恵をつかさどるとされるという文殊菩薩のこと。 普通な人でも三人で考えを出し合えば、文殊菩薩と同等以上の考えが浮かぶという意味から。 「三人寄れば文殊の知恵」を略した言葉。 「三人文珠」とも書く。
尸位素餐(しいそさん)
高い地位をもっているだけの無駄飯食い。 または、職務を果たしていないのに無駄に高い給料を得ていることのたとえ。 「尸位」は才能も人徳もないのに高い地位についていること。 「素餐」は何もせずに食べるばかりであること。
四海兄弟(しかいけいてい)
人と接するときにまごころと礼儀を持てば、人は兄弟のように親しくなれること。または、親しくするべきだということ。 「四海」は四つの方向の海のことから全世界という意味。
色即是空(しきそくぜくう)
「色」すなわち「この世の全ての事象や物体」で変化しないものはなく、全てのものの実体は「空」であるということ。 「色」はこの世に存在する全ての物質的な物や、人が認識できる全ての事象。 「空」は物質的には存在しているが実体ではないという意味。
四苦八苦(しくはっく)
とても苦労すること。苦しむこと。 仏教語であらゆる苦しみという意味。 四苦は生、老、病、死のこと。 八苦は四苦に愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五陰盛苦の四つを加えたもの。 愛する人との別れの苦しみ、愛別離苦。 恨みや憎しみをもった人と会う苦しみ、怨憎会苦。 欲しいものを得ることができない苦しみ、求不得苦。 心身の活動だけで湧き上がる苦しみ、五陰盛苦。
獅子身中(しししんちゅう)
獅子の体内に寄生する虫が獅子を死なせることから、組織や集団の内部から災いをもたらすこと。
死児之齢(しじのよわい)
どうにもならないことを今さら悔やむこと。 「死児の齢を数う」の略で、亡くなった子が今生きていれば何歳だと数えて悲しむという意味。
四十不惑(しじゅうふわく)
孔子が生涯を述懐して語った言葉で、四十歳のときに自分の学問に自信をもって、向かう方向が妥当だと確信して迷わなくなったということから、四十歳で迷わなくなること。
七顛八倒(しちてんばっとう)
激しい苦痛に苦しみもだえること。 「七」や「八」は程度が甚だしいことのたとえで、何度も転がって何度も倒れるという意味から。 「七転八倒」とも書く。
死中求活(しちゅうきゅうかつ)
死ぬ覚悟を持って、困難に立ち向かうこと。 または、絶体絶命の窮地の中で生き延びるための活路を求めること。 「死中」は死を待つしかない状況、「求活」は生き残るための方法を求めること。
疾風迅雷(しっぷうじんらい)
非常に速い風と激しい雷という意味から、動きや変化が非常に速い様子。
櫛風沐雨(しっぷうもくう)
様々な苦労をすることのたとえ。 「櫛風」は、風が髪がくしけずること。 「沐雨」は、雨が体を洗うこと。 雨や風にさらされながら苦労して働くという意味から。 「風に櫛り雨に沐す(かぜにくしけずりあめにもくす)」とも読む。
四面楚歌(しめんそか)
周りを敵や反対者に囲まれており、味方がいなくて孤立している状態のこと。 楚の項羽は漢の劉邦に追い詰められたときに、夜になって漢の軍の中から聞こえてきた楚の国の歌をきいて、漢に降った楚の人が多いことを嘆き、敗北を悟った故事から。
射将先馬(しゃしょうせんば)
馬に乗っている武将を射止めるためには馬を射ることが先決であるという意味から、目的を果たすためにはその周囲やよりどころにしているものを先に攻めるとよいということ。
秋高馬肥(しゅうこうばひ)
爽やかで心地よい秋を言い表す言葉。 空が高く、すっきりと晴れ渡る気持ちのよい秋の季節になると、馬も餌をよく食べてたくましく肥えるということから。 元は秋の収穫の後で、中国の北部から騎馬民族が攻め込んでくる季節のことをいう言葉。 「秋高く馬肥ゆ」とも読み、現在では、「天高く馬肥ゆる秋」と用いることが多い言葉。
秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
刑罰、権威、意志、規律などが厳しく、不正や怠慢などを決して許さないことのたとえ。 「秋霜」は秋に降る霜のこと。 「烈日」は夏の日差しのこと。 どちらも厳しさのたとえ。
酒池肉林(しゅちにくりん)
極めて贅沢で豪勢な宴会のこと。 または、性的に乱れている宴会のこと。 「酒池」は酒で満たした池のこと。 「肉林」は林の木々に肉を吊るしたもの。 殷の暴君紂王が、酒池と肉林を用意してその中を裸にした男女に追いかけ回らせるという宴会を、昼も夜もなく何日にもわたって開いたという故事から。 「肉林」の”肉”という字には文字通り”肉”の意味しかなく、原文では酒池肉林の後に「男女を裸にして追いかけ回らせる」という意味の文があるため、酒池肉林という言葉自体には「性的に乱れている宴会」という意味は含まれておらず、そのような意味での用い方は本来は誤用である。
出藍之誉(しゅつらんのほまれ)
弟子が師匠を超えること。 または、学問をすることで人は良い方向に向上するということ。 青い染料は藍の葉から作るが、布を染めることで藍よりも青くなるということから。 「青は之を藍より取りて藍よりも青し」から出来た言葉。
小人閑居(しょうじんかんきょ)
つまらない人は、暇になるとよくないことをするものであるということ。 「小人」は度量の狭い人、小人物。 「閑居」はやることがなくて暇なこと。 「小人閑居して不善を為す」を略した言葉。 「小人間居」とも書く。
掌中之珠(しょうちゅうのたま)
自分の中で一番大切なもののこと。 または、自分の妻と子どものこと。 手のひらの中にある宝石という意味から。
焦眉之急(しょうびのきゅう)
危険が間近に迫ってきていることのたとえ。 「焦眉」は眉が焦げるほどに火が近づくということ。 「焼眉之急」とも書く。
諸行無常(しょぎょうむじょう)
世の中は常に変化しており、いつまでも変化しないものや永久に無くならないものはないということ。 人生、人の命の儚さをいう言葉。 「諸行」はこの世にある全てのもの、全ての現象のこと。 「無常」は変化しないものはないという意味。 「諸行無常、諸法無我、涅槃寂静」という仏教の思想の特徴を表す三法印の一つ。 平家物語の冒頭として有名。
処女脱兎(しょじょだっと)
兵法の一つで、始めのうちは大したことのないように見せて相手を油断させ、後にものすごい勢いを発揮することのたとえ。 「処女」は家にいる少女という意味から、未婚の少女のこと。 「脱兎」は逃げる兎。 おとなしい少女に見せかけて油断させ、その後に逃げる兎のような勢いで攻めるということから。 「始めは処女の如く後は脱兎の如し」を略した言葉。
白河夜船(しらかわよふね)
何も気がつかないほど、ぐっすり寝入っている様子のこと。 または、本当は知らないのに、知っているかのように振舞うこと。 「白河」は京都の地名。 京都に行ってきたと嘘をついた男が、「白河」はどうだったかと尋ねられたときに、男は白河を川の名前だと勘違いし「夜の船で、眠っている間に通り過ぎたからよくわからない」と答えたため、男の嘘がばれてしまったという故事から。 「白河」は「白川」、「夜船」は「夜舟」とも書く。
指鹿為馬(しろくいば)
間違っていたり、理屈に合わないと理解していても、無理に押し通すこと。 中国の秦の始皇帝の死後に、権力を得ようとした趙高は、二世皇帝に鹿を馬と言って献上した。 そのことに対して、何も言わなかった人や、それは馬だと言った人、鹿だと言った人がいたが、趙高は鹿と言った人は全て処罰したという故事から。 「鹿を指して馬と為す」とも読む。
心頭滅却(しんとうめっきゃく)
気を散らすような考えを消し去ること。 または、集中してことにあたれば、苦しさを感じないということ。 「心頭」は心の中。胸の内。 「滅却」は何も残らないように全て無くすこと。 「心頭を滅却すれば火もまた涼し」を略した言葉で、禅僧の快川が織田信長に寺を焼き討ちにされた際、燃え上がる山門でこの句を唱えたという故事から。
脣亡歯寒(しんぼうしかん)
互いに深い関係で繋がっていて、一方が滅びるともう一方も危険な状態になること。 「脣」は唇のこと。 唇と歯は互いに助け合う関係であり、唇が無くなると歯は寒くなるということから。 古代中国の虞の宮之奇が、虞とカクの国の関係をたとえていった故事から。 「脣亡びて歯寒し」とも読む。 「唇亡歯寒」とも書く。
自家撞着(じかどうちゃく)
同じ人の行動や言動が前後で辻褄が合わないこと。 「自家」は自分自身のこと、「撞着」は辻褄があわないこと、矛盾していること。
自家薬籠(じかやくろう)
自分の使いたい時に自由に使える物や技術、または人のこと。 「薬籠」は薬箱のことで、自分の家にある薬箱の中の薬はどれも役に立つものであり、必要なときに好きなように使えることから。
自画自賛(じがじさん)
「賛」は絵画に添える詩文のこと。 一般的には他人に書いてもらうもので、自分の絵画に自分で賛を書くことから、自分で自分をほめるという意味。
自業自得(じごうじとく)
自分が行ったことが自分に返ってくること。 悪い意味で使われることが多い。 自分の行動の善悪の業によって、苦楽の業を受けるという意味の仏教の因果の法則を表す言葉。
自縄自縛(じじょうじばく)
自身の縄で自身を縛るという意味から、自らの言動や心がけで身動きが出来なくなり苦しむこと。
弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)
弱者の犠牲があって、その上にいる強者が繁栄すること。
順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
特に問題が起きることなく、思い通りに物事が進んでいくこと。 「順風」は追い風。 「満帆」は船の帆をいっぱいに張ること。 船の帆が追い風を受けていっぱいに張り、順調に進んでいくという意味から。
常山蛇勢(じょうざんのだせい)
隙が無いことのたとえ。 または、文章の初めから終わりまで一貫していることのたとえ。 「常山」は中国の河北省にある山のこと。 兵法で、前後の陣や、左右の陣が互いに呼応して戦う隙のない戦法のこと。 常山に住んでいるとされる両頭の蛇は、頭を攻撃すれば尾で反撃して、尾を攻撃すれば頭で反撃して、体を攻撃すれば頭と尾で反撃するので隙が無いということから。
盛者必衰(じょうしゃひっすい)
栄えているものは、いつか必ず衰えて滅びるということ。 元は仏教語で、世の中が無常なことをいう言葉。 『平家物語』の冒頭の句として有名。
人口膾炙(じんこうかいしゃ)
多くの人たちから評判になって人気を集めること。 「膾」は生肉を細かく刻んだ食べ物、「炙」は炙り肉のことで、どちらも多くの人がご馳走として好んで食べるという意味から。 「人口に膾炙する」とも読む。
人主逆鱗(じんしゅのげきりん)
君主や支配者から怒りを買うことのたとえ。 「人主」は君主や支配者のこと。 「逆鱗」は竜の顎の下に逆さに生えているとされる一枚の鱗のことで、これに触ると竜は激怒して触った人を殺すという伝説から、上の立場の人からの激しい怒りを買うことのたとえ。 「人主もまた逆鱗有り」を略した言葉。
人事天命(じんじてんめい)
人として出来る限りの努力をして、結果は運命に任せること。 「人事」は人間ができること。 「天命」は運命。 「人事を尽くして天命を待つ」を略した言葉。
水魚之交(すいぎょのまじわり)
とても仲がよく、離れがたい交際や友情のこと。 その関係を魚と水にたとえた言葉。 三国時代、蜀の劉備が仲の良かった孔明を軍師に迎えたときに、古参の武将は不満をもらしたが、魚に水が必要なように私には孔明が必要だと言ったという故事から。
水清無魚(すいせいむぎょ)
心が清く高潔であっても、程度が過ぎると人に親しまれないということ。 「水清ければ魚無し」とも読み、澄み切った水には魚が住めないという意味から。
水滴石穿(すいてきせきせん)
小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえ。 「水滴」は一滴の水、「石穿」は石に穴をあけること。 水滴も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味から。 「水滴石を穿(うが)つ」とも読む。
青雲之志(せいうんのこころざし)
立身出世するために功名を得ようとする心。または、立派な人物になるために徳を磨こうとする志。 「青雲」は雲の上にある青空のことで、高位や高官、学問や道徳を修めた立派な人物という意味。
晴耕雨読(せいこううどく)
田園で心静かにのんびりと気ままな生活をすること。 晴れた日は畑を耕して、雨の日は屋内にこもって本を読むという意味から。
清濁併呑(せいだくへいどん)
善も悪も全て受け入れること。 人としての器が大きく、どんなことでも受け入れること。 「清濁」は清らかなものと濁っているもののことで、善と悪や、賢者と愚者などのたとえ。 清らかなものも濁っているものも全てを飲み込むという意味から。 「清濁併せ呑む」という形で用いることが多い言葉。
青天白日(せいてんはくじつ)
雲一つない晴れ渡った青空と輝く太陽のこと。 転じて、やましいことが一切ないことのたとえ。 または、無実が明らかになり、疑いが晴れることのたとえ。 「青天」は晴れ渡った青空のこと。 「白日」は明るく輝く太陽のこと。
転禍為福(てんかいふく)
災いや不幸を良い出来事に変えること。 悪い状況をうまく利用して、良い状況に変えることをいう。 「禍転じて福と為す」の形で使うことが多い言葉。
良薬苦口(りょうやくくこう)
ためになる忠告の言葉は聞き入れづらいということ。 よく効く薬は味が苦いために飲みにくいという意味から。 「良薬は口に苦し」とも読む。